著者
倉光君郎
雑誌
第54回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.27-34, 2013-01-11

Mini Konoha�は、究極の、もう少し具体的にいえば人類が開発する最後のスクリプト言語処理系、つまりもう新しいスクリプト言語は設計しなくてもよいといえる仕様の実現を目指している。本稿では、Konoha/KonohaScriptの開発経験からふりかえり、言語性能、応用領域、文法やプログラミング教育、ソフトウェア工学との関係など、様々な面から究極なスクリプト言語の設計を考えてみたい。
著者
森田 都紀
出版者
京都造形芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

昨年度までの史料調査をふまえ、今年度は、主に一噌流宗家伝来の史料から重要と思われるものの解析を進めた。具体的には、『一噌流笛秘伝書』(早稲田大学演劇博物館蔵)、『矢野一宇聞書』(早稲田大学図書館蔵)、『笛の事』(法政大学鴻山文庫蔵)、『一噌流笛唱歌付』(早稲田大学演劇博物館蔵)、『貞享三年符』(早稲田大学演劇博物館蔵)、『順勝院噌善手記』(早稲田大学演劇博物館蔵)、『能学(ママ)秘伝書』(早稲田大学中央図書館蔵)、『寛政三年平政香笛唱歌』(法政大学鴻山文庫蔵)などをはじめとする、初世から八世までの代々の宗家の影響下にて成立した諸史料である。役者個人の忘備録として記されたものと、子孫や弟子に伝承するために記されたものとがあり、史料により性格は異なっている。またその内容も、由緒や芸談を記すものから、唱歌付や頭付等の演奏を記した楽譜の類まで幅広い。そこで、研究対象史料の性格を明らかにするために、史料の基本事項のデータベース入力を進めた。また、それと平行して、由緒や芸談等に記された記事の内容と、唱歌付や頭付を読み解くことで明らかになった演奏実態とを照合し、両者の記述を相互補完する形で演奏技法の具体相を総合的に検証しようとした。以上により、流儀としての演奏技法が成立する道筋の一端を窺えたが、一方で、史料数に制約があることと、伝書によっては記述が断片的であることなどによって、歴史的変化を体系的に考察できず、まとまった成果につながらなかった。
著者
野津 寛 納富 信留 吉川 斉 葛西 康徳
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

近現代日本における古代ギリシア演劇研究および受容の諸相を追究し、古代ギリシア演劇研究および受容・上演が将来進むべき方向性を示唆するため、私たちの基盤研究(基盤C 17K02590)を発展的に継承する。(1)近現代日本における古代ギリシア演劇の受容の実態調査。(2)わが国の古代ギリシア悲劇の受容と上演の活動全体が、能など日本固有の伝統演劇の諸要素の積極的活用の有無という根本的な選択の相違によって、受容の2大類型に分類できることを明らかにする。(3)西洋人による古代ギリシア悲劇と能の比較研究について、宗教学的・人類学的な比較対照研究の伝統という観点から日本における研究・受容の在り方を問う。

1 0 0 0 OA 「三夢記」考

著者
[ナガタニ] 弘信
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.84, no.3, pp.707-732, 2010-12-30 (Released:2017-07-14)

専修寺には建長二年(一二五〇)に親鸞が末娘覚信尼に与えたとされる「建長二年文書(「三夢記」)」が伝来している。従来後世の偽作とされてきたこの文書であるが、古田武彦が『親鸞思想-その史料批判』(冨山房、一九七五年)等において真作説を提唱して以来その真偽が議論されてきた。今回筆者は「三夢記」に添えられた「書簡」の「親鸞が建長二年、覚信尼の要請に応えて『四十八願文』とともに「かたみ」として与えた」という記述に着目、検討を加え、「三夢記」が偽作であること、併せて、元久二年(一二〇五)の親鸞の改名-従来は「綽空」から「善信」への改名であると考えられていたが、筆者はこれを「親鸞」への改名であると考える-を促したとされる建久二年(一一九一・親鸞十九歳)の磯長の聖徳太子廟での夢告が史実ではないことを論証していくこととする。
著者
無着成恭編
出版者
麦書房
巻号頁・発行日
1970
著者
河野 光久 國森 拓也 馬場 俊典
出版者
山口県水産研究センター
巻号頁・発行日
no.15, pp.35-43, 2018 (Released:2018-06-15)
著者
大山 将
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.465-470, 2020-09-30 (Released:2020-09-30)
参考文献数
16

