出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.791, pp.197-201, 2001-03-12

「キルビー275特許成立まで34年もの間,特許庁と闘い続けたTI社の執念には本当に感服します。自分から積極的に権利を取りにいく。狩猟民族的な発想だ。それに比べて,やっぱり日本メーカは農耕民族的だね。お天道様頼みというところがある。そして,お代官様の取り立てからは逃げられないと思っている。田畑をもっているから,どうしても『お上』という発想から抜け切れない。
著者
村上 治朗
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR BACTERIOLOGY
雑誌
日本微生物學病理學雜誌 (ISSN:1883695X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.517-535, 1937

組織片ヲ體外ニ於テ抗元ト接觸セシメ, 又ハ皮下並ニ静脈内ニ抗元ヲ接種シ, 逐日組織ヲ剔出シテ, コレヲ培養シ淋巴腺ノ特殊抗體 (細菌凝集素, 溶菌素, 補體結合素, 血球凝集素, 溶血素, 蛋白沈降素等) ノ産生状況ヲ觀察シ, 併セテ他臟器 (脾臟, 腎臟, 肝臟, 骨髄) トノ此等抗體産生能ヲ比較シ次ギノ如キ結果ヲ得タ.略々同一條件ノ場合即チ體外ニ於ケル抗元トノ接觸及ビ經靜脈的抗元接種ノ際ハ淋巴腺ノ抗體産生能ハ脾臟ノ夫ニ劣リ, 骨髄ノ夫ト伯仲又ハ稍々勝リ, 肝臟並ニ腎臟ノ夫ニ勝リ, 略々培養時培地ニ游出スル組織球性細胞ノ量ニ平行スルモノノ様デアル.皮下ニ一定量ノ抗元ヲ接種セル際ハ局所淋巴腺ノ抗體産生能ハー般ニ脾臟ノ夫ヲ凌ギ, コノ關係ハ山羊血球ノ様ナ非溶性抗元ノ際ハ特ニ著シク, 馬血清ノ様ナ溶性抗元ノ際ハ著シクナイ.抗體産生状況ニ關シテハ既ニ先人佐藤, 小松, 三杉, 岩田等ノ報告シタ所ト大差ガナイ.
著者
池田 幸恭
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要 = The journal of Wayo Women's University (ISSN:24326925)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.65-74, 2017-03-31

日本では「すまない」などの負債感を含んだ複合的感情として感謝をとらえる傾向があるという文化的特徴に着目し、心理学や言語学の複数領域での研究成果に基づいて、感謝に伴って生じるすまなさ感情を経験することの心理的意味を明らかにすることを本研究の目的とした。そのため、「すまない」の語義、日本語の感謝表現における「すまない」、感謝と負債感の関係に関連する文献を概観した。それらの論考を踏まえて、以下の3つの試論を提起した。第1に、感謝は自分が周りから恩恵を受けていることを認識することによって、肯定的感情と否定的感情の両方として経験される可能性がある。そこでは、未分化で肯定的感情と複合したすまなさ感情を経験する場合、経験された否定的感情を解消するために他者へ返報する義務があることを強調して負債感を分化する場合があると考えられた。第2に、感謝に伴うすまなさ感情は、相手の負担、意図、与えられた恩恵の価値という状況の評価に加えて、相手との社会的関係の影響を受ける。さらに、感謝に伴うすまなさ感情は、他者との関係の形成や維持につながると考えられる。第3に、感謝に伴うすまなさ感情は、自己洞察を深めるが、同時に自己否定的な心理状態に留まるという危険性もある。今後の研究の展望として、対人関係以外の抽象的な対象への感謝に伴うすまなさ感情について検討すること、感謝の経験と表明の相違を検討すること、本研究で提起した試論について文化的背景を視野に入れた実証的研究をとおして確かめていくことの必要性について論じた。
著者
平野 健
雑誌
IERCU Discussion Paper
巻号頁・発行日
no.274, 2017-02

近年、アメリカでは2度のバブルが発生した。1990年代末のITバブルと2000年代の住宅バブルである。前者の崩壊は2001年に軽微な景気後退で済んだが、後者の崩壊は2008年に深刻な金融恐慌をひきおこした。同じバブル崩壊の結果なのに、結果がこのように違うのは何故なのだろうか。実は1991〜2009年には、2回の景気循環という現象の背後で、実体経済の変動としては1回の産業循環しか存在していない。第二次世界大戦後、アメリカ経済は政府の介入によって恐慌の発生を回避してきたが、それは恐慌による過剰資本の調整を遅らせ、産業循環の期間を延長する作用をもたらし、同時に過剰資本が十分に廃棄されておらず停滞基調が続くもとでも景気拡大を再発させる能力を持つにいたった。1960年以降で見ると、少なくとも1960〜1990年と1991年以降今日までの2回の産業循環が存在する。2000年代は、この1991年以降の産業循環の中での停滞期に相当する時期であった。このような停滞期にバブルを発生させるためには、投資銀行はCDOを大量に発行せねばならなかったし、その最もハイリスクなトランシェを銀行自身で購入するというリスク・テイクをしなければならなかった。このことが2008年に金融恐慌が発生した直接的な原因であり、金融恐慌の実体経済的根拠である。
著者
佐藤 勝明
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要 = The journal of Wayo Women's University (ISSN:24326925)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.174-163, 2017-03-31

