著者
金 延景
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100032, 2013 (Released:2014-03-14)

新宿区大久保には,韓国人ニューカマーの集中居住地区であると同時に,商業業務中心地区としての性格を強く帯びたコリアタウンが形成されており,エスニック景観が顕著にあらわれている.本研究では,大久保コリアタウンの形成過程とその変容を明らかにすることを目的としている. 韓国系施設は1990年代から2000年代初頭にかけて主に職安通りを中心に分布し,段階的に裏通りから表通りへ,2階以上から1階へ拡散しながら,ハングルの看板や広告を中心としたエスニック景観を形成し始めた.当時のコリアタウンでは,韓国食料品店,韓国料理店,ビデオレンタル店,不動産,美容室,教会や寺など韓国人ニューカマーに向けた韓国現地の商品や情報,そして日本の生活に必要なサービスやコミュニティを提供する場として機能していた. そして,2003年ドラマを中心とした第1次韓流ブームにより,日本人観光客が急増したことで,コリアタウンは大久保通りへ拡散し,2005年頃にはコリアタウンのメイン通りとされた職安通りよりも大久保通りの方に多くの韓国料理店や韓流グッズ店が出店されるようになった.2009年のK-POPを中心とした第2次韓流ブームにより,大久保コリアタウンは一層拡大し,裏通りや2階以上へ再び拡散する一方,「イケメン通り」への出店が顕著にみられた.エスニック景観は,ハングルから日本語に変わり,韓流スターのサインやポスターを飾り,スクリーンやスピーカーを設置して映像や音楽を流すなど韓流スターを媒介としたエスニック景観へ変化した. こうしたコリアタウンの変化には,第2次韓流ブームの他,2008年のリーマンショック以降,円安・ウォン高により日本人の間でブームとなった韓国旅行が影響している.2008年から2009年にかけては,一時期,大久保では比較的売り上げや客数減っていたことから,韓国の観光名所である明洞で日本人顧客が求めていた商品やメニューが積極的に投入されたとみられる.
著者
渡邉 信晃 榎本 好孝 大山〓 圭悟 狩野 豊 安井 年文 宮下 憲 久野 譜也 勝田 茂
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.520-529, 2000-07-10 (Released:2017-09-27)
被引用文献数
5 3

The purposes of this study were 1)to investigate the relationship between sprint running performance and isokinetic hip strength, and 2)to clarify the muscles that are important in sprinting from the standpoint of isokinetic strength and muscle cross-sectional area(CSA).Sixteen male(100m sprinting time 10.99±0.46s)and 12 female(12.50±0.44s)subjects ran 60m and their sprinting speed was measured from 30 to 60m.Isokinetic strength of hip and knee flexion and extension(Nm)were mesured at 60, 180 and 300 deg/s.Magnetic resonance imaging(MRI)was used to determine the muscle cross-sectional area of the thigh(upper, middle and lower femur)and trunk.In females, there were no significant correlations between sprinting speed and isokinetic strength.In males, there were significant correlations between sprinting speed and hip strength(absolute value)at all angular velocities(r=0.51-0.75, p<0.05-0.01), except for hip extension at 300 deg/s.Extension at 60 deg/s was significant(r=0.64, p<0.01)only in the male knee.In males, there were significant correlations between the peak torque of hip extension and muscle CSAs of the hamstring and adductor(r=0.50-0.63, p<0.05-0.01), as well as between the peak torque of hip flexion and muscle CSAs of the psoas major and adductor(r=0.59-0.83, p<0.05-0.001).These results suggest that sprint running performance in males is influenced by the strength of hip flexion and extension.In addition, the muscle volume of the hamstring, adductor and psoas major muscles appears to play an important roles during sprint running in males.
著者
水野 正好
出版者
奈良大学文学部文化財学科
雑誌
文化財学報
巻号頁・発行日
vol.2, pp.23-43, 1983-03

