著者
ブンチャサック チャイヤプーン 田中 桂一 大谷 滋 コリアド クリスチーノM.
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.956-966, 1996-11-25
参考文献数
43
被引用文献数
6 2

低タンパク質飼料にメチオニンとシスチン(Met+Cys)を添加することによって雌ブロイラーヒナ(0から21日齢)の成長と脂肪蓄積に及ぼす影響を検討した.17%タンパク質(CP)含量試料(CP;17%,代謝エネルギー(ME);3,017kcal/kg)にMet+Cysを0.64%,0.93%,1.25%あるいは1.50%を添加した.23%CP含量の飼料(CP;23%,ME;3,017kcal/kg)を対照区とした.飼料摂取及び飲水は自由にさせた.増体量は23%CP飼料区の方が17%CP飼料区より大きかった.しかしMet+Cys1.50%添加17%CP飼料区の増体量は23%CP飼料区の値に近づき統計的に有意な差は観察されなかった.飼料要求率は23%CP飼料区の方が良かった.しかしタンパク質効率,飼料及びエネルギー摂取量は17%CP飼料区と23%CP飼料区との間で統計的に有意な差は観察されなかった.腹腔内脂肪量17%CP飼料区の方が高かった.しかし17%CP飼料区間ではMet+Cysの添加量が大きいほど腹腔内脂肪量は減少した.肝臓におけるacetyl-CoA carboxylase活性は処理間で差が観察されなかったが,fatty acid synthetase活性は17%CP飼料区の方が高い値を示した.一般に,低タンパク質飼料を給与すると肝臓,血清及び胸筋中のトリグリセリド含量は高くなるが,Met+Cysを1.5%添加することによって肝臓中のトリグリセリド含量は高タンパク質飼料区の値に近づいた.血清及び胸筋中の遊離型コレステロール含量は飼料中タンパク質含量の影響を受けなかった.肝臓では17%CP飼料区より23%CP飼料区の方がむしろ高かった.肝臓中リン脂質含量は飼料中タンパク質レベルやMet+Cys添加量による影響は観察されなかったが,胸筋中リン脂質含量は17%CP飼料区へのMet+Cys添加量の増加に伴って高くなる傾向を示した.本実験の結果は17%CP飼料でも適切な量のMet+Cysを添加することによって21日齢までの成長中ブロイラーの成長を改善することができることを,また腹腔内脂肪量は,23%CP飼料区の値よりは大きかったが,17%CP飼料にMet+Cysを添加することによって減少させることができることを示唆した.
著者
斉藤 喬雄 佐藤 博
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.82, no.11, pp.1797-1801, 1993

重症の高血圧による急速な腎機能の低下は,悪性高血圧の症状の一つとして重要である.重症の本態性高血圧でコントロールがきわめて不良なため悪性腎硬化症を呈する場合,全身性進行性硬化症や結節性多発性動脈炎など膠原病に伴う場合,内分泌性あるいは腎性高血圧などの場合でこのような状態が生じることがあるが,さまざまな降圧薬の開発や基礎疾患に対する早期診断や治療により,その頻度は減少しつつある.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コミュニケーション = Nikkei communications (ISSN:09107215)
巻号頁・発行日
no.641, pp.42-45, 2017-06-01

同じ構図は、翌年2013年9月に発売された「iPhone 5s」でも繰り返された。iPhone 5sは、ついにNTTドコモも扱いを開始。国内携帯電話大手3社がiPhoneを扱うという、新たな競争フェーズへと突入した。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コミュニケーション = Nikkei communications (ISSN:09107215)
巻号頁・発行日
no.640, pp.48-51, 2017-05-01

第1回iPhoneは今年(2017年)で生誕10周年を迎えた。iPhoneがどのように社会、IT業界、そして利用者個人の生活を変えたのか──。本連載では日本の携帯大手3社のビジネスモデルやネットワークに与えた影響を解説する。
著者
金子 寛人
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュータ = Nikkei computer (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.950, pp.62-65, 2017-10-26

LPWA(ローパワー・ワイドエリア)の商用化に向けた動きが加速している。携帯大手3社は2018年春にもLTE派生の「セルラーLPWA」を展開、ソニーもノイズに強く高速移動中の通信が可能な独自規格を開発し、2018年の商用化を目指している。IoT(インターネット・オブ・シングズ)向けとして注目を集める新たな格安通信サービスの最新動向を追った。
著者
Zachary Marsh Minesh P. Shah Mary E. Wikswo Leslie Barclay Hannah Kisselburgh Anita Kambhampati Jennifer L. Cannon Umesh D. Parashar Jan Vinjé Aron J. Hall
出版者
Food Safety Commission, Cabinet Office, Government of Japan
雑誌
Food Safety (ISSN:21878404)
巻号頁・発行日
pp.2017028, (Released:2018-05-25)
参考文献数
32
被引用文献数
32

