著者
杉本 秀樹 黒野 真伸 高野 圭子 河野 靖 佐藤 亨
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.24-30, 2000-03-05
参考文献数
15
被引用文献数
3

北条市の水田で(瀬戸内平野部)1997年に緑肥レンゲをすき込み夏ソバを栽培したところ, 気象条件に恵まれ無施肥で250g / m^2を越える比較的高い収量が得られた.1998年には北条市と本匠村(九州中山間地)の水田で, 冬季休閑した休閑区とレンゲをすき込んだレンゲ区とを設け夏ソバを栽培した.北条市では, 播種期前後の多雨のため苗立ちが揃わず, 全般に生育も阻害され収量も低かった.この傾向は休閑区で特に著しく, 同区の収穫は皆無に近かった.しかし, レンゲ区では112g / m^2と前年の47%の収穫があった.本匠村では開花期以降の降水量が平年の2.76倍にも達し, 粒数不足のため収量は低く, レンゲ区で219g / m^2, 休閑区ではさらに低く143g / m^2であった.北条市のように生育初期段階に, あるいは本匠村のように開花期以降に土壌過湿仁おかれた場合でも, 夏ソバの生育阻害ならびに減収の度合いはレンゲ区の方が休閑区より少なかった.以上の結果は, 緑肥レンゲの作付けとすき込みが, 夏ソバ栽培にとって有効であること, 夏ソバの湿害を軽減する効果があることを示唆するものである.
著者
原 貴洋 照屋 寛由 塩野 隆弘 生駒 泰基 手塚 隆久 松井 勝弘 道山 弘康
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.151-158, 2008 (Released:2008-05-23)
参考文献数
36
被引用文献数
2 3

南西諸島に適した普通ソバ品種の導入,開発に資するために,沖縄本島の名護市において国内の普通ソバ5品種を11月上旬,12月下旬,3月上旬の3時期に播種して栽培し,成熟期に農業関連形質を調査した.いずれの作期においても,150粒 m-2 とした密播処理区の子実収量は50 粒m-2 とした粗播処理区に比べて1.3~3.4倍高かった.主茎長,初花節位,主茎花房数,花房あたり開花数は,日本の他地域での試験栽培で報告された値に比べて少なく,その一因として,栽培期間中の短日条件の影響が考えられた.主茎長,主茎花房数,花房あたり開花数,千粒重についての品種間差は,日本の他地域での試験栽培で報告された順序とほぼ一致していたため,他地域において認められる形質の品種間差は南西諸島においても類似していると考えられた.生育期間中に極度の短日条件が続く11月上旬播種,12月下旬播種の作期においては,子実収量と,主茎花房数および個体当たり花房数との間に有意な正の相関が認められた.
著者
塩野 隆弘 原 貴洋 山元 伸幸 原口 暢朗 生駒 泰基
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会誌 (ISSN:18822770)
巻号頁・発行日
vol.75, no.9, pp.817-820,a2, 2007-09-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
11

サトウキビ栽培圃場における労力的・経済的負担が少ない営農的赤土流出防止対策法として, 草生帯とソバ栽培導入による対策技術に着目し, これらの赤土流出に対する有効性とその負担について調査した。野外試験の結果, 設置幅0.5mの草生帯とソバ栽培導入による対策の赤土流出軽減率はそれぞれ68%と39%で, 赤土流出に対する有効性が示唆された。また, これら対策の実施による負担費用はサトウキビの粗収益の3~4%と試算された。ソバ栽培導入による対策では, ソバワラ生産量の増加によって対策効果の向上が期待でき, ソバ子実収穫量の増加により負担経費の削減が期待できることが示唆された。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.741, pp.70-72, 2009-10-14

アリコジャパンがクレジットカード番号を含む顧客情報1万8184人分を流出させた。その結果とみられるカードの不正使用は10月1日までに4498件に達した。不正使用が発覚して以来、約2カ月の調査を経て流出経路を解明できたものの、情報を持ち出した犯人を特定できていない。
著者
前川 素子 大西 哲生 吉川 武男
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.103-107, 2012 (Released:2017-02-16)
参考文献数
31

統合失調症脆弱性形成の有力な説として,神経発達障害仮説が考えられている。神経発達障害には,環境要因と遺伝要因の両方が関わることが知られているが,特に環境要因については妊婦の栄養不良,妊婦のウィルス感染,産科合併症・周産期障害,母子間のRh血液型不適合などの関与が想定されている。本稿では母体栄養が出生後の児に及ぼす統合失調症脆弱性形成に対する影響について, DOHaD(Developmental Origins of Health and Disease)仮説の視点から概説したい。
著者
福井 玲
出版者
日本言語学会
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.148, pp.61-80, 2015 (Released:2016-05-17)
参考文献数
28

