著者
兄井 彰
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第68回(2017) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.95_1, 2017 (Released:2018-02-15)

野球では、重いバットで素振りをした後、通常使っているバットを振るとバットが軽く感じる筋運動感覚残効が生じることが知られている。そこで、重いバットを振った後の筋運動感覚残効の大きさの特定とバットのスイングスピードに及ぼす影響を明らかにするために実験を行った。実験1では、基準試行として900gのバットで素振りをした後、介入試行で900g、1050g、1200gのバットで素振りを行い、さらに、後続試行として840gから1000gまで、20g刻み、14種類のいずれかのバットで素振りを行わせた。その際、基準試行と後続試行でのバットの重さを比較させ、重いか軽いかの判断を参加者に求めた。その判断から主観的等価点を求めた結果、1200gのバットで素振りを行った後では、40g程バットを軽く感じる筋運動感覚残効が生じていた。実験2では、1200gのバットで素振りをした後、900gのバットで素振りを行わせた際のスイングスピードを測定した。その結果、バットをフルスイングする条件では、スイングスピードに差は見られなかったが、ボールを打つイメージでスイングさせる条件では、有意にスイングスピードが速かった。
著者
宇佐美 潤
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.1277-1283, 2013

2011年3月11日東日本大震災で壊滅的なダメージを受けた日本製紙株式会社石巻工場は全損に近い危機的な状況にあったが復興宣言し「今こそ団結!!POWER OF NIPPON」を合言葉に社員一丸となり1年半の短期間で洋紙事業復興計画通り抄紙機6台,塗工機2台全てが操業を開始した。<BR>復興は瓦礫撤去から始まり電力復旧,原質系復旧,生産ラインそして仕上げ設備復旧と完全復興へ向けた工程で進められた。誰も経験のない整備不可能とも思える設備を復旧するに当たり,使用可能パーツの選定,クラックが入った物の処理方法,海水水没品の処理方法と模索しながらの復旧となった。<BR>仕上部門の復興においてはより高効率な仕上げ工程を確立するため,10数年来の課題として取り組んでいた「NO選化」を目指しカッター欠陥自動リジェクト装置設置,カッター2方差パレット化等の対応で立ち上げより実現した。<BR>一方,将来を見据えた震災復興計画として需要に見合った国内事業ダウンサイジングが図られ,石巻工場で新規事業となるPPC小判仕上設備を立ち上げ新たな取り組みを開始した。経験者が誰もいない状況下でオペレーターは同設備を有する工場で3ヶ月間操業経験を積み,更に経験者を配備しながらの立ち上げとなった。<BR>復興したものの震災影響による錆付や地盤沈下の問題対応,仕上げ部門の高効率化を目指す生産体制構築及び新規事業の早期安定化が今後の課題となる。
著者
栗原 航介 桑原 祐史 沼尾 達弥
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.II_13-II_18, 2013

災害時の避難所として公共施設が利用されることが多いが,これらの施設は,避難所を主要用途として設計されたものではなく,避難所として使用する際には,不安感やプライバシー確保などの生活環境上の問題が発生することが懸念される.東日本大震災時には,避難所になるべき施設に相応の設備や備蓄が十分に備わっておらず,避難所によって運営に大きな差があり,被災者のニーズ変化への対応や避難生活の改善が十分でなかったといった課題があった.本研究では,避難所における生活質として,(1)津波や洪水,土砂災害に対して避難所が安全な場所に立地しているか,(2)津波浸水想定域から津波到達時間内に避難可能であるか,(3)避難所の収容率や備蓄数,避難所と給水所との位置関係の3点に着目し,生活質の観点から見た避難所の地域特性分析手法を検討した.
著者
久保田 正広 石川 淳介
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
動力・エネルギー技術の最前線講演論文集 : シンポジウム
巻号頁・発行日
vol.2000, pp.91-95, 2000

The Pressurized Fluidized Bed Combustion (PFBC) system, using coal which is the most stable fossil fuel energy, enables higher efficient power generation. Hokkaido Electric Power Company, Inc (HEPCO) adopted the system to its Tomatoh-Atsuma Unit No.3,for the first commercial plant in Japan, and this unit started commercial operation on March 8^<th> 1998. The paper presents the out line of the system and systematic flow, and adjusts future technological problem experienced since starting operation.

