著者
古庄 寛子 畑中 均 高﨑 実 平本 貴義 松延 知哉 泉 貞有 河野 勤 鬼塚 俊宏 今村 寿宏 平塚 徳彦 加治 浩三 神宮司 誠也
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.125-127, 2017-03-25 (Released:2017-05-01)
参考文献数
6

陳旧性volar instabilityは稀な病態であり,外傷性には掌側板損傷やMP関節脱臼後に十分な治療がされなかった結果生じるとされている.今回我々は,外傷により生じた陳旧性Volar instability症例に対して手術的に加療し,良好な成績を得たので報告する.症例:16歳女性.サッカー中に左母指を蹴られMP関節過伸展位となった.近医にて整復行い,副子固定された.2日後,再度左母指をぶつけて同様の処置をうけ,1週間後に当院紹介となった.初診時,MP関節腫脹はなく,掌側の圧痛をわずかに認める程度であった.伸展ストレスX線にて左右差なく,副子固定を継続した.経過中,自動伸展により一旦過伸展位になると,屈曲位に復する事が不能となったため手術加療を要すると判断した.術前可動域は,屈曲50°,伸展45°,Key pinch力2.5kg(健側7.0kg),DASH9.5点であった.受傷より3か月後に手術を施行した.Kessler(1979)は短母指伸筋腱を用いた手術を報告したが,今回我々は長掌筋腱(以後PL腱)を用いて手術を行った.術後経過は良好であり,術後1年時点で無症状であり,可動域は屈曲52°,伸展-22°,Key pinch力5.5kg(健側7.0kg),DASH1.7点であった.陳旧性volar instabilityに対する,PL腱を使用した手術は有効であったと考えられる.
著者
平田 兼一
雑誌
日本文學誌要 (ISSN:02877872)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.39-48, 1987-07-01
著者
山口 孝雄 斎藤 徹
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.209-212, 1987-04-01 (Released:2010-08-25)
参考文献数
7

自然発情雌に関する交尾未経験雄ハムスターの交尾行動を夜間 (1900~2000時) に赤色ランプ下で30分間観察した。7例中5例の動物に射精に到る一連の交尾行動が見られた。さらに, これらの動物の交尾行動を再び観察したが, 交尾行動の促進は認められなかった。

1 0 0 0 OA 菊寿童霞盃

著者
山東京山 作
出版者
山本平吉
巻号頁・発行日
vol.三,
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1058, pp.52-55, 2015-10-25

キャンパスと街を隔てる塀はどこにもない。大阪府茨木市のJR茨木駅から徒歩5分という街なかにありながら、「開かれたキャンパス」を大胆に実践した。 京都市と滋賀県草津市にキャンパスを持つ立命館が、規模拡大に向けて2015年4月に開設した「立命館大学大阪…
著者
柳沢 英輔
出版者
青山学院大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

今年度は、ベトナム中部高原のコントゥム省、ジャライ省、ダクラク省において、約3カ月間のフィールド調査を行い、これまでの研究成果を国際シンポジウムで発表した。具体的な調査内容は以下の通りである。(1)バナ族、セダン族、ジャライ族、ジェチエン族、エデ族の少数民族村落で、ゴングセットの計測・録音と聞き取り調査を行い、各ゴングのサイズや音高、ゴングの名称、入手経路、使用する儀礼などについて明らかにした。(2)バナ族、セダン族、ジャライ族の葬礼、バナ族の教会の祭礼など、重要な儀礼・祭礼を撮影・録音し、記録に残した。(3)バナ族の伝統的な建築物であるNha Rongと呼ばれる集会所について聞き取り・計測調査を行い、その建築方法と現在における文化・社会的利用に関するデータを収集した。(4)ゴング文化継承にとって重要な役割を担う「ゴング調律師」について、聞き取り調査とゴング調律過程の撮影・録音とから、調律方法の詳細に関するデータを得た。(5)若い世代へのゴング演奏・調律に関する教育的取り組みについて具体的な事例を記録した。(6)社会変化に対応して新たに誕生した「改良ゴングアンサンブル」について、これまでの調査では分からなった点を聞き取りした。(7)研究代表者が制作した映像作品「ベトナム中部高原のゴング文化」を撮影地となった村で上映し、作品を村に寄贈した。以上より、現地調査によって研究課題に関する多くの民族誌的資料(音響・映像資料を含む)を得ることができた。3月には国立民族学博物館で行われた国際シンポジウム「東南アジアにおけるゴングの映像民族誌」において、映像作品の上映を含む口頭発表を行い、国内・東南アジア各地の研究者と知見を交換し、交流を深めた。現在、フィールド調査で得たデータの分析を進め、投稿論文を執筆中である。
著者
坂田 清美
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.1056-1063, 1988
被引用文献数
1

