著者
中村 拓 松中 昭一
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.517-522, 1974
被引用文献数
1

アサガオを光化学オキシダントにたいする指標植物として利用するため, 自然発生した光化学オキシダントおよび人工的に製造したオゾンガス曝露により, アサガオの品種等感受性に影響する要因を検討した. (1) アサガオ品種間の感受性は, ソライロアサガオに属するヘブンリーブルーとパーリーゲイトが最も高く, ニホンアサガオのスカーレットオハラおよびローズクィーンも高い感受性を示した. 同じくニホンアサガオであるが, わい性のキャロルレッドおよびキャロルブルー, うず性の紫獅子は感受性が低かつた. (2) 各生育段階における感受性は, 全葉数10~35葉期が高く, ごく若いか老化した時期では低下した. (3) 光化学オキジダントの被害は, 特定の葉位に発生する. すなわち, 上から数えて10~14番目の成熟した葉は感受性が高く, 展開中の若い葉および老化した葉は感受性が低かつた. (4) 施肥量が少ないと感受性が低下した. (5) 土壌水分が不足した場合も感受性が低下した. アサガオの分類について静岡大学助教授 米田芳秋氏の指導を受けた. また本研究の遂行にあたり当研究所生理第5研究室長 太田保夫氏より終始有益な指導と助言を与えられた. ここに両博士に深謝の意を表する. 本研究は昭和47年度より開始された環境庁計上の「農林水産生態系における汚染物質の循環と指標生物に関する研究」の一環として行なわれたものの一部である. 研究設定に尽力された各位に深く感謝するものである.
著者
雛田 元紀 稲谷 芳文 伊地智 幸一 牧野 隆 松田 聖路
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-11, 2005-03

The Unmanned Space Experiment Recovery System (USERS) was launched on September 10th, 2002 from Tanegashima Space Center with the H-IIA launch vehicle. On May 30th 2003, the re-entry and recovery operations were successfully conducted, bringing experiment samples and beneficial information back to Earth. USERS became the first national project to succeed in recovery from orbit. In this paper, USERS mission outline is introduced first. Followed by are discussion on the key characteristics of Reentry Module (REM), result of design and development, evaluation of re-entry and recovery operation and flight data. Finally, the obtained reentry system technologies through this project are summarized.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1546, pp.32-37, 2010-06-21

4月3日の朝、桜の名所として賑わう東京・千鳥ケ淵。前日に上海からやってきた男女8人のグループが添乗員に引率され、桜を見上げながら歩いていた。ちょうど満開の時期と重なり、思わず感嘆の息を漏らす。 もっとも8人は観光だけのために来日したわけではない。早々に花見を切り上げると、2台のワゴン車に分乗して移動を始めた。
著者
内藤, 若狭
出版者
巻号頁・発行日
vol.[137],
著者
菅野 耕三 酒匂 俊彦
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. III, 自然科学 (ISSN:03737411)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.125-137, 1984-12-31

最近市原ら(1984)によって提唱された大阪府岸和田市津田川流域に分布する大阪層群における最下位の海成粘土層すなわちMa-1層層準およびその下位層から産する珪藻群集を検討した。その結果,Ma-1層から淡水棲種が多産し,海棲種がごくわずかに随伴するのみで,この粘土層の堆積環境は海水域とは考えにくい。しかし,その直下の粘土層から産する珪藻群集は,ほぼ100%淡水棲種から構成されており,両者の群集内容には差異があることから,堆積環境にも違いがあると思われる。また,このことは,珪藻化石を使ってこの層準の地層対比が可能なことを示唆している。Recently,Itihara et al.(1984)discovered a marine-like clay bed about 15m above Sengokubashi volcanic ash layer of the Osaka Group in the drainage area of the River Tsuda,Kishiwada City,and gave it the symbol,Ma-1.The writers carried out the analysis of the diatom flora in order to know the environment which the marine-like clay(Ma-1)were deposited.Their results are shown in Fig.6.
著者
田中 秀幸 永井 啓之亮 水谷 孝一
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.148-155, 2000-03-01 (Released:2017-06-02)
被引用文献数
1

