著者
吉田 肇 高西 哲朗 根本 哲也
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.432-436, 2009-09-01

INPEX Browse Ltd. has drilled 6 wells in the Browse Basin in order to appraise the production permit WA-285P from 2000 through 2004 (at the 1st and 2nd Drilling Campaign). All of wells have encountered stuck pipe problems while drilling the unconsolidated Grebe formation sandstone and they have provided a lot of Non Productive Time (NPT) due to fishing or sidetrack. According to the desk top study of Grebe, which was performed after drilling in 2004, it was concluded that the stuck pipe problems result from the collapse of unconsolidated sand, in other words, such collapse is caused by the absence of an effective filter cake capable of stabilizing the well bore. Eventually, INPEX Browse Ltd. has decided to drill the unconsolidated Grebe formation sandstone by closed circulation system using drilling mud instead of Seawater.<br>In order to achieve this objective, Riserless Mud Return (RMR) system was introduced by AGR (Norwegian Company) before 3rd Drilling Campaign. Through this system, all three (3) wells have been successfully drilled without any hole collapse and no NPT was recorded. That is a major improvement rather than last two (2) drilling campaign and RMR system was demonstrated as one of an effective procedure to drill unconsolidated formation in Browse Basin.
著者
青木 正博
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 人文科学系列 (ISSN:02879727)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.153-180, 2013-03

ロシア語のу нас в университете“私たちの大学で”の構文(「у +生格の構文」)とв нашем университете“私たちの大学で”の構文(「生格の構文」)の選択に影響を与える要因 について調べるために,文学作品や会話の教科書の例とインフォーマント調査の回答を分析し た結果,以下のような要因が見つかった。 A)「у +生格の構文」が選択される傾向がある要因: 1)会話の部分 2)場所を表す固有名詞 3)指示代名詞が場所を表す名詞を修飾 B)「生格の構文」が選択される傾向がある要因: 1)性質形容詞が場所を表す名詞を修飾 「動詞が表す動作」,「活動体性の階層」,「関係形容詞が場所を表す名詞を修飾」,「「場 所の所有構文」がテーマ(あるいはレーマ)の部分に入る」という項目は2 つの構文の選 択に影響を与える要因とは認められなかった。 実際の使用においては,「場所の所有構文」は上に挙げた要因の影響を受けずに使われ ことが多く,2 つの構文がともに使われる文脈がかなりの割合で存在すると考えられる。
著者
久島 繁 渡辺 恒夫 新井 勇治 THORPE Trevor A.
出版者
日本植物細胞分子生物学会
雑誌
植物組織培養 (ISSN:02895773)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.52-58, 1985

ラクトース適応のメカニズムを検討するため, アサガオの非耐性および耐性培養株を用いて, いくつかの検討を行った. 両接細胞にラクターゼ, UDP-ガラクトースピロフォスフォリラーゼ, UDP-グルコースピロフォスフォリラーゼおよびUDP-ガラクトースエピメラーゼ活性は存在した. それゆえ, 非適応細胞も潜在的にはラクトース代謝能を持つものと思われた. しかし, この細胞ではUDP-ガラクトースエピメラーゼ活性は極めて弱く, 細胞壁結合型ラクターゼ活性は適応細胞のそれの約30%であった. ラクトース適応細胞をラクトース培地で培養した場合, 培養期間を通じて細胞内グルコース含量は低く, ガラクトース含量は高かった. それゆえ, これらの細胞はガラクトースよりグルコースをプレファレンシャルに利用するものと思われる. ガラクトースに培養した非適応細胞のG-6-P, G-1-PおよびGal-1-Pの含量はショ糖で培養したそれの約3倍であった. また, UDPGおよびUDP galの含量はショ糖で培養した場合のそれぞれ約1.5倍, 僅増であった. それに比して, ガラクトース培養非適応細胞のG-6-P, G-1-P, Gal-1-Pの含量はショ糖培養のそれの約2倍となっており, ガラクトース培養適応細胞のそれより約20%低かった. この事は適応細胞が非適応細胞に比して大きなガラクトースおよびラクトース代謝能を持っている事を示唆している. これらの結果に基づきラクトースおよびガラクトースの阻害とそれに対する適応について論議した.

