著者
尾石 和弥 村上 紀子 菊池 眞之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.16, pp.117-120, 2011-03-08

本研究では,描画活動である写生を行っている場合の視線について注視点計器を用いて調べた.モチーフは,柄の無い白色の紙コップ画像,柄付きの紙コップ画像,閉曲線図形画像の3通りで,いずれも3分間で描画を行い,その時の視線を計測した.実験の結果,若年者に比べ高齢者はサッケード距離が短い傾向があった.また,モチーフが複雑になるほど,美術訓練を受けていない人はモチーフを見る時間が長くなり,美術訓練を受けている若年者はモチーフを見る時間があまり長くならないことが明らかになった.
著者
清水 貞夫
出版者
全国障害者問題研究会
雑誌
障害者問題研究 (ISSN:03884155)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.2-11, 2011-05

国連・障害者権利条約の規定する「通常/一般教育システムからの非排除」「地域でのインクルーシブ教育」「必要なサポート及び合理的配慮の提供」等をどのように理解するのかを論究した.論究に当り,2010年12月に公表された障がい者制度改革推進会議『第2次意見』と中央教育審議会・特別支援教育の在り方に関する特別委員会『論点整理』を対比しつつ,障害者権利条約の批准のために求められる特別支援教育体制の制度改革は何かを明らかにした.特に,特別支援学校の設置義務者を都道府県から市町村に移管することの必要性を提起した.
著者
安井 明美 進藤 久美子
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.405-410, 0001-01-01 (Released:2001-06-29)
参考文献数
6
被引用文献数
41 62

玄米中の無機元素組成から産地を判別する方法を検討した。1996年産の産地あるいは栽培法の異なるコシヒカリ{もみ(籾),一部玄米}34点を27産地から収集した。籾摺り後,粒のまま約1g(約50粒)を,硝酸と過塩素酸を用いる開放系の湿式分解で分解して,1%塩酸で試料溶液を調製した。P,K,Mg,Ca,Mn,Zn,Fe,Cuは,ICP-AESで測定し,Rb,Mo,Ba,Sr,Ni,Cd,Cs,Pb,Al,Cr,CoはICP-MSで測定した。13元素(P,K,Mg,Ca,Mn,Zn,Fe,Cu,Rb,Mo,Ba,Sr,Ni)の測定値を,クラスター分析と主成分分析で解析した。Ward法によるクラスター分析と主成分分析の結果から,9元素(Mn,Zn,Fe,Cu,Rb,Mo,Ba,Sr,Ni)による産地判別で,東北産·関東産と北陸産が良く分離し,東北産と関東産はそれぞれまとまる傾向を示し,無機元素組成による産地判別の可能性を示唆した。
著者
雜賀 亮一
出版者
太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.127-138, 2010-03

野球は,「各チームは,相手チームより多くの得点を記録して,勝つことを目的としている。正式試合が終わったとき,本規則によって記録した得点の多い方が,その試合の勝者となるである」(公認野球規則,2009) 基本的には,1回から9回の間で相手チームよりたくさん得点し,勝つことを目的としておこなわれるスポーツであり,サッカーやラグビー等のように時間に制約されることなく,同じ条件で攻守が与えられる。本研究では,時間に制約されることのない野球において,先制点が試合の勝利に優位を示すかを調べた。先制点をあげたチームの勝率から,先制点が勝敗にどのような影響を及ぼすかを分析すると共に,勝つために望ましいゲーム展開を考えた。結果,先制点をあげたチームの勝率が高く,先に得点することが勝敗に影響を及ぼすことが判った。結果をもとに勝つために望ましいゲーム展開を考えると,前半(1回〜3回)に全神経を集中させ,この間に先制点をあげる為の攻守の戦術をいの一番に考え,明確にして試合に臨むことが重要であるといえる。
著者
白幡 俊輔
出版者
西洋中世学会
雑誌
西洋中世研究
巻号頁・発行日
no.2, pp.118-140, 2010
著者
野村 大成 山本 修 石井 裕
出版者
大阪大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1988

