著者
岩城 卓二
出版者
京都大學人文科學研究所
雑誌
人文学報 (ISSN:04490274)
巻号頁・発行日
no.101, pp.1-17, 2011

延享2年(1745), 三田藩において上級家臣の親子が永暇の刑に処された。理由は父親の女性問題の噂が三田藩領内を超えて世間に流布したためである。しかし噂はウソであった。なぜ, ウソの噂であったにもかかわらず親子は処分されたのか。それは父親の日常態度に不満を持っていた人民が噂に共鳴し, この噂が「天の口」(神の声)へと昇華したからである。そして人民が求めたものは真相の解明ではなく, 上級家臣が厳罰に処されて, 人民の前に惨めな姿をさらけ出すことであった。本稿は, この事件を素材に, 噂が「天の口」へと昇華する過程について考察する。In 1745 (the 2 nd year of Enkyo), a father and his son from a high-ranking feudal family in Sanda domain were sentenced to nagaitoma. This is because a rumor of the father's extramarital affair spread across and beyond the Sanda domain, and eventually reached the outside world. In fact, however, this rumor proved to be false. Why were the father and son punished even though the rumor was false?
著者
みきまる
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.435, pp.94-96, 2018-09

2000年からの18年余りを振り返ると、実は相場が好調の時期はそう長くはありません。ホリエモンこと堀江貴文さん(当時はライブドアの社長)が時代の寵児(ちょうじ )として一世を風靡した05年頃と、12年12月から現在まで続くアベノミクス相場の2つの時期だけ…
著者
手塚 和彦 玉川 哲也
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.36-46, 2013 (Released:2015-04-03)
参考文献数
24
被引用文献数
1

It is well known that horizontal drilling and hydraulic fracturing are key technologies to carry the shale gas revolution forward to success. Efforts in enlarging reservoir contact are needed to realize commercial production from shale reservoir whose permeability is supposed to be in the order of nano-Dary to micro-Darcy. To design mud system, to keep wellbore stability and/or to optimize hydraulic fracturing fluid and pumping schedule, knowledge about rock mechanics and stress environment is quite important. A technical area of analyzing, integrating and interpreting such knowledge is called “geomechanics”.In this paper, we describe geomechanics from various aspects by focusing application to hydraulic fracturing technology. We review mechanical property of shale and some important parameters such as Young's modulus, Poisson's ratio, UCS, hardness and brittleness. Then, we show how those parameters impact hydraulic fracturing. A geomecanical models which consist of mechanical faces, mechanical properties and stress information is briefly explained. A case study of microseismic monitoring in Barnet shale field is introduced to reveal created hydraulic fracture patterns and those relationship to production that are significantly affected by pre-existing natural fracture system.
著者
山内 美穂 岩切 昌宏
出版者
大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター
雑誌
学校危機とメンタルケア (ISSN:1883745X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.118-127, 2017-03-31

トラウマおよびPTSDに対する治療には、薬物療法とトラウマを焦点とする認知行動療法の有効性が高い。PTSD発症の要因の一つとして脳構造との関係が示されているが、心理療法である認知行動療法の臨床的効果と脳のメカニズムについては、まだ明らかになっていないことも多い。そこで脳機能画像を評価手法に用いた文献の研究を行い、トラウマに焦点をあてた認知行動療法の効果について検討した。現段階では、心理学的評価ほどには脳機能画像の変化は示されていないが、今後の研究によっては脳機能の評価が治療効果を予測するひとつの指標となることが期待される。Cognitive Behavior therapy focused on trauma and medication therapy show high effect on the treatment of trauma and PTSD. One of the factors of PTSD development is related to the cerebral structure. But it doesn't become clear yet about the relationship between the clinical effect of cognitive behavioral therapy and the brain mechanism. We searched the literature that used the brain function image for evaluation, and examined that the effects of the trauma focused cognitive behavioral therapy. Currently, the effects of brain function image are less than the result of psychological evaluation. In future research, what we expect that the brain function assessment to become an index to predict the treatment effect.

