著者
天笠 正孝 鈴木 誉一
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.1037-1038, 1971-05-05 (Released:2011-09-02)
参考文献数
6
被引用文献数
1
著者
田中 康雄 遠藤 剛 山本 良一 岡邨 直人 関根 裕之 大野 健太 佐々木 幸絵 加藤 健太郎 山本 智章
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.C4P2184-C4P2184, 2010

【目的】<BR>平成19年度より小学5年生以下を対象とした学童野球検診を行っている.2年間の学童野球検診の結果より成長期投球肘障害の要因として身体機能面だけでなく,指導方法や大会運営など選手を取り巻く環境の問題が考えられた.昨年から各試合の投球数報告を義務付け,1投手の投球数を70球以内とする努力目標を掲げている.今回,3回目の検診を行なうとともに,指導者に対するアンケート調査と投球数の調査を実施した結果から障害予防活動の課題・展望について報告する.<BR>【方法】<BR>対象は学童新人野球大会に参加した62チーム中検診を希望した33チーム482名(5年生275名,4年生154名,3年生42名,2年生10名,1年生1名).大会会場にブースを設け医師,PTによる直接検診として四肢の理学所見および肘関節の超音波診断を行った.異常のあった投手に医療機関の受診をすすめた.事前に問診票を配布し,身長,体重,野球開始時期,投球側,練習時間,疼痛の有無,ポジション,痛みがある時の対応などについて調査した.また指導者に対してアンケートを配布し,野球経験,指導経験,練習時間,検診の必要性,投球制限,日本臨床スポーツ医学会の提言の認知などについて調査し,大会期間中の投手の投球数報告を集計し解析した.<BR>【説明と同意】<BR>事前に文書と口頭で各チームの監督,保護者に対して検診の目的,内容について説明し同意を得ている.<BR>【結果】<BR>超音波による直接検診で上腕骨小頭障害の選手は482名中8名(1.7%)であった.事前に配布した問診票は523名から回収し,肩・肘に痛みを感じたことのある選手は227人(43.4%).「肩・肘の痛みがあるとき誰に知らせるか」の質問に260名が回答し,親160名(61.5%),監督53名(20.4%),知らせない29名(11.2%),その他18名(6.9%)であった.「肩・肘に痛みがあるとき,投げることを休んだか」の質問に対し209名が回答し,「休んだ」98名(46.9%),「ポジションを変えた」7名(3.3%),「休まなかった」104名(49.8%)であった.複数回答による疼痛部位は,肩97名,肘86名,足首54名などであった.また指導者のアンケートでは38名(51.3%)から回答があり,年齢43.9±7.0歳,指導経験7.2±7.8(1~35)年で日本臨床スポーツ医学会の提言を知らない指導者は27名(71.1%)であった.大会での投手の投球数はコールドゲームを含めた大会98試合での投球数は平均78.9球であったが,コールドゲームを除いた34試合では88.1球で,投手交代の無かった試合での一人あたりの投球数は平均75.5球であった(昨年87.8±14.0).<BR>【考察】<BR>学童野球検診の目的は障害の早期発見であるが,大会会場にて直接検診を実施し,8名(1.7%)の上腕骨小頭障害を発見することが出来た.一方,問診票の結果から野球の競技特性から肩・肘の疼痛の訴えが多い.肩・肘に痛みがある場合,親に知らせる選手が160名(61.5%)と多く,肩・肘に痛みを有していても投球を休まない選手が104名(49.8%)と半数近い結果となった.成長期投球障害は進行した状態で初めて医療機関を受診する可能性があるため,チームの監督・コーチだけでなく保護者への障害予防の啓発も重要と考えられる.今回の投球数ではコールドゲームを除いた一人投手試合では平均75.5球と昨年の大会における同様の調査に比べて12球の減少で,投球数制限に対する指導者の理解が少しずつ浸透している結果と考えられた.しかし日本臨床スポーツ医学会の提言における50球という制限をはるかに越えていることから,今後さらに障害を予防するために現場と医療側との連携が求められる.<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR>学童野球検診は障害を早期発見することが目的である.特に上腕骨小頭障害は重症化することが報告されており検診において早期発見する意義は大きい.検診結果,問診結果,投球数を検討することは現在の子ども,監督の状況を把握し,野球をする子どもたちを守るための障害予防の一助になると考えられる.
著者
池田 重人 志知 幸治 岡本 透
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.129, 2018