本稿は,中世韓国語で声の高さを示すために用いられた傍点について,それがなぜ付けられていたのか,なぜ,傍点という形式が用いられたのか,15世紀末頃から傍点を付けない文献が現れ始め,17世紀以降は完全に廃止されてしまうのはなぜなのか,また傍点を付けた人々はどのような言語的背景を持っていたのか,という基本的でありながらこれまで論じられてこなかった課題について論じた。また,傍点によって表されるピッチアクセントの変化とその地域差という問題との関わりについてもそのための基礎となる考察を行った*。
著者
Shirafuji Takeshi
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
Progress of theoretical physics (ISSN:0033068X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.18-35, 1983-07-25
被引用文献数
1 128

Lagrangian mechanics of massless particles with spin is studied, based on the interpretation that spin corresponds to displacement in complex directions. Starting with the action integral which ensures the masslessness of particles, two possibilities to introduce spin are investigated. In both cases, the equations of motion cannot fix the world line of massless spinning particles uniquely, due to a "gauge" invariance property of the action integral. The space-time coordinates are not the most suitable for describing massless spinning particles, but it is convenient to take a pair of spinor variables, i.e., a twistor, as the basic dynamical variables to which the canonical quantization procedure can be applied. In one of the two cases, where massless particles are considered to move in superspace with N spinor coordinates, it is found that massless particles form a spin (or helicity) multiplet with the helicity running from - N/4 to + N/4.
著者
島野 安雄
出版者
文星芸術大学
雑誌
文星紀要
巻号頁・発行日
vol.16, pp.A31-A55, 2004
著者
神山 智章 清水 尚彦
雑誌
情報処理学会研究報告システム評価(EVA)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.55(2002-EVA-003), pp.7-12, 2002-06-07

MP3デコーダのIMDCT処理を設計するに当たり、この処理において必要とされる精度について評価を行った。この結果に基づき、高速かつコンパクトなIMDCT回路を実現できた。
著者
本林 隆 沼沢 健一 遠藤 佳成
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会年報 (ISSN:03888258)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.39, pp.261-262, 1992-11-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
1

越冬前の幼虫に対しては高い防除効果が得られた八丈島のクワゴマダラヒトリNPV散布地域において, 越冬後幼虫の密度が無散布地域と同レベルもしくは高くなる現象が認められた。そこで, その原因を明らかにするため, NPVの散布回数を増加したり, 春先の幼虫の移入が起こりにくい地域で散布試験を行った。その結果, 越冬前の調査では, NPVの1回の散布によって幼虫密度は無散布区の約1/150の0.1頭/m2に低下し, 2回の散布と同等の防除効果が得られたが, 春先の越冬後幼虫の密度は0.6頭/m2と増加した。一方, 幼虫の移入が起こりにくい隔離散布区では, 越冬前, 後とも幼虫密度は0頭/m2であった。このことから, NPV散布地域で, 越冬後の幼虫密度が越冬前に比べ増加するのは, 越冬後の幼虫の分散に伴う散布地域周囲からの移入によるものと考えられた。
著者
石川 健一郎
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2016-OS-138, no.7, pp.1-8, 2016-08-01 (Released:2016-07-29)

スケールアウト型分散ストレージで必要になる大量のデータとデータを記憶したサーバの対応の管理はテーブルでは難しく,適切に設計されたアルゴリズムによる管理が求められる.本論文ではデータを冗長記憶するスケールアウト型分散ストレージのために設計したデータ分散アルゴリズム ASURA を提案する.このアルゴリズムは次の特徴を持つ.1) データが冗長化されている場合においてもサーバ構成変更時に最小限のデータ移動のみ行う.2) 計算時間は 0.4μ 秒未満であり,オーダーは O(1) になる.3) データが十分あるときサーバ間のデータ分散のばらつきは 0.5%程度になる.4) サーバ容量に合わせてデータを分散できる.評価の結果,データを冗長記憶するスケールアウト型分散ストレージでは,類似アルゴリズムである Consistent Hashing,Random Slicing や Weighted Rendezvous Hashing などと比べて ASURA は優れた特性がある事を示した.
出版者
日経BP社
雑誌
日経network (ISSN:1345482X)
巻号頁・発行日
no.129, pp.34-37, 2011-01

IPv4グローバルアドレスの在庫枯渇が、2011年早々にも現実のものになりそうだ。枯渇予測として、世界で最も参照されているAPNIC▼ チーフサイエンティストのジェフ・ヒューストン氏のデータによると、世界中のIPv4グローバルアドレス管理の大元であるIANA▼の在庫枯渇予測日は2011年2月23日▼である。