人の心根の揺れ動くところ、必ずや人に近ずき人の親しむものの世界を生み、また必ずや人から遠ざかり人と疎縁となるものの世界を生み出す。今日の私どもがいだく心根なり、想ひとは、また全く異った心根なり想ひでつつまれた一つのものの世界が時にはたどれるのである。馬・馬・馬と題した小稿は、古代における人々の馬を視る目の動き、心の動きをいくつかの資料に語らせようとするものである。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1075, pp.44-51, 2016-07-14

AIとの初顔合わせとなったのは、建て主から要望や条件を聞く打ち合わせの場だった。顔合わせといっても、相手はタブレット端末を通したクラウドシステムだが。最初の会合では、質問の多くは山田を含む人間が出した。
著者
豊住 頼一 平野 実
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.24-46, 1998-01-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
16

両生類, 爬虫類, 鳥類の頭頸部が一括して生体から摘出された後, 口腔底が直ぐ双眼顕微鏡下に比較観察された, 結果は次ぎのように3部に要約された.1. 研究動物の口腔底での舌骨と喉頭軟骨の位置私達は研究動物の鰓弓軟骨が口腔底をどのように形成するか観察した, 結果は次ぎのように要約された.1) 研究動物のすべてにおいて口腔底は舌骨と喉頭軟骨および鰓弓軟骨が水平に結合した状態で構築されていた.2) したがつて, すべての観察動物では, 咽頭腔と咽頭筋は哺乳動物の咽喉頭部との比較上から存在しないと推測された.また, 哺乳動物では口腔底の鰓弓軟骨は退化し, 舌骨と喉頭軟骨は頸部へ下降することが推測された.3) 当然, 哺乳類の咽頭腔と咽頭筋は喉頭下降に伴つて進化したことが推測された.4) 以上の観察所見から, 両生類, 爬虫類, 鳥類の嚥下機能は哺乳類と異なる方法で行われることが推測された.2. 両生類, 爬虫類, 鳥類における咽頭筋の存否と嚥下機能1) 観察動物の口腔底は鰓弓軟骨と舌骨および喉頭軟骨より構築され, 哺乳類で観察されるような口腔部と食道部との間に存在する咽頭腔と咽頭筋は存在しなかつた.2) 観察動物では哺乳類に見られるような咽頭腔は存在せず, 喉頭-食道腔のみである. その理由は口腔に喉頭が未だ存在するからである. 喉頭の輪状軟骨後面には哺乳類と同じように食道起始筋が観察されるが, 喉頭-食道領域の腔背側には哺乳類の咽頭筋に相当する筋組織は認めなかつた.3) 観察動物の嚥下機能はそれぞれの動物で特徴的であることが推測された.3. 哺乳類における喉頭下降1) 喉頭下降は直立歩行への進化の過程の付随現象である.2) 喉頭下降は舌筋の発達を促進し, 喉頭腔と咽頭筋を進化させる.3) 喉頭下降は鳥類の喉頭軟骨 (鰓弓軟骨) の集合型から哺乳類の喉頭軟骨 (鯉弓軟骨) の分離型への進化によつて促進される.4) 上記, 分離進.
著者
清何撰
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
vol.[7], 1769
著者
牧 保夫 藤井 省造 犬飼 鑑
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.421-424, 1977-05-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
12
被引用文献数
3 3

前報では含フッ素アラニン誘導体の合成について報告したが, 本報ではフェニル核にフッ素またはトリフルオコメチル基を有するフェニルアラニンを合成する目的で, フルオロベンジルクロリド類, トリフルオロメチルベンジルクロリド, クロロトリフルオロメチルベンジルクロリド類を合成し, アセトアミドマロン酸エチルを縮合させ, 7種の含フッ素DL-フェニルアラニン誘導体を合成した。トリフルオロメチル基を有する新規のアミノ酸は母体のフェニルアラニンより水に対し高い溶解度を示した。