Noroviruses are the leading cause of acute gastroenteritis and foodborne disease in the United States (U.S.). About 1 in 5 reported norovirus outbreaks are spread through foodborne transmission, presenting opportunities for prevention. We describe the epidemiology of U.S. foodborne norovirus outbreaks reported to national surveillance systems, including differences between genotypes. Foodborne outbreaks that occurred during August 2009–July 2015 with norovirus reported as a single confirmed etiology to the National Outbreak Reporting System (NORS) were matched with outbreaks reported to CaliciNet, a U.S. laboratory norovirus outbreak surveillance network. We analyzed these matched outbreaks stratified by genotype for epidemiologic characteristics, including setting, size and duration, health outcomes of case-patients, implicated food, and outbreak contributing factors. Four hundred ninety-three confirmed foodborne norovirus outbreaks were reported in both NORS and CaliciNet. The most common norovirus genotypes reported were GII.4 (52%), GII.6 (9%), and GI.3 (8%). Compared to non-GII.4 outbreaks, GII.4 outbreaks had higher hospitalization rates (12.8 vs. 4.8 per 1,000 cases, P < 0.01). While contaminated foods were identified and reported in only 35% of outbreaks, molluscan shellfish (4% overall) were more often implicated in non-GII.4 outbreaks than in GII.4 outbreaks (7% vs. 1%, P = 0.04). Of the 240 outbreaks reporting at least one contributing factor, food workers were implicated as the source of contamination in 182 (76%), with no difference between GII.4 and non-GII.4 (73% vs 79%, P = 0.3). Foodborne norovirus outbreaks are frequently reported in the U.S., most of which are caused by GII.4 noroviruses. Viruses of this genotype are associated with higher rates of hospitalization; non-GII.4 noroviruses are more frequently associated with contaminated molluscan shellfish. These surveillance data highlight the diversity of noroviruses causing foodborne disease and can help guide appropriate food safety interventions, including worker hygiene, improved food handling and preparation, and further development of norovirus vaccines.
著者
金子千尋
雑誌
臨皮
巻号頁・発行日
vol.54, pp.826-828, 2000
被引用文献数
1
著者
竹山 廣光 社本 智也
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.5-10, 2014 (Released:2014-03-21)
参考文献数
32

n-3系多価不飽和脂肪酸 (EPAやDHA) には炎症を抑える働きが報告されてきたが、その作用機序は十分には解明されていない。近年、n-3系多価不飽和脂肪酸から細胞間生合成経路によって産生されるレゾルビンなどの代謝産物が同定された。これらは脂質メディエーターとして働き、炎症の消退に積極的に関わっていることが示された。炎症を強力に収束する作用を持ち、炎症を基盤とするさまざまな疾患に対して効果が期待されている。このような脂質メディエーターの生理活性機構の理解がn-3系多価不飽和脂肪酸の抗炎症効果の解明につながると考えられる。
著者
遠藤 平仁
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.156-161, 2013 (Released:2013-06-30)
参考文献数
32
被引用文献数
2 2

体外からの細菌感染や外傷などによる急性炎症は早期に血管浸過性亢進と好中球を中心とする炎症細胞の浸潤が起こる.炎症により破壊された組織は正常の組織に修復される.急性炎症で好中球の浸潤がおこりその後マクロファージ,リンパ球の浸潤と異物の貪食除去の炎症収束,組織修復と生体反応は展開する.急性炎症は自己制御され収束(Resolution)し組織修復する.この転換期に脂質メデイエータのLipoxinやResolvinや抗炎症サイトカインIL-10やアデイポカインChemerinなど多くの因子が作用する.Lipoxinはリポキシゲナーゼ(LOX)により合成される.急性炎症の早期は5-リポキシゲナーゼ(5-LOX)がロイコトリエンB4(LTB4)を合成し好中球の炎症部位に遊走させる.その後マクロファージの15-LOXや血小板の12-LOXが誘導され,5-LOX,と12-LOXまたは15-LOXの2つの酵素を介してLXA4またはLXB4が合成される.このLipoxinは強い抗炎症作用を有している.LXA4はG蛋白結合型受容体ALXに結合し好中球の遊走抑制,マクロファージの遊走活性化などを生じ炎症収束過程の早期に作用する.Chemerinは好中球からのプロテアーゼにより前駆蛋白より活性化されマクロファージ,樹状細胞遊走,抗炎症作用を起こす.またアセチルサリチル酸(アスピリン)の作用したシクロオキシゲナーゼ(COX2)はPGE2産生を抑制し,さらに5-LOXと共に15-epiLXA4を産生し強い抗炎症作用を示す.以上の炎症の収束(Resolution)は自然免疫と獲得免疫を繋ぐ能動的な過程であり新たな炎症治療の戦略の標的である.
著者
高橋 路子 高橋 裕
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

私たちは新規アディポカインとしてケマリンを同定した。ケマリンはChemR23のリガンドで炎症を制御するケモカインでもあることが明らかにされている。一方アディポカインとしての代謝調節作用もあり、代謝と炎症を結びつける因子として注目を集めている。ノックアウト(KO)マウスの解析から、ケマリンが膵β細胞におけるグルコース依存性インスリン分泌、肝臓、筋組織におけるインスリン感受性、脂肪組織における炎症を調節することにより糖代謝において重要な役割を果たしていること、さらに日本人糖尿病患者において血中濃度が低下しており、ヒトにおいても糖尿病発症に関連している可能性を報告してきた。本研究では主にケマリンKOマウスを用いて代謝と炎症の調節機構を解明するとともに、患者検体を用いて炎症性疾患における脂質メディエーターとの関連および炎症の収束機転におけるケマリンの役割を明らかにすることを目的とする。ケマリンの受容体であるChemR23を共通の受容体としているレゾルビンE1をはじめとする脂質メディエーター等を神戸大学質量分析総合センターの液体クロマトグラフ質量分析システム(Sciex 6500Qtrap)や脂肪酸の分離に優れた極性の高いカラム(SIGMA-ALDRICH SP2560カラム)を実装したガスクロマトグラフ質量分析装置(島津製作所QP2010Ultra)を用いて測定、解析している。その結果、ノックアウトマウスの血中、白色脂肪組織中には炎症性のプロスタグランジンD2とE2が上昇し、白色脂肪組織において抗炎症性のレゾルビンD1が低下していることが明らかとなった。現在はヒトにおいてもケマリンの代謝、炎症性疾患における脂質メディエーターとの関連および炎症の収束機転におけるケマリンの役割について解明をすすめている。