著者
片岡 栄美
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.1-20, 1996

本稿は、多様な文化活動に対する文化評価の根底にある認識図式の集団的・社会学的特徴を解明した。主な知見は、以下のとおりである。(1)文化活動の序列評価は異なる社会集団間で共通性が高いが、階層上の地位が高いほど文化弁別力は大きい。(2)社会階層と文化活動のヒエラルヒーは対応し、階層上の地位か高い集団は文化による差異化戦略を採用している。(3)文化評価の構造を検討すると、階層上の地位は文化評価に影響を与え、各階層成員は自らの所属集団の文化を高く、社会的距離のある階層の文化を低く評価することにより、自らが優位となるような評価分類図式を採用する。すなわち文化弁別力の階層差は、客観的な社会経済的な条件のなかから生み出される階級のハビトゥスとなった文化の知覚分類図式である。(4)世代間地位移動が文化評価に与える効果は男女で異なり、男性には文化同化仮説があてはまるが、女性は結婚による下降移動による影響は受けず、出身階層の文化評価パターンを相続する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.270, pp.72-76, 2000-12-22

合図がかかると,両岸に待機していた2人の係員が,手にした掛け矢を振り下ろした。一振り,二振りと,最も岸寄りの横桟木をたたき付ける。横桟木が打ち抜かれた瞬間,それまで水を満々とたたえていた板羽目堰は川の中へと崩れ落ちた。 11月9日午前10時半,千葉県市原市を流れる養老川で西広板羽目堰さいひろいたはめぜきの開放式があった。
著者
木田 春代 武田 文 荒川 義人
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.20-28, 2016
被引用文献数
1

【目的】幼児の偏食の改善に向け,幼稚園における野菜栽培の有効性を明らかにする。<br>【方法】北海道某市内5幼稚園に通う年少児379人を対象に,野菜栽培活動を実施する3園(241人)を実施群,実施しない2園(138人)を非実施群として,10か月間の縦断調査を実施した。栽培野菜はトマトであり,栽培前,収穫後,収穫後6か月(フォローアップ)の3時点において,母親が無記名自記式質問紙に回答した。主要評価項目として偏食,副次評価項目としてトマトに対する嗜好,食に対する興味・関心を設定し,各群において経時変化を観察するとともに,収穫後およびフォローアップの各時点において,偏食を改善した者の割合の群間比較を行った。<br>【結果】実施群では,偏食しない幼児が栽培前に比べて収穫後,フォローアップにおいて有意に増加した一方,非実施群では有意な変化は見られなかった。また,フォローアップにおいて実施群は非実施群よりも偏食を改善した幼児の割合が有意に高かった。さらに,実施群ではトマトが好きな幼児,「野菜について知っていることを楽しそうに話す」幼児,「食べ物を残すことは『もったいない』という」幼児が栽培前に比べて収穫後やフォローアップにおいて有意に増加した。一方,非実施群ではいずれの項目も有意な変化はみられなかった。<br>【結論】幼稚園におけるトマトを用いた野菜栽培は,幼児の偏食に良い影響をもたらす可能性が示唆された。
著者
日覺 昭廣 山川 龍雄
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1612, pp.86-89, 2011-10-17

問 歴史的な円高や電力不足など国内の製造業には猛烈な逆風が吹いています。その中にあって、東レは2012年3月期に連結営業利益で最高益を見込むなど絶好調と言っても過言ではありません。その要因をどう見ているのか、初めにお聞かせください。 答 やはり20年以上にわたって円高対応を進めてきたということが大きいのではないでしょうか。
著者
やつ
出版者
東京動物學會
雑誌
動物学雑誌
巻号頁・発行日
vol.13, no.153, 1901-07-15
著者
小島 信秦 Nobuyasu Kojima
出版者
創価大学法学会
雑誌
創価法学 (ISSN:03883019)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.208-230, 2017-07-20

1 0 0 0 Cobb症候群

著者
関 俊隆 飛驒 一利
出版者
三輪書店
雑誌
脊椎脊髄ジャーナル (ISSN:09144412)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.390-393, 2015-04-25