老人保健法による健診受診率に影響を与える因子について市町村の人口規模による格差を明らかにするため,昭和60年5月に全国市区町村にアンケート調査を実施した。<br>1) 2,645市区町村より回答が得られ,回収率は80.7%であった。<br>2) 一般健康診査の精密診査の項目の実施状況をみると,法に定められた項目は人口規模の大きな自治体でよく実施されていたが,人口規模の小さな自治体では実施率がやや低く,市町村の財政事情や医療環境の違いが反映していると考えられた。<br>3) 一般健康診査の自己負担なしの市町村の割合は,人口規模5万以上の自治体で最も高く,市町村の財政力による違いと考えられた。<br>4) 健康診査の周知には,人口規模の大きな自治体では広報紙を利用し,人口規模の小さな自治体では地区組織を利用しており,人口規模による違いがみられた。<br>5) 一般健康診査の結果の通知は,人口規模の小さな自治体では,約半数が複数の方法で実施していたが,人口規模の大きな自治体では複数の方法で実施している割合が低かった。背景には人的資源の不足等が考えられた。<br>6) 健康診査受診率向上の工夫の実施状況をみると,広報の充実は人口規模に関係なくよく実施されているが,日時の設定の工夫は人口規模の小さい自治体で実施されており,地域の産業構造の違いによることが示唆された。<br>7) 一般健康診査の医師確保先では,一般診査の理学的検査,精密診査の判定とも,人口規模の大きな自治体では医師会より,人口規模の小さな自治体では保健所より確保している市町村の割合が最も高く,医師会の組織力の違いが影響していると考えられた。<br>8) 保健事業に協力している地区組織をみると,婦人会,老人クラブは人口規模の小さい自治体ほどよく協力していた。
著者
吉井 由美 松村 弥生 朴 将源 上辻 由里 安田 考志 川瀬 義夫 松本 雅則 藤村 吉博 魚嶋 伸彦
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.1, pp.147-149, 2013-01-10
参考文献数
5
被引用文献数
1

症例は36歳,女性.リツキシマブ投与にて寛解に至った標準療法抵抗性血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の1例を経験した.血漿交換開始後に抗ADAMTS13抗体およびLDの再上昇を認めた時点で難治性と判断し,リツキシマブを投与した.その結果,第30病日に血漿交換を離脱でき,約18カ月にわたり寛解を維持している.標準療法抵抗性TTPにおいて血漿交換開始後の抗ADAMTS13抗体価およびLDの上昇が難治性の判断に有用であると考えられた.<br>
著者
石本 朗 菊池 健次郎 浦 信行 岩田 至博 買手 順一 曳田 信一 椎木 衛 和田 篤志 飯村 攻
出版者
社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析療法学会雑誌 (ISSN:09115889)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.77-82, 1993

成人型溶血性尿毒症症候群の発症3か月後に血漿交換を施行し, 血液透析を離脱し得た1例を経験した. 症例は31歳男性. 22歳時健診で高血圧 (140/100mH) と診断されたが, 特に自覚症状もないため放置していた. 平成2年8月下旬より全身倦怠感, 息切れが出現し, 某病院にて重症高血圧, 溶血性貧血, 腎機能不全を指摘され入院加療を受けるも改善せず, 9月21日当科へ転入院となった. 入院時の検査で血小板減少, 微小血管障害性溶血性貧血を伴う急性腎不全を認めたため, 成人型溶血性尿毒症症候群と診断し, 直ちに降圧療法, 抗血小板療法, 抗凝固療法, 新鮮凍結血漿輸血と共に血液透析を開始した. その結果, 血小板減少, 溶血性貧血は間もなく改善したが腎機能不全は治療抵抗性で, 発症約2か月後にはほぼ無尿状態となった. 病態の改善を目指し, 発症約3か月後より週1回の血漿交換を併用したところ, 1日尿量は漸増して血漿交換開始2か月後には1,500m<i>l</i>以上に増加, Ccrも15.0m<i>l</i>/minまで改善し, 血漿交換中止後も同程度の腎機能が保持された. さらに発症約7か月後には血液透析を離脱し, 外来通院が可能となった. 成人型溶血性尿毒症症候群は, 幼児や学童にみられる典型例に比し重篤であり, 救命し得てもその約80%が慢性血液透析に移行するとされている. 一方近年, 発症早期からの血液透析の導入, 血漿交換療法, 新鮮凍結血漿輸血, 抗血小板療法, 抗凝固療法などの施行により, 腎機能不全が寛解した例も少なからず報告されている. 本症に対する血漿交換療法の有用性についての評価はいまだ確定していないが, 少なくとも本例ではその臨床上の有効性が示された. 殊に本例では, 発症後3か月以上を経た時期の血漿交換療法が腎機能の改善, 血液透析の離脱に大きく寄与したと考えられ, かかる報告例は未だみず, 貴重な1例と思われ報告した.
著者
中道 正之 シルドルフ エイプリル セクトン ペギー
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.21, pp.80, 2005

