著者
石川 健治
出版者
有斐閣
雑誌
法学教室 (ISSN:03892220)
巻号頁・発行日
no.440, 2017-05
著者
有働 恵子 武田 百合子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.I_101-I_110, 2014 (Released:2014-12-12)
参考文献数
14
被引用文献数
6

本研究では,海面上昇による砂浜消失の予測手法がその結果に及ぼす影響について,予測時に使用する砂浜データの違いや予測方法による不確実性に着目して評価するとともに,予測された全国の砂浜消失率を既存の予測結果と比較した.全国の砂浜消失率は,IPCC第5次評価報告書の海面上昇量予測結果の下限値0.26mであっても46%で,上限値0.82mでは91%に達すると予測され,既存の予測結果と概ね一致した.本研究で着目した上記の不確実性を考慮しても,気候変動による大規模な砂浜消失は避けられず,現実的な適応策を考えていく必要性を示唆した.
著者
深谷 崇史 鈴木 聡 飯野 滋 藤本 直明 譜久原 尚樹
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.1_98-1_101, 2015

本作品は、「月」の超高精細な3次元CG(以後、3DCGと記す)の鑑賞システムである。鑑賞者は月球儀を改造した月型コントローラーを手にとり、見たい場所を自分の方へ向けることで月の3DCGを連動させ、目の前の大型ディスプレイに表示することができる。この実物を手がかりとしたユーザーインターフェイスと、4KリアルタイムCGを組み合わせ、超高精細な月の3DCGを鑑賞する作品「月面旅行」を、2013年11月に「NHK文化祭2013」で展示した。また、2014年6月7日から8月31日にかけて、東京都現代美術館で開催された「ミッション[宇宙×芸術]展」でハイビジョン版の「月面旅行」の展示を行った。
著者
尾立 純子 佐伯 孝子 安永 好美 宮崎 かおり 池淵 元祥 湯浅(小島) 明子 湯浅 勲
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.179-185, 2007 (Released:2008-12-19)
参考文献数
19

The behavior of mineral levels in the diet and serum of diabetic patients was investigated. The gustometry was also examined to identify the relationship between zinc deficiency and hypogeusia. The serum levels of zinc and iron in diabetic patients were lower than those in healthy people, and the sensitivity of taste, especially of sweetness, in diabetics was also lower than that in healthy people. These findings suggest that the lower sensitivity for sweetness in the diabetic patients induced them to eat more sweet foods. A survey of the zinc, iron and copper levels in the diets of the diabetic patients indicated lower values than the dietary recommendations. In particular, the dietary zinc and iron levels of the diabetic patients who were consuming a restricted-energy diet were significantly lower than the recommended values, suggesting the importance of good mineral balance in the diet for diabetics. These results suggest the importance of studying the relationship between the diabetic serum mineral level and the mineral level of the meal.
著者
寺崎 昌男
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.386-394, 1999-12-30 (Released:2007-12-27)

教養教育のカリキュラムを開発・発展させることこそ、日本の大学が当面している最も緊張な課題である。筆者は、東京大学教育学部長、立教大学全学共通カリキュラム運営センター部長としての経験を踏まえ、学士課程教育における教養教育の創造とその維持に関する所見を記す。 1) 大学の学士課程教育の新しい教育目標を設定することが、重要である。日本の大学人と社会は、現代の人類が当面している課題ならびに将来の世界が当面する諸課題に対して洞察力と感受性を持つ、しかも専門学の教育を受けた若者を育てることを、大学教育の目標に選ぶべきである。学士課程教育の目標は「教養ある専門人の育成」にあるという伝統的理解は、変えられなければならない。すなわち、日本の大学は、リベラル・アーツ教育機関であると考えなければならない。 2) この目標を達成するためには、新しいカリキュラムを編成するべきである。そのカリキュラムは、第一に環境問題、第二に人権に関する理論、第三に生命に関する思想、第三に宇宙に関する知見である。半世紀前、アメリカから一般教育が輸入されてきた当時、これらの四つの知的分野は、若い世代に必要な教養とは考えられていなかった。しかし、現在、これら四つの知的分野は、現代世界の人類の課題を理解するのに不可欠の知的分野すなわち現代のリベラル・アーツを成すものと考えられる。 3) この数年間、日本各地の大学で教授法やカリキュラム構成について多くの改善・創造の努力が払われている。だが重要なことは、教養教育のカリキュラムを創造し運営するしっかりした、権限有る、永続的な組織が作られることである。そのような組織こそ、カリキュラムの永続的な改革、すなわち真の意味での大学改革に不可欠なものである。だが残念なことに、多くの国立大学は、硬直した内部組織に妨げられて、このような組織を作ることに失敗しているように思われる。 筆者は、かつて勤務していた立教大学の教養教育運営組織の例を紹介しつつ、教養教育を成功させる鍵は、大学の教育スタッフが意識変革をするか否かにかかっていると主張する。すなわち「自分は学部教授会に所属している、しかし全く同じ意味で教養教育に責任を持つ組織にも所属している」と考えることが大切であり、それこそが、大学改革に連なるカリキュラム改革に成功するための鍵である、というのが筆者の結論である。
著者
柴田孝夫著
出版者
古今書院
巻号頁・発行日
1975