1 0 0 0 父は信長

著者
新井政美著
出版者
講談社
巻号頁・発行日
2003
雑誌
総合政策研究 (ISSN:1341996X)
巻号頁・発行日
no.44, pp.5-13, 2013-10-30
著者
猪又 美栄子 谷井 淑子 下村 久美子 小原 奈津子 ファン ハイ リン
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 69回大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.219, 2017 (Released:2017-07-08)

目的 ベトナム北部~南部の5か所で伝統的衣服の調査を行ってきた。どの地域においても、伝統的衣服を日常的に着用しているのは、主に70歳以上の高齢女性であり、若い年代や男性ではほとんどみられない。その中で、アオ・ザイは現在でも晴れ着、儀礼服として着用されている。アオ・ザイの変遷について、被服構成を中心に報告する。方法 70歳以上の高齢者世帯を訪問して衣生活についての聞き取り調査を行った。調査内容は、高齢者の伝統的衣服の着用状況、子どもの時から現在までの伝統的衣服の着用経験、親・祖父母世代の伝統衣服の着用状況等である。伝統的衣服の種類および着装方法について確認した。結果 1.アオ・ザイの祖型として、アオ・トゥー・タン(四枚はぎの長い上衣)とアオ・ナム・タン(五枚はぎの長い上衣)があげられる。アオ・トゥー・タンにはボタンが無く、前身ごろを結んで着用した。アオ・ナム・タンは右下前として五枚目の布をつけた上衣で、前中心から右脇へボタンで留める形式である。北部ではボタンを留めずに前身ごろを結んだ着方もしばしばみられる。                                                     2.男性のアオ・ザイの形は現在までほとんど変化していないが、女性のアオ・ザイは様々に変化している。3.北部の古いアオ・ザイには、衿ぐりにラーセン(蓮の葉)と呼ばれる幅広の見返しがある。補強のためである。中部・南部ではアオ・ザイを祭礼服として着ていたのでラーセンは無かった。
著者
喜田 弘司 朝倉 敬喜 垂水 浩幸
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.207-208, 1995-03-15

仕事のスケジュールの管理は、変更が多く把握しにくい、複数の人と調整をする必要がある、何を優先的にすべきかわからないといった問題点がある。今、オフィスでは一人一台コンピュータが使え、さらにそれらがネットワークでつながっている環境が普及してきている。われわれは、従来の手帳やカレンダーを超えたスケジュール管理を、計算機ネットワーク環境で構築することで、ビジネスの効率を上げる可能性があると考える。計算機ネットワーク環境における、従来のスケジュール管理ツールの課題を以下にまとめる。(1)スケジュールデータの入力:ユーザは締め切り日や進捗状況といった仕事に関するデータを入力する必要があり、この負担はスケジュール管理ツールの普及を妨げている。すなわちスケジュール管理ツールは、スケジュール入力の負担を上回る利益を、ユーザに与える必要がある。(2)仕事の指示の方法:仕事の指示は口頭で行われることが多く、意図が正しく伝わっていないことが原因で、トラブルが起こりやすい。また、仕事の指示は指示を出す立場の都合で行われる傾向が強いために、仕事担当者は無理な仕事を依頼されることがある。適した人材に適した仕事を割りふるために、仕事担当者の決定や締め切り日の決定のための支援が必要である。(3)スケジュール調整方法:グループワーク管理ツールを用いたスケジュール調整は、会議の設定等を優先とするスケジュール調整を行うため、個人のスケジューリングはトップダヴン的に仕事を決定される傾向が強く、ユーザに好まれない。これらに対し、本研究で検討している基本アイデアを以下に示す。帳票電子メールによる、仕事の指示:仕事依頼者は図1に示した仕事依頼帳票を電子メールで仕事担当者に送ることで仕事を依頼する。こうすることにより口頭より確実に仕事の指示ができ、特に、仕事依頼者が仕事担当者に仕事の工数や優先度を指定することで、どれくらいの精度で行うべき仕事であるのかがわかる。スケジューラは仕事依頼帳票を受け取ると、自動的にスケジュールを登録する。(課題(1)(2)の解決)仕事の忙しさの管理:仕事の分量を管理するすることで、ユーザ毎の"仕事の忙しさ"を把握できる。例えば、『忙しいから、仕事Aは断わろう。』といった判断をシステムが自動的に行える可能性がある。(課題(1)(2)の解決)操作履歴を用いた個人適応:仕事の実行履歴を残し、実行履歴からユーザモデルを作成することで、適応的なシステムを目指す。例えば、上で述べた"仕事の忙しさ"は実行すべき仕事の工数を見積り、その総和と考えることができるが、各仕事の工数は個人の能力に依存しており、単純に仕事依頼帳票の工数欄で指定された工数をそのまま仕事の工数とするわけにはいかない。個人の能力を示したユーザモデルが必要である。(課題(1)(2)の解決)エージェント間通信による協調:個人の都合を主張するスケジューラとエージェントとし、これらの相互作用で、スケジューリングを行う。(課題(1)(3)の解決)
著者
伊藤 耕作 小泉 卓也
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.280_1, 2017

