著者
内田 和義 中間 由紀子
出版者
日本農業経済学会
雑誌
農業経済研究 (ISSN:03873234)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.115-128, 2015-09-25 (Released:2017-07-06)
参考文献数
61
被引用文献数
2

昭和20年代の生活改善普及事業について,農林省の方針とそれに対する岩手県の対応を中心に考察した.当事業の目的の1つは農家生活の改善にあった.もう1つが農村の民主化に寄与することであった.同省は普及事業の主務課として農業改良課の設置を自治体に求めた.また女性主体の自主的な生活改善グループを担い手とすることを求めた.しかし岩手県は農林省の方針に反して農業改良課を設置せず,また有力な農民リーダーのいるムラを生活改善指定部落として,男性主導で生活改善を進めるという方針をとった.波及効果を考え,目に見える台所改善を優先的に進めた.
著者
島田 慶一
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本護謨協會誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.11, pp.748-752, 1937

本研究は、有機促進劑の分析化學上に於ける新應用を發見するの目的を以て遂行せられたるものにして、本報文に於ては、有機促進劑に依る銅の微量分析を取扱へり。研究結果の要旨次の如し。<br>(1) チオカーバニライドの0.1%クロロフォルム溶液を以て、銅の微量を比色的に檢出及び定量するに成功せり。本試藥を島田試藥と命名し、其比色分析法の詳細を記述せり。<br>(2) ヂチオカーバミン酸の金屬鹽の0.05%クロロフォルム溶液を用ひて、銅の微量を檢出並に定量する新方法を記載せり。<br>(3) 可溶性銅鹽の水溶液を使用し、簡便にチオユレア系及びヂチオカーバメート系促進劑を鑑別する新方法に就き記載せり。
著者
東海林 正弘 平谷 和幸 小山内 信 張 立也 朴 鑽欽 刀塚 俊起 横澤 隆子
雑誌
日本薬学会第140年会(京都)
巻号頁・発行日
2020-02-01

【緒言】丹参を主薬とする冠元顆粒は、国内で開発された生薬製剤で、第2類医薬品に分類されている。我々は、冠元顆粒並びに構成生薬の活血化瘀作用に注目し、糖尿病性腎症の進行に対する治療効果を検討しているが、本報では2期、並びに3期の患者に対する治療効果を検討した。【方法】真生会富山病院糖尿病センターの外来を受診し、漢方治療を希望した糖尿病性腎症患者 (2期3症例、3期2症例) に、冠元顆粒 (丹参、芍薬、川芎、紅花、木香、香附子からなる漢方方剤) を1日3包7.5 gを6ヶ月間連日経口投与した。なお、従来より服用している内服薬及び注射剤は継続投与した。【結果】いずれの患者も、自覚症状として肩こり、頭痛、手足の冷え、疲労感、胃・腹部の張り、腰や身体の痛み・痺れ等を訴えていたが、投与2ヶ月から問診票スコアの著しい改善が認められ、身体が楽になった、軽くなった、疲労感が改善された等の変化を示した。生化学的所見では、血清クレアチニン (Cr) がいずれの症例においても低下し、特に推算糸球体濾過値 (eGFR) は冠元顆粒投与6ヶ月前から低下していたが、投与6ヶ月の時点で有意に上昇していた。また2期患者において、尿蛋白、尿アルブミンの改善が見られ、投与5ヶ月以降は正常レベルを示した症例も見られ、中にはHbA1cの低下、収縮期と拡張期血圧が低下する症例も見られた。【結論】冠元顆粒を服用した糖尿病性腎症2期、並びに3期の患者5例において、自覚症状と腎機能 (eGFR、血清Cr) の改善が認められた。
著者
安田 利枝 ヤスダ リエ Rie Yasuda
雑誌
嘉悦大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.1-24, 2005-04-30