1 0 0 0 OA 蠍襍記

著者
高島 春雄
出版者
日本蜘蛛学会
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.58-66, 1943-11-30 (Released:2008-12-19)
著者
松本 信愛
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.41-43, 1997-09-08 (Released:2017-04-27)
参考文献数
1

アメリカやオーストラリア等の病院関係者のターミナル・ケアの話には、必ず「パストラル・ケア」という言葉が登場するが、日本ではまだほとんど理解されていない。現在、アメリカを中心に広がっている「病院でのパストラル・ケア」というのは、病人やその家族の「心」を専門的にケアすることである。元来、パストラル・ケアは、死に直面した人々だけを対象にしているわけではないが、特にその真価が発揮されるのは、やはり、そのような場合が多い。本稿では、筆者がアメリカの病院においてパストラル・ケアの訓練を受けたときに経験したいくつかの例を通して、パストラル・ケアというものがどのようなものであるかということを紹介し、日本の病院におけるパストラル・ケアの必要性と可能性を探ってみたい。
著者
野口 康彦
出版者
法と心理学会
雑誌
法と心理 (ISSN:13468669)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.8-13, 2013

本稿では、子どもの心理発達のプロセスを踏まえたうえで、親の離婚を経験した子どもの心理について、特に喪失体験とレジリアンスについて言及した。また、親の離婚を経験した大学生を対象として、ベック抑うつ尺度(Beck Depression Inventory)の日本語版を用いた調査を行った。調査の結果から、親の離婚時と子どもの年齢は子どもの精神発達と密接に関連しており、思春期以降に親の離婚を経験した子どもは、親の離婚の影響を受けやすい傾向が示された。親の離婚に起因する子どもの心理的な問題の多くは、親が離婚する前の家庭環境が大きく関与している。親の離婚を経験した子どもが思春期において、親に対する葛藤をどのように体験するのかという点が重要である。
著者
石井延久 渡辺 博幸 入沢 千晶 菊地 悦啓 川村 俊三 鈴木 騏一 千葉 隆一 常盤 峻士 白井 将文
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.77, pp.954-962, 1986
被引用文献数
5

従来より,我々は器質的インポテンスの治療に陰茎プロステーシスの挿入手術を行っていた.しかし,我国では陰茎プロステーシスの挿入手術を希望する患者は実際には余り多くないことから,非観血的な方法が望まれていた.そこで我々は強力な血管平滑筋の弛緩作用を有するProstaglandin E_1(PGE_1)の陰茎海綿体注射が器質的インポテンスの治療に応用できるか否かを検討した.方法は22〜27Gの細い翼状針を用いて,2〜20mlの生理的食塩水に溶解したPGE_1 20μgを注入し,その前後の変化を陰茎温度とErectiometerで観察した.動注は血管カテーテルを用いて生理的食塩水20mlに溶解したPGE_1 20μgを注入した.結果はPGE_1を陰茎海綿体に注射した71例のうち,51例(72%)に完全勃起がみられた.のこる9例(13%)は不完全な勃起,6例(8%)は陰茎の増大のみ,5例(7%)は全く変化がみられなかった.完全勃起はPGE_1注射後2〜3分で陰茎の増大がおこり,約2〜3時間持続した.PGE_1により殆ど勃起のおこらない症例は高齢者や陰茎海綿体の萎縮,血管障害の疑われた症例に多くみられた.しかし,骨盤内手術など末梢神経障害や脳・脊髄など中枢神経に器質的障害のある症例でも,PGE_1の陰茎海綿体注射により,性交可能な勃起がみられたことから,今後はPGE_1の器質的インポテンスヘの治療に応用できることがわかった.一方,PGE_1の陰茎海綿体注射により完全勃起のおこらない骨盤骨折1例と糖尿症の2例の内陰部動脈造影を行ったところ,骨盤骨折症例では内陰部動脈の損傷があり,陰茎動脈は造影されなかった.この症例は血管性のインポテンスの合併があり,PGE_1の内陰部動脈へ注入によっても陰茎の温度は余り上昇せず,勃起も回復しなかった.しかし,糖尿病の2例はいずれも陰茎動脈まで造影され,PGE_1の動注により陰茎の温度の上昇がみられ,一過性ではあるが勃起の回復がみられた.このことから,PGE_1の動注が静注など投与方法を工夫することにより,将来血管性インポテンスの治療に応用できるようになるのではないかと期待される.