著者
中島 喜代子 廣出 円 小長井 明美 Nakajima Kiyoko Hirode Madoka Konagai Akemi
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学 (ISSN:03899241)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.77-97, 2007-03-30

現在「居場所」という言葉は、日常的によく使用されているが、「居場所」の概念は、一般用語としても、また研究の面においても捉え方が様々であり、明確な定義は定まっていない。そこで、本稿では、子どもの「居場所」の概念を明確にすることを目的としている。この目的を達成するため、まず一般用語としての「居場所」の概念を捉えるために、「居場所」という言葉の登場時期と使用状況を検討し、子どもの「居場所」と社会的背景との関わりの検討を行った。さらに子どもの「居場所」に関する研究を検討することにより、研究レベルの「居場所」の概念を検討した。以上の検討を踏まえ、「居場所」の定義づけを行い、また「居場所」の構造を捉えるため「居場所」の構造を検討し、さらに「居場所」の実態を具体的に捉えるため「居場所」の持つ概念の諸側面を明確にした。そして、現在の子どもの「居場所」づくり事業を検討し、今後の事業に対する提案を行った。
著者
松本 武一郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.493-498, 1973-07-15 (Released:2011-11-04)

大隅風土記にあらわれた口がみ酒, 播磨風土記にあらわれた徽酒, 丹後風土記における天女の酒造りを中心に諸家の説を紹介しながら, わが国古代の民衆のなかに生れた酒の姿を追求する。
著者
清水甚吾 著
出版者
目黒書店
巻号頁・発行日
vol.総論,尋1・2編, 1931
著者
植田 敦三
出版者
全国数学教育学会
雑誌
数学教育学研究 : 全国数学教育学会誌 (ISSN:13412620)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.205-215, 2005 (Released:2019-01-17)
参考文献数
18

The purpose of this research is to clarify the way of the treatment of Sakumon in "life-centered arithmetic" in the early part of the Showa era. We pay attention to the arithmetic education on which Iwashita, Fujiwara and Inatsugu insist. They play a central role in the practice of "life-centered arithmetic". Through consideration, we find the following facts. (1) The chief aim of arithmetic education by Iwashita is to develop the qualitative thinking. To realize this aim, he introduces the practice to develop the qualitative thinking in daily life. For instance, gathering the qualitative facts, measurement are examples of this activity. Children pose the problem by the use of these facts or the result of measurement. Sakumon is a part of the practice to develop childeren's qualitative attitude in daily life. (2) Fujiwara restricts the position of Sakumon in his arithmetic education with the reflections that arithmetic education based on Sakumon is not able to preparete the curriculum. He changes Sakumon's position into one of methods of teaching arithmetic, namely the representation of the qualitative life. (3) Inatsugu attemptes to accord logicism with psychologism in arithmetic education. Generalization and specialization of mathematical thinking are the scaffold to accord them. Sakumon becomes the teaching and learning method to cultivate specialization. Simizu's study of curriculum development based on Sakumon has an attraction for him.

1 0 0 0 OA 市中取締書留

出版者
巻号頁・発行日
vol.[3] 天保,
著者
樫田 陽子 町田 登 山本 剛 桐生 啓治
出版者
日本獣医循環器学会
雑誌
動物の循環器 (ISSN:09106537)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.6-11, 1999

レースにおいて突然1着馬から大差で遅れて入線し,その直後の心電図(ECG)検査で発作性心房細動(AF)が認められた2例の所見について報告した。症例1ではレース終了10分後にAFが確認され,頻発性多源性心室性期外収縮(VPC)を伴っていた。本例は24時間後には正常洞調律に復帰していたが,その後の調教で状態不良のため競走馬から除籍された。症例2ではAF発症時にVPCは認められず,洞調律復帰後の成績は良好であった。運動直後に発作性AFが起こりVPCが併発した場合,予後は不良となる可能性が示唆された。

1 0 0 0 OA 痘科挙要

著者
池田瑞英
巻号頁・発行日
1825
著者
佐々木 義之 祝前 博明
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.93-99, 1980
被引用文献数
4

