著者
巻出 義紘
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.302-306, 1997
参考文献数
7
被引用文献数
1

南極上空のオゾンホールは年々規模が拡大し, 最悪の状態が続いている。先進諸国が多い北半球上空でも著しいオゾン減少が観測されている。これら成層圏オゾン層破壊をもたらす人工物質フロンは, 10年前の1987年に締結された「モントリオール議定書」により1990年から国際的に規制され, その後先進国における生産は全廃された。その結果, 大気中濃度増加傾向にも少しずつ変化が現れている。これらフロン類の大気中濃度の分布と変動の現状, 代替フロンの利用状況, オゾン層破壊や地球温暖化など将来の地球環境への影響について紹介した。
著者
浅野 みどり 三浦 清世美 石黒 彩子
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.6-13, 1999
参考文献数
16
被引用文献数
3

アトピー性皮膚炎の乳幼児(生後6ヵ月〜4歳未満)をもつ母親の育児困難感の現状を明らかにする目的で、26名の母親を対象に日々の育児で「困難である」と感じることについて、面接ガイドを用いた半構成面接を行った。母親全員から抽出された「困難感」は137件で、宮本の困難感覚の4類型に分類した結果、看護上問題になりやすい悲観的な困難感は、「不全感」15件と「行き詰まり感」19件で困難感全体の25%を占めた。「不全感」では、一生懸命努力しているのに報われないと理想と現実のギャップに怒りを抱え、「行き詰まり感」では、症状コントロールに有効な対処法がなく疲れ切っていた。一方、「適応感」は18名の母親から55件が抽出された。「前向きな考え方・楽観的な性格」「家族ぐるみ」「自分にあったケアをみつける」「優先順位を決める」などの行動特性に関連していると考えられた。
著者
日下 力
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.33, no.9, pp.25-34, 1984

本稿は、為朝像がいかなる過程をへて『保元物語』に定着されるに至ったかを見極めるべく、為朝に関する歴史史料類の再検討から始め、物語の表現、定着の時点に論及した。要は、為朝が地方(辺境)という闇を背負いつつ、都での瞬時の活躍という光の部分を共有したことの中に、英雄像としてふくらんでいく秘密があったのではないかとする点にある。その意味で、中世の時代相と不可分の関係において英雄像は誕生したと考える。
著者
林 裕栄
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.2_23-2_34, 2009-06-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
19

本研究の目的は,訪問看護師の精神障害者への援助における困難を明らかにすることである。研究方法は,M-GTAを用いた。研究参加者は,2カ所の訪問看護ステーションに勤務する訪問看護師9名に対して主にインタビュー調査を行った。調査期間は、2002年11月から2003年8月および2005年8月から10月であった。 在宅精神障害者の訪問看護の困難は,[契約遂行の困難][在宅での援助の困難][関係者との連携の困難][看護師同士で支え合うことの困難]の四つのカテゴリーで構成された。 看護師の抱える困難を解消するには,訪問看護師への教育や,利用者,訪問看護師,病院側の三者の合意形成が必要である。そして看護師が継続した,安定的な援助を行うためには,何よりもまず訪問看護制度やケアマネジメントシステムの体系化・明確化が図られる必要がある。これにより初めて訪問看護師が自立した援助を行うことができることになる。
著者
桜庭 麻衣子
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.230, pp.85-88, 2003-11

1947年大阪府生まれ。69年に同志社大学を卒業後、大手エンターテンイメント会社の渡辺プロダクション(ナベプロ)に入社。アン・ルイスなどのマネジメント、テレビ番組のプロデュース、レコード原盤制作などを手掛けた後、同社初となる若者向けのロック・ミュージック・レーベルを立ち上げて注目される。88年に同社を退社し、自ら音楽会社を起業。
著者
吉田 祥子 穂積 直裕
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

自閉症または神経変性誘発が疑われる化学物質である、バルプロ酸(VPA)、トリコスタチンA(TSA)、クロルピリホス(CPF)、リポポリサッカライド(LPS)、グリホサート (GLY)を胎生期ラットに曝露し、VPA、TSAで神経死の過剰抑制、CPF、LPS、GLYで過剰神経死を観察した。神経死は炎症性サイトカイン発現と相関があり、特にGLYでは発達依存的にサイトカインの上昇が見られた。同時に現れる小脳褶曲の変化は別の機序を持つことが示唆された。VPA曝露動物の行動はADHD様、GLY曝露動物はASD様を示した。VPA曝露へのオキシトシンの投与、GLY曝露への酪酸投与で神経発達異常が軽減した。
著者
今橋 聡 鍋坂 信也 中里 俊二 河辻 輝之 本川 禎久
出版者
社団法人 日本印刷学会
雑誌
日本印刷学会誌 (ISSN:09143319)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.397-413, 2008

