著者
藤本 純子 諸岡 晴美 渡邊 敬子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2014

<b>目的 </b>過去の時代を代表する衣服は価値ある資料であり、その複製を制作することは非常に意義がある。本研究では、最もパターンの予測が困難な衣服の一部分を効率的に復元することを目的として、シルエット形成に及ぼすいせ分量の影響、およびシルエットと布の力学特性との関係性を明らかにした。さらに意図するシルエット形成のためのいせ分量の予測について検討した。 <b>方法</b> 厚さの異なる3種のシーチングおよびシルクタフタの計4種の布地を用いて、胸元に16.5cm丈の垂布状のケープカラーがついた身頃を制作し、ケープカラーの付け部分に10%のいせを入れた。また、薄地シーチングとシルクタフタについてはいせ分量を0%,5%,15%と展開し、計10点の試料を実験に供した。試料をボディに着せつけた状態で三次元計測装置によりスキャンし、その形状を採取した。得られたシルエットデータから形状計測ソフト(Body-Rugle)を用いて体積、断面積を特徴量として解析した。一方、布の力学特性をKESシステムにより計測した。 <b>結果</b> いせによって形成される衣服のシルエットを捉える手段として、三次元計測装置を用いることの有用性が確認できた。また、シルエットといせ分量、布の力学特性との関係について明らかにした。これらの研究成果は、歴史的に重要な衣服形状を復元するための基礎的データとなるとともに、意図した衣服のボリューム感を創出するための基礎データとなり得る。
著者
安藤 敏 高橋 千晶 幾見 京子 増田 彩子 清水 俊雄
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学雑誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.195-201, 1997

アルファルファ雄性不稔系統(CMS)のオルガネラの遺伝情報を栽培品種に導入するため非対称融合法の検討を行い,その結果,安定して雑種カルスを得る方法を確立した。栽培品種のプロトプラストはヨードアセトアミド(IOA)で処理し,CMSのプロトプラストにはX線を照射したのち電気融合法で非対称融合を行った。栽培品種のプロトプラストはアガロース包埋法で培養した場合,6mMのIOAで処理することでほとんど不活化できた。CMSのプロトプラストのコロニー形成を抑えるには900Gy以上のX線照射量が必要で,他の植物と比べ高いことが明らかとなった。融合処理した細胞はアガロース包埋法で培養したが,この時,培養の最初からナース細胞を加えず,アガロースのまわりにKaoの液体培地のみを加えることにより,不定胚を形成するカルス(embryogenic callus:EC)の出現が確認できた。両親の植物体から全DNAを抽出し,ミトコンドリアDNA(mtDNA)をプローブとしてサザンハイブリダイゼーションを行いRFLP(制限酵素断片長多型)を調査した結果,制限酵素XhoIとプローブatpAの組合せで両者を明確に区別できることを見いだした。IOA濃度として3mMと6mM,X線照射量として1350 Gyと2250 Gy,アガロースのまわりに添加する培地としてKP培地とKC培地を選び,それぞれの組み合わせで融合処理と培養を行い,カルス形成,EC形成,植物体の再生およびmtDNAのタイプ毎のカルスの出現割合に及ぼす影響を調べた。その結果,IOAは低濃度(3mM)の方がカルス数,EC数,再生植物体数が多かったが,栽培品種型のエスケープカルスを抑えるためには高濃度(6mM)が必要だった。X線照射量は2250 Gyの方がカルス形成の頻度が高かった。CMSのプロトプラストに2250 Gyという高い量のX線を照射する条件では,核ゲノムだけでなくオルガネラゲノムが破壊されることが懸念されたが,mtDNAの分析からCMS特有のバンドが確認され,この条件が許容されると判断された。細胞質雑種と考えられるカルスの出現割合,及びECや再生植物体数から考えると,IOA 6mMとX線照射量2250 Gyの組み合わせが最もよいと考えられた。MtDNA分析で雑種型と判断されたカルスについてmalate dehydrogenase(MD)のアイソザイム分析を行った結果,CMS特有のバンドをもたず核が栽培品種型であるサイブリッドと考えられるものが得られた。再生植物体についてもmtDNA分析を行ったが,全て栽培品種と同じ型を示し,雄性不稔の形質は導入されていないものと判断された。
著者
稲村 征之 森下 知晃 Milusi Ibrahim MILUSI Ibrahim
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 (ISSN:13486543)
巻号頁・発行日
vol.2011, 2011-09-05

アルバニアには南北に伸びるオフィオライトが分布しているが、その火山岩の地球化学的特徴は東西で異なり,東側は島弧的火山岩類,西側は中央海嶺的火山岩類特徴を示す(Dilek et al., 2008).本研究では西側北部に位置するゴムシケ、プーカ岩体を研究対象としている。プーカ岩体は主に斜長石を含む変形を受けたかんらん岩とガブロ脈が分布している一方,ゴムシケ岩体は輝岩脈,ガブロ脈,数十cm~10m程度の脈状のダナイトを伴うレールゾライトが分布している.ゴムシケ岩体のレールゾライトの鉱物化学組成は中央海嶺かんらん岩と似ており,部分溶融度が低いことを示している.ゴムシケ岩体にはスピネルのCr#[=Cr/(Cr+Al)原子比]に大きな違いがある二種類のダナイトが存在する.一つはCr#が0.3程度,もう一つは0.7程度である.前者は中央海嶺で採取されたダナイト,後者は前弧域ダナイトの化学的特徴と類似している(Arai, 1994).このことからゴムシケ岩体は中央海嶺的セッティングで形成された後に,島弧的セッティングに移行する際の影響を受けている可能性がある.

