著者
藤友 雄暉
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.11-17, 1979-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
11
被引用文献数
1

The present study was designed to investigate the acquisition of Japanese “Joshis”, postpositional auxiliary words, in infants.The subjects were 102 infants age 4, 5 and 6 years. They were asked to make oral compositions, looking at the presented pictures. Twenty-one pictures were presented. Fourteen of them were concrete objects, and the others were geometric figures.The main results were as follows:(1) A group: developmental changes in the acquisition of Joshis were observed markedly between the ages of 4 and 5 years.Kaku Joshi...NI, GA, O, DE, EKakari Joshi...WA, MOFuku Joshi...KASetsuzoku Joshi...TE, DE, KARA, NONIKantou Joshi...YO(2) B group: developmental changes were observed markedly between the ages of 5 and 6 years.Fuku Joshi...MADESetsuzoku Joshi...TO, NODE(3) C group: the acquisition of Joshis developed gradually with age.Kaku Joshi...TO, KARA, YAKantou Joshi...NE
著者
市田 昭人
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 = Japan analyst (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.613-625, 1997-08-05
参考文献数
40
被引用文献数
1 1

溶解・再析出を経験した三酢酸セルロースを粉末化あいはシリカゲルにコーティングした固定相でも光学分割能を示す.その光学分割能は微結晶三酢酸セルロースで重要視された天然セルロースが持つ結晶構造には依存しない.酢酸セルロース分子鎖の立体構造の規則性が重要であり,シリカゲルに担持させる際に三酢酸セルロースを溶解させるために用いる溶媒に左右される.セルロース,アミロース誘導体を用いた固定相では多数の化合物が分割されるが,それぞれ分割される化合物には違いがある.多糖に導入する置換基の構造よりも,多糖主鎖の構造の違いのほうが光学分割能に大きな差異を示す.カラム法による光学活性体の生産規模での分離には,シングルカラムを用いるバッチ式よりも試料の注入と分離成分の抜き取りを連続的に行うSMB法が高い分離効率を示し,工業規模での生産プロセスへの応用研究が急ピッチで進められている.
著者
有富 慶二 野村 裕知
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1154, pp.66-69, 2002-08-19

問 7月24日に信書便法を含む郵政関連法が成立しました。ヤマト運輸は4月末の段階で早々と郵便事業の不参入を表明していますが、成立した法律に関してどのような感想を持っていますか。 答 役所の「勝ちすぎ」ですね。ものすごい得点差がついて、民間企業はコールド負け。過ぎたるは及ばざるがごとしと言いますが、ちょっとやりすぎではないでしょうか。
著者
申 賢洙 シン ヒョンス Hyunsoo Shin
出版者
同志社大学商学会
雑誌
同志社商学 (ISSN:03872858)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.540-560, 2010-03

研究光澤滋朗教授 古稀祝賀記念号
著者
田名部 雄一
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.5, pp.135-172, 1991-10-15

動物の種の間には、互に外部的な共生現象がみられることが多い。ヒトと家畜の間の共生現象の大部分は、ヒトには利益があるが、他方の種(家畜)には大きな害はないが、ほとんど利益のない偏利共生(Commensalism)である。ヒトと家畜の間の共生現象のうち、相互に利益のある相利共生(Partnership)の関係にあるのは、ヒトとイヌ・ネコの間の関係のみである。
著者
加納 国雄
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.916, pp.197-200, 1997-11-17

今年10月、香港のホテルが日本人客の宿泊料金を高額に設定しているという日本の新聞報道がありました。掲載された価格リストでは、「日本人」と「日本人ではない人」と2通りに分けて料金が表示されていて、記事は「日本人だけが高い宿泊費を払わされている」という内容でした。ホテルに2重価格が存在するというのです。
著者
中永 士師明
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.77-81, 2008 (Released:2008-07-23)
参考文献数
19
被引用文献数
1 3

