著者
荒牧 賢治
出版者
Japan Society of Colour Material
雑誌
色材協會誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.151-155, 2012-04-20

リオトロピック液晶は界面活性剤や脂質が溶媒中で形成する規則構造をもった集合構造であり,濃度,温度を調整することによって得られる。粘稠な性質をもつため,リオトロピック液晶中に水あるいは油を分散させることで高い粘性をもつゲルエマルションが得られる。ここではヘキサゴナル液晶(H<sub>1</sub>)やミセルキュービック相(I<sub>1</sub>)を用いたO/H<sub>1</sub>型,O/I<sub>1</sub>型のゲルエマルションの調製法と粘弾性特性について簡単に述べたあと,透明ゲルエマルションの調製について詳述した。通常のエマルションと同様に,O/H<sub>1</sub>型,O/I<sub>1</sub>型ゲルエマルションは連続相と分散相との屈折率差のため,白濁している。しかし,グリセリンを加えることで透明なO/H<sub>1</sub>型およびO/I<sub>1</sub>型ゲルエマルションを得ることができる。グリセリン濃度を変化させたときに,透明ゲルエマルションが得られる組成と,I<sub>1</sub>相と油相の屈折率が一致する組成が同じことから,連続相と分散相のコントラストマッチングにより透明ゲルエマルションが得られたことがわかった。
著者
上田 純也 増田 真実 岡嶋 克典
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会年次大会講演予稿集 2014 (ISSN:13431846)
巻号頁・発行日
pp.22-4-1_-_22-4-2_, 2014-09-01 (Released:2017-05-24)

We developed an AR system for drinks witch enables to measure crossmodal effects of vision and sound on taste and texture of drinks, and conducted psychophysical experiments. The results showed that appearance and sound affect taste and texture of drinks, suggesting that our system can control the taste of drinks.

1 0 0 0 OA 東海道 興津

著者
惺々周麿
出版者
福忠
雑誌
東海道名所風景
巻号頁・発行日
1863
著者
小林 尚司
出版者
日本赤十字豊田看護大学
雑誌
日本赤十字豊田看護大学紀要 = Journal of Japanese Red Cross Toyota College of Nursing (ISSN:13499556)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.19-26, 2010-03

本研究は、遺族の悲哀に伴う医療者への怒りについて、何故怒りが生じたのかに関心をおく。今回、自宅で義母を看取った後、担当訪問看護師に対する強い怒りを感じた女性に、3 回の面接調査を行った。そこで語られた怒りの経験を再構成することで、訪問看護師に対する怒りの背景を探求する仮説モデルを作成した。死別後の訪問看護師に対する怒りは、死別後に訪問看護師から得られるサポートに対する不満によって生じると考えられた。またその不満は、訪問看護師に対するサポートの期待の大きさによって異なり、期待の大きさには、看取り前の信頼関係、看取りのあり方に対する自責の念が影響すると考えられた。

1 0 0 0 OA 漢語英訳辞典

著者
ゼー・エツチ・ガビンス 著
出版者
博聞本社
巻号頁・発行日
vol.第1冊, 1892
著者
清原 舞子
出版者
東洋英和女学院大学大学院
雑誌
東洋英和大学院紀要 = Journal of the graduate of Toyo Eiwa University (ISSN:13497715)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.95-117, 2017-03-15

