著者
山崎 英恵 伏木 亨
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.88, no.7, pp.695-699, 2013 (Released:2014-02-21)
著者
土井 宣夫 佐々木 信良 千葉 幸也 岩舘 晋
出版者
岩手大学教育学部
雑誌
岩手大学教育学部研究年報 (ISSN:03677370)
巻号頁・発行日
no.74, pp.27-49, 2015-03-15

栗駒山は,過去1万年間および100年間の火山活動度にもとづく気象庁の活火山区分によると,ランクB に属する火山である。栗駒山は,1744年と1944年に噴火の記録がある(気象庁編,2005,2013;及川,2012)。1744年噴火では,水蒸気爆発による火山泥流が発生し,岩手県磐井川を流下して下流域で氾濫した。この後,磐井川を温泉水が流れ,河川水を利用していた一関市内の用水・水田で硫黄臭があった。また,1944年噴火では,小規模な水蒸気爆発の後,昭和湖火口から強酸性水が流出し,その後,須川温泉源泉からの流出にかわって,磐井川流域から北上川の一部では,3年間にわたって酸性水被害に悩まされた(土井,2006ほか)。このような噴火災害の実績からみて,将来の栗駒山噴火において,同様な被害の発生が予測されることから,一関市は,噴火に備えた取組みの必要性が高い。栗駒山北側山腹の昭和湖を含む地域は,完新世に噴火を繰り返してきた地域で,現在も噴気活動が活発である(土井,2006;図1a)。1994年には,昭和湖付近で火山ガスの影響による植物の枯死が確認され,その後,植物の枯死は周辺地域に拡大し続けた。さらに,昭和湖の湖底および湖岸から湧出する火山ガスは,湖水に溶解して白濁化させるようになった。この白濁度が次第に増したことから,火山活動の推移が注目された(土井, 2008)。また,国土地理院が栗駒山南山腹耕英地点に設置した電子基準点(GPS)では,2004年から南東方向への移動と隆起が観測された(国土地理院,2009,2010)。この地殻変動の発生原因として,栗駒山直下のマグマ溜りの膨張による可能性と,活断層の前兆すべりによる可能性が指摘された(村上,2008)。こうした火山活動の状況から,栗駒山の監視強化の必要性が認められ,気象庁は2006年10月から耕英で新たに地震観測を開始した。
著者
家永 遵嗣
出版者
吉川弘文館
雑誌
日本歴史 (ISSN:03869164)
巻号頁・発行日
no.742, pp.35-38, 2010-03
著者
塩谷 芳也
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.349-356, 2018 (Released:2019-09-28)
参考文献数
6

本研究の目的は,大学生の就職活動における内定取得時期に対するソーシャルスキルの効果を解明することである.企業への就職を希望する大学3年生を対象に,ウェブ調査によって就職活動の前後でパネル調査を行った.2014年1月にソーシャルスキル(KiSS-18)を測定し,同年12月に最初の内定取得時期を測定した.イベントヒストリー分析を用いて,大学の偏差値やアルバイト経験,出身階層等を統制して分析した結果,女子(n=294)ではソーシャルスキルが高いほど早期に内定を得る傾向が見られたが,男子(n=109)では無関連であった.ソーシャルスキルの効果の男女差は,大卒労働市場において男女が異なる評価基準で選抜されている可能性を示唆している.対人コミュニケーションにおいて女子は男子とは異なる役割を期待され,その役割遂行の巧拙によって女子のあいだに就職の格差が生じている可能性がある.
著者
Ginga KITAHARA Akira YOSHIASA Makoto TOKUDA Tsubasa TOBASE Kazumasa SUGIYAMA
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
Journal of Mineralogical and Petrological Sciences (ISSN:13456296)
巻号頁・発行日
vol.116, no.1, pp.45-55, 2021 (Released:2021-03-06)
参考文献数
43

Structural analysis of Ce– and Nb–perovskites containing Fe, Zr, Nb, and rare earth elements (REEs) in CaTiO3 perovskite was performed using single–crystal X–ray diffraction and X–ray absorption near–edge structure (XANES) analyses. Based on chemical analysis results, XANES measurements and the site–occupation of elements at A– and B–sites showed the chemical formula:(Ca2+0.817REE3+0.087Na+0.081Sr2+0.005Th4+0.003)1.998+0.993(Ti4+0.941Nb5+0.017Fe3+0.013V5+0.010Fe2+0.007Sc3+0.006Zn2+0.005Al3+0.002Ge4+0.001W6+0.001)3.996+1.003O3 for Ce–perovskite and(Ca2+0.937Ce3+0.021Na+0.020La3+0.015Sr2+0.003)2.008+0.996(Ti4+0.730Nb5+0.122Fe3+0.108Al3+0.020Zr4+0.009V5+0.008)3.990+0.997O3for Nb–perovskite. In Ce– and Nb–perovskites, the total charges at the A– and B–sites achieved near–ideal divalent and tetravalent states such as Ca2+Ti4+O3, respectively, due to complex elemental substitutions. Local distortions around Ti in the perovskite solid solutions were greater, and the pre–edge features of the Ti atoms in Ce– and Nb–perovskites were different from those in pure CaTiO3. The valence states and local structures of Fe in Ce– and Nb–perovskites were significantly different. The existence of divalent Fe2+ at the B–site in Ce–perovskite was confirmed. It is presumed that the displacement ellipsoids of all atoms and local irregularities in Ce–perovskite increase owing to the radiative decay of the actinoid element Th. We reconfirmed that the composition and three–dimensional structure of perovskite–type structures were flexible and caused various electrical, structural changes.
著者
猪野 郁子
出版者
島根大学教育学部
雑誌
島根大学教育学部紀要 人文・社会科学 (ISSN:02872501)
巻号頁・発行日
no.21, pp.p87-92, 1987-12

