著者
亀田 裕見
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.5-18, 2006-04-30 (Released:2017-08-31)

In Ibuki Island, Kagawa Prefecture, a "kako-shiki (declining)" accent is observed by some scholars. Judged with the aural impressions, the previous studies have stated that this accent pattern has subtle declining tone from the second mora to the third mora. In this article, we measure frequency movements of this accent and compare them with those of the words in the second mora nucleus type accents. The result is as follows. The difference clearly exists between the kako-shiki accent and the other accents on Ibuki Island. And the peak position of frequency movement does not always exists between the second mora and the third mora. In addition, we collect samples of the small declining tones in three different places in the northeastern Shikoku area. We try to extract frequency movement patterns in each mora, and to characterize these patterns.
著者
鈴木 忠義
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.91-95, 1960
被引用文献数
2

今回の1958~1960の調査では、この地区の施設整備、周辺ルートの整備、一般の好景気にもとずくレクリエーシヨン情勢などの変化から、これまでの最高339,000人(1957)を10%も上まわる370,000人(1959)の最高の利用者を示したが、根本的な変化はみられない。しかし次の諸事項が変化として考察される。<BR>1定期バス、貸切バス、乗用車に海水浴目的が強くあらわれている。しかし、後2者は海水浴前後の回遊性が強い。<BR>2 鉄道はピークの発生時刻が早くなり、出のピークがこれまでのロング・ピークよりするどくなつてきている。<BR>3 通過性は貸切バスに減少が見られ、乗用車も、全体の増加から数の増加は見られるが、比率は減少の傾向にある。<BR>4 全体として現象が0.5~1時間早くあらわれてきている。<BR>5 乗用車の滞留時間が4~8時間と、複雑になつてきている。<BR>6 最高滞留時における利用密度は3.5~5.5m2/人でこれまでと同様、高い密度を示している。
著者
田中 健作
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.4, 2011

1.はじめに<BR>本報告では,山村地域の公共交通運営の在り方を探るため,広島県三次市を事例として,市町村合併後の公共交通再編成の特徴を明らかにする.そのために,自治体の対応を軸に,各路線の配置形態や利用状況に加え,サービス生産に必要な各経営資源の存立形態等について検討する.<BR>2.広島県内の公共交通政策の動向<BR>規制緩和等により,シビルミニマムとしての公共交通を確保していくうえで,三次市をはじめ各自治体の役割はより重要になっている.広島県内の各市町の政策動向をみると,市町村合併後に,公共交通ネットワークの効率化と交通空白地域解消を目指し,国や県の公共交通再編支援策を活用しながら,各市町は山間部等の低需要地域を中心にデマンド型交通を,市街地への循環バス等を導入している.<BR>この結果,広島県内の過疎地域を多く抱える各地域では,公共交通への需要が低迷する中で,乗合バス事業者が主に広域的な輸送を,事業者の撤退した路線や市町内の輸送を自治体バス等が担っている.<BR>3.広島県三次市における公共交通の再編成<BR>このような下で三次市は,市町村合併後,旧町村間にあったバス運行形態のバラつきの解消や交通空白地域の解消を目指した公共交通再編成を進めている.<BR>はじめに,公共交通政策の変遷をみると,市は2005年3月の「三次市生活交通体系実施計画」の策定以降,2007年3月,2010年3月に相次いで公共交通再編計画を打ち出してきた.公共交通の全体的な利用者数が減少する中で,市は,広域的幹線であるJR線に加え,乗合輸送に関して,再編計画に基づき_丸1_事業者による広域生活路線(主に旧三次市を発着する地域間バス)を基幹部分に据え,旧町村部の無料福祉バス等を統合する輸送手段として新設した_丸2_市の自主運行する域内生活路線(市民バス),_丸3_市が商工会に運行を依頼する域内生活路線(デマンド),_丸4_住民組織により運営される市民タクシーを重層的に配置してきた.<BR>これらにより市は交通空白地域の解消を含むサービス平準化を目指した.その際に市は,高齢者の生活利用を前提に既往の無料福祉バス等の運行ダイヤを基本的に踏襲したが,一方で新たに利用者負担の原則を導入し,全路線を有償運行化した.なお,_丸2_~_丸4_の運行内容は輸送状況により継続的に見直されている.<BR>次いで,公共交通の利用者状況をみると,_丸1_事業者路線の利用者数が減少する中で,_丸2_~_丸4_の利用者数は小規模ながらも横ばいで推移しており固定客が中心であると考えられる.なお,_丸2_の市民バスの場合,通学利用を除くと,週に1~2回から月数回ほど利用する高齢者の利用が主となっている.<BR>さらに以下,経営資源の存立形態を各主体の役割や諸関係に着目してみていく.市は,赤字負担と企画立案部門に徹しており,さらに運行部門の主体を以下にみるように複数組み合わせることで,市は財政面や事務面での自らの負担を軽減しようとしている.市が主体的に設置する_丸2_~_丸4_をみると,_丸2_の場合,市は委託先である地元貸切バス事業者との間に長期的な業務関係が築けるよう,複数年契約を結び,他方では事業者路線(_丸1_)と遜色ない輸送単価に基づく契約金額を設定している._丸3_の場合,運営主体に据えられた地域社会側の主体である商工会が無償で運行管理や事業者間の調整を行っている.市はこの体制を長期的に維持するため,商工会側の要望した経営インセンティブを後に設けた._丸4_の場合,経営資源として自治機能が位置づけられ,インセンティブの設定のない住民参加の運営体制を制度化している.しかし,住民組織の高齢化等,継続的に事業を進めるための課題も残されている.<BR>4.まとめ<BR>以上より三次市の公共交通再編成の特徴には,各路線が重層的に配置されていること,市が運行部門との間に長期的に安定した協働的契約ともいうべき業務関係を結ぶとともに,部分的には地域の社会的基盤も活用していることが挙げられる.しかし,運行部門に関する課題が一部に残されていることも確認される.<BR>これらを踏まえると,山村地域における自治体の公共交通運営において,行政の企画立案能力や財政負担とともに,各運行部門が継続的に事業に取り組めるような枠組み作りが重要になっていると考えられる.
著者
岡安 英俊
出版者
社会・経済システム学会
雑誌
社会・経済システム (ISSN:09135472)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.157-165, 2011-10-25 (Released:2017-07-28)