大建中湯はイレウスの保存的治療法の一つとして現代医学に定着しつつある。今回救急受診した急性腹症3例に対して大建中湯を使用したので報告した。3例とも腹痛が強く,小腸ガスも認められたが,大建中湯の内服によって症状が改善し,入院することなく帰宅することができた。救急診療において機能性イレウスであれば積極的な大建中湯の投与により入院治療を回避できる可能性が示唆された。
著者
森松 健介
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
no.82, pp.1-28, 2015

ジョン・クレア(1793-1864)とトマス・ハーディ(1840-1928)には明らかな共通性がある。両者とも社会派作家として社会悪の《真実》を暴いた。クレアに上位階級批判が多いと同じく,ハーディは初期小説から社会派的批判を濃厚に示し,中期,また特に後期小説では上位階級批判を主題とした。詩においてもハーディのギボン(Edward Gibbon, 1737-94)礼賛も社会悪の直視だ。《真実》を語れば文筆家は弾圧されるという感覚は両者に顕著である。それでも二人共,農村労働者の勤勉と優しさを描き,具体例としてはクレアの農耕馬,ハーディの馬車馬描写が酷似し,また荒れ地の植物ヘザーと針エニシダも二人の共通の愛を受けている。クレアは旧式のパストラルを批判したが,これはハーディが『緑の木陰』で実践した。その小説の最終章冒頭の緑の木の蔭とクレアの詩の類似は驚くべきだ。クレアの荒地変貌への嘆きもハーディに受け継がれた。最後に,クレアの「原野」と「恋と記憶」を読み,二人の郷土愛・恋愛観の類似を示した。
著者
下山 晃
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.14-18, 2002
参考文献数
21

隕石の中でも炭素質隕石は太陽系の原始物質であり, 有機物を含んでいる。隕石アミノ酸が地球起源でなく, 非生物起源であり, このため宇宙起源であることはマーチソン隕石の分析から判明した。同様な結果は南極隕石のアミノ酸分析からも判明し, その種類や存在量, また, 隕石有機物としての特徴もこれらの隕石では共通していた。その後の分析ではジカルボン酸もアミノ酸と類似した特徴をもつことが判明した。隕石有機物の起源については, これまで原始太陽系星雲中や隕石母天体上での成因が提案され, 議論されてきた。近年のH, C, Nの安定同位体比の研究は, 異常に高い同位体比を隕石有機物が示すことから, 先太陽系(つまり星間)での生成が議論され, 起源と成因について新しい展開が見られる。さらに, 個別の同位体比測定が可能になり, 分子の生成経路に関しても考察が可能となった。さらになお, 隕石有機物の化学進化はアミノ酸や核酸の塩基などの生成まで進んだことを示しており, 地球に次いで生体関連有機物が存在する天体が存在することが判明した。
著者
大竹 真紀子 荒井 朋子 武田 弘 唐牛 譲 佐伯 和人 諸田 智克 小林 進悟 大槻 真嗣 國井 康晴
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.217-223, 2012
参考文献数
16

従来,月の地殻組成は月採取帰還試料や月隕石の分析値を基に推定されてきたが,最近になって,月周回衛星"かぐや"データを用いた研究などにより,既存の月採取帰還試料とは異なる組成の,より早い分化段階で形成した始原的な地殻物質が,月裏側に存在する事が指摘されている.これら未採取の月裏側地殻物質を入手し,詳細な化学組成等の情報を得る事は,月高地地殻の組成,月マグマオーシャンの固化過程や熱履歴を知ることに加え,月・地球系の形成過程を考える上でも重要な課題である.本提案では,来る10年の惑星探査計画として,月裏側の高地地域から未採取地殻物質の採取帰還を行い,詳細な組成分析,同位体分析,組織分析,既存のリモートセンシングデータと比較するための分光測定,風化度測定など,さまざまな分析を行うことにより,これら科学目標達成を目指すミッションを提案する.