水銀汚染土壌(模擬汚染土壌および実際の汚染土壌)に対して,酸化マグネシウム系材料(マグネシウム系固化材)および高炉セメントB種により不溶化処理を検討した室内試験の結果および不溶化処理土の長期溶出挙動の観察結果について報告する。水銀溶出量によっては助剤の併用が必要であるが,マグネシウム系固化材は水銀に対して安定して高い不溶化効果が長期間持続することが最長10年の観察により確認された。高炉セメントB種についても,水銀に対して一定の不溶化効果を発揮すること,材齢の進行により不溶化効果が増加すること,中性化(pH低下)により不溶化効果が低下する可能性があることを示した。
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.246, 2018

協力:学校法人文化学園 文化服装学院第44回 日本重症心身障害学会学術集会ファッションショーによせて僕のおしゃれ東部療育センターの来年成人を迎える吉田優希です。僕はおしゃれが大好きです。僕のおしゃれの原点は母で、僕が好きになった物や興味の持ったことには全力でサポートしてくれました。戦隊シリーズや孫悟空、学校でもとことん変身する楽しさを教えてくれました。そしてたくさん誉めてくれました。次は憧れるということです。僕の大好きなアーティストと同じジャージ、同じ衣装を着ることで気持ちもかっこ良くなれる気がします。自分でも少しかっこ良くなって、回りのスタッフが喜んでくれたり、驚いたりされるのもとても楽しくて嬉しくなりました。最後はこだわりを持つということだと思います。僕達は自分でお店に行ったりすることは出来ないのですが、好きな色や好きなスタイルがあります。僕の母は売っていない柄のネクタイを作ってくれたり、スマホでファッションサイトを見せてくれたりします。その中で僕の好きなアイテムを相談して決めています。大人の男になりたい今は、ときどきネクタイをしてスタッフを驚かせたりしてますが、できることなら毎日シャツにネクタイのかっこイイスタイルで毎日を過ごしたいと思っています。センターで過ごすときは、ラフなTシャツなどを着ています。襟元にこだわったりデザインにこだわったりし、サングラスも母との散歩時には必需品なので買い物のときは必ずチェックして買ってしまいます。母は男の子はかっこいい方が素敵だと教えてくれました。高校を卒業してから母に茶髪にしてもらい、いつか金髪かグレイ系にしたいなあといつも母と話しています。障害があるとおしゃれをしない人がたくさんいてびっくりしますが、ちょっとだけこだわったりすると僕達はかっこ良くなります。自分で考えたり悩んだりすると楽しくて、今まで似合わなかったのが似合うようになると欲がでてきます。おしゃれは僕の心も大人にしてくれました。回りのスタッフとのコミニュケーションツールでもあるし、母の支えでもあると言っていました。おしゃれのこだわりは車椅子にも持っていて自分の意思を伝えています。僕はこだわりを持ち、常にかっこ良くなれるように大好きな三代目JSBの今市隆二さんを目指して元気で過ごしていこうと思っています。僕達にとっておしゃれは生きていくために「感性と元気をもらえる素敵なこと」なのです。これからも色んなことを学んでいきたいです。今回、文化服装学院の先生や学生さんが、僕達の気持ちを受け止めてくれて本当に感謝しています。僕達のような障害を持つ仲間は、体つきも健常者とは違っていますし、手足も十分動かすことができないですが、それが僕達のチャームポイントだと思っています。さあ、これからどんなファションショーになるか本当に楽しみです。そして本当に本当にありがとうを心から贈りたいと思います。そして学生さんたちとの出会いを感謝し大切にしたいです。有難う!吉田 優希 母出演予定者(敬称略 50音順) 東京都立東部療育センター 岩瀬雅弘菊池未来佐田晴香内藤奈々山田桃子
著者
北村 享之
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.558-566, 2016-09-15 (Released:2016-11-05)
参考文献数
27

周術期高血糖は手術予後を増悪させる独立因子である.術前管理や術後管理も糖代謝に大きな影響を及ぼしうるが,術中においては,手術侵襲だけでなく,麻酔管理方法や麻酔薬などのさまざまな因子が糖代謝を大きく変容させる.術中糖代謝管理においては,エネルギー需給バランスを維持し,高血糖が惹起しうる弊害を回避することが重要である.さまざまな因子が術中糖代謝に及ぼす影響の全容が未解明であるため,残念ながら術中血糖値管理指針は未確立のままである.この分野の研究が発展することにより手術予後の改善に寄与しうる術中血糖値管理指針が確立されることを期待したい.
著者
尹 遠東 中野 公彦 鄭 仁成 山邉 茂之
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.189-194, 2015-03-01 (Released:2015-03-30)
参考文献数
4