In this paper, I discuss a way of variety management achieved by flexible assembly of service components. The contribution of service industry on GDP basis is increasing rapidly, and service innovation and productivity improvement become more important issues in many countries. In response to the issues, a new discipline called "service science" has been established. In the context of service systems science, service is defined as value co-creation emerged by interactions among providers and customers. This value co-creation process can be regarded as an input and output system and defined as "service component". According to the definition, we can analyze corporate activity and industry structure as a combination of service components. Information system is one of platforms which enable to assemble service component flexibly. If a company offers a service which is tailored to customer needs based on the platforms, then it becomes competitive advantage for the company. Finally, we discuss the doujinshi publishing business as an example of a platform which enables hyper-variety market. From an interview with a publishing company, we insist that suggesting appropriate service for customers is important as well as providing various services based on service component flexibility.

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出版者
日本細菌学会
雑誌
細菌學雜誌 (ISSN:18836925)
巻号頁・発行日
vol.1897, no.16, pp.188-190, 1897-03-25 (Released:2009-07-09)
著者
木村 瑞生 山本 正彦
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.141_3, 2018

<p> 本研究では、野球の打撃動作遂行における2つ要素(タイミング、コース:内角・外角)を変化させたときの反応時間を調べた。被験者は、神奈川大学野球連盟(2部)に所属する硬式野球部員10人(18~22歳)であった。本実験での打撃動作の反応時間(BS-RT)は、警告信号から光刺激までの時間(タイミング)とコース(赤色:内角、緑色:外角)を調節できる光刺激装置を用いて測定した。打者は構え姿勢をとり、前方15mの光刺激装置からの光刺激提示後できる限り素早く打撃動作を開始しT-スタンドのボールをヒットした。この際の光刺激提示からT-スタンドのボールをヒットするまでの時間をBS-RTとした。本実験では、光刺激のタイミングが一定(Tc)とランダム(Tr)、光刺激のコース(光の色)が一定(Sc)とランダム(Sr)の条件を組み合わせ、Tc-Sc、Tc-Sr、Tr-Sc、Tr-Srの4条件で内角と外角のBS-RTを比較した。その結果、Tc-Sc以外の3条件において内角のBS-RTの値の方が外角のそれより有意に小さかった。つまり、打者が投手から投球されたボールを打つ際、選択要素が1つでもある場合は内角の打撃動作の方が短時間に遂行されることが示唆された。</p>
著者
金田一 春彦
出版者
国学院大学国語研究会
雑誌
国語研究 (ISSN:04506677)
巻号頁・発行日
no.22, pp.2-21, 1966-05
著者
クイン ヘレン 坂東 昌子
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.881-885, 2005-11-05

ヘレン・クイン(Helen Quinn)さんは, 2004年の米国物理学会の会長だった方である.その前年も女性(Myriam Sarachik)が会長だったので, 米国物理学会では2年連続して女性が会長だった.ヘレンさんは, 昨年10月7日東大駒場で開かれた男女共同参画学協会連絡会設立2周年記念シンポジウムで講演されるはずだったが, 折悪しくお父上を亡くされ, 来日が不可能になってしまった.そのため当日は急遽, 筆者が講演内容を紹介することになった.ここに紹介するのはそのときの予稿ともいうもので, シンポジウム当日参加者に配布された資料集(品切)に原文とその訳が並べて収録されていたものである.今回, 男女共同参画学協会連絡会(http://annex.jsap.or.jp/renrakukai/)の許可を得て, ここに再録することにした.日本語訳は坂東が担当したが, 男女共同参画推進委員会の委員の方々や, コメンテーターの方に, わからないことを教えてもらった.ここでお礼申し上げる.なお, 彼女は本年京大基研に来られる予定があり10月17日には京大女性教員懇話会も協力して公開講演会が開かれる.昨年の男女共同参画学協会連絡会設立2周年記念シンポジウムでのヘレンの講演原稿に勇気づけられた人は多い.物理学がより豊かな発展に向けて羽ばたくために, 女性がどのように活躍するのか, そしてそれがどのようにして可能になるのか, その一端を知ることができるのではないだろうか.世界物理年を迎えた今年, この機会に, 講演内容を学会誌に再録するのも意義深いのではないか, そう考えて, このたび紹介することとした.(坂東昌子)
著者
鈴木 忠義
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.5-9, 1956

