著者
岸田 久吉
出版者
Arachnological Society of Japan
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.138-145, 1940-07-30 (Released:2008-12-19)
被引用文献数
1 4
著者
合崎 英男
出版者
北海道大学大学院農学研究院
雑誌
北海道大学農經論叢 (ISSN:03855961)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.59-71, 2017-03-31

The application of Case 1 Best-Worst Scaling (BWS) to empirical studies consists of the following steps: (1) establishing the objective of applying BWS, (2) writing a scenario where respondents evaluate items, (3) creating choice sets, (4) preparing a questionnaire survey, (5) implementing the survey, (6) preparing the data set for analysis of the responses, and (7) measuring the relative importance of items. This paper provides Japanese R beginners with an explanation of how the support. BWS and other packages in R are used for implementing this series of steps via an illustration of consumers' valuation of fruits.
著者
田中 政信 中島 寿亀 森 欣也
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.551-556, 2003-11-15 (Released:2008-01-31)
参考文献数
14
被引用文献数
3 4

日本在来のサトイモ14品種群,37品種を供試して,葉柄内のシュウ酸カルシウム結晶細胞の密度および大きさを調査し,以下の結果を得た.供試したすべての品種の葉柄中には防御的束晶細胞および非防御的束晶細胞の2タイプの束晶細胞が観察された.品種群の間で束晶細胞の密度に差異が認められた.また,いくつかの品種群の間では束晶細胞の密度や形状は類似していた.各品種群内における品種間の束晶細胞密度の差異は,一部の品種群以外は認められなかった.いずれの品種も集晶細胞密度は束晶細胞密度より高く,品種群内におけるそれぞれの細胞密度の差もかなり大きかった.14品種群は葉柄の束晶細胞密度により2グループに分類された.低密度グループには,みがしき群,溝芋群,薑芋群,唐芋群,八ツ頭群,蓮芋群,えぐ芋群および赤芽芋幹の8群が区分され,高密度グループには黒軸群,蓮菊芋群,石川早生群,土垂群,筍芋群および檳榔芯群の6群が区分された.葉柄用および芋・葉柄兼用品種群の葉柄内の束晶細胞密度は,芋用品種群のそれより低かった.また,葉柄用品種群の束晶細胞の大きさは比較的小さかった.以上の結果から,束晶細胞の密度および大きさは,サトイモ葉柄用品種の育種において"えぐ味"が少ない個体を選抜するための指標として利用することが可能と考えられる.
著者
志智 大介 谷澤 朋美 本田 勝亮
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.335-340, 2008-07-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
19
被引用文献数
2 3

2001年から2007年までの7年間において静岡県浜松市保健所へのつつが虫病の届出数は6件あった. 内5件について診療録上の考察を行った. 血清抗体価検査上, 4例でもっとも優位に上昇した株はGilliam株だったが, Kawasaki株まで調べた1例ではKawasaki株がもっとも優勢だった. 臨床症状では, 発熱, 発疹, 頭痛, 比較的徐脈を高率にみとめた. 臨床検査では3例に異型リンパ球出現, 全例に好酸球消失を認めた. 4例 (80%) に低ナトリウム血症を認めた. 1例は不適切ADH分泌症候群が疑われた. 全例がminocycline投与で36時間以内に迅速に解熱した.
著者
長坂 昌一郎 今川 八束 村田 道里
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.591-596, 1991-05-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
10
被引用文献数
1 3

伊豆諸島では古くから「七島熱」と呼ばれるつつが虫病の流行が知られ, これまでに大島, 新島, 式根島, 神津島, 三宅島, 御蔵島, および八丈島で患者が確認されているが, 流行区域内の利島では報告がなかった. 今回我々は利島において, 1988年12月, ついで1989年12月にあいついでつつが虫病の症例を経験したので報告する.第1例は73歳男性, 第2例は83歳女性で, 両症例とも, 発熱, 発疹, 刺し口の主要症候を認めたが, リンパ節腫脹, 肝脾腫は認めなかった. 治療はテトラサイクリン系抗生物質の投与をおこない, 両症例とも速やかに解熱し, 発疹も徐々に消腿した. 血清学的には間接免疫蛍光法により, IgG抗体はKarp, Gilliam, Katoの各標準株に対して上昇し, IgM抗体はGilliam株にのみ上昇を認め, Gilliamないしその類縁株による感染が強く疑われた.
著者
中川 義久 古家 英寿 佐藤 宏 松本 芳彬
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.1433-1436, 1994-11-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