1 0 0 0 OA 回赦帳

出版者
巻号頁・発行日
vol.[23] 孝恭院様三回御忌(安永十年),
著者
堀田正敦 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.[148],
著者
青木 雅美 栗崎 弘輔 園山 幸希 冨田 麻井 藤川 将之 池田 善文 岡本 透 山田 努 眞崎 美穂 松田 博貴 吉村 和久
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.31, 2009

山口県秋吉台長登銅山の銅は奈良の東大寺大仏建立の際に用いられたと伝えられている。鉱業活動初期には酸化帯、後には硫化帯の銅鉱石を利用したと推定されており、硫化帯の銅鉱石製錬による硫黄酸化物の発生により局地的に酸性降下物量が増大し、それに伴い植生変化が生じたと予測される。石筍は年縞を持つため絶対年代が決定可能であり、イオン交換平衡により共沈する硫酸イオン、マグネシウムイオン、ストロンチウムイオンの含量や、炭素安定同位体比から植生情報を抽出することができる。復元した滴下水中に含まれる硫酸イオン濃度の変動から硫化帯の銅鉱石製錬由来の人為的な局地的酸性雨の影響を読み取った。炭素安定同位体比、マグネシウムおよびストロンチウム濃度の変動からは酸性雨に伴う変化が読み取れた。これらの結果は現存する発掘資料や古文書などとも合致しており、石筍を用いることで連続的な過去の人為的環境変遷を復元することができた。
著者
伊敷 吾郎 西村 淳 花田 政範 百武 慶文
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.436-440, 2015-06

ブラックホールが熱力学的性質をもつ,という話をご存じだろうか.例えば,ブラックホールに対してエントロピーを定義することができ,実際ブラックホールの合体などの過程において,そのエントロピーが増大することは,古くから知られている.また,ブラックホールの周辺で粒子と反粒子が対生成するような量子効果を考えると,いわゆるホーキング輻射をとおして,ブラックホールが少しずつエネルギーを放出していることがわかる.この性質をもとに温度を定義することもできる.通常,熱力学的に振る舞う系は,非常に多くの力学的自由度からなっており,その系を巨視的に見ることによって初めて熱力学的性質が現れる.ではブラックホールの場合,その力学的自由度は何なのか.そもそも,アインシュタイン方程式の解として導かれるブラックホールが,どうしてエントロピーをもつのか.その起源は何なのか.この問いに答えるには,ブラックホールの内部構造を理解する必要がある.しかしブラックホールの中心には特異点が存在するため,重力の古典論である一般相対性理論では答えることができない.それ故この問題は,一般相対性理論を超えた重力の量子論的定式化の言わば試金石として,現在に至るまで盛んに議論されてきた.超弦理論は,重力を含む4つの基本的な相互作用と物質粒子を統一的に,量子論的に記述する理論である.しかし,従来の超弦理論は摂動論的に定式化されたものにすぎず,ブラックホールの熱力学的性質を理解するのは困難に見えた.ところが1990年代に入って状況は一変する.超弦理論におけるソリトン解が発見され,それがブラックホールを表すことがわかったからだ.特に1997年,Maldacenaはこのような考えを発展させて,ブラックホールの内部構造を超対称ゲージ理論で記述できると主張した.この超対称ゲージ理論は,ソリトン解のまわりの超弦の励起に対する有効理論として導かれる.また,この超対称ゲージ理論が定義される時空は平坦であり,ブラックホールが存在する時空よりも低い次元をもつ.このためMaldacenaの主張は,ブラックホールなどをホログラムのように記述できるとするホログラフィック原理を具体的に実現するものとも見なせる.この考え方を応用して,様々なゲージ理論の強結合領域における性質を,ブラックホール的な時空における古典論的計算から明らかにする研究も精力的に行われている.Maldacenaのもともとの主張を検証するには,超対称ゲージ理論の強結合領域での解析が必要となるため,一般には非常に難しい.これまでに得られている証拠の多くは,高い対称性や可解性のおかげで解析的な計算が可能な場合に限られていた.しかし,より一般的な場合に対して第一原理に基づく検証を行うには,超対称ゲージ理論の数値シミュレーションが最も直接的な方法であり,2007年頃からそうした研究が発展してきた.特に最近の研究では,これまでほとんど手がかりがなかった,ブラックホールが小さく,その地平面付近でも重力の量子論的な効果が無視できない場合について検証がなされた.

1 0 0 0 OA 明和撰要集

出版者
巻号頁・発行日
vol.[37] 十七 倹約之部、日雇座之部、馬口労頭之部,
著者
秦 純子
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.16, no.6, pp.198-201, 2007-07

経済産業省の「平成16年度 電子商取引に関する実態・市場規模調査」によると、2000年から2004年にかけての5年間で、BtoC(事業者-消費者)の電子商取引(EC)市場は、0.8兆円から5.6兆円に伸びた(モバイル端末を使った取引や、消費者間のネットオークションなども含む)。年平均成長率にして62%と急成長をとげている。
著者
大久保 泰邦 秋田 藤夫 田中 明子
出版者
日本地熱学会
雑誌
日本地熱学会誌 (ISSN:03886735)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.15-29, 1998-01-25
参考文献数
25
被引用文献数
8
著者
正徹
出版者
谷岡七左衛門
巻号頁・発行日
vol.[1], 1662
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1245, pp.27-29, 2004-06-07

(編集委員 水野 博泰、宮東 治彦、外薗 祐理子、ニューヨーク支局=山崎 良兵) 「明日は我が身か」。1人の技術者が会社に翻した反旗の連鎖が、日本の経営者たちを震え上がらせた。