放射線や、化学物質の遺伝的影響は、マウス特定座位法(100万マウス実験)に代表される如く、その検出に膨大な費用と施設を必要とし、現在ではその実施は不可能に近い。しかし、野村による“マウス催奇性突然変異"は、父または母マウスに放射線を照射し、正常マウスと交配すると次世代に奇形が誘発されることを発見したものであり、短期間に少数のマウスで異常を検出でき、しかも、ヒトに見られるのと同一の奇形が誘発された。以下に3年間の正果をまとめた。1.催奇性突然変異検出法の確立(化学物質での応用): X線のみならず、ENU、DMBA、4NQOを雄マウスに投与することにより、F_1に奇形は誘発された。しかも、X線による結果とは異り、ENUは精原細胞期の方が高感受性であった。特定座位法による結果と完全に一致した。2.機能異常(仮死)の検出法の確立: ENUおよびX線を雄マウスに作用させ、F_1胎児を妊娠18日目に帝王切開にて取り出し、人工蘇生を行った。蘇生不能児(仮死)がF_1に有意に高率に誘発され、その半数は形態学的奇形を伴っていなかった。3.誘発奇形の遺伝性: F_1に誘発される奇形の多くは致死的なものであった。生存可能な奇形のうち、小人症、曲尾は、次世代に低い浸透率ながら遺伝することが解った。4.精子授精能への障害: 微量の合成洗剤につけたヒトおよびマウス精子は、ハムスタ-卵に対し授精能力を失うことが解った。5.WHO勧告の作成: 野村による催奇性突然変異検出法を医薬品や環境有害物質の遺伝毒性検出法として用い得るか否か、平成2年4月、WHOにて討議し、加盟国への勧告文を作成した。6.将来への展望: 本検出法は、追試もなされ、確立された。今後はヒトでの疫学的調査と機能異常児の検出が重要である。

6 0 0 0 OA 住宅弱者対策

著者
大竹 文雄
出版者
公益社団法人 都市住宅学会
雑誌
都市住宅学 (ISSN:13418157)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.50, pp.51-56, 2005-07-31 (Released:2012-08-01)
参考文献数
3
被引用文献数
1
著者
広島大学原爆死没者慰霊行事委員会
出版者
広島大学出版会
巻号頁・発行日
(Released:2012-04-12)

昭和52年9月刊の復刻
著者
原田 隆史
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.182-186, 2011-05-01

日本における図書館システムは1980年代から導入が進められ,主として図書館のハウスキーピング業務の効率化に大きく寄与してきた。しかし,その後の図書館システムの進歩は遅く,特に利用者サービスの中核をなすオンライン閲覧目録(OPAC)については,他のWebサービスと比較して時代遅れであるとも言われてきた。近年,このような状況が少しずつ変化してきている。たとえば,クラウド・コンピューティングを利用した図書館システムやオープンソース・ソフトウェアとして開発されたシステムの出現,ディスカバリ・インタフェースと呼ばれる新しいOPACの提供などはその代表である。また,図書館が取り扱う資料自体も従来の紙媒体の資料だけではなく,電子ジャーナルや電子書籍など多様なものとなってきている。本稿では,このような多様化してきた図書館システムの状況について概説する。
著者
尾山 令仁
出版者
関東学院大学経済研究所
雑誌
経済系 (ISSN:02870924)
巻号頁・発行日
vol.234, pp.1-17, 2008-01

日本人と韓国人は,人種的にも文化的にも歴史的にも地理的にも政治的にも社会的にも,極めて近い関係にある。ところで,わが国のプロテスタント宣教より韓国のプロテスタント宣教は約25年遅い。それなのに,日本ではクリスチャン人口が0.5パーセントであるにもかかわらず,韓国ではすでに25~30パーセントに達している。どこにその違いの理由があるのか。国民性は確かに違う。この両者の国民性の相違の現実とその形成に果たしたものは何であったかを探る。そして,日本におけるキリスト教受容の今後の可能性を探る。