The purpose of the present study is to examine aspects of creative regression from the viewpoint of ego boundary, sence of reality and superior sensation, which are supposed to be signposts of pathological regression.Based on the Graphic Rorschach test, I have newly developed a Digital Rorschach test, introducing an experimental examination for use on a tablet computer.On research focusing on artists, as the characteristic of Rorschach, the more total reaction numbers, more Dd%, less F+%, more Σc, more ΣC・SumC, more At% have appeared.As a result of using the Fisher and Cleveland (1958) “–body image boundaries score–”, the artists group is found to have higher barrier and penetration scores as well. The aspects of permeable and impermeable ego boundaries were suggested by Landis (1970) as the “–resilience of boundaries–”.Furthermore, as a result of dividing artists into three groups (musicians, painters, and performers), the musician group has a mostly equal B score and P score, the painter group has a higher B score, and the performer group has a higher P score. Also, it has been suggested that P score is related to concept-dominance – blot-dominance by D.G.R.In previous research, as the classified result of the concept-dominance of normal-adults, “the balance or imbalance between blot and concept” has mostly dominated. In this study, however, the Mx type “mixture imbalance between blot and concept,” –which is not usually seen in normal-adults, has been seen in about 65 % of the artists group. The Mx type has been associated with schizophrenia.Finally, a qualitative view has been added based on the ideas of “–deviant verbalization–” and “–confabulation– ”.
著者
草野 晴美 伊藤 富子
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.193-201, 2004-12-20 (Released:2009-06-12)
参考文献数
13
被引用文献数
1 3

北海道千歳川水系における淡水性ヨコエビの分布を調べたところ,本流にはトゲオヨコエビEogammarus kygi (Derzhavin),支流にはオオエゾヨコエビJesogammarus jesoensis(Schellenberg),湧水源流付近にはエゾヨコエビSternomoera yezoensis(Uéno)が生息していることがわかった。また千歳川支流のひとつ,内別川におけるオオエゾヨコエビとトゲオヨコエビの調査から,(1)2種の分布は,隣接するにも関わらず重複が少なく,分布境界が明瞭であること,(2)その分布境界の上流と下流で河川の物理的な環境に差異は見られないが,産卵後サケ死体の現存量に有意な差が認められること,(3)2種とも消化管に植物質,動物質の餌を含むが,トゲオヨコエビの方がオオエゾヨコエビより動物質の餌,特にヨコエビ破片を含んでいる頻度が高いこと,が明らかになった。これらの結果から,オオエゾヨコエビとトゲオヨコエビの分布を決めている要因について,(1)トゲオヨコエビが千歳川下流から遡上することによってオオエゾヨコエビよりあとから上流域へ分布を広げた,(2)トゲオヨコエビは動物性の餌資源をより多く必要とするためサケ遡上区域(産卵後サケ死体の分布)と重複するように分布し,オオエゾヨコエビは貧栄養的な支流に追いやられている,(3)2種間に捕食などの直接的な関係があることによって分布が排他的になっている,という3つの可能性を考察した。
著者
木目沢 司
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.35-40, 2017

<p>国立国会図書館(以下,NDL)は,所蔵資料のデジタル化により作成したデジタル画像(デジタル化資料)やインターネッ トから収集したPDF,EPUB形式等の電子書籍・電子雑誌(オンライン資料)等,大量のデジタルファイル形式の資料(デジタル資料)を保存・提供している.本稿では,デジタル資料を収集・保存・提供するシステムである国立国会図書館デジタルコレクション<sup>1)</sup>について,長期保存システムの国際標準Open Archival Information System(OAIS)参照モデル(ISO 14721:2012)<sup>2)</sup>の機能要件の観点から考察し,デジタル情報の長期保存の課題について述べる.</p>
著者
大桃 美穂
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.111-119, 2010-09-23 (Released:2017-04-27)
参考文献数
28

透析医療に携わる現場では、長期間の維持透析生活の後に終末期を迎える患者の看取りについて検討を要するケースが増加している。本稿では維持透析患者に焦点をあて、「透析と終末期医療のあり方」を検討した。日本の医療現場では一般に事前指示書が尊重されているとは言い難い。ことに透析医療においては、透析導入から終末期を迎えるまでの長期の間に、患者個人の病状や心理も変化してゆくので、患者の意思を把握する機会をたびたび設けることが必要であると考える。医療者には患者・家族と共に個人に即した終末期医療を作り上げるという姿勢で臨むこと、患者の意思決定を支援することが求められている。実際の事前指示の運用場面では、医療者と患者の橋渡し役として、透析導入期・維持期・終末期と長期にわたる関わりの中で患者との人間関係を構築している透析看護師が担う役割が大きくなるだろうと推測される。