著者
(梁) 蕭統 撰
巻号頁・発行日
vol.[21], 1607
著者
佐藤 真 山高 博 古明地 勇人 望月 祐志 中野 達也
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.2P10-2P10, 2011

水性溶媒中での<I>t</I>-BuClの加水分解反応は、求核的溶媒関与(NSA)と求電子的溶媒関与(ESA)の反応に与える影響が長年の間議論の対象となっている。本研究ではフラグメント分子軌道法と分子動力学法を組み合わせたFMO-MDを利用して、溶媒分子をあらわに含んだ液滴モデルにおける、<I>t</I>-BuClの加水分解シミュレーションを行い、反応プロファイルの作成およびNSAとESAの定量的な評価を行った。
著者
大賀 郁夫
出版者
宮崎公立大学
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-20, 2008-03-07

元禄三年九月、日向国延岡藩領臼杵郡山陰・坪屋両村の百姓一四〇〇人が、隣藩高鍋領へ逃散する事件が起こる。百姓たちは高鍋藩を仲介して延岡藩と交渉を続けるが、途中交渉が難航し結果的に帰村するまで一〇カ月にも亘ることになる。従来の研究では、百姓たちの提出した「訴状」をもとにして、延岡藩の農政を「苛政」と評価する研究がほとんどである。しかし、当時領主は「御百姓」を撫育し「御救」することが、また百姓も年貢上納に出精する「御百姓」であることが求められた。しかし災害の続くこの時期そうした「仁政イデオロギー」の実現は困難を極めた。小稿では、百姓側の「訴状」と領主側の「子細書」の内容を具体的に比較し、何が問題となっているかについて考察した。 「御百姓」への「介保」「百姓勝手」のために奔走する郡代の政策は、百姓たちにとっては「迷惑」でしかなかった。そうした双方の思惑の「ズレ」が、逃散事件の根源的要因であったことを明らかにした。

1 0 0 0 OA 玉川上水留

出版者
巻号頁・発行日
vol.[77] 玉川上水代官町土手上より御本丸掛矢来枡弐之枡樋筋并御鷹部屋掛其外共御普請一件 安政四巳年八月より同五午年四月 分冊ノ三,
著者
馬場 剛史 安東 寛之 重田 育照
出版者
分子シミュレーション研究会
雑誌
アンサンブル (ISSN:18846750)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.36-41, 2014

溶液中や酵素などの大自由度系の化学反応において,自由エネルギーの計算は非常に重要である.本解説では熱力学積分法に基づくブルームーンアンサンブル法,および,ヒューリスティックな方法では有るが非常に強力な研究手段であるメタダイナミクス法について説明し,SN2 反応や酵素反応での応用例を示す.
著者
上岡 敦
出版者
日本法政学会
雑誌
法政論叢 (ISSN:03865266)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.1-18, 2016-02-25 (Released:2017-11-01)

The purpose of this paper is to classify the legislative processes of the enactment and the amendment of the Diet acts during the period from 1947 to 1949. According to the findings done by the political science study group of the Diet, the Japanese Diet has played a certain role in their functions. However, these research findings are based on a concentrated discussion of the premises for the institutions. They have never clarified the following two questions: How was the system formed? Why was the system chosen? They simply focus of this study is to clarify the following two questions: What is the purpose of the Diet system? What is the expected function of the Diet? Firstly, I have tried to overview the enactment process of the Diet act. At this stage, the various influential actors were performing. In particular, Japanese Government was trying to draft the Diet acts of the both Houses which were not desirable for the GHQ. Secondly, I have tried to overview the enactment process of the Diet act. It was characteristic that the Diet acts in those days were enacted by the negotiations with GHQ and the House of Representatives. This process was affected by the parliamentary reform of the Imperial Diet era. Thirdly, I have tried to overview the amendment process of the Diet act during eh occupation era. The major revision was a transformation of the organizational structure of committee. However, most of the amendments of the Diet acts during the occupation period were of the practical procedures. Therefore, the fundamental basis of the Diet system has never been changed.
著者
田中 敬一
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.138-143, 2015-03

ファイナンスの話題から1次元拡散過程の最適停止問題の基本的な解法について論じる.初到達時刻に深く関連する関数を用いた変数変換により,ある関数のグラフから継続領域・停止領域の識別が視覚的に可能となり,議論が見通しよくなる.また,一定条件下で,価値関数の有界性や最適停止時刻の存在・構成が保証されているので有用である.具体例として,リアルオプション,アメリカ型オプション,保有証券の最適売却戦略の問題を議論する.
著者
寿台 順誠
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.116-125, 2014

「リビングウィル」や「事前指示」といった、今日の「死と死にゆく過程」をめぐる言説は、「自律」原則の下にあって、死に関して「自己決定」を迫るものが多い。しかし、終末期において最も重要なことは、本当に「自分らしい」死に方を決めることであろうか。本論文で筆者は、それよりもっと重要なのは、死にゆく者と看取る者の間の「共苦」であると主張する。以下まず、アメリカにおける関連する裁判や立法を検討しているロイス・シェパードの議論を紹介して、「自律から苦悩へ」という考え方の転換の意義を確認し、次に、日本における「安楽死・尊厳死」裁判を再検討して、そこでは患者よりもむしろ「家族の苦悩」への同情が判断の決定的要因であったことを確かめる。しかし日本でも最近の裁判では、患者の自己決定権を根拠に安楽死問題の医療化と法化が進行しており、次第に事件の場面から「家族」が姿を消しつつある。そこで最後に筆者は、死にゆく者と看取る者(家族等)が苦悩を共にする「共苦の親密圈」を再構築することが重要であると結論づける。
著者
福田 八寿絵
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.145-153, 2014

本稿は、高齢患者の医療行為の選択における判断基準、同意能力評価法を検討し、その利用可能性と課題を明らかにすることを目的とする。加齢とともに慢性疾患や障害によって認知機能や意思を表現する能力が低下し、治療などの医療行為に対する意思決定を行うことが困難となる場合も少なくない。そのためさまざまな同意能力の評価法が開発されてきているが、基準は一定ではない。既存の同意能力評価方法は有効性についての検討症例が比較的少なく、評価の閾値をどのように設定すべきか、評価の客観性や適用対象などについてもさらなる検討が必要となる。評価結果の適用を医療専門職の裁量に委ねる場合についても十分な説明責任を果たすことが求められる。医療専門職や家族が高齢者の価値観や選好を理解し、総合的な同意能力評価を行うことで、高齢者のエンパワーメントを促し、意思決定プロセスの透明性を高め、患者の意思をより的確に医療行為に反映させることが可能となる。
著者
石田 安実
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.142-149, 2016

<p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;現代では、医療やその制度が高度に発達し、患者は複雑に専門化した知識や情報を与えられるようになった。そうした中、患者たちは自己決定をしなくてはならない場合でも、「全き意味での自己決定」が前提とする「合理的判断能力のある個人」「十分な情報理解」「外的強制がない」というあり方ではなく、「十分な判断能力に欠ける個人」「情報の不十分な理解」「様々な事柄への配慮」をする個人として、制度という外部の「装置」に依存しながら倫理的判断を行うようになったといえる。その判断形態を、筆者は「倫理判断のパッケージ化」という概念で理解する。「全き意味での自己決定」ではなく「倫理判断のパッケージ化」に基づいて判断する者の倫理的責任は、どのようなものだろうか。筆者は、法的責任と倫理的責任を分け、前者を認めることで制度の有効性を維持するが、後者をより緩やかに取ることで、「倫理判断のパッケージ化」によって判断する者をより良い関係に取り込むことを提案する。</p>