地上信号機の情報を路車間通信によって車に伝達し,信号機情報を車内に表示する車内信号を提案し,安全運転支援システムの一環として使用することを考える.ただし,車内信号を使用する際には,信号表示を視認する必要があるため,前方注視を妨げないか等,ドライバの運転行動に与える影響を検討する必要がある.車内信号システムを構築し,ドライビングシミュレータ実験を通じて,ドライバの運転操作,視行動,アンケートによる評価により,提案した車内信号の信号モードと信号表示装置がドライバ運転に与える影響を評価する.

1 0 0 0 OA 超伝導浮上

著者
村上 雅人
出版者
公益社団法人 低温工学・超電導学会 (旧 社団法人 低温工学協会)
雑誌
低温工学 (ISSN:03892441)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.414-418, 2007-12-25 (Released:2008-10-28)
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

In this article, the mechanism of stable levitation by bulk high-temperature superconductors is presented. Superconductor levitation is fascinating and thus displayed in various demonstrations. In general, superconductor levitation is explained in terms of the Meissner effect, which is not applicable in the case of levitating a permanent magnet by Y-Ba-Cu-O cooled with liquid nitrogen. For stable levitation in free space, the restoring forces must act on the levitated object in three rectangular directions, which cannot be fulfilled by simple diamagnetic levitation like that found with the Meissner effect. A pinning effect that fixes quantized fluxoids is the source of such restoring forces, and therefore, superconductor levitation is stabilized by flux pinning.
著者
浅野 大喜 福澤 友輝 此上 剛健 信迫 悟志 森岡 周
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1002, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】何らかの障がいを抱える子どもの親は,育児に対するストレスが高く,それが養育態度に影響することが知られている(眞野ら,2007)。また親の養育態度は子どもの行動にも影響を与える(Williams, et al., 2009;Rinaldi, et al., 2012)。本研究の目的は,身体および知的障がい児の母親の養育態度について調査し,定型発達児の母親の養育態度と比較すること,また母親の養育態度と障がいをもつ子どもの問題行動との関係について調べることである。【方法】対象は,身体障がい児や知的障がい児をもつ母親32名(以下,障がい群)と定型発達児の母親48名(以下,定型発達群)の計80名である。除外基準は子どもが3歳未満の場合,子どもの移動能力が屋内自力移動困難な場合とした。養育態度の評価は,Robinsonら(1995)の養育スタイル尺度をもとに中道・中澤(2003)によって作成された16項目(“応答性”の養育態度8項目,“統制”の養育態度8項目)を使用し,5段階のリッカート尺度で母親に回答を求めた。得られた結果に対して確証的因子分析を行い,“応答性”4項目,“統制”4項目が抽出されたため,それらの平均値をそれぞれの養育態度の指標とし,2群間で比較した。また,障がい児の問題行動を調べるために,子どもの行動チェックリスト(Child Behavior Checklist:CBCL)を用いて母親に評価の遂行を要求し,得られたものから内向尺度(内在化行動),外向尺度(外在化行動),総合点のT得点を算出した。そして,子どもの問題行動と母親の養育態度,子どもの年齢との関係について調べるため,問題行動を目的変数,子どもの年齢と母親の応答性,統制の各養育態度を説明変数とした重回帰分析(強制投入法)を実施した。統計学的有意水準は5%とした。【結果】両群の子どもの年齢,男女比,第一子の割合に有意な違いはなかった。母親の養育態度の比較では,応答性の養育態度に2群間で違いはなかったが,統制の養育態度は障がい群が定型発達群よりも有意に低かった(p<0.01)。重回帰分析の結果,子どもの問題行動全体と有意に関連する因子として統制の養育態度が抽出された(β=-0.40)。また内在化問題行動については,年齢のみが有意な説明変数として抽出された(β=0.37)。【結論】障がい児の母親は統制の養育態度が定型発達児の母親よりも低かった。子どもの問題行動については,年齢とともに内在化問題行動が高くなる傾向があったが,問題行動全体としては母親の統制の養育態度が高いほど子どもの問題行動が少ない傾向が明らかとなった。