著者
山田 千春
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.120, pp.179-198, 2014-06-30

全専各連は,専修学校が学校教育法第1 条に規定されていないために起こる取り扱いでの格差を改善しようと,専修学校の1 条校化運動を推進してきた。それに関する議論は,専門学校を中心に行われているので,本稿では,高等専修学校に焦点を当て,筆者が北海道の高等専修学校の管理職に行った聞き取り調査をもとに,1 条校化をめぐる論点の整理を試みた。調査の結果,小規模校では,資格のある教員の確保や施設面での充実を義務付けられる点から専修学校のままを望んでいた。一方,中規模校では,教員数の増加や教育施設のより一層の充実を期待し,1 条校化を望んでいた。それらを踏まえて,高等専修学校の1 条校化をめぐる論点として,1,全専各連の1 条校化の要望と現場との間に意見のギャップがある点,2,格差の改善を優先するのか,教育における自由度を優先するかという点,3,教員資格の基準について,4,学園内における他の学校との関係性の問題,以上4 つの論点を見出すことができた。
著者
佐藤 力郎 佐々木 正剛 阿部 喜充 岡部 陽子
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.46, pp.175-177, 1995

リンゴクビレアブラムシの越冬卵の密度はリンゴの品種間で異なり, ふじで高く, さんさやレッドキングで低かった。調査枝の方位では東側が西側よりも高く, また, 調査枝の高さでは地上1.5~3.0mの位置で高かった。福島県の県北地方の8ほ場から得られた卵の平均密度と平均こみあい度の関係から, 本種の卵が集中分布をすることを明らかにし, その関係を利用した二段抽出法 (第一次抽出単位は樹, 第二次抽出単位は果台) による密度調査法について検討した。
著者
池田 賢一
出版者
日本比較教育学会
雑誌
比較教育学研究 (ISSN:09166785)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.24, pp.86-100, 1998

In France the educational policy for children of immigrants and foreigners began to be formed in the 1970s.That was aimed to adapt them to French society and school through their learning French.In the 1980s the policy for ‘right to be different’ attracted an attention of the public in the dominant political power of the Socialist Party.But for many foreign children born in France the policy of ‘adaptation’ and ‘admitting difference’ is not necessarily relevant.Presently the policy of ‘integration’ is being adopted to make the French society through participation and solidality of all people.
著者
上出 健二 河合 徹
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子化學 (ISSN:00232556)
巻号頁・発行日
vol.20, no.220, pp.506-511, 1963
被引用文献数
4

固有粘度-分子量関係式 [η] =<I>K<SUB>m</SUB>M<SUP>a</SUP></I>の係数aをすぬけ効果の寄与と体積効果の寄与に分離定量する三つの方法を提案した。すでに前報で確立した二つの固有粘度-分子量関係式を利用する粘度式法, 固有粘度と分子量第2ビリアル係数についてのKrigbaumの関係にすぬけ効果を考慮した改良Krigbaum法, およびaとexpansion factor との間のVoeksの関係にすぬけ効果を考慮した改良Voeks法である。これらの方法を実験データに適用した。三つの方法で得られたすぬけ効果の寄与の程度を表わすパラメータは良く一致した。高分子のすぬけ効果の大きさは次の順序で大きくなる。<BR>ポリ酢酸ビニル=<アタクチックポリスチレン<イソタクチックポリスチレン<ポリビニルアルコール<ポリアクリロニトリル三硝酸セルロース

1 0 0 0 OA 朝鮮語独習

著者
松岡馨 著
出版者
岡崎屋
巻号頁・発行日
1901
著者
幡手 英雄
出版者
宮崎大学
雑誌
産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 地域事業 地域イノベーション創出総合支援事業 シーズ発掘試験
巻号頁・発行日
2006

化成分の開発が期待されている。このような状況で申請者らは、現在まで利用されずに廃棄されてきたウニ殻(外皮と棘)の利用技術開発を目指し、ウニ殻に含まれる色素の強い過酸化脂質阻害力を明らかにした。このウニ殻色素は、我々が日常摂取しているウニ生殖巣にも普遍的に存在するエキノクロームAなどのポリフェノール類で、高い安全性が保証され、現在の消費者ニーズにも合致する優れた抗酸化成分と考えられる。しかしながら、ウニ殻色素の抗酸化機能に関して申請者らの研究以外には知られておらず、いぜんとして未解明の部分がある。そこで本課
著者
ギリス・フルタカ アマンダ・ジョアン
出版者
京都産業大学教職課程講座センター
雑誌
京都産業大学教職研究紀要 (ISSN:18839509)
巻号頁・発行日
no.4, pp.17-40, 2009-03

