著者
大橋 たみえ 徳竹 宏保 小澤 亨司 石津 恵津子 廣瀬 晃子 岩田 幸子 米永 哲朗 横井 憲二 福井 正人 小出 雅彦 磯崎 篤則
出版者
Japanese Society for Oral Health
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.48-56, 2011-01-30 (Released:2018-04-06)
参考文献数
18

歯の切削時に発生する飛散粉塵には種々の口腔内細菌が付着している可能性があり,歯科医療従事者への細菌曝露の原因となる.そのため,特に発生源での切削粉塵の除去対策が重要である.本研究では,切削歯種を下顎中切歯として,患者,補助者,歯科医師の呼吸孔の位置および診療室中央での歯の切削による飛散粉塵濃度と口腔外バキュームの除塵効果を検討する目的で,レーザーパーティクルカウンター計4台を同時に稼動させて粉塵粒度別飛散粉塵濃度を測定した.その結果,下顎中切歯の位置での歯の切削粉塵は,本研究では,口腔外バキュームの使用により,粉塵粒度0.3〜1.0μmの粉塵を,患者の位置では75%以上,歯科医師の位置では60%以上,低減できることが示唆された.よって本研究の口腔外バキュームの設置位置は歯の切削時における患者,補助者,歯科医師の呼吸孔の位置での飛散粉塵濃度の低減に有効であることが示された.前報の上顎中切歯と下顎中切歯切削時との比較では,歯の切削により発生する粉塵濃度は,明らかに上顎中切歯のほうが高い.しかし,口腔外バキュームの使用により,ほぼ同じレベルまで低減することができる.除塵率は,患者と歯科医師の位置では上顎中切歯切削時前報のほうが高い傾向がみられた.本研究の補助者と診療室中央においては,粉塵粒度が小さいもので口腔外バキュームの使用により粉塵濃度が高くなる傾向がみられた.切削点からの距離やエンジンの回転方向,バーの向き等により,口腔外バキューム使用時でも,粉塵漏えいが認められ,全体換気の必要性も示された.今後,チェアサイドと診療室内の各位置で,最も除塵効果の高い口腔外バキュームの設定条件を検討していく必要がある.
著者
松屋編
出版者
松屋
巻号頁・発行日
1955
著者
下川 玲子 Shimokawa Riyoko
出版者
筑波大学倫理学原論研究会
雑誌
倫理学 (ISSN:02890666)
巻号頁・発行日
no.10, pp.69-78, 1992-11-30
著者
Hiroshi Akiyama Hideki Matsuoka Takanori Okuyama Kyohei Higashi Toshihiko Toida Hiroyuki Komatsu Yoshiko Sugita-Konishi Satomi Kobori Yukio Kodama Midori Yoshida Hitoshi Endou
出版者
Food Safety Commission, Cabinet Office, Government of Japan
雑誌
Food Safety (ISSN:21878404)
巻号頁・発行日
pp.2014036, (Released:2015-03-11)
参考文献数
37
被引用文献数
6

A novel type of encephalopathy associated with the ingestion of Sugihiratake mushroom (Pleurocybella porrigens) occurred in patients with chronic renal failure treated on hemodialysis in fall, 2004 in Japan. To clarify the mechanism of encephalopathy onset, we, for the first time, purified the cyanogen glycoside fraction (CG) from Sugihiratake mushroom using reversed phase high-performance liquid chromatography and hydrophilic interaction chromatography. Furthermore, we investigated single dose toxicity of the CG in an adenine-induced rat model of chronic renal damage (CRD). Pathological examination of kidneys indicates the development of CRD. Oral administration of the CG induces the accumulation of thiocyanate in the hemolyzed blood and brain in CRD rats, although no morphological changes were found in the brain. No further enhancement of kidney damage is observed after the oral administration of the CG in CRD rats. This is the first experimental report to suggest that acute encephalopathy, induced by Sugihiratake mushroom intake in the patients with chronic renal failure, is associated with intoxication of cyanide and thiocyanate, presumably produced metabolically produced after the ingestion of Sugihiratake mushroom.
著者
阿部 孝太郎
出版者
小樽商科大学
雑誌
商学討究 (ISSN:04748638)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2/3, pp.73-84, 2006-12-25
著者
土本 俊和
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.62, no.500, pp.221-228, 1997-10-30 (Released:2017-02-02)
参考文献数
35
被引用文献数
3 3

This paper deals with urban formation of "chou" especially by "Koya-gake" which meant to build rude buildings to meet an immediate need. In Kyoto the rapid urbanization was prompted by the construction of Juraku-dai from 1586 onward. "Koya-gake" formed "Koya-no-chou" close to Juraku-dai. The form could be seen through Daichuh'in archives which recorded the width, but not the depth, of each premise in "Koya-no-chou" of 1587. This showed that "Koya-no-chou" was urbanized only in the land facing on streets. The paper concludes that the construction boom changed only the surface of blocks at the first urban dynamics.
著者
渡辺 幸洋 松本 安英
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム2009論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.23-30, 2009-12-10

大規模なクラウドコンピューティング環境の運用においては、運用プロセスの自動化による省力化は必須である。しかしながら、従来の手作業によるフィルタ定義を伴う障害検知手法では、大規模化するシステムの障害検知を自動的に行うことはできない。本稿では、従来の手法の課題であったメッセージパターンの自動生成を可能にするため、メッセージログからメッセージパターン学習についてベイズ推定を用いて実現する方式を提案する。さらに、この方式により効率の良い学習ができ、高い精度で障害検知を行えることを実験によって示す。
著者
蒔苗 直道
出版者
日本教材学会
雑誌
教材学研究 (ISSN:0915857X)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.43-50, 2012 (Released:2020-03-20)
参考文献数
10