A 64-year-old male was admitted to our division because of fever.After admission, the patient was given β-lactam antibiotics intravenously because he had no eruption and eschar. However, the fever continued, and he became unconsciousness and DIC appeared. We diagnosed the patient as Tsutsugamushi disease from indirect fluorescent antibody technique. Minocycline was excellently effective.Several reports of Tsutsugamushi disease without eruption have been given, so we must always be careful of Tsutsugamushi disease
著者
小川 基彦 萩原 敏且 岸本 寿男 志賀 定祠 吉田 芳哉 古屋 由美子 海保 郁夫 伊藤 忠彦 根本 治育 山本 徳栄 益川 邦彦
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.353-358, 2001-05-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
13
被引用文献数
3 3

ツツガムシ病の全国の発生状況について, 1998年に実施した調査票をもとに解析を行った. 1998年の患者は416人で, 24の都道府県で発生し, 過去3年間とほぼ同数であった. 患者には性差は認められず, 51歳以上の割合が723%と高かった. また, 患者の32.0%および1a5%が農作業および森林作業に従事しており, 高い割合を占めた. 患者の発生は, 九州地方で全体の56.2%を占め, 続いて関東地方の20.7%, 東北・北陸地方の19.0%となり, これらの地方だけで全国の959%の発生があった.また, 月別にみると, 東北, 北陸地方では4~6月と10~12月の両方に発生がみられ, 九州, 関東などそれ以外の地域では10~12月に発生が多くみられ, 地方ごとの流行時期が示された. さらに, 九州地方における流行株を患者血清の抗体価から推測した結果, 新しい血清型のKawasaki, Kuroki株がこの順に多く大部分を占め, 地域差は認められなかった. また, この地方では標準株 (Kato, Karp, Gilliam株) ではなく, 新しい血清型を使用しないと診断できない患者が24人認められた. この結果から, 他の地域でも流行株の調査および診断に使用する株を検討する必要が示唆された. 今回初めてツツガムシ病のわが国における全体像が明らかになり, 今後の発生予測, 適切な診断と治療および予防を行うにあたり極めて重要な情報が得られた.
著者
塙 敏博 伊田 明弘 大島 聡史 河合 直聡
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2016-HPC-155, no.40, pp.1-9, 2016-08-01

近年,FPGA (Field Programmable Gate Array) に対して新たな高性能計算向けのハードウェアとして注目が集まっている.FPGA は対象とする処理に合わせた最適な回路構成を用いることで高い性能や高い電力あたり性能を得られる可能性がある.さらに OpenCL を用いてプログラムコードの形で記述するだけで,FPGA 上のハードウェアとして容易に実現が可能な環境が整ってきた.本研究では,階層型行列における行列ベクトル積演算を対象に,FPGA 上に実装を行う.階層型行列は,小さな密行列と低ランク近似行列から構成される.階層型行列ベクトル積を行うには,これら構成行列に依存して入り組んだ処理が必要となる.このような問題に対して OpenCL を用いて FPGA 向けの実装を行い,コードの最適化方法と性能について比較する.
著者
鈴木 達也 後藤 健 舟場 正幸 入来 常徳 波多野 義一 阿部 又信
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.4, no.Supplement, pp.39-40, 2001-05-24 (Released:2012-09-24)
参考文献数
3