世界中の学校でいじめはおきている。近年メディアでは、日本の学校における行き過ぎたいじめの事例が大きな注目を集めている。子供たちがいじめを行う原因は多くある。日本のように集団と同ーの基準をもつことが求められる集団的社会で、最もー般的ないじめの対象は、多数派とは明らかに違う子供である。外国人労働力の規模拡大と国際結婚の増加に伴い、民族的、文化的、言語的に日本人の同級生とは異なる背景をもつ子供の割合が増加している。こうした子供たちは、日本の学校の生徒、教師集団、管理運営の中で、おのずといじめの対象になる。本稿は2007年9月に行われたフォーラムで紹介された証拠と、新規に立ち上げられたネットワーク「いじめゼロ」で収集された証拠に基づいて、現在のいじめ状況を検証するものである。著者は人種の違いへの理解を深め、寛容さをはぐくみ、非日本人生徒を対象とするいじめ傾向を減らすために、いくつかの教育上のアプローチと教材を推薦する。
著者
相良 健
雑誌
眼科手術 = Journal of ophthalmic surgery (ISSN:09146806)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.71-74, 2010-01-30
参考文献数
1
被引用文献数
1
著者
寅屋敷 哲也 杉安 和也 花田 悠磨 佐藤 翔輔 村尾 修
出版者
一般社団法人 地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文集 (ISSN:13452088)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.243-252, 2019

<p>The authors conducted interview survey to the member of disaster management headquarter and also conducted questionnaire survey to all town officials of the Minamisanriku town government at the time of the Great East Japan Earthquake and Tsunami in 2011, in order to evaluate the impact of business continuity of municipality government in alternative facility after the tsunami. Firstly, it is revealed that the facts and issues in the initial disaster response by them. Secondary, we suggested considerations in two perspectives, "delay in composing member of the disaster management headquarter" and "issues of layout of alternative facility and other disaster response bases", based on the results of the surveys.</p>
著者
今 日出人 久加 朋子 戸嶋 光映 松原 寛
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.98-110, 2020-05-05 (Released:2020-06-16)
参考文献数
19
被引用文献数
1

本研究では低平地が広がる石狩川流域の千歳川流域を対象とし,経年的な河川水位,地下水位,および土壌の湿潤特性の長期変化を整理し,河川整備事業が出水時の治水対策のみでなく,平水時においても近郊農業の発展に貢献する副次的効果を有することを明らかにした.その結果,千歳川流域の近郊農業の発展には,河川の治水事業により(1)出水時の氾濫や浸水被害,それに伴う土壌流出が大きく減少したこと,(2)平水時の河川水位が,もともと泥炭湿地であった千歳川中流付近(KP22 km~28 km)にて大きく低下し,それに伴い地下水面の基底水位が低下し,湿潤条件が幾分改善されたこと,さらに(3)農業の土地改良事業による排水改良が加わることで農地の土壌湿潤状態が大きく改善し,水田から農家にとって収益性の高い畑地への水田汎用(農業生産の多様性)が実現したと考えられた.ただし,既往最大規模の降雨は40年ほど到来しておらず,今後の降雨特性の変化には留意する必要がある.
著者
大島 栄司 後藤 忠則 佐藤 倫造
出版者
北海道農業試験場
雑誌
北海道農業試驗場彙報 (ISSN:00183415)
巻号頁・発行日
no.83, pp.87-99, 1964-03

当場のトマト圃場のモザイク斑紋,糸状葉あるいはシダ葉状奇形などを生じた株から分離接種試験を行った結果,55例中51例からトマトの病徴に関係なく,サムスンタバコに斑紋と灰白色や褐色の壊疽,N. glutinosaとN. sylvestrisに局所病斑を生じ,菜豆「大手亡」には生じないウイルスが分離された。この外,空知や函館地方から採集されたモザイク病のトマトからも同様のウイルスが分離された。これらはその感染植物から病徴のTMVの特殊な系統群と思われた。上記の系統の一つであって,不明瞭な黄色斑紋を示すトマトから分離され,局所病斑をとおして純化された系統(TMV-L)について普通系統のTMV(TMV-O)と比較研究を行なった。その結果このウイルスは既述の特徴の外にChenopodium amaranticolorやC. muraleにTMV-Oと異なる病状を発生し,トマトにはTMV-Lを分離したトマトと同様の病状の外に葉先がとがり,シダ葉状の奇形を生じた。これはトマトの生育段階の相異が病徴に影響を与えたためと思われる。またタバコ「アンバレマ」「ジャバ」「ホワイト・バーレー」およびツクバネアサガオに局所病斑のみを生じた。キャベツ「サクセッション」および寄居カブには感染せず,TMV-Cと区別された。この外,トウガラシ「札幌大長なんばん」,シロバナヨウシュチョウセンアサガオ,N. glutinosa,N. glauca,タバコ「キサンチ」にはTMV-Oとほぼ同様の症状を発生した。TMV-Lは85℃,10分処理で不活性化し,1,000,000倍希釈でも完全には不活化せず,180日以上室温で活性を保った。また電子顕微鏡で観察した結果,ウイルス粒子は棒状で,長さ280~300mμであった。TMV-LとTMV-O間の交互免疫作用をトマト,N. gylvestris,タバコ「ホワイト・バーレー」およびツクバネアサガオで試験した結果,いずれの場合も保護作用は不完全であったが,TMV-L単独感染の場合よりいずれも軽い病徴を呈した。また,菜豆「大手亡」に両ウイルスを混合接種した結果,TMV-Oによる局所病斑数は対照の15~30%に減少し,TMV-Lによる保護作用は明らかに認められた。トマト葉とサムスンタバコ葉のディスク内のTMV-LとTMV-Oの接種48時間後の増殖を調べたところ,前者ではTMV-Lの増殖がまさり,後者ではTMV-Oがわずかによく増殖した。以上の結果からTMV-Lは特にトマトに親和性のあるTMVの一系統と判定された。