<p>これまでに演者らが秋田周辺地域でおこなってきた花粉分析の結果から、天然秋田スギの衰退は中世の時代にはすでに始まっていた可能性が示された(第128回大会)。これらの中で、鳥海山北麓の桑ノ木台湿原で採取した堆積物試料を用いて、大型微粒炭(>250μm)の出現傾向から近傍で起きた火事の時代変化を明らかにし、花粉分析による植生変遷過程と合わせて考察した。大型微粒炭は、深度65cm(約1000年前)以深と表層ではほとんどみられず、深度65~30cmにおいてのみ多数検出された。大型微粒炭の増加と連動するようにシダ(単条溝型胞子)が増えた後イネ科が圧倒的な優勢を示し、やや遅れてカヤツリグサ科やマツ属が増加した。一方、スギは約2500年前以降優勢を保っていたが、大型微粒炭の増加とともに減少し、深度40~25cmでは10%台まで落ち込んだ。これらの一連の変化は、火入れや伐採などの人為的な活動の影響を反映したものと考えられた。</p>
著者
市川 玲子 村上 達也
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.112-122, 2016
被引用文献数
3

<p>パーソナリティ障害(PD)は対人関係機能の障害によって特徴づけられ,その根底にアタッチメント・スタイルの影響が指摘されてきた。先行研究において,境界性・自己愛性・演技性・依存性・回避性PDと不適応的なアタッチメント・スタイルとの関連や,これらの精神的健康への影響について明らかにされているが,媒介プロセスについては検討されていない。そこで本研究は,不安定的なアタッチメント・スタイルが,これと関連するPDを媒介して精神的健康に及ぼす影響について検討することを目的とした。調査対象者は298名の大学生であり,各PD傾向,2次元から構成されるアタッチメント・スタイル,抑うつに関する項目に回答した。共分散構造分析と媒介分析の結果,境界性・回避性PD傾向が2種のアタッチメント・スタイルと抑うつの間を媒介することと,演技性PD傾向は見捨てられ不安と抑うつの間を媒介して抑うつの低さに寄与することが示された。</p>
著者
時田 澄男
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.A6-A10, 2015 (Released:2015-03-30)
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

水素原子のなかの電子を描くいろいろな手法を比較した.電子の存在確率をガラスブロック内に実3次元で彫刻する方法における確率の雲(電子雲)の物理的意味を,確率密度の分布図を描くことにより説明した.
著者
宮新 美智世 松村 木綿子 石川 雅章
出版者
The Japanese Society of Pediatric Dentistry
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.987-994, 1994
被引用文献数
2

歯髄切断法の術式と長期的臨床経過を検討することを目的として,外傷により歯冠破折をきたした幼若永久歯64歯に対して,歯髄切断後長期にわたり臨床的X線学的な経過観察を行った.患児は60名で初診時年齢は平均9歳3か月,経過観察期間は3年から19年まで平均10年1か月であった.その結果,46歯(72%)が経過良好であった一方,術後5年以内に歯髄炎もしくは歯髄壊死が18歯(28%)に認められたが,歯髄生存中は歯根形成の継続が見られた.X線写真上のdentin bridgeは58歯(91%)に,多くは術後1年以内に認められ始めた.うち12歯は歯髄炎または歯髄壊死に陥った症例であった.経過良好例のうち33歯に対しては,糊剤を除去してdentin bridge上における電気歯髄診断,抵抗値測定,糊剤の再貼布を試み,除去した糊剤を光学顕微鏡により観察した.この結果,修復物下には空隙,壊死組織などが観察された.dentin bridgeには穿孔もなく,その電気抵抗値には幅があった.dentin bridge直上での電気歯髄診断への反応値は歯冠上における値よりも小さい傾向があった.糊剤の再貼布後の異常はなかった.以上から,歯髄切断後におけるdentin bridgeの形成は必ずしも良好な予後を確約せず,糊剤を再貼布することや,術後経過を5年以上観察することが望ましいことが示唆された.
著者
佐藤 圭 田中 友里愛 李 紅 小川 志保 畠山 史郎
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.145-153, 2007
参考文献数
26
被引用文献数
2