和牛産肉能力検定直接法の成績を用いて増体率(ADG)および飼料の利用能力に関する種雄牛の育種価を推定した.鳥取県種畜場および宮崎県総合農試肉畜支場で昭和46年から51年までの6年間に検定された雄子牛そらそれ135頭および174頭の成績を用いた.育種価を推定した種雄牛はそれぞれ14頭および23頭であった.検定成績は補正係数を用いて,あらかじめ検定期間,季節および開始時日齢につき補正を行った.育種価の推定法としてはRENDERSON (1973)のMixed Model Solution(MMS)による方法(BLUP法)を用いた.その際,相加的血縁行列を用いることにより種雄牛間の血縁を考慮したが,それをしなかった場合,さらに,単に通常の最小自乗分散分析法による最小自乗恒数を育種価推定値と見做す場合についても検討してみた。種雄牛分散に対する誤差分散の比(σε2/σμ2)は全国の検定牛から推定された分散成分を用いて算出した.種雄牛相互間の平均血縁係数は鳥取および宮崎でそれぞれ14.0%および3.0%であった.ADGに関する育種価にもとづき種雄牛に序列をつけると鳥取および宮崎の上位3頭は,それぞれ昭栄1,吉光,吉徳および第18明石,前谷,初栄であった.しかしながら,相加的血縁行列を用いないBLUP法あるいは通常の最小自乗分散分析法による最小自乗恒数では,それらの序列が異なり種雄牛間に濃い血縁関係のある鳥取の場合は,とくにその違いが顕著であった.形質ごとに求めた種雄牛の序列を比較するとADGと終了時体重との間,TDN要求率とDCP要求率との間,さらにADGと飼料要求率との間には高い正の順位相関が認められたが,ADGと粗飼料摂取率との間の相関はむしろ負の傾向を示した.
著者
津田 直彦 井村 誠孝
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.973-974, 2017-03-16

VR技術の活用が期待される分野の一つにスポーツトレーニングがある.VR技術を用いると広い場所が要らず1人でトレーニングが可能となり,また様々な状況を再現できるなどの利点がある.本研究では,初心者のためのフライの捕球訓練を行うシステムを構築する.捕球の困難さは遠方の打球方向を視認し落下地点を推定する経験の乏しさに起因するため,技術の向上のためには繰り返し訓練を行う必要がある.提案システムでは,HMDを着用し,バーチャルな野球場での訓練を行う.天候など周辺環境を変えることで,様々な条件下での訓練を実現する.本発表では,試作システムの概要と,本システム内での野手の移動軌跡を実際のフライ捕球時と比較した結果について報告する.
著者
藤田 恭久 幸田 剣 田島 文博 木下 利喜生 箕島 佑太 橋崎 孝賢 森木 貴司 川西 誠 児島 大介 上西 啓祐 梅本 安則
出版者
社団法人 日本理学療法士協会近畿ブロック
雑誌
近畿理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.95, 2011