実験1(n=7)において,健康なネコに市販ドライフード(乾物中CP30%)を1日3時間だけ制限給餌した場合,不断給餌に比べて尿量は変わらなかったが排尿頻度(1日当たりの排尿回数)が減少した。給餌方法に関わらず日中の排尿は少なかったが,時間制限の場合は食後の尿pHが著しく上昇した。一方,不断給餌中は1日を通して尿pHは比較的安定していた。実験2(n=12)において,健康なネコに乾物当たりのCP含量が29%,50%および71%のドライフードを不断給与した結果,粗蛋白質含量の増加とともに排尿頻度および尿量が増加し,尿pHは低下した。
著者
佐藤 裕
出版者
医学書院
雑誌
臨床外科 (ISSN:03869857)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.243-245, 2008-02-20

1.フランスの「痔瘻の年」(1686年) フランスでは1686年を「痔瘻の年」と呼ぶことをご存じであろうか.この年の11月18日に,17世紀フランスにおいて絶対的権力者として君臨した太陽王ルイ14世(図1)が,長年にわたって彼を苦しめていた痔瘻の根治手術を受けたのである(別に意図したわけではないが,11月18日から本稿を書き始めた).現在,ベルサイユ宮殿の前庭には雄々しいルイ14世の騎乗像が建っており,この像は痔瘻の手術の前か後か定かではないが,痔瘻で苦しんでいたということを感じさせないものである(もっとも,絶対権力者の弱々しい姿を写すわけもないのだが). このとき,ルイ14世の痔瘻を外科的に治療したのが,国王の主席外科医であったフェリックス(Francois Felix:1635~1703年:図2)であった.巷間,手術を担当することになったフェリックスは,国王の体にメスをあてるので,絶対に失敗の許されない手術を実施する前に多くの痔瘻患者を集めて,そのすべてを自らが執刀することにより安全な手術手技の確立をはかったと言われている.そして,1686年11月18日にベルサイユ宮殿2階の「牛の目のサロン」に設けられた臨時の手術室において,多くの侍医団や家臣が見守るなか無麻酔下にこの手術は行われた.
著者
武田 江里子
出版者
日本小児保健協会
雑誌
小児保健研究 (ISSN:00374113)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.665-674, 2007-09-30
参考文献数
15
被引用文献数
1
著者
福澤 雪子 山川 裕子
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.81-89, 2006
被引用文献数
3

本研究の目的は,産後1か月間の母親の対児愛着の形成の様相を明らかにし,精神状態との関連を検討することにある.赤ちゃんへの気持ち質問票日本版(吉田,1998)とエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS:Cox,1987,)を用い,356名の母親(初産婦188名,経産婦168名)を対象に,退院時と産後1か月時に調査を行った.対児愛着得点は,退院時1.92±2.18点,1か月時1.57±2.10点で有意差があった.1か月間で喜び感情が増大し,怒り感情は減少していた.初産婦と経産婦別では,退院時(2.48±2.42点 vs 1.29±1.67点),1か月時(1.94±2.22点 vs 1.15±1.88点)共に有意差があった.EPDS高得点者は,退院時32名(9%),1か月時17名(4.8%)で,2時点共に低得点者は314名(88.2%)であった.EPDS低得点・高得点別の対児愛着得点は,退院時(1.75±1.99点 vs 3.59±3.17点)・ 1か月時(1.43±1.98点 vs 4.18±2.81点)で有意差が見られた.2時点共に低得点の母親とそれ以外の母親では,退院時(1.70±1.96点 vs 3.57±2.94点)・1か月時(1.40±1.96点 vs 2.79±2.69点)で有意差が見られた.以上より,母親の対児愛着は,産後1か月間で変化していることが明らかになり,愛着形成途上であると考えられる.また,経産婦は初産婦と比べてより肯定的な対児愛着であることから,愛着形成には育児経験の差が影響すると考えられる.母親の対児愛着と精神状態には関連が見られ,産後1か月間の母親の精神状態が継続して健全であることが,対児愛着の形成に影響することが示唆された.子どもに対する母親の愛着形成を育むためには,心身共に変化しやすい産後1か月間の母親へのサポートが重要である.