1 0 0 0 OA 秋田偉人叢書

著者
秋田県教育会 編
出版者
秋田県教育会
巻号頁・発行日
vol.第2輯 (石川理紀之助・森川源三郎両翁伝), 1938
著者
安田 喜憲
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.491-525, 2007-05
被引用文献数
1

食物の獲得は気候に左右される。ある人々の集団が何を食物とするかは、その人々が居住する土地の気候により決まる。例えば、アジアのモンスーン地域では、年間平均二〇〇〇ミリを超える降雨量は夏季に集中する。このような気候に適する穀物は米である。また豊かな水量は、河川での漁業を盛んにし、流域の人々にタンパク源を供給することを意味する。こうしてアジア・モンスーン地域の稲作漁撈民は、米と魚を食料とする生活様式を確立してきたのである。しかしこうした生活様式は、年間平均雨量が少なく、主に冬季に降雨が集中する西アジアの住民には受け入れられない。この型の気候では、小麦が主たる穀物となるのである。しかも河川での漁獲量は少なく、人々は羊、ヤギを飼育して、その肉をもってタンパク源とする畑作牧畜民のライフスタイルをとらざるをえない。この美しい地球上で、人類は気候に適した穀物の収穫を増大させることにより、豊かな生活が送れるように努力を重ねてきた。しかしこうした努力は、異なる文明間で、明らかに対照的な結果を生み出してしまったのだ。ある文明は、森林に対して回復し難い破壊をもたらした一方、またある文明は、森林や水循環系を持続可能の状態に維持することに成功している。イスラエルからメソポタミアにかけてのベルト地帯は、文明発祥の地とされている。その文明は、小麦の栽培と牧畜により維持された畑作牧畜民の文明であった。この地帯は、今から一万年前ごろまでは深い森林に覆われていたが、間断なく、広範囲にわたる破壊を受けて、今から五〇〇〇年前までに、ほとんどが消滅した。主に家畜たちが森林を食い尽してしまった。ギリシア文明最盛期の頃、ギリシアも深い森林に覆われていた。有名なデルフォイの神殿は建設当時森の中にあったのだ。しかし森林環境の破壊は、河川から海に流入する栄養素の枯渇の原因となり、プランクトンの減少により魚は餌を奪われ、地中海は"死の海"と化したのである。一二世紀以後、文明の中心はヨーロッパに移動し、中世の大規模な土地開墾が始まって、多くの森林は急速に耕地化されてしまった。一七世紀までに、イングランド、ドイツ、そしてスイスにおける森林の破壊は七〇%以上に達した。今日、ヨーロッパに見られる森林のほとんどは、一八世紀以後の植林事業の所産である。この森林破壊に加えて、一七世紀に生じた小氷河期の寒冷気候とともにペストが大流行し、ヨーロッパは食糧危機に陥った。人々はアメリカへの移住を余儀なくされ、続く三〇年の間に、アメリカの森林の八〇%が失われた。一八四〇年代、ヨーロッパ人はニュージーランドに達し、ここでも森林は急速に姿を消した。一八八〇年から一九〇〇年のわずか二〇年の短期間にニュージーランドの森林の四〇%が破壊されたのである。同じような状況は、畑作牧畜民が居住する中国北東部(満州平野)でも見られる。明朝の時代(一三六八~一六四四年)、満州平野は森林に覆われていたが、清朝(一六四四~一九一二年)発足後、北東中国平原の急激な開発とともに森林は全く姿を消してしまった。これに対し稲作漁撈民は、これまで常に慈悲の心をもって永きにわたり、生きとし生ける物すべてに思いやりの心、善隣の気持ちを示してきたのである。私はこの稲作漁撈文明のエートスでる慈悲の精神こそが、将来にわたってこの地球を救うことになると本稿で指摘する。
著者
Yoshihiro Muraoka
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
SICE Annual Conference Program and Abstracts
巻号頁・発行日
pp.446, 2002 (Released:2003-05-15)