サンディエゴワイルドアニマルパーク(カリフォルニア州)のゴリラ集団において、「母子交換」が自発的に生じた。初産メスA(7歳)が出産当日に子aを床に置き去りにした時、生後11ヶ月の子bを養育中の母B(18歳、経産)が子aを抱き上げて授乳を開始した。母Bは実子のbと養子のaの両方に授乳したり、抱いたりなどの養育行動を示したが、2週間後、実子aの子育てができなかった母Aが子bを抱いて授乳を開始した。子bは約1ヶ月間、実母Bと養母Aの両方から授乳を受けたが、その後は養母のAからのみ授乳を受けるようになり、母子交換が成立した。しかし、その後も、子bは驚いたときなどの避難場所として養母Aだけでなく、実母Bも用いることがあった。<br> 母子交換によって、子bは実母Bからの授乳がなくなり、「母子分離」を経験したことになるが、母子交換開始から1.5年後でも、子bは養母Aだけでなく実母Bをも避難場所とすることがあり、二人の母を持つような状態であった。さらに、養母となった母Aが一度は子育てしなかった実子のaを抱いたり運搬したりするようになり、母子交換から2年後には子aへの授乳が始まった。母Aが子aへの授乳開始から間もなくして、母Aから子bへの授乳が終了した。つまり、子bは3歳で離乳と2度目の「母子分離」を経験したことになる。<br> 2度目の母子分離を経験してからも、子bは養母Aの前でAの胸を見つめる、指先で乳首を触るなどの行動を示すことがあり、さらに、額、頭部、腕などの「毛抜き」を開始した。<br> 子bは1歳のときと3歳のときに、授乳や抱く、運搬などの養育行動をしてくれていた母から離れなければならなかった。同じ集団で暮らしながら、母の喪失という精神的負荷を2度も経験したことが、社会で暮らすゴリラの子では珍しい「毛抜き」という不適切な行動の発現に関係していると推測される。
著者
大場 哲彦 渡名喜 力 大木 和夫
出版者
日本膜学会
雑誌
(ISSN:03851036)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.169-179, 2004-05-01 (Released:2011-03-04)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

Laurdan, one of the environment-sensitive fluorescent probes, is useful for monitoring membrane fluidity and is widely used for spectroscopic and imaging applications. In the imaging applications, the generalized polarization parameter (GP), defined by two fluorescent intensities at characteristic wavelengths, is used as a measure of membrane fluidity and polarity. However, time-resolved fluorescent spectra of laurdan revealed that the three excited states concern with the emission spectra. We have measured the steady-state fluorescence spectra and the fluorescence anisotropy of laurdan, prodan and NBD-PE in the DPPC and DLPC bilayers at various temperatures. The spectral dependence on the excitation wavelength is interpreted as the red edge effects that are related to the existence of excited-state distribution of fluorophores on their interaction energy with the environment and the slow dielectric relaxation of this environment. The emission peak of laurdan in the liquid-crystalline phase is independent of the red edge excitation, while prodan and NBD-PE show significant red edge effects. This results strongly suggest that laurdan changes its electronic excited state by the specific interaction with a few water molecules in the bilayers and that in addition the non-specific solvent relaxation causes further spectral shifts in the case of prodan in the bilayers and laurdan in the micella. A new three state model for the absorption and emission of laurdan is proposed. The availability and limitation of the GP method are disscussed.
著者
吉田 節朗 原田 忠 上坂 佳敬 浅沼 義博 鈴木 克彦 丹羽 誠 伊藤 正直 小山 研二 櫻田 徹 阿部 忠昭 宮形 滋
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.882-890, 1989

術後肝不全9例に対する血漿交換療法を検討した.血漿交換奏効例に共通する特徴としては,1) T. Bilが血漿交換開始時15mg/dl以下で7日目7mg/dl以下,2)アンモニアが血漿交換開始時200mg/dl以下で7日目正常域,3) BCAA/AAAの改善,4)プロトロンビン時間14秒以内,5)臓器不全は2臓器以下,6)昏睡度改善,7)血漿交換回数5回以内の7点が挙げられた. <BR>本法の施行にあたっては,T. Bil,昏睡度を指標とし,できるだけ早期に開始することが重要であるが,効果の判定については,T. Bil,アンモニア,BCAA/AAA, PT,不全臓器数,昏睡度,血漿交換施行回数,術前肝障害などの因子を総合的に判断する必要がある.著者は施行開始後7~10日目に上記パラメーターの改善が得られなければ血漿交換はいたずらに継続すべきではないと考える.
著者
小柳 憲司
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.1019-1022, 2018-09-01

器質的・機能的にかかわらず,効果の高い治療法のない疾患は慢性に経過しやすく,心の影響を強く受けるため,心身症化しやすい。そのなかで思春期女子に多いものとして,起立性調節障害,過敏性腸症候群,慢性連日性頭痛,過換気症候群などがある。このような疾患の治療においては,原因を1つに限定するのではなく,身体面・心理面を含んだ心身医学的アプローチが重要となる。