1999年の地方自治法(LSGA)は、開発援助の与え手(ドナー)側の援助思潮ならびに開発戦略に基づいて、分権化の原則と政策、参加型開発の定式化、地方政府機関の確立に向けて相当程度包括的な法的枠組みをもたらした。しかしながら、1982年地方分権法とこれに続く分権化スキームと同様、問題は法の実効性、運用、実施にある。実施を阻害する要因として、多くの研究者が、高度に権力を集中させた封建的、権威主義的、世襲制的政治、中央政府の実質的コミットメントの欠如、財政分権化への中央省庁の抵抗、地方政府機関の弱体な管理運営能力等を指摘してきた。だがむしろ根源的な問題は、ネパールの恩顧主義の政治文化に支えられて、課題設定権力がドナーの側にあり、ネパール政治社会に適合的な制度設計の代替案が十分に検討されてこなかったことにある。
著者
加藤 浩子 宮脇 郁子 山崎 和夫
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.41-45, 1999

総合集中治療部で治療を要した産科患者の頻度,原因,転帰を調査し,産科重症患者の内容を分析した。1985~1996年に当院集中治療部に入室した産科患者は40名で,頻度は同時期の全ICU入室患者数の0.17%であった。入室理由は産科的合併症によるものが75%,内科疾患合併が25%で,主たる産科合併症は妊娠中毒症,分娩後出血,胎盤早期剥離であった。入室経路で比較すると,転送患者は院内患者に比し入室時のAPACHE IIスコア,妊娠中毒症の重症度,濃厚治療を要した合併症率が有意に高く,ICU在室日数も有意に長かった。40症例中26症例(65%)が1日でICUを退室し,死亡は羊水塞栓の1症例のみであった。産科重症患者は迅速かつ適切な処置を行えば予後は良好であり,その意味で集中治療部の存在の意義は大きい。産前管理の重要性が再認識されたとともに,今後妊娠中毒症の解明により重症患者の頻度の軽減が期待される。
著者
伊東 繁 一宮 和彦 山本 友和
出版者
社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会九州支部講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2001, pp.99-100, 2001

いま地球環境の保全問題が、官民を通じて真剣に論じられ、多様な対策が講じられている。なかでも近年深刻な問題である大量廃棄物については、近年様々な努力により、その排出量は抑制されているが、依然多量である。大量消費社会が生み出すこうした資源の大量消費が避けられないならば、できるだけリサイクルしやすくする消費者の知恵と、分別・排出された廃棄物を生かす企業の知恵があいまって、限りある資源の徹底した有効利用を目指し、資源採集→加工生産→回収→再資源化→再加工生産→再消費という、いわば資源循環型の社会を推進していかなければならない。 日々大量に排出される廃棄物のなかでも、ガラスびんは洗浄後再び使われるリターナブルびんと、破砕され『カレット』というびん原料になるワンウェイびんに分かれている。しかし、リターナルびんが99%再利用されているのに比べ、ワンウェイびんのカレット利用率は65%にとどまっている。この低い利用率の原因は様々あるが、その一つに生成コストが上げられる。 そこで本研究では新たなカレット生成法として水中衝撃波を利用した方法について模索した。通常は大規模な粉砕機によりカレットを生成するが、水中衝撃波を使用すると設備コストが低いことが利点として挙げられる。そこで水中衝撃波によってできるカレットの粒径等のデータを得ることができたので、その結果について中心に報告する。
著者
岡本 一志 藤井 流華
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.5-9, 2019-02-15 (Released:2021-02-15)
参考文献数
8
著者
織田 成人 平澤 博之 北村 伸哉 上野 幸廣 島崎 淳也 中西 加寿也 福家 伸夫 伊藤 史生
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 = Journal of Japanese Association for Acute Medicine (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.219-228, 2007-06-15
参考文献数
21
被引用文献数
4 1

