著者
中谷 勇哉
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.167-177, 2015-03-31 (Released:2017-01-25)
参考文献数
14

本発表の目的は, 与えられたテーマ(「現代日本にある多様な文化はそれぞれ, 情報技術とどのような相互作用を持っている(あるいは持っていない)」)のであろうか)について, 知覚の変化という観点から, 現代を「メタ複製技術時代」として捉え考察することである。事例としては, 初音ミクのライブを扱う。そのなかでまず, 既存の初音ミク論について整理した後, フラッシュモブとハクティビズムという現代の文化現象が, ロックフェスティバルとハッカー文化にその原型をもっていること, そしてそれらの関連性について述べる。その後それらのことから, 複製技術時代からメタ複製技術時代への移行と音楽聴取形態の変容が関連して起きていることを示す。また, 以上の議論から, 文化領域における情報の価値についても考察を試みる。
著者
村上 弘
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.1_117-1_140, 2016 (Released:2019-06-10)
参考文献数
57

日本の政治学教育 (主権者教育) について, 目的, 内容, 手法 (教え方) を整理し, 見解を述べるとともに, とくに内容の面について, 2点を中心に考える。第1に, 教えるべき項目群を民主主義, 市民社会などの政治理念から体系的に導出できないか試みる。第2に, とくに日本で理解が弱いと思われる 「多元的民主主義」 や, その具体的な理解につながる政治権力への批判的視点や政党システムに関する教育について, 内容や教え方を検討する。    教える内容について, とくに高校までの段階では 「政治的教育の中立性」 による制約があるが, 中立性と, 多元的・批判的な見解の紹介とは両立しうる。多元的民主主義や政府への批判的視点は, 政治史, 政治思想, 政治制度, 比較政治などを通じて理解してもらうべきだ。各政党の論評が難しい場合には, 政党システムや 「左と右」 の座標軸を教えることで, 政治を比較し判断する視点を身に付けてもらうこともできる。    教え方については, 複数の情報や見解をもとに考え議論する力を付けさせるとともに, 集団作業, 政治参加, 市民活動などの経験を促すこと自体が有効である。
著者
鈴木 拡 湊 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.54, pp.1-7, 2009-05-19
参考文献数
11
被引用文献数
1

二分決定グラフ(BDD)は,論理関数のグラフ表現であり,大規模な論理関数データでも比較的コンパクトなデータ構造として表現できる.さらに,BDDの特殊な型であるゼロサプレス型BDD(ZDD)は組合せ集合データの表現・処理に適しており,情報科学における様々な問題に応用できる.その一つの例が制約充足問題である.制約充足問題を解くために多くのアルゴリズムが考案されているが,その一方で,解集合の解析や新たな制約を加えて別の制約充足問題を解くということは,また別の問題として残っている.そこで,BDDまたはZDDで解全体を同時に表現することで,それらを効率よく行う方法を述べる.本稿では,古くから親しまれてきたペントミノパズルを取り上げ,これを制約充足問題として定式化した上でBDDとZDDに基づいた解法を示す.
著者
草野 英昭 立木 孝 村井 和夫 千葉 秀樹 石川 健
出版者
Japan Otological Society
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.5, no.5, pp.621-626, 1995-12-25 (Released:2011-06-17)
参考文献数
15

The patients with noises in the head were studied and compared with those who have monaural or binaural tinnitus.The subjects were 299 patients, from September 1993 to October 1994, with sensorineural hearing loss with tinnitus. They were divided into three groups.Group A: 20 (9 males and 11 females) patients with noises in the head.Group B: 70 (45 males and 25 females) patients with binaural tinnitus.Group C: 209 (96 males and 113 females) patients with monaural tinnitus.The results were as follows, 1) The mean age in group A was more than 10 years higher than that in group B and group C.2) There was no difference in the average hearing level between three groups.3) The audiograms in group A showed a high tone gradual loss more than those in group B and group C.4) There was no significant difference in the mean age and average hearing level between group B and group C.As the results above, noises in the head were somewhat different from tinnitus and were often found in the elderly people. So it is likely that noises in the head have something with degenerative changes with aging.
著者
竹井 和人 甲斐 義浩 政所 和也
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Ab1080, 2012 (Released:2012-08-10)

