著者
奥中 康人 オクナカ ヤスト
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.18, pp.65-90, 2018-03-31

群馬県では、公設消防組が設立された1894年に、広くラッパが配備され、組織的な練習もおこなわれていた。ほぼ同時期に、消防用のラッパ譜も制定されていたという。本稿は、1890年代~1940年の7種類の消防ラッパ譜(「喇叭ノ符」(1895)、「喇叭符」(1895)、『喇叭符號手帳』(1896~97)、『消防の栞』(1908)、『消防喇叭音譜』(1929)、『消防喇叭教本』(1938)、『警防喇叭教本』(1940))の内容を分析することによって、近代群馬にどのような音楽が鳴り響いたのかを明らかにすることを目的としている。群馬県の消防ラッパ譜に収録された楽曲は、消防のために作られたオリジナル曲と、軍隊のラッパ譜によって構成されている。軍隊ラッパ譜から転用された曲の多くは、1885年に刊行された『陸海軍喇叭譜』とその改訂版を典拠としているが、1890年代のラッパ譜の中には、1885年以前に陸軍が使っていたフランスのラッパ譜も含まれている。1920年代には、群馬のオリジナルのラッパ文化がわずかに芽生えようとしていたが、1938年のラッパ譜では、ほとんどが『陸軍喇叭譜』の曲で占められることとなった。
著者
長田 尚夫
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.30-37, 1980-02-01 (Released:2017-08-01)

Social and psychologic problems were neglected in the treatment of sexual disturbance in the past. In this paper, we reported on our treatment for psychosomatic sexual disturbances which were caused by physical sexual disorders. (1) Disorders on sexual development. Patients with Klinefelter syndrome and male hermaphroditism were suffering from psychological sexual troubles in spite of successful hormonal therapy. When treated psychosomatically, however, good results were obtained. (2) Hypogonadism. Patients with eunuchism and eunuchoidism who had anxiety about marriage in spite of satisfactory hormonal therapy were treated psychosomatically. Consequently, they became able to lead a happy life with their spouse. (3) Impotence. Take honey-moon impotence, for instance. Favorable results were obtained when the couple restored their tender feelings and the wife became co-operative in the treatment. It is important to establish a good working relationship in a couple when we treat a patient with functional impotence. (4) Surgical stress and testosterone. Plasma and urinary testosterone levels tended to decrease under surgical stress. We would emphasize that the treatment of male sexual disturbance should be approached not only from the physical standpoint but also from the psychosocial standpoint.
著者
横尾 能範
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-7, 1979

複数の専攻コースをもつ大学の入学試験実施後には,志望コースと試験成績とを照合しながら,各コースの定員が充足するように公正な選抜作業が行なわれるべく努力されている.しかし,特定コースヘの志願者の偏りや,選抜ルールの共通理解不足などの理由からその作業が必ずしも円滑に進むとは限らない実情がある.本論は,出願時に志望コースを記入する形の入学試験における合格者選抜の一実態を分析し,選抜の基準となる複数のルール同士が互いに矛盾する場合があることを明らかにした.そこで,各ルールの精神を生かし,かつ矛盾のない一つの総合ルールとしてそれらを体系化してフローチャートに描いた.次に,その総合ルールの初期条件を種々に変えてシミュレーションを実施した結果,被選抜者の第一志望での合格者率,各コースの定員充足率,合格者平均点などその内訳に,初期条件の設定値いかんが一定程度の意図的な影響を与えうることや,選抜作業が著しく簡素化できることを明らかにした.
著者
藤沢衛彦 著
出版者
成輝堂
巻号頁・発行日
vol.兄妹の巻, 1926

1 0 0 0 行政法研究

出版者
信山社
巻号頁・発行日
2012
著者
康 謙三 安富 正幸
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.819-829, 1986 (Released:2009-12-03)
参考文献数
17