Cobb症候群とSpinal arteriove-nous metameric syndrome Cobb(コブ)症候群は神経皮膚症候群の1つであり,脊髄動静脈シャント(spinal arteriovenous shunts:SAVS)と椎体や皮膚などに発生した血管病変が同一の髄節に認められる疾患である.1915年にStanley Cobb(1887-1968)が,突然の背部痛および対麻痺で発症した8歳の男児の症例を報告したことに始まる3).この男児は左背部にポートワイン母斑と,同じ髄節レベルに脊髄血管腫が認められた.しかし,本文中の手術所見および手術シェーマから推測すると,脊髄血管腫ではなくSAVSであったと思われる. Cobb症候群と同様に顔面や網膜の血管奇形に脳の血管奇形が合併する場合があり,合併する脳の血管奇形がAVSの場合をWyburn-Mason(ワイバーン・メイソン)症候群11),静脈奇形の場合をSturge-Weber(スタージ・ウェーバー)症候群10)と呼んでいる.これらの症候群は脳や脊髄の同一分節の異なる部位に複数の血管奇形が認められる場合を指しており,近年ではmetameric syndromeとして考えられている6).脳病変におけるmetameric syndromeは,AVSの場合はcerebrofacial arteriovenous metameric syndrome(CAMS)2),静脈奇形の場合はcerebrofacial venous metameric syndrome(CVMS)9)に分類され,さらにこれらは3つの領域に分けられている.また,脊髄にAVSを合併するCobb症候群は,spinal arteriovenous metameric syndrome(SAMS)として考えられるようになってきている7).ヒトの脊髄は31の髄節に分かれており,8対の頸髄,12対の胸髄,5対の腰髄,5対の仙髄,そして1対の尾髄からなっている.そのため,Cobb症候群(SAMS)はSAMS 1からSAMS 31に分けることができる7).
著者
楠藤 重次
出版者
一般社団法人 日本繊維機械学会
雑誌
繊維機械学会誌 (ISSN:03710580)
巻号頁・発行日
vol.42, no.9, pp.P435-P439, 1989-09-25 (Released:2009-10-27)
参考文献数
1
被引用文献数
1
著者
森本 孝紀 徳丸 正孝 村中 徳明 今西 茂
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.20, pp.45-48, 2005-03-10
参考文献数
3
被引用文献数
1

被災道路復旧計画問題とは,被害を受けた道路網の交通機能を,効率的に回復させるための復旧計画を求める問題である.従来までの被害モデルは簡単化されたものであり,リンク単位で被害を発生させていた.そこで本研究では,現実の被害状況をもとに被害を「通行止め」と「通行規制」の2種類の状態をモデル化する.また,GAのコーディングを改良することで,通行止めとなる被害箇所の多階復旧を可能としている.さらに,GAの適用方法に関する検討実験を行い,その有効性を示す.Damaged Road Restoration Scheduling Problem is a problem to request the restoration schedule that recover efficiently for a traffic function of the damaged road network. The damage model until the past was the simplified one, and damage was caused each link. In this research, damage is modeled based on an actual damage situation, two kinds of states, "closed to traffic" and "regulation of traffic", is modeled. Moreover, multistory restoration is enabled by improving the method of coding GA in "closed to traffic". In addition, the examination experiment concerning the method of applying GA is conducted, and the effectiveness is shown.
著者
田中 裕
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.177-184, 1990

1982年のアスペによるベルの定理の実験的検証は, 遅延モードを採用する事によって量子力学的相関が光速度以下の因果作用によって引き起こされたものでない事を示す点で画期的なものであったが(1), この検証実験に対するベル自身のコメント (1986) は「何かがベールの陰で光速度以上の速さで伝達されている」こと, 即ち遠隔作用の実在性と「相対性理論をアインシュタイン以前の問題状況に戻す必要性」即ち「ローレンツ不変性を持つ現象の背後にローレンツ不変性を持たない深層レベルがあり, このレベルでは絶対的な同時性と絶対的な因果の順序があると想定する」ことによって量子論的遠距離相関 (EPR相関) を説明する可能性に言及している(2)。またエーベルハード (1989) のEPR問題の歴史的回顧と様々な解釈の包括的要約も, 冒頭に「光速度を越える遠隔作用は (アインシュタインにとって受入れがたい観念であったが) 今日では様々な実験結果と理論的な分析によって実在的な効果である可能性が強い」という視点を提示し, この遠隔作用が, いかなる意味で「実在的」であるかをめぐる様々な解釈の違いを分析している。量子力学を「観測者に言及せずに」実在論的に解釈するポパー (1982) は, 「遠隔作用があるならば何か絶対空間のようなものがある」ことを理由に「量子論に絶対的同時性を導入すべき理論的理由があるとするならば, 我々はローレンツの解釈に戻らなければないだろう」と言っている。

1 0 0 0 OA 本草從新6卷

著者
清呉儀洛撰
巻号頁・発行日
vol.[6], 1806
著者
岡田 慶夫
出版者
鳥取大学工学部
雑誌
鳥取大学工学部研究報告 (ISSN:03858596)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.p224-234, 1983-10
著者
益子 賢蔵 宮本 卓之
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本鑑識科学技術学会誌 (ISSN:13428713)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.21-25, 1997

&nbsp;&nbsp;The method studied in this paper is developing latent fingerprints based on ruthenium tetroxide (RuO<sub>4</sub>) method. Ruthenium tetroxide fuming promptly react with various organic compound, particularly oils or fats contained in sebaceous secretions in latent print and producing brownish black or black ruthenium dioxide (RuO<sub>2</sub>).<br> &nbsp;&nbsp;Ruthnium Tetroxide is yellow, volatile crystails (melting point; 25.5&deg;C, boiling point; 100.8&deg;C) at room temperature.<br> &nbsp;&nbsp;Conventional methods using RuO<sub>4</sub> have been almost impractical because it is very difficult to handle by its strong oxidizability. Additionally because of the two liquid method, it is not only troublesome to produce RuO<sub>4</sub> fumes immediately before developing latent fingerprints, but also is difficult to produce necessary ammounts of RuO<sub>4</sub> fumes.<br> &nbsp;&nbsp;In this method, these problems were resolved by utilizing a saturated hydrocarbon halogenid solution of RuO<sub>4</sub><br>