【目的】 上肢挙上運動時の上腕骨と肩甲骨の規則的な運動は,腱板を代表とする肩関節周囲筋の協調的な活動によって成り立っている。従来の報告では,上肢挙上運動に外部負荷を加えることで,肩関節周囲筋の筋活動性を変化させても肩甲上腕関節や肩甲胸郭関節の運動は変化しないことが示されている。すなわち,正常な関節運動は筋活動性の増減に依存せず,筋活動の至適調節によって再現される可能性がある。しかしながら,筋活動の至適調節能の破綻によって肩関節運動が変化するか否かは不明である。そこで本研究では,上肢挙上運動への関与がすでに確認されている肩外旋筋に焦点をあて,肩外旋筋疲労による活動調節能の破綻が肩甲上腕関節および肩甲胸郭関節の運動におよぼす影響について検討した。【対象と方法】 対象は,健常成人男性18名の利き手側18肩(平均年齢20.4±1.9歳)とした。被験者は,体重の約5%に相当するダンベルを用いて,側臥位にて反復外旋運動を可能なかぎり行った。外旋運動後,筋力測定(ハンドヘルドダイナモメーター)によって外旋運動前より70%以上の筋出力低下(筋疲労)を確認したのち,ただちに上肢挙上運動時(肩甲骨面挙上)の肩甲上腕関節および肩甲胸郭関節の運動学的データを計測した。測定には,磁気センサー式3次元空間計測装置(3SPACE-LIBERTY,Polhemus社製)および解析ソフトMotion Monitor(Innovative Sports Training社製)を用い,上肢挙上運動5°ごとの肩甲上腕関節挙上角(GHE),肩甲骨上方回旋角(SUR),肩甲骨後方傾斜角(SPT)を求めた。磁気センサーは,胸骨柄,肩峰,上腕骨三角筋粗面にそれぞれ工業用両面テープを用いて強固に貼付した。センサー貼付後,上腕骨,肩甲骨および胸郭における骨格ランドマークのデジタライズ処理によって,解剖学的な座標系を求めた。運動軸は,International Society Biomechanics推奨のISB Shoulder recommendationに従い定義し,上肢挙上角(胸郭と上腕骨のなす角)5°ごとのGHE,SUR,SPTを算出した。なお,測定は反復外旋運動前後にそれぞれ2回計測し,平均値を代表値として採用した。統計処理は,各測定値の再現性について,2回の測定値から級内相関係数(ICC)を求めた。また,各測定値(GHE,SUR,SPT)の外旋筋群疲労前後の比較には,二元配置分散分析およびBonferroniの多重比較検定を採用し,危険率5%未満を有意差ありと判断した。【説明と同意】 対象者には研究の趣旨と内容,得られたデータは研究の目的以外には使用しないこと,および個人情報の漏洩に注意することについて説明し,同意を得た上で研究を開始した。【結果】 各測定値のICCは0.99(95%CI:0.96-0.99)で,極めて高い再現性が確認された。上肢最大挙上時の各測定値の平均は,GHEが疲労前84.5±8.2°,疲労後82.1±9.8°,SURが疲労前39.8±5.4°,疲労後39.9±5.4°,SPTが疲労前26.2±7.5°,疲労後24.4±6.3°であり,筋疲労前後での有意な差は認められなかった。上肢挙上角5°ごとのGHE,SUR,SPTを外旋筋群疲労前後で比較した結果,SURは挙上10°から60°の間で,疲労前と比べ疲労後で有意に高値を示した(p<0.01)。一方,GHEおよびSPTでは疲労前後で有意な差は認められなかった。【考察】 本研究の結果より,外旋筋疲労によって上肢挙上60°までの肩甲骨上方回旋角が有意に高値を示した。肩関節外旋筋の1つである棘下筋は,肩甲上腕関節の動的安定化に貢献する重要な筋である。また棘下筋の役割は,肩外旋運動や安定化作用のみならず,上肢挙上運動時の動作筋としての作用を合わせもつことが報告されている。さらに,上肢挙上運動における棘下筋の筋活動性を分析した先行研究では,挙上60°から90°の間でピークに達することを述べている。すなわち,肩甲上腕関節に作用する棘下筋の活動調節能の破綻は,上肢挙上運動に伴う肩甲骨運動の変化をまねくこと,また棘下筋が活動性を高める上肢挙上60°まで肩甲骨上方回旋を増加させることが示された。【理学療法学研究としての意義】 肩甲上腕関節に直接作用する外旋筋の筋疲労は,肩甲骨運動の変化を招くことに留意する必要がある。
著者
上田 天瑞
出版者
密教研究会
雑誌
密教研究 (ISSN:18843441)
巻号頁・発行日
vol.1932, no.46, pp.1-24, 1932-10-20 (Released:2010-03-12)
著者
Naoki Yamamoto Hiroyuki Kajiura Shinya Takeno Nobuaki Suzuki Yoshihisa Nakazawa
出版者
Japanese Society for Plant Cell and Molecular Biology
雑誌
Plant Biotechnology (ISSN:13424580)
巻号頁・発行日
pp.14.0609b, (Released:2014-08-23)
参考文献数
33
被引用文献数
1 3