山梨県棡原村は日本一の長寿村であったといわれている。この村の食生活がどのように変ったか調査を行った研究班は,現在の彼らの食卓で家族の箸が交叉しないことに気づいている。つまり,食卓の上には幾皿も並んでいるが,老人は若い者向きの皿には箸がいかず,子どもは自分たち向きの皿にしか箸がいかないということである。 かって,粗食でもって長寿を永らえていた棡原村でさえ,食生活が近代化され,家族の嗜好が重んじられる個食化傾向がすすんでいるように,日本のいたる所で(どの家庭においても)こうした傾向は見られる。 このように,家族の好みあるいは年令にあわせた料理を食卓に並べる努力がなされている一方で,以前は,幼児や子どもにはふさわしくないとされていた食品が,案外無造作に与えられている光景に出会うことも多い。 例えぱ,おとなと同じ様に清涼飲料水の缶を1缶だかえていたり,コーヒーが1人前に溶れられたり,成人対象に作られた料理を飲食していたりである。 勿論,以前には,おとなと同じ物を飲食していなかったかと言えばそういうことはない。飲食していたが,塩分,香辛料,あるいは材質,形においての配慮はされていたのである。 つまり,幼児や子どもに与えてよい物と与えてはいけない物,あるいは,成長にあわせて与えていくべき物という配慮がなされていたといえる。 ところが,どうも最近,この配慮が少しずつなくなりつつあるように思われる。 それとともに,飲食をはじめる年齢も早くなってきているように思われる。 そこで,幼児の飲食の機会が増え,飲食をはじめるのも早くなっていると思われるコーヒー,コーラ,紅茶の嗜好飲料,アメ・キャンデー,チョコレート,ガムの菓子,カレーライスとインスタントラーメンの8食品をとりあげ,これらの飲食の実態を把握しようとした。又,今後の食教育のあり方を考える一資料を得たいと考えた。
著者
井上 和久 原 和彦 丸岡 弘 河原崎 崇雄 菅原 壮平 望月 あおい 中村 岳雪
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.28-33, 2013 (Released:2013-06-30)
参考文献数
12

[目的]昨今,国内国外において家庭用ゲーム機器であるWiiを使用した研究報告がある。筆者らもこれまでWii Fit(毎日の健康管理をサポートするソフト)を使用しバランストレーニングの効果について検討してきた。今回,病院・施設の方にご協力をいただき,患者・利用者を対象としてどのようなトレーニング効果が得られるかについて検証することを目的とした。[方法]今回,バーチャル機器の一つであるWii Fit Plus(Wii Fit同様,毎日の健康管理をサポートするソフトで,トレーニングの種類が増えたソフト)を使用し,患者・利用者を対象に運動効果および運動習慣について検討した。[結果]効果について,バランス機能の向上は認められなかったが,基礎代謝・柔軟性などについて有意な増加が認められた。質問紙調査結果からは今後も運動を実施したいという回答が87.5%あった。[結論]患者・利用者の方を対象とする場合はリスク管理について事前に検討し実施しなければならないことが今回の研究から明確となり,今後Wii Fit Plusの様々なトレーニング方法についてマニュアルなどの必要性があると考えられた。
著者
松田 淳 谷藤 鉄也 和才 克己 河村 政昭 安部 隆士
出版者
日本流体力学会
雑誌
日本流体力学会年会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, 2007

For the investigation of the electro-magnetic heat shield technique, the shock tube was operated as an expansion tube. By using this facility, interaction phenomena between the applied magnetic field and weakly ionized plasma was experimentally investigated by the flow visualization. The test flow velocity is conjectured to be 8km/s from the theory, when the propagation velocity of the primary shock wave is 10km/s at 0.1torr of ambient pressure. In that condition, the shock stand-off distance indicated by the self radiation region generated ahead of the test model was compared between the cases with and without the applied magnetic field. As a result, by applying the magnetic field, it is suggested that the shock stand-off distance could be larger.