著者
荻原 廣
出版者
佛教大学国語国文学会
雑誌
京都語文 (ISSN:13424254)
巻号頁・発行日
no.23, pp.276-298, 2016-11-26

個人の語彙量(使用語彙、理解語彙)についての調査は、現在に至るまで決して多く行われてきたとは言えず、中でも使用語彙についての調査は、調査方法が確立しておらず、ほとんど行われていない。そこで本稿では、まず先行研究について述べた後、今回、大学4年生を対象に行った日本語の語彙量調査にて試みた内省法を使った使用語彙の調査方法について解説し、その後、調査結果及び考察について述べる。
著者
水口 雅
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.96-99, 2011 (Released:2014-12-25)
参考文献数
7

2009年後半, 新型インフルエンザ・パンデミック (H1N1) 2009の流行にともない, 日本では急性脳症の症例が推定200~300例発生した. 従来の季節性インフルエンザ脳症と比較して, 新型インフルエンザ脳症は報告例が多く, 特に年長児 (5~9歳), 男児に多発した. 神経症状としては異常言動 (譫妄) がけいれんより多く, 頭部CT・MRIでは異常なし, または脳梁膨大部病変が多かった. 予後は季節性インフルエンザ脳症と同等か, やや良好であった. 新型インフルエンザ脳症に見られた病型の種類は, 季節性インフルエンザや他のウイルスによる脳症と同じで, 質的な違いはなかった.
著者
多山 賢二 西澤 直行
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.94, no.10, pp.792-796, 1999-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
18
被引用文献数
1 2

従来, 食酢がカルシウムの吸収を促進すると言われていたが, ラットを使い, 食酢と同時にカルシウムを与えるとその吸収が促進され, さらに食酢の主成分である酢酸も同様の効果を有することを動物実験で明らかにした。さらにカルシウムの大腿骨への蓄積量, 骨形成・吸収マーカーなどの測定結果から食酢とカルシウムの関係の全容を解説していただいた。
著者
伴野 太平 小森 ゆみ子 鈴木 聡美 田辺 可奈 笠岡 誠一 辨野 義己
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.229-235, 2016 (Released:2016-10-21)
参考文献数
32
被引用文献数
1

さつまいもの一種である紅天使を健康な女子大学生22人に摂取させた。加熱後皮をむいた紅天使の食物繊維は2.9 g/100 gだった。摂取開始前1週間を対照期とし, その後1週間単位で紅天使を1日300 g, 0 g, 100 gとそれぞれ摂取させた。排便のたびに手元にある直方体の木片 (37 cm3) と糞便を見比べ便量を目測した。その結果, 対照期には1.8±0.2 (個分/1日平均) だった排便量が, 300 gの紅天使摂取により約1.6倍に, 100 g摂取により約1.5倍に増加した。排便回数も紅天使摂取量の増加に伴い増加した。300 g摂取でお腹の調子は良くなり便が柔らかくなったと評価されたが, 膨満感に有意な変化はなかった。各期の最終日には便の一部を採取し, 腸内常在菌構成を16S rRNA遺伝子を用いたT-RFLP法により解析した結果, 紅天使摂取により酪酸産生菌として知られるFaecalibacterium属を含む分類単位の占有率が有意に増加した。
著者
濱舘 陽子 佐々木 吉子 三浦 英恵
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.95-107, 2019-05-20 (Released:2019-05-25)
参考文献数
29

背景:東日本大震災の経験を経て,現在首都直下地震への対策が行われている.千代田区は,日本の政治経済の中枢を担い,人口は昼間約82万人,夜間約5万人という特徴から,災害対策は公助には限界があり,自助,共助の取り組みの重要性が示唆されている.そのため企業側は,社員や顧客等の帰宅困難者の安全や安心の確保や,最低限の医療の知識も必要となる.そこで,看護の視点から企業の災害対策について支援ができる内容を検討したいと考えた.目的:本研究は,看護の視点からの企業の災害対策への支援を検討するため,企業の災害対策の趣旨,その対策や具体的な取り組みの実状について,企業の防災担当者が実際にどのように災害対策を実施しているのか,およびその課題を明らかにすることを目的とした.対象と方法:6名の千代田区内の企業の防災対策担当者を対象に,半構造化面接調査を実施した.得られたデータは,質的記述的に分析した.結果:面接内容より,企業における災害対策のテーマ9つが導かれた.各企業は,自社の【災害対策の方針】の下,自助,共助力に応じた対策に取り組んでいた.その背景には,過去の事故や大震災の経験が,【災害対策の改善や向上の契機】となり,防災担当者の努力をはじめとする【災害対策への推進力】にもなっていた.災害対策は,【従業員とその家族の安心安全のための整備】と【従業員と帰宅困難者のための準備】が行われ,それらの災害対策強化のため,【自社の特徴を踏まえた工夫】がなされ,【関連組織との連携協力】も行われていた.現在企業の災害対策は進んでいるが,その一方で,【進まない地域連携】や災害対策を進める上での【防災担当者の苦悩】など,多数の障壁や課題が存在していた.考察と結論:看護職は,防災意識の啓発を含む教育,傷病者や個別性への対応に関する情報提供や教育,防災担当者への心理的サポートの提案,社員の家族の安否確認強化の提案,地域連携における組織間を繋ぐという役割や支援が可能であることが示唆された.
著者
松谷 太郎 宇恵野 雄貴 福永 津嵩 浜田 道昭
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO) (ISSN:21888590)
巻号頁・発行日
vol.2017-BIO-50, no.33, pp.1-6, 2017-06-16