To study long-range transport of organic aerosols from East Asian countries to the East China Sea, 3- to 7-ring parental polycyclic aromatic hydrocarbons (PAHs) in aerosols collected at Cape Hedo, Okinawa, Japan (128.3°E, 26.9°N) during 2005-2006 were analyzed by high performance liquid chromatography. The total PAH concentrations were 0.00-16.0 (av. 1.22) ng m<sup>-3</sup> during the entire period. The seasonal average of total PAH concentration increased between winter and spring and decreased in summer. It is interpreted that the pollutants are transported to Cape Hedo by the monsoons from the Asian Continent between winter and spring, whereas oceanic air mass is transported by the monsoons from the Pacific in summer. The benzo[a]pyrene to benzo[e]pyrene ratios were 0.23-0.98 (av. 0.48) in winter and were lower than that measured in East Asian cities, showing that PAHs observed at Cape Hedo are aged by the photochemical reactions proceeding during long-range transport. The average total PAH level measured at Cape Hedo was only 1/10-1/20 of those measured in Japanese cities, but a total PAH level comparable with the average levels in Japanese cities was recorded during a long-range transport event in March, 2006.
著者
柳沢民雄
出版者
名古屋大学
雑誌
言語文化論集
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, 2002-03-08
著者
根本 悦子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.870-871, 1996-11-25

日本は子どもポルノ天国 ベルギーの連続少女誘拐殺害事件などに国際的な関心が高まるなかで,8月末にスウェーデンのストックホルムで「児童の商業的性的搾取に反対する世界会議」(スウェーデン政府,国連児童基金=ユニセフ=など主催)が開かれた。 会議には120か国約1200人が参加。日本からは政府代表団(代表・清水澄子参院議員)と日弁連関係者,非政府組織(NGO)のメンバーら計18人が出席している。
出版者
日経BP
雑誌
日経ビジネス = Nikkei business (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.2035, pp.12-15, 2020-03-30

第一生命経済研究所の永濱利廣首席エコノミストによれば、経済効果は開催年を含む3年間で約17兆円あるという東京五輪。そのうち8割以上がインフラ整備関連で、既に効果が出ているという。 残りの2割、訪日客の特需や消費増約3兆円に関しても、中止の場合は需…
著者
古賀 菜津季 大田尾 浩 上城 憲司
出版者
公益社団法人 佐賀県理学療法士会
雑誌
理学療法さが (ISSN:21889325)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.23-28, 2017-02-28 (Released:2017-04-12)
参考文献数
9

要旨:[目的]1 分間語想起スクリーニングテストによる認知機能低下を判別するカットオフ値を検討した。併せて語想起された産生語の傾向について調査した。[対象]地域在住の女性高齢者51名(平均年齢:76.7±8.1歳)とした。[方法]測定項目は,1 分間語想起スクリーニングテスト,挙げられた産生語,Mini-mental state examination(MMSE)とした。1 分間の語想起テストは1 分間にできるだけ多く動物名を挙げるように指示した。各測定項目の関連を相関係数にて検討した。また,MMSE から認知機能低下の有無を群分けし,1 分間語想起スクリーニングテストの ROC 曲線を描出しカットオフ値を検討した。[結果]1 分間語想起スクリーニングテストと MMSE とのあいだに(r=0.49,p<0.01)有意な相関が認められた。ROC 曲線のAUC は0.74〜0.99であり,認知機能低下を判別する 1 分間語想起スクリーニングテストのカットオフ値は12/11個(感度100.0%,特異度53.3%,正診率58.8%)が適切であると判断された。産生語は回答率が高い順に,イヌ,ネコ,サル,キリン,トラ,ウシであった。[結論]1 分間語想起スクリーニングテストは認知機能低下の発見に有用であることが示された。また,語想起された産生語はペットや干支の動物名を挙げることが多いことが明らかとなった。