Paralyzed muscles due to central nervous system impairment are contracted by external electrical stimulation. Small voluntary electromyograms are observed in these muscles. As the present device gives an electrical stimulation in proportion to the electromyograms via the same electrodes, they can generate sufficient contractions. The device is small (75x50x20mm including size AAA dry battery x4) enough to mount the body.
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1098, pp.48-51, 2017-06-22

日本人客も、現在は宿泊客の過半を占める外国人客も、ホテルを選ぶ目が厳しい旅慣れた層を主対象に据える。他のホテルと一味違う体験の提供は差別化のために必須だった。 増床では東西7.2mまたは6.3m、南北7mのスパンを基軸とする既存構造をそのままに、別邸…
著者
蔵本 祐大 十代田 朗 津々見 崇
出版者
日本観光研究学会
雑誌
観光研究 (ISSN:13420208)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.19-28, 2019

本研究では、先進的に国際グリーン・ツーリズムに取り組む12 の農村地域を対象に、アンケート調査やヒアリング調査を行うことで、外国人観光客の受入状況及び受入態勢、国際グリーン・ツーリズムの展開を明らかにした。結論として、外国人観光客を受入れる際の言語や文化の違いによる不安を感じている地域は少なく、日本人客に提供しているメニューを活用することで、外国人の受入れを行っていた。また、新たな客層・旅行形態の受入れへと展開を見せている地域が多い一方で、個人旅行者の獲得に消極的な地域もあり、個人旅行者が農村を気軽に訪れられる受入態勢の構築にはまだ時間がかかることが推察された。
著者
山崎 隆文 菱沼 浩孝 齊藤 建
出版者
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
雑誌
体外循環技術 = The journal of extra-corporeal technology (ISSN:09122664)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.298-303, 2002-09-01
参考文献数
6
被引用文献数
1

今回,小型軽量の血液ガス電解質アナライザーラジオメーター社製ABL77(ABL77)を使用する機会を得た。2001年2~4月までの心臓血管手術19例を対象に, ABL77とバイエル社製850と各種実測値データ(pH, PO2, PCO2, Na+, K+, Ca2+)を比較検討した。 Hctは, Sysmex社製K-4500と遠心分離器KUBOTA KH-120 IIで比較した。その結果, pHはy=0.92x+0.61, r=0.96, PCO2はy=0.91x+3.51, r=0.92, PO2はy=0.92x+6.18, r=0.94, Na+はy=0.78x+29.06, r=0.71, K+はy=0.90x+29.06, r=0.97, Ca2+はy=0.92x+0.14, r=0.93, Hctはy=1.06x+2.06, r=0.97, y=1.11x-3.35, r=0.97であった。 ABL77は,センサー部分がカートリッジ形式になっており,血液流路サーキットが短く,1検体の測定時間が短いうえに連続測定が可能である。この電極およびキャルパックを交換する場合には,バーコード認識で,使用期限などの機器認識が簡便である。欠点としては,センサー不良が生じた場合に,センサー電極が個々にメンテナンスができないため,センサーカートリッジをすべて交換しなければならない。使用期限があるため,その期限までに使用されなければ無駄となる。 ABL77を臨床使用し各測定データの結果, Na+で若干低値であったが,各項目高い相関を示した。小型軽量のため,人工心肺中の血液ガス,電解質分析装置として十分に活用できると考えられる。今後の課題として,センサーカートリッジの更なる安定性が求められる。
著者
朝倉 俊成 名取 和幸 江森 敏夫
出版者
一般社団法人 日本くすりと糖尿病学会
雑誌
くすりと糖尿病 (ISSN:21876967)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.69-76, 2015