We established a DNA watermarking system for discriminating transgenic plants. The system contains an encryption algorithm based on a binary system, genetic transformation and a detection algorithm for encrypted DNA watermark sequences using a DNA dot plot. The encryption algorithm converted character strings into nucleic acid sequences through binary digits, and the sequence was designed to be resistant to transition mutations to decipher codes completely. Moreover, the encrypted sequences were capable of taking specific nucleotide sequences in using the algorithmic redundancy of the corresponding DNA. Genetic transformation enables labeling plant genomes with DNA watermarks. The detection algorithm allows finding traces of sequence changes in DNA watermarks, complementing the error protection function of the encryption algorithm. To validate the effectiveness of our DNA watermarking system, we introduced a DNA watermark to the tobacco genome and detected the DNA watermark in PCR products amplified from the genome. This indicates that DNA watermark technology is useful for introducing artificial genetic markers in plant organisms, in particular when several transgenic host plants and transgenes are used. The source codes of the Perl scripts are available in this report.
著者
逓信省郵務局 著
出版者
逓信協会
巻号頁・発行日
vol.第2輯, 1935
著者
寺本 千恵 永田 智子 成瀬 昂 横田 慎一郎 山本 則子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.336-345, 2018

<p><b>目的:</b>救急外来受診後30日以内の再受診例に関し,再受診の原因や経緯からパターンを見いだすことを目的とした.</p><p><b>方法:</b>診療録による比較事例研究の手法で分析した.2013年2月~12月に都内1大学病院救急外来を受診した患者のうち30日以内に再受診をした者を対象とした.事例―コードマトリックスによる分析から事例をパターン分類し,パターン別に群間比較した.</p><p><b>結果:</b>136事例は,初回受診時に医師から再受診を促された【予定再受診】,帰宅後に再受診を促された【医療職者の指示による再受診】,同じ症状が悪化した【医療が必要になった再受診】,異なる症状が出現した【異なるエピソードでの再受診】,再受診の必要性が低いと思われる【軽症での再受診】の5つのパターンに分類された.</p><p><b>結論:</b>本研究では,救急外来の再受診には5つのパターンがあること,初回の救急受診時に患者のパターンを把握し,それぞれに必要な支援をすることの重要性が示唆された.</p>

1 0 0 0 畦放

著者
金堀則夫著
出版者
思潮社
巻号頁・発行日
2013
著者
秋谷豊著
出版者
地球社
巻号頁・発行日
1987

1 0 0 0 小鳥のかげ

著者
武田隆子著
出版者
紅花社
巻号頁・発行日
1970
著者
瀬谷耕作著
出版者
黒詩社
巻号頁・発行日
1985