<p> 本研究ではタブレット端末を活用した体育実技の課題解決型学習の可能性を探る。具体的には、本学体育実技で採用しているバレーボールの授業に、iPadアプリ(ゲーム分析アプリ「V-Notes」や映像分析アプリ「Dartfish Express」など)を活用することで、内容への動機づけ、課題解決力、コミュニケーション活動などにおいていかなる効果があるかを、授業を受けた学習者の反応から検討する。対象は山口県内の国立高等専門学校1年生4クラス160名とし、調査は2017年4月から5月の期間に行った。調査期間中の授業は、グループミーティング(10分)、グループワーク(20分)、メインゲーム(50分)、振り返り(10分)の順で行い、90分の授業時間内に、課題解決の手順に基づく4つのタスク(T1:課題の発見 T2:解決策の立案 T3:計画の実行 T4:解決策の評価)を各グループに課した。調査の結果、タブレット端末を活用した課題解決型学習の利点や課題がいくつか明らかになったが、その詳細は当日の発表で紹介する。</p>
著者
喜田 弘司 朝倉 敬喜 垂水 浩幸
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.259-260, 1996-03-06
被引用文献数
1

近年、いかにオフィスワークを効率化するかに注目が集まってきている。オフィスワークの効率化には以下の二つの要因があると考えられる。(1)フーガに個々の作業を効率的に実行させる(2)マネージャが資源配分をうまく行う ワープロなどの利用による従来のOAシステムは(1)を目指したものであり、一方、本システムでは(2)を支援することを目的とする。具体的には、仕事をどう選び、どのように組み合わせ、どう配置するかをうまく管理することを目指す。これらを実現するために、各ユーザの個人スケジュールをエージェント以下SchAg)に管理させ、SchAg間で通信を行うことにより他のユーザとスケジュールの調整を行う方式を提案する。
著者
中山 晶一朗
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.I_523-I_539, 2012

土木計画の対象は人間がかかわるシステムであることが大半である.したがって,人間の行動をどのように取り扱うのか,さらにはどのような人間行動を前提とするのかが決定的に重要となるであろう.サイモンの限定合理性の概念は人間行動の捉え方に大きな影響を与えてきた.本稿では,サイモンの限定合理性を解説し,それを土台に人間行動が集合したシステムの捉え方を考察する.そして,完全合理性の仮定からは状態記述的にシステムを捉えられることが導かれる一方,限定合理性の前提からはプロセス記述的に様々なシステムを捉える必要があることを明らかにする.また,サイモンが組織現象の研究などを通して解明した計画およびその性質について明らかにする.以上を踏まえ,土木計画へのインプリケーションとしてのプロセス記述について考察する.
著者
増山 顕成 高梨 益樹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, 1989-10-16

従来から,機械翻訳システムの翻訳率は,分野が狭いほど高くなると言われてきた.一方,限定した分野にチューニングした機械翻訳システムを開発元が提供することは,非常に困難である.そこで,我々はユーザ自身が機械翻訳システムをチューニングできるよう,チューニング機構を開発した.理想的には,ユーザが後編集で直した文が学習できるようになればいい.しかし,現状の技術レベルでは困難である.現状の機構から学習可能なものを抜き出すと,以下のようになる.(1)係り先,(2)係り関係-解析,(3)訳語-生成チューニング項目のうち,生成構文は動詞の属性として単語エディタで選択できるので外した.すでに(3)の訳語については実現した.本報告では(2)の係り関係の学習について述べる.