本研究の目的は, ピアノ1本弦の2次元的な振動を光学的に測定し, その性質を見出すことである。測定装置は単一のフォトトランジスタを用いた測定装置を2セット用意し, ピアノ弦の2次元振動の詳しい振る舞いを測定した。その結果, ハンマで垂直方向には叩かれた弦が水平方向の振動成分を持つのは, 駒からの寄与によるということが実験的に明らかにされた。また, 弦は2次元の回転運動をするが, その回転方向は周期的に入れ替わる。すなわち, 駒の与える境界条件によって, 垂直振動は水平振動よりもわずかに周波数が低くなる。更に, ピアノの1本弦から発生される音は従来言われているように2段減衰をするが, 調波成分によって, 減衰の仕方が大きく変わることが分かった。
著者
和田 明子
出版者
お茶の水地理学会
雑誌
お茶の水地理 (ISSN:02888726)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.75-76, 1987-05-06
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.203, pp.54-56, 2001-08

島駅から車で約三〇分の距離にある広島県海田町。マツダの下請け企業が軒を連ねる幹線道路に挟まれた一角に、まるで部品倉庫のような素っ気ない外観の建物がある。米穀卸、カツヤ(勝矢博社長)の本社だ。同社を初めて訪れた人は、外観とは裏腹の"熱烈歓迎"ぶりに、みな一様に驚きの表情を見せる。例えば、中村秀樹さんという人がカツヤを訪れたとしよう。
著者
[藤田幽谷] [著]
巻号頁・発行日
vol.[177], 1800
著者
岩田 亮 平野 重雄
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.3-10, 2009-03-01
参考文献数
12
被引用文献数
2 2

設計におけるアイデアは手描き(スケッチ)によって創出されるといっても過言ではない.この考え方を仮に肯定するならば,設計者に要求される能力とは,思考しながら線を引ける能力である.定規や二次元・三次元CAD などポインティングデバイスを介して線を引いている時,手描きに比べ,人の頭脳が働いていないことは感覚的にわかる.考えながら線を引く作業を大局的に捉えれば,工業的な判断力と思考力を培う助けとなる. 一方,三次元CAD の利便性も顕著なことは事実であり,利用しない理由は見つからない.そこで,三次元CAD を設計ツールとして,アイデアを具現化する際の手描きの重要性について考察した. 本論では,1)CAD の有用性とほころび,2)手描きの利便性,3)図面としての手描きの文化,4)直感的な線と色が創りだす独創性,5)教育における基礎とツールの連関について述べる.
著者
藤原 政博
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.14, no.10, pp.46-50, 2005-11

ナショナルブランドのジーンズを中心とするカジュアル衣料の専門店を手掛け、売上高営業利益率10%を実現する。現場の声を商品の仕入れに反映、強いナショナル・ブランドの品ぞろえで優位に立つ。一時、自社ブランド中心のSPA(製造小売り)に注力したが断念、小売業に徹することを決断した(56ページに関連記事)。●売上高営業利益率が10%を超えるなど、好調です。
著者
中野 有美
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.364-369, 2011-10-15 (Released:2015-06-24)
参考文献数
25

妊娠中および妊娠前後,もしくは近々妊娠の可能性がある女性の抑うつ/不安に薬物療法は使用しにくい。したがって,彼女らは認知行動療法を含む精神療法の有用性が高い集団と考えられる。 原因不明の反復流産の患者に対し,産婦人科領域では,簡便な情緒的サポートが患者の抑うつ/不安の軽減のみならず,出産率を向上させるであろう点を指摘している。一方で,それだけでは抑うつ/不安の改善に至らない反復流産の患者には,高強度認知行動療法など時間をかけたマンツーマンの精神的援助が必要となる。本稿では,流産,反復流産の患者の精神疾患罹病率について概観した後,認知行動療法を含む精神的支援について,これまでの調査研究と名古屋市立大学病院での試みをもとに論じた。