<b>目的</b> : 千葉県の救急・集中治療施設における急性肺傷害 (acute lung injury; ALI) /急性呼吸急迫症候群 (acute respiratory distress syndrome; ARDS) の発症率, 治療, 転帰等について調査し, population-basedのALI/ARDS発症率を推計する。<b>研究デザイン</b> : 多施設共同前向きコホート研究。<b>セッティング</b> : 千葉県内の3次救急医療施設および大学附属病院を中心とする12施設のICU。<b>方法</b> : 2004年10月1日~12月31日までの3ヵ月間の全ICU入室患者を対象に, SIRS (systemic inflammatory response syndrome), ALI/ARDSをスクリーニングした。ALI/ARDSの診断基準は, 1994年のAmerican-European Consensus Conferenceの定義を用いた。調査票を用いてALI/ARDS患者の背景病態, 原因, 重症度, 合併臓器障害, P/F比, 人工呼吸器装着の有無, 各種治療, ICU在室期間, ICU退室時および28日後の転帰等を調査し検討した。<b>結果</b> : 調査期間内に1,632例が登録され, このうちSIRS症例は770例 (47.2%), ALI/ARDS症例は79例, 発症率は全症例の4.8%, SIRS患者の10.3%であった。ALI/ARDS症例の平均年齢は64.0&plusmn;17.1歳, P/F比は平均150.7&plusmn;70.6で, P/F比300-201の症例が19例 (24.1%), 200以下のARDS症例は60例 (75.9%) であった。入室時APACHE IIスコアは24.7&plusmn;8.9, SOFAスコアは8.8&plusmn;4.3, 肺以外の臓器障害数は2.2&plusmn;1.4臓器であった。ALI/ARDS79例中71例が人工呼吸管理を要し, これら症例のventilator free days (VFD) は平均12.1&plusmn;10.6日であった。ALI/ARDS症例の平均ICU滞在日数は18.8&plusmn;9.6日, 28日生存率は68.4%であった。<b>結論</b> : これらのデータから推計すると, 千葉県におけるALI/ARDSの発症率は人口10万人当たり年間6.1人であった。
著者
水島 洋平 Yohei Mizushima
出版者
同志社大学大学院総合政策科学会
雑誌
同志社政策科学研究 = Doshisha University policy & management review (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.115-126, 2009-07-25

本稿の目的は、ケア役割が男性にとってどのような意味を持つのかという問題意識の下、ケア役割を通して成人期男性がどのような発達を遂げるのかに焦点を当て、生涯発達の視点から考察することにある。近年、わが国においても、ワーク・ライフ・バランスの推進が喫緊の課題となっている。少子高齢化や産業構造の変化により、性別役割分業型家族が後退し、核家族が増加している。それに伴い、育児や介護の問題も変容している。かつて、育児や介護などのケア役割は、主に女性が担ってきたが、男性もケア役割を担う必要性、さらには、ケアに積極的に関わりたいという男性のニーズがあるなど、実態面や意識面での変化が見られる。本稿では、まず、ケア役割を通した成人期男性の発達の問題にアプローチする際に、生涯発達の視点を持つことの重要性を指摘した。次に、ケア役割と成人期男性の発達との関連性について明らかにするために、ケアの概念を概観し、成人期男性の発達にとってのケア役割の重要性について指摘した。最後に、ケア役割を通した成人期男性の発達を考えるうえで有用と思われるHavighurst、Erikson、Levinsonの発達理論の整理と理論から得られた知見を提示した。
著者
宮本 勝一
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1358-1360, 2013

近年,多くの大学病院はマンパワー不足であり,女性医師の出産後の退職がその一因であるとの指摘がある.しかし彼女らの多くは出産後の復職を希望しており,就労条件が合わないため止むを得ず退職している.そこで当大学では,正規よりも少ない勤務時間であっても医師を確保したい大学側と,賃金がやや低くても産後も常勤医として働きたい女性医師との思惑が一致した就労形態「特別就労形態に関する規定」を新設した.就労時間は週30時間(1週あたり4日以上)の日勤帯業務で当直を免除するかわりに,給与は正規常勤医よりも低く設定されている.この就労形態は当科だけではなく全科に適用されており,出産後医師の大学への復職者が増えた.

1 0 0 0 国民教育論

著者
浮田和民著
出版者
民友社
巻号頁・発行日
1903
著者
池田美代二編
出版者
原安三郎
巻号頁・発行日
1978

1 0 0 0 社会學講義

著者
浮田和民講述 帝國教育會編纂
出版者
開發社
巻号頁・発行日
1901