ハイリスク薬であるインスリン製剤やGLP-1受容体作動薬の種類を,患者が識別して使用することは医療安全において極めて重要である.そこで,薬剤の効力や使用時期などのイメージに適合する注入器の色彩を把握するため,色彩の異なる注入器に対するイメージに関するインターネット調査を行った.対象者は4年齢層(9-12歳,20代,40代,70代)のそれぞれについて男女各103名(計824名)とした.13色の注入器の画像を提示し,"薬剤のイメージに適合する注入器の色彩"の選択と"注入器の色によるイメージ"を評価させた.回答結果を多変量解析を用いて分析し,色彩とイメージとの対応関係を明らかにした.結果を総合的に判断し,2種類のインスリン製剤とのイメージの整合性が高く,相互の識別性も高い注入器識別色を以下のように検討した.白色は汚れやすさの点で問題はあるが,「安心」「落ちつき」「信頼」「親しみ」などの印象もあり,本体のベース色などには好ましいといえるが,いずれのイメージに対しても選択率が高いため,識別色としての条件には不適である.赤は速効型製剤のイメージとの適合性が高く,持効型のイメージはもたれにくいので識別色としては優れている.しかし,赤のイメージには「痛そう」「こわい」といったネガティブな印象の選択率が高く,注入器に用いる色として望ましいとはいえない.その結果,速効型インスリンに相応しい識別色には,赤とピンク以外の暖色系が適すると考える.一方,持効型は,「長くゆっくりと効く」「寝る前に合う」との適合性が高い水色や青といった寒色系が好ましいと考える.ただし,速効型と持効型の2種の識別性を高くするためには,それぞれの色の調整と組合せを吟味することが必要である.
著者
中尾 睦宏 野村 忍 久保木 富房 末松 弘行 下澤 達雄 藤田 敏郎
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.71-78, 1995

高血圧患者10名を対象にパイオフィードバック療法による白衣高血圧症の降圧効果の検討を行なった。治療前の自己血圧値と医師測定値が収縮期において25mmHg以上差があった者を白衣高血圧群(以上W群;5名),それ以外の者をN群(5名)とした。治療は週1回計4回行なった。治療による自己血圧の低下はわずかであったが,医師測定血圧は,収縮期でW群18mmHg,N群11mmHg,拡張期圧でW群11mmHg,N群8mmHg低下し,W群の降圧が著しかった.また,暗算負荷テストによる血圧上昇もW群の方が治療による抑制が著しかった。本治療法にストレスによる昇圧反応を抑制する効果があり,白衣高血圧によい適応があることが示唆された。
著者
釜屋 洋子 段ノ上 秀雄
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要 = The journal of Wayo Women's University (ISSN:18846351)
巻号頁・発行日
no.60, pp.143-152, 2019-03-31

A大学看護学部看護学科では、入学後の学習に対する不安を少しでも軽減できればと考え、推薦入試、AO入試、一般入試(A日程)による入学予定者に対し、入学前の課題として、"看護学生プレトレーニング"(メヂカルフレンド社)に取り組むことを勧めた。"看護学生プレトレーニング"は、「計算と数字」、「看護に生かす理科」、「言葉と文章」の3 つで構成された入学予定者用のテキストである。簡単な演算から濃度や速度の計算、理科では咳嗽(せき)や喀痰(たん)などの簡単な専門用語を使ったり、物理が看護に応用されることなどを理解し看護師の目線で学習できる。また、敬語や言葉遣い、文章を書くときのルールなど基礎知識として必要な項目が充実しており、看護を学習していくうえで効果を体感できる教材であると思われた。 平成30年度の入学者のうち90名が取り組み、学習後は解説書を使って自己採点し復習をした。入学後にアンケートを行った結果、ほとんどの学生が、課題の量、内容、テキスト代が"ちょうどよい"と答えていた。また、学習効果についてもほとんどの学生が"役立つと思う"と答えており、今回の学習により看護学科入学前の基礎知識を補う効果はあったのではないかと推察できた。今回の調査では、対象者の背景については詳細な調査をおこなっていないため、今後は対象者の学習履歴や推薦入試、AO入試と一般入学者との比較、入学予定者全体を視野に入れた入学前学習課題についても検討していきたい。
著者
石神 優紀子 山﨑 薫
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2014