In 1941, the 5th national elementary arithmetic textbook ‘Kazu-no-Hon [Book of Numbers]’ was published. I make comparison between the textbook and the previous textbook, the 4th elementary arithmetic textbook ‘Jinjo Syogaku Sanjutsu [Ordinary Elementary Arithmetic]’. Through the comparison, I revaluate the teaching materials for geometry in ‘Kazu-no-Hon’. Between those textbooks, I can see significant difference. In ‘Kazu-no-Hon’, there are the materials that students can observe the changing shapes and those relationships through moving actual objects. They are characteristic materials found only in ‘Kazu-no-Hon’. And they reflect the intention to develop children’s figural concepts before starting to learn geometrical definitions, properties and construction of figures.
著者
伊藤 正俊 木下 美和子
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.252-255, 1988 (Released:2010-08-25)
参考文献数
5

乾皮症10例, 尋常性魚鱗癬2例, アトピー性皮膚炎2例, 及び進行性指掌角皮症9例の計23例に尿素10%含有クリーム (フェルゼア®) を用い臨床効果を検討した。その結果, 極めて有用5例, かなり有用13例, やや有用5例の成績が得られた。疾患別では尋常性魚鱗癬, 及びアトピー性皮膚炎で著しい効果を認めた。しかし, 乾皮症, 進行性指掌角皮症の一部の症例では皮疹の改善があまり著明でない症例を認めた。全例で副作用は認められなかった。
著者
山岸 明彦 三田 肇 田端 誠 小林 憲正 横堀 伸一 東出 真澄
出版者
東京薬科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

国際宇宙ステーションで実施した曝露実験試料および超高速微粒子捕集実験試料の解析を行い、生命の起源に関する二つの仮説を検証する結果を得た。エアロゲルの表面に0.1mm以上の衝突痕を合計200個以上発見した。捕集粒子および曝露パネルの分析から以下の結果を得た。1.微生物密度の上限を決定した。2.曝露微生物生存率を推定し、宇宙での死滅が指数関数的であることを確認した。3. 複雑態アミノ酸前駆体がヒダントインのような単純な前駆体よりも安定であることを確認した。4. 捕集超高速衝突粒子の無機鉱物分析を行い宇宙塵を確認した。 5. 世界最高性能エアロゲルを実証した。 6. 微小デブリの衝突頻度を得た。
著者
大島千佳 中山功一 伊藤直樹 西本一志 安田清 細井尚人 奥村浩 堀川悦夫
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013-MUS-100, no.1, pp.1-6, 2013-08-24

シンセサイザのボコーダの機能を利用し,発声をリアルタイムに長調や短調の音楽に変換することによる,気分の変化について調べた.音楽はさらに MusiCuddle というシステムを利用し,ユーザの発声と同じ音高から開始された.実験の結果,気分の変化に関して,短調と長調の和声フレーズの条件の間で,「陽気な」 「悲観した」 に差異が認められた.ここから,憂鬱な気分であっても,自分の発声が強制的に楽しい気分を誘う音楽に変換されると,気分が楽しくなることが示唆された.
著者
藤澤隆史 NormanD Cook 長田典子 片寄晴弘
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.39(2006-EC-004), pp.9-14, 2006-05-03

和音/和声(chord/harmony)は,メロディ(melody),リズム(rhythm)とともに音楽を形作る重要な要素である.音楽の物理的な音響的特徴とその心理的な印象や感性との関連性について定量的に評価するために,本研究では和音性についての評価モデルを構築した.和音性は,(1)協和度(心地よい-わるい,澄んだ-濁った),(2)緊張度(緊張した-落ちついた),さらに長調か短調かといった性質を決定する(3)モダリティ(明るい-暗い,うれしい-悲しい)から構成される.本研究において提案されたモデルと,これまで経験的に知られている様々な和音タイプおよび得られた実験データとの整合性を確認し,妥当性の検討を行なった.
著者
前田 直己
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 農学 = Bulletin of Yamagata University. 山形大学農学部 編 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.365-372, 2017-02

本研究では,はじめにブロッケン現象のメカニズムについて紹介した後,日本の古典に記された「来迎」を時系列的に整理することで先人たちがこの自然現象をどのように把握していたのか明らかにすることとしたい。2016年10月時点で,Web of Scienceで、Brocken spectreを検索するとBeaton, A. et al.(1996),Houston, D(1999),Mitchell, S.(2007)の3件が選択されるのみであるが,ブロッケン現象を起こすMie散乱(Mie Scattering)(後術)に関する論文は5,000件を超える数がある。古典に記載された文章から,中世の人たちが自然現象をどのように把握していたのか明らかにしようとする研究事例はほとんどないので,本論ではこの点を明らかにすることを目的とした。
出版者
あああああの会
巻号頁・発行日
0000
著者
大多和 直樹
出版者
日本高等教育学会
雑誌
高等教育研究 (ISSN:24342343)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.87-106, 2016-05-30 (Released:2019-05-13)
参考文献数
27

本稿は,大学改革において形成的評価による課題の共有と議論を活性化のために学生調査をどう活用できるのかについて考察するものである. ここでは,まず①学生調査の視角の特長とその意義について確認し,②近年行われた具体的な調査に言及しながら学生調査の最も定番的なI-E-Oモデル(カレッジインパクト理論)の特質を把握しつつ,分析のインパクトを高めるべくI-E-Oモデルを微修正することを試みた(Ⅲ章). 次に③現代の大学改革を捉え返す具体例として,どのような分析がありうるのかについて大学における主体的な学びを題材にしながら考える(Ⅳ章)とともに,④補足的に個別機関の調査おける分析の限界の克服を可能とする大規模調査やベンチマークの意義と動向についてみていく作業を行った(Ⅴ章).