【目的】 リハビリテーション(リハ)においては,たとえ重篤な症例であっても,医学的に患者の全身状態を悪化させる安静臥床を避ける必要がある.そのため出来る限り離床を進め,運動負荷を加えることがリハの基本である.今回,原因不明の多臓器不全と診断され、肺炎と無気肺を合併したために約2カ月間の人工呼吸器管理となった症例に積極的なリハを施行した。その結果、人工呼吸器離脱と同時に歩行自立を達成したので、その工夫を含めて報告する。<BR>【方法】 症例は37歳,男性,身長180cm,体重180kg,BMI 55.5kg/_m2_.今回,多臓器不全・肺炎により当院に緊急搬送,ICUで人工呼吸器管理となり,廃用予防・呼吸循環機能改善目的で入院2日目よりリハ開始となった.リハ開始時現症は,意識レベルJCS 300(鎮静下),人工呼吸器管理(経口挿管,APRV,FiO2 0.6,PEEP(high/low) 20/0),TV 500ml,SpO2 95%,血液ガス分析はPaO2 76.6mmHg,PaCO2 50.9 mmHg,P/F比128,AaDO2 287 mmHgであった.ROM制限は無く,自発運動は認めなかった.重度の肥満があり,体位ドレナージは当初より困難であった.ICU入室15日後,気管切開され,抜管のリスクが低下したため,端座位・立位訓練開始.この時,鎮静は実施されておらず,意識は清明であり,MMT両上肢3,両下肢2レベルであった.多臓器不全・肺炎の治療に長期を要し,ICU入室31日後,一般病棟へ転棟.その後もベッドサイドで人工呼吸器装着下(CPAP,FiO2 0.6,PEEP 8)で,端座位・立位訓練を継続した.<BR>転棟25日後,病棟で呼吸器離脱に向け,日中はT-tube(O2 8L,FiO2 0.8)を開始されたが,時折SpO2低下を認めたため,夜間は呼吸器管理を継続された.画像所見では,両肺に無気肺・スリガラス陰影を認めた.血液ガス分析はPaO2 77.6 mmHg,PaCO2 39.8 mmHg,P/F比172,AaDO2 193mmHgであった.肺炎が沈静化しておらず,酸素化能の低下には無気肺の影響もあると考えられた.検討の結果,人工呼吸器を持ち運び可能なHAMILTON-C2に変更し,リハ室へ出棟することとした.歩行訓練やハンドエルゴメーター(20W 20分)を中心とした運動負荷を積極的に行い,換気量を増加させることに努めた.リハ来室時の状況は,人工呼吸器(CPAP,FiO2 0.3,PEEP 6),安静時SpO2 97%,HR115回/分,TV600ml,呼吸数18回/分であった.歩行訓練後はSpO2 94%,HR132回/分,TV1200ml,呼吸回数25回/分となった.この時,HAMILTON-C2の支柱を自ら把持し軽介助レベルで歩行可能であった.<BR>訓練中に呼吸困難感が生じた際は,リハDrによりPEEPやPSなどの呼吸器設定を適宜変更しながら運動負荷量を増加させていった.<BR>【説明と同意】 本症例と家族に対して発表の趣旨について説明を行い,情報の開示に対し同意を得た.<BR>【結果】人工呼吸器を持ち運び可能なものに変更し,リハ室で1週間運動療法を施行した結果,人工呼吸器を完全に離脱でき,T-tube(O2 5L,FiO2 0.3)へ移行できた. T-tubeの状態でも運動療法を推進した結果,酸素が不要となり,退院前には気切閉鎖できた.血液ガス分析はPaO2 68.1mmHg,PaCO2 40.6mmHg,P/F比324,AaDO2 23.8mmHgとなり,画像所見で無気肺の改善を認めた.体重は135kgに減量し,MMT上下肢4レベルとなった.ADLでは歩行が歩行器からT字杖歩行,独歩可能,身の回り動作が自立できた.<BR>【考察】気管切開後も人工呼吸器管理であったため,当初はベッドサイドでの立位訓練や車いす移乗までしか行えなかった.主治医より呼吸器離脱に向けた無気肺の改善を求められたが,重度の肥満があり,病棟での体位ドレナージは施行困難でリハ以外は臥床傾向であった.そこで今回,人工呼吸器を持ち運び可能なものに変更し,リハDrの付き添いのもと行える環境を設定したことで,運動負荷時に呼吸困難感が出現した際の対応も可能となった.そのため積極的な運動療法を安全に施行できたと考える.<BR>リハ室で訓練を行う事で日中の臥床傾向を減少させ,更に運動負荷を強める事で換気亢進が惹起され,無気肺の改善に寄与したと考えられる.その結果,P/F比・AaDO2も改善し,呼吸器の離脱が可能となったと思われる.また,歩行訓練のみならず,全身調整運動を欠かさず続けた結果,BMI 41.7kg/_m2_まで減量することができ,歩行能力を含めたADL向上が得られたと考える.<BR>【理学療法学研究としての意義】人工呼吸器管理下では積極的なリハを敬遠しがちであるが,リハDrの付き添いのもと,持ち運び可能な人工呼吸器を使用することが,人工呼吸器装着患者に対して安全かつ効果的な運動負荷を実施するための選択となると考えられる.

1 0 0 0 OA 耆旧得聞 13巻

著者
小宮山昌秀
出版者
巻号頁・発行日
vol.[6],