<b>目的</b> 食用花の有する機能性に着目し、本研究では食用花抽出物が抗菌作用を有しているか、品種や同じ品種間でも花色により抗菌作用に違いが認められるか検討を行った. <b>方法</b> ペーパーディスク法にて、供試菌株に<i>Staphylococcus</i> <i>aureus</i> NCTC10788(以下、<i>S</i>. <i>aureus</i>)、<i>Echerichia</i> <i>coli</i> NCTC12923を用いた.供試菌株は滅菌生理食塩水でMcFarland No.0.5相当(1.5&times;10<sup>8</sup>cfu/mL、透過度74.3%)に調整し、使用した.試料20種は採取後、洗浄し、花弁のみにした後、乳鉢で磨砕し、ろ紙No.2を用いてろ過し、搾汁液を得た.搾汁液は無菌化にてフィルター(孔径5&mu;m)滅菌処理した.滅菌済みペーパーディスク(直径8mm)に、各弁搾汁液を添加・吸収させ、調製菌液を塗抹した培地中央部に置き、一晩(約18時間)35℃下で培養後、ハロー形成(阻止円)を確認した.<b>結果</b> 阻止円が認められた試料中、ベゴニア(<i>Begonia</i> <i>semperflorens</i>&ndash;<i>cultorum</i>)花弁色の赤では<i>S</i>. <i>aureus </i>NCTC10788において67%の確率で、ピンクでは両供試菌株において23%の確率で10mm以下の阻止円を確認した.白において阻止円は認められず、赤とピンクにおいて阻止円が確認された事から、ベゴニア含有アントシアニンが抗菌性に関与しているのではないかと考えている.
著者
湯浅 純子 大図 雅美 芳住 邦雄
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.237, 2005

【目的】色彩による知覚への影響の大きいことは論を恃ない。しかし、その定量的評価はこれまで充分とは言い難い。本研究では、ビルの屋上に設けられた屋外広告物を対象とし、異なる色彩による視覚効果を検討することを目的としている。【方法】女子大学生85名を対象にプロジェクターを用いて評価景観を提示して集合調査法でアンケート調査を実施した。11の評価項目に対し7段階の選択肢で回答を求め、7点から1点までの評価得点を割り当てた。刺激として5色(赤、青、水色、ピンク、白黒)を用いた。主成分分析によりその結果を解析し、因子軸の回転にはバリマックス法を適用した。本研究ではボンド法を適用し、11項目に対する5色の相対評価の解析を行なった。【結果および考察】屋外広告物に対する意識を主成分分析を用いて解析した結果、好感性、鮮明性、ソフト感、個性的、軽快性という5つの主成分が抽出された。これらの累積寄与率は81.1%である。この5主成分と5色との関係を主成分得点を用いて検討した。その結果、第1主成分の好感性と第2主成分の鮮明性の2軸から5色の特性を捉えると、好感性、鮮明性共に高いのは青であり、好感性が高く鮮明性が低いのは水色であった。また、好感性が低く鮮明性が高いのは赤とピンクであり、好感性がやや低く鮮明性が低いものは白黒であった。さらに、主成分得点の分散が色彩によって異なることが見い出された。すなわち、中間色であるピンクと水色においては、好感性の評価で各被験者のバラツキが特に大きく、一方、赤と青においてはバラツキが小さかった。本研究では、色彩の効果は屋外物においても大きいことを認め、広告物における重要な選択要因であることを明らかにした。
著者
岩松 浅夫
出版者
Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.1036-1028,1342, 2006-03-20 (Released:2010-07-01)

In 1982 the late Prof. Brough published a very interesting article concerning a Gandharan inscription. According to him, the inscription contains two words “amridaha” and “oloispare,” which he took to express the well-known names of the Mahayana Buddha Amitabha and Bodhisattva Avalokitesvara. Exactly twenty years later, Profs. Salomon and Schopen published under their joint authorship another article dealing with the inscription. In it they rejected Brough's interpretation. Their argument is persuasive; thus it seems that in general their conclusions are admissible, except for one point of interpreting the ‘difficult,’ according to their wording, word “oloispare.” Regarding this word, they proposed a different interpretation from that of Brough, taking it as indicating a toponym of an ‘unknown’ place. But it is problematic (at least to the present author). The present author wants to give the word another interpretation than the above-mentioned two, taking it to denote an ‘epithet’ of the Central Buddha of the Triad. His overall conclusion to the inscription is that it does refer, though not directly, to Amida-buddha―according to his opinion, neither Amitabha nor Amitayus but Amrda (<Am-drta)―himself.