1 0 0 0 OA 新聞鈔

著者
高野, 武貞
出版者
巻号頁・発行日
vol.[21],
著者
小寺 浩二 濱 侃 齋藤 圭 森本 洋一
出版者
公益社団法人 日本地下水学会
雑誌
地下水学会誌 (ISSN:09134182)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.237-249, 2014-08-30 (Released:2014-10-21)
参考文献数
12
被引用文献数
2
著者
石川 大輔 岩屋 隆夫 角田 定孝 志多 充吉
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.73-82, 1999-05-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
42
被引用文献数
1 1

The lzu Bonin Islands are a group of volcanic islands that project into the Pacific Ocean from the Japanese Archipelago. On the islands, various methods to improve water resources that are peculiar to isolated islands, for example the use of water from mountain streams, have been developed since the modem age.However, the actual conditions of water use development on the islands have never been thoroughly researched and compiled into a report.This thesis deals with the characteristics of the adjustment of the shortage of water based on the examination into the history of water use development and the balance between water supply and demand on each of the islands.
著者
黒川 信重 染川 睦郎 水本 信一郎 盛田 健彦 加藤 和也
出版者
東京工業大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

各研究分担者は次のような研究を行った。黒川はゼータ関数の行列式表示しを研究し、絶対数論の見地に達した。加藤はモチーフの数論的ゼータ関数の特殊値の研究を行い普遍行列式の考えに至った。盛田はセルバーグ型ゼータ関数の研究を行った。水本はゼータ関数の中心零点の研究を行った。染川は数論的代数幾何学の研究を行った。これらを総合するとゼータ関数の全体像がより一層はっきりしてきた。とくに、すべてのゼータ関数の統一理論の鍵となる絶対数字の考え方を注意しておきたい。これはセルバーグ型ゼータ関数はもちろん,数論的ゼータ関数の研究において絶対なる力を発揮する。理論ができつつある段階であるが,たとえば,加藤による対数スキームの理論やトーリック多様体論はその例と見なすことができる。零点の絶対テンソル構造を経由するとリーマン予想にも到達する。このようにして,ゼータ関数が実体に一歩近づいた。
著者
横田 万之助
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.388-394, 1970
被引用文献数
1

Suppositorium, a form of medication, has already been brought into use since old egyptyan andancient chinese era, chiefly for local use. But, practically, it was since 17th century thatsuppositorium became gradually one of usual forms of medication. In Japan, however, it is not so favourable type of drugs, as compared in the countries in Europe or America. But recently, it has become used more widely for systemic purpose to avoid some untoward gastric side effects due to drugs. Thus, I had an oppotunity to administer Erythrosin-suppositorium, newly made and delivered to us, to the patients thought to have bacterial infections. In all, 18 patients were treated as shown in Table 1. They were: 1 c.c.+otitis media, 1 chronic upper respiratory inflamation, 1 pyelitis, 1 bronchopneumonia, 1 alveolar pyorrhea, 4 scarlatina and 9 angina tonsillaris.<BR>All were well tolerated and cured except one with chronic upper respiratory inflamation. These results were thought to be same, as compared with hitherto known results of usual perioral Erythrosin tablet. Moreover, this Erythrosin-suppositorium was well tolerated without any gastric disorder in 2 patients in this series, who always complained of some gastric disorders after oral Erythrosin-tablet. There was no side-effect seen in this series. It was noticed that in some younger children, the relation between their normal defecation time and drug-administration time schould be taken in care, because their anal mucosa becomes a little irritated shortly after insertion of suppository. A new method for evaluation of drug with anti-streptococcal activity was described and shown in coloured figures.

1 0 0 0 OA 天保撰要類集

出版者
巻号頁・発行日
vol.[96] 第三十四 下 町奉行之部 一,

1 0 0 0 OA 西籍慨論 4巻

著者
平田篤胤
出版者
巻号頁・発行日
vol.[1],

1 0 0 0 OA 太平記鈔 40巻

巻号頁・発行日
vol.[5], 1600
著者
定方 正毅
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.85-87, 1999-02-20 (Released:2017-07-11)
参考文献数
4

ラジカルによる反応の制御は室温での高速反応や非平衡での反応が可能など様々な利点を有するがこれまで実用技術までに発展した例は少なかった。その最大の原因はラジカルの計測が難しいこととラジカルの生成効率が低いためラジカル生成に高エネルギーコストがかかる点である。最近, 連鎖反応の利用や平衡ラジカルの利用および固体電解質を用いたイオンラジカルの生成技術の開発によりラジカルの高効率生成が可能になりつつある。
著者
松本 英樹 掛端 健士 兵頭 武史 花田 憲正 辻 陽子 稲船 清英 村中 早苗 星野 佐登志
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.595-599, 2003

日本の犬ぞり犬において, 現場に即した運動処方を作成するために各種の検討を行った. その結果, 運動処方作成にあたっては, 年齢等による運動能力の近似した群分けの必要性が示唆された.また1回の運動負荷で乳酸閾値, 酸塩基平衡を基に個体別の運動処方を作成できる可能性が示唆され, 過剰な運動負荷を防止するために2回目の運動負荷も有用であると思われた.PRESCRIPTIONDIET<SUB>&reg;</SUB> a/d (a/d) を通常食に追加投与すると, a/d投与前と比較して投与後は, 運動負荷後のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ (AST) の増加もなくなり, 血中の重炭酸塩および静脈血二酸化炭素分圧の回復も早いことが認められた.しかし, a/d投与後では運動負荷に関係なくナトリウム, クロライドの上昇を伴う血漿浸透圧の上昇が認められたことから, 塩分過剰投与などが危惧され, さらに十分な水分補給の必要性が示唆された.