大腸の運動機能の研究では,近位結腸機能の観察・記録が手技的に困難であるため,上部消化管運動の研究に比べまだ不明の点が多い.従来,大腸運動は近位結腸と遠位結腸では全く異ったものと考えられてきた.すなわち,Cannon-Böhm点より口側の近位結腸は腸内容の貯留と吸収を行う部位として,固型化された腸内容の運搬と排泄を分担する遠位結腸および直腸・肛門とは区別されていた.そこで本研究では,動物実験(イヌ)で大腸運動と術後の排便機能障害のメカニズムにつき,筋電図, strain gauge force transducer,内圧測定により電気生理学的に検討した.覚醒犬の空腹期大腸運動の観察では,大腸各部に30~40分間隔で8~10分持続する収縮波群が周期的に出現し,それらの大部分が肛門側へ順次伝わっていく伝幡性収縮波群として記録される.さらに上部消化管のいわゆる空腹期伝幡収縮波群(migrating motor complexes: MMC)は常に回腸末端部まで到達し,その約80%が回盲括約筋を超え大腸へと伝幡した.イヌ大腸運動では近位結腸と遠位結腸の間に系統的な伝幡性収縮運動がみられ,近位結腸と遠位結腸が別個の運動機能をもつという従来の考え方とは異っていた.同時に上部消化管運動との強い関連性も示された.次に術後の排便機能障害のメカニズム解明のため,イヌを用いて(1)自律神経切断,(2)直腸切除の2つの実験モデルを作成し,下部腸管運動と内括約筋機能を検討した.下腹・仙骨両神経切断によっても肛門管静止圧は正常に保たれ,直腸肛門反射も陽性であるが,反射時の抑制相の延長が認められた.仙骨神経根切断による節前線維の脱落と壁在神経叢の変性の結果である.また低位前方切除術のモデルとしての直腸切除犬では,術後早期より吻合部口側腸管に強いspastic contractionが出現し,同時に肛門管静止圧の低下がみられた.時間とともに両者はほぼ同様な経過で回復していくが,同時に排便状態も改善した.これら2つの実験モデルは直腸癌に対する低位前方切除術後の排便機能障害の臨床経過をよく反映している.

1 0 0 0 図南の翼

著者
有山 登
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.140-141, 1969

1 0 0 0 OA 大日本優名鏡

著者
年信
出版者
前田喜兵衛
雑誌
錦絵
巻号頁・発行日
1878
著者
石井 忠夫
出版者
新潟国際情報大学
雑誌
新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:1343490X)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.71-84, 2010-04-01

情報化社会においてソフトウェアの迅速で妥当な開発技術が強く求められているが,その要求に答えるにはソフトウェア開発方法の見直しが必要である。その1つの方法として,構成的プログラミングの考えに基づいてソフトウェアの仕様からその妥当性の検証とプログラムの導出を同時に実現し,更に,順次に追加される仕様の要求に対して,ソフトウェアを内部で矛盾を解消しながら拡大・発展させる見方がある。本稿では,このような枠組みの中で必要となる仕様からプログラムを導出するための定理証明プログラムを構成的型理論に基づいてRuby言語を用いて試作した。
著者
國原 幸一朗
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集. 社会科学篇 = Journal of Nagoya Gakuin University (ISSN:03850048)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.197-222, 2018

本稿では,名古屋市会会議録に記された議員の質問や執行機関の答弁をもとに,地域の防災まちづくりを考える授業を構想した。一般質問から議員の,代表質問から会派の防災に対する見方や考え方を理解することができる。また,質問・答弁内容を分類し,経年的変化をみることにより,論点がどう変化したか,防災政策として何が進み,何が課題かを読み取ることもできる。本稿の授業では、水害・津波・原発の側面から防災を捉え,住民意識調査の結果,防災計画,GISによる地域分析と照合することにより,議会での発言を意義づけ,防災まちづくりがどのように進められようとしているかを考えさせようとした。