The market and technical developments for flexo printing system in Japan was behind to Europe and America. Today's market share of flexo printing in Japanese printing industry is only 9% and most field of flexo printing is occupied by corrugated cardboard printing and paper bag printing. Flexo printing has a lot of advantages, such as the use of environment-friendly inks, suitability to printing with many varieties of small lot and short delivery date and energy saving high speed printing. Printing quality in flexo printing has improved and come to be almost comparable with gravure printing or offset printing thanks to technical innovation namely high-performance printing press, high-quality ceramic anilox roll, chambered doctor-blade system, digital plate-making system and so on. Recently in Japan much interest for flexo printing process has been increased especially in flexible packaging industry, due to current environmental issues and demand for cost reduction. At present some issues for expanding of flexo market have been pointed out. These include cost reduction of materials and machines, improvement of performance of water based on flexo ink, and development of prepress technology suitable for flexo. Flexo printing is expected to be improved in performance, replace gravure printing in flexible packaging industry and offset printing in carton industry and be used in new markets in near future. It has been pointed out that the combination of flexo printing with other printing systems, such as offset printing and gravure printing will lead to creation of new demands and new markets.
著者
加須屋 誠
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.17-28, 2000

十二世紀末に制作された絵巻物『病草紙』は病苦を浄土教的な無常感から主題化し、それを写実的に描いた絵画作品であるとこれまで美術史では位置づけられてきた。しかし、文学作品研究に倣い、その画面の構造分析を試みると、『病草紙』は決してそのような絵画でないことが明らかとなる。むしろ、それは古代/中世の時代の移行期にあった皇族貴族たちの動揺する価値観や抑圧された欲望あるいは不安に満ちた予感が投影された、まさしく《終末イメージ》の表象として解読される。
著者
岡山 健夫 平山 喜彦 西崎 仁博
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.155-161, 2007 (Released:2007-09-06)
参考文献数
19
被引用文献数
3 3

イチゴ炭疽病のベノミル耐性菌を対象に選択培地を考案し,潜在感染部位および生存部位を調査した.PSA培地を用い,炭疽病菌の生育を比較的阻害せず他の糸状菌の生育を抑制する薬剤としてベノミル50 ppm,トリフルミゾール30 ppmを選択し,細菌の生育抑制のためにオキシガル100 ppmとストレプトマイシン硫酸塩50 ppmを添加して選択培地を作製した.この選択培地は選択性が高く,潜在感染株や枯死株の小葉,葉柄,葉柄基部,根冠部からは高率に炭疽病菌が分離され,鉢土からも分離できた.潜在感染株では,外側葉位の小葉や葉柄,葉柄基部から炭疽病菌が高率に分離され,内側の葉位になるほど検出率が低下したが,最も新しい内部の小葉からも分離された.炭疽病菌の灌注接種株には汚斑症状は見られず,小葉が褪色して萎凋した.105~106胞子/mlの灌注接種株は,全株が萎凋または枯死し,102胞子/ml以下の接種株も低率ながら萎凋症状を呈した.灌注接種株の根から炭疽病菌が高率に分離され,葉柄,小葉の順に検出率が低下し,根または地際部からの侵入感染が示唆された.炭疽病菌は,分生子懸濁液を灌注したピートモス・バーミキュライトやオガクズ,砂などの培養土から1ヶ月以上経過後も検出された.以上のことから,本菌はイチゴの葉,葉柄,葉柄基部,根冠部に潜在感染し,イチゴが植えられていない育苗用土で長期間生存することが明らかになった.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.620, pp.54-57, 2005-02-21

米JPモルガンのアウトソーシング解約は、他人ごとではない。ドライな米国企業と異なり一気に解約には至らないものの、「こんなはずではなかった」とアウトソーシングを後悔している日本企業は少なくない。自前主義への回帰を模索する企業も登場している。
著者
大沼 晴暉
出版者
慶應義塾大学
雑誌
斯道文庫論集 (ISSN:05597927)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.375-443, 1998-02-28

資料紹介
著者
征矢 一男
出版者
信州大学附属図書館
雑誌
信州大学附属図書館研究 (ISSN:21867593)
巻号頁・発行日
no.3, pp.75-85, 2014-01-31

信州大学附属図書館研究. 3: 75-85 (2014)