がんゲノムの変異パターンと,その背景にある変異源の分布は変異シグネチャー (Mutation Signature : MS) と呼ばれ,本研究では機械学習の手法を用いてこれを明らかにする.MS の推定は発がんメカニズムの解明の後押しになるなど重要な課題であり,先行研究では非負値行列因子分解や混合メンバーシップモデルを使った学習が行われていたが,MS の数が予測困難である等の問題点がある.本研究では MS ごとの変異の生成過程に対して潜在的ディリクレ再配置 (LDA) と呼ばれるトピックモデルを採用し,サンプルごとの体細胞突然変異からその背後にある生成モデルを推定する.学習に変分ベイズ法を用いることで,変分下限から MS 数を予測することが可能となり,シミュレーションベースではその推定に成功した.また,COSMIC データベースを用いた実データ解析にも着手している.

7 0 0 0 OA 古逸叢書

著者
清黎庶昌輯
出版者
黎氏日本東京使署刊
巻号頁・発行日
vol.第11第22册, 1884
著者
久米 功一 花岡 智恵 水谷 徳子 大竹 文雄 奥山 尚子
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.50-54, 2014 (Released:2015-06-02)
参考文献数
14

本稿では,子どもの頃の家庭での過ごし方,学校生活,職種・業務のタイプとパーソナリティ特性5大因子との関係について実証的に分析した.その結果,現在のパーソナリティ特性に対して,就学前の読み聞かせや家事手伝いの経験,中学の頃の学業・課外活動が有意に影響する一方,職種や業務のタイプからの影響は比較的弱いことがわかった.
著者
毛利 るみこ 大庭 一郎
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.400-418, 2017-03-01 (Released:2017-06-26)

本稿は,今後の公立図書館長の養成に資するため,館長に求められる能力・知識・技術について全国の公立図書館長を対象に行った質問紙調査の結果に基づいて考察した。本調査によって,館長の業務内容等の実態が明らかになるとともに,職務を遂行する上で,特に「判断・決定能力」等の10項目に対する必要性が高く,知識・技術としては「地域社会に関する知識」等の4項目に対する必要性が高いこと等が明らかとなった。結果を踏まえ,各能力の必要性の違いや館長に求められる図書館に関する専門的能力,知識・技術等について考察した。
著者
呉羽 正昭 KUREHA Masaaki
出版者
日本スキー学会
雑誌
スキー研究 (ISSN:1349449X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.27-42, 2014-09

This study examines the regional pattern of lost and closed ski fields in Japan, analyzing closing trend of alldeveloped ski fields including those equipped only with T-bar lifts. Around 750 ski fields were opened between1950 and 2003 in the whole country. However, nearly 37 percent of them were already closed or completelydisappeared. This trend was dominant around 2000, involving owners' changes of lift companies. Most of thelost fields tend to be very small with one or two ski lifts. Whereas there are many lost ski fields previously operatedby urban capital around the metropolitan areas, the outer extent areas from there have many lost ski fieldsby local governments. The increasing difficulty of the management plays an important role for the closing basedon the decrease in the number of active skiers, rather than shortage of snow depth. The changing environment ofthe management has been affected through the changes in locational conditions for ski fields, the diseconomiesof fields' agglomeration in an appropriate region, the very short-term of growth period around 1990, and problemsin local municipalities(such as deficit budget and amalgamation).While the number of active skierscontinuously decreased in the last 20 years, especially in snowy regions in eastern Japan, there are some signsfor recovering market of skiers now. Operating firms of existing ski fields face various tasks for the sustainabledevelopment, including measures against the expanding foreign skiers.

7 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1911年09月21日, 1911-09-21
著者
野上 元
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.236-246, 2011-09-30 (Released:2013-11-19)
参考文献数
43
被引用文献数
1