片瀬江の島海水浴場における1952~1955の夏の各最盛期1日を利用者について調査した結果から次の考察を行つた。<BR>1. 十数万を海浜に運ぶ問題として鉄道輸送が重要な機関である。とくに直通性をもたすことが有利と考えられる。<BR>2. 貸切バスの海水浴への利用増加とその時間的集中性は極めて大きい。<BR>3. 自動車路線はそれぞれ利用上の特色が強くあらわれている。<BR>4. この地区では夏季でも通過交通 (自動車) が多い<BR>5.利用者は廻遊性ルートを好む。又特に帰途の直通性の要求も現れている。<BR>6. この地区えの利用者の到着時刻は10a.m.離散時刻は5p.m.頃である。<BR>7. 平均滞留時間は7時間である。<BR>これらの傾向からしてこの地区の今後の施設計画として、CGreの複数化、休憩及び静的レクリエイシヨン施設の導入、バス乗降場とモタープール、鉄道駅とビーチえの動線が重要課題といえよう。しかし海水浴という季節的影響の大きい洪水的利用のある一方、四季型観光地でもあるこの地区の実態は、他のシーズンの調査を必要とするのは当然であり、上記調査に基く結論がこの地区のレクリエーシヨン施設計画に対する最後的結論ではないことをおことわりしておく
著者
柿本 竜治
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.817-822, 2008-10-15
参考文献数
19
被引用文献数
1

乗合バス事業では、2002年に需給調整規制が撤廃された。一方、貸切バス事業では乗合バス事業に先駆け2000年に同様の規制緩和を行った。ここで、2年間という時間差を設けた狙いの1つは、貸切バス市場へ参入した民間企業を乗合バス市場へ段階的に参入させることであった。これにより、事業者間の競争が促進され、バス事業全体の活性化につながるはずであったが、貸切バス事業者から乗合バス事業への新規参入は関東のような都市部で僅かに見られただけである。そこで、本研究では、2000年の貸切バスの需給調整規制撤廃、2001年の地方バス補助制度改正、および2002年の乗合バスの需給調整規制撤廃といった一連のバス事業に関する制度変更の影響が考慮可能な費用関数を推定し、乗合バスサービスの生産構造の地域差や制度変更の影響を検証することを目的とする。結果として、バスのサービスの生産構造には地域差があること、貸切バス事業者のコミュニティバスへの参入とう潜在的競争圧力が、費用効率を悪くさせていることなどが分った。
著者
岡本 晃一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 = The journal of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.91, no.11, pp.979-986, 2008-11-01
参考文献数
31
被引用文献数
2

金属と誘電体の界面に生じる表面プラズモンは,電磁波と相互作用することによって,従来にないユニークな光物性・光機能性を作り出す.これを制御・利用する技術がプラズモニクスであり,近年特にナノテクノロジーの急速な発展に伴って様々な光学素子への応用が期待され,注目を集めている.ここでは,プラズモニクスの新たな可能性の一つとして,発光材料の高効率化への応用について紹介する.プラズモニクスに基づく高輝度発光素子によって,従来の蛍光灯をすべて固体発光素子に置き換える「照明革命」の早期実現が期待される.
著者
木村 宗裕 大城 英裕 植田 清一 藤木 穣 末田 直道
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.513-524, 2008-01-15
参考文献数
12
被引用文献数
2

候補画像の選択を繰り返すことにより目的とする画像処理パラメータの探索を行う,直感的な対話型の画像処理システムを提案する.提案システムは,ユーザとの対話を繰り返し画像処理パラメータの最適化問題を解くことで,ユーザの望む画像処理結果の生成を行う.ユーザは,画像処理に関する知識や経験がなくても,システムにより提示される候補画像の選択を繰り返すだけで目的の画像処理結果を得ることが可能となる.画像処理パラメータの探索は,ユーザの選択した候補画像ならびに過去に提示した候補画像のパラメータ空間中の距離情報を用いて,パラメータ空間のボロノイ分割を擬似的に行い,探索空間を限定することで,ユーザの評価揺れにロバストにかつ高速に処理が行われる.また,システムはユーザが望むと思われる候補を優先的に生成,提示することで効率的な探索を行う.シミュレーション実験では,実際のユーザを模した仮想ユーザを用いて,27人のユーザがそれぞれ100回システムを試行した結果に相当するデータを擬似的に確保し,システムの有効性の評価,検証を行った.
著者
後藤 英一
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.12, no.8, pp.387-389, 1957-08-05