俳諧史上の傑作の一つとして知られる『此ほとり一夜四歌仙』の中から、巻頭の「薄見つ」歌仙を取り上げ、各付合の分析を通して、蕪村連句の特色を探る。それぞれの付合は、①〔見込〕、②〔趣向〕、③〔句作〕の三段階による分析方法を使って読み解いていく。その結果として言えるのは、古典趣味や中国趣味など、題材の偏りが多分に見られること、前句をよく検討してから趣向を立てるのではなく、前句の詞や表現から喚起されたこと(それは自分たちの嗜好にかなう方向で多く選ばれる)をもとに付句を考えていくこと、の二点である。すなわち、芭蕉流の付合手法とは異なる面が多く、蕪村一流の美的世界が構築されているのであり、今後は、そのことを前提に蕪村連句と取り組むことが肝要と言える。
著者
池田 次郎 多賀 谷昭
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.397-410, 1980 (Released:2008-02-26)
参考文献数
16
被引用文献数
4 5

全国の地方集団,男性706,女性609を用い,6項目の生体計測値からみた日本列島の地域性を多重判別分析法を用いて検討し,次の結果をえた。i)最も明瞭な地域差は,北海道,本州•四国•九州を含む本土,および南西諸島の間に存在する。ii)本土集団のなかでは,南九州がやや特異な地域である。iii)東中国,近畿,東海,南関東の集団と,奥羽,北陸の集団との差は,比較的顕著である。iv)北海道,南西諸島間の差は大きく,本土集団のうち両集団に近いのは,前者には奥羽,次いで北陸,信越であり,後者には北陸,信越,次いで南九州である。v)地域性は,女性より男性でより明瞭であるが,その傾向は完全に一致する。
著者
田本 秀輔 金城 達也 佐村 博範 金城 章吾 西巻 正
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.65-67, 2017

<p>症例は47歳,男性。2,3日前から右下腹部痛が続き,その後に嘔気,悪寒および冷汗が出現したため救急外来を受診した。受診時は右下腹部に限局した圧痛および反跳痛を認めたが,発熱は認めなかった。腹部造影CT検査で上行結腸近傍に脂肪織混濁を認め,上行結腸垂炎と診断した。抗生剤治療を開始し,外来通院加療で軽快した。原発性腹膜垂炎は多くが自然軽快する予後良好な疾患である。臨床経過や腹部所見より鑑別診断として急性虫垂炎や憩室炎があげられるが,原発性腹膜垂炎は特徴的な画像所見を示すことが多いため,急性腹症の診断の際に本疾患を念頭に置くことで手術を含め,不要な治療を回避することができる。今回われわれは,造影CT検査で診断し,保存的に加療し得た原発性上行結腸垂炎の1例を経験したので文献的考察を含め報告する。</p>
著者
廣重 亮一 曽我部 昭好 山崎 一利 高橋 信夫 井上 章二 金城 一彦
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.13-27, 2017

木質住宅の基礎構造部における配管貫通部の防蟻を目的として,非加硫ブチルゴム,EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン系ゴム)の2種のゴム基材とそれらに防蟻剤を添加したゴム基材の防蟻性を室内で検討した。また,現場での給水および排水配管2種のさや管工法における利用を想定した形状の試験体を作成し,それらの防蟻性能を野外試験で検討した。<BR>その結果,非加硫ブチルゴムは室内試験でDOT(八ホウ酸二ナトリウム四水和物)無添加で穿孔が見られたが,DOT を添加することで穿孔は抑えられ,ビフェントリン0.175%添加で穿孔はまったくみられなかった。野外試験ではDOT 無添加,添加区とも食害・貫通は見られなかった。<BR>EPDM も室内試験では非加硫ブチルゴムと同様の傾向を示したが,排水系及び給水系EPDM パッキンとも野外試験では食害は全く見られなかった。非加硫ブチルゴム,EPDMパッキン中のDOT の各試験における溶脱は僅かで,長期に有効な防蟻機能を維持可能なことが確認され,これらのゴム基材は,木質住宅の基礎構造部における配管貫通部の防蟻に充分使用できると考えた。
著者
神田 康行 福本 功
出版者
一般社団法人 粉体粉末冶金協会
雑誌
粉体および粉末冶金
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.91-99, 2017

<p>Alumite sludge is a precipitation that is generated by anodizing of aluminum sash products. The crystal structure of alumite sludge is changed to α-alumina (α-alumina sludge) by heat treatment. For effective utilization of alumite sludge, we attempted to improve the sintered body mechanical strength by applying milled α-alumina sludge to spark plasma sintering. The raw (no milling) material has a cuboid particle shape. By milling the raw material, the particle shape is changed from cuboid to cube, and the particle size is decreased. The changing particle shapes improved flexural strength to a maximum of 403 MPa at low firing temperatures. Observation of the fracture surface using SEM revealed that the fracture originated from a rectangular pore remaining in the sintered body. The shape factor of the rectangular pore (area, pore ratio, inclination angle) decreased with the change in particle shape. In order to ascertain the experimental result, the effect of rectangular pore shape on crack occurrence was investigated by using finite element method. The principal stress value around the rectangular pore decreased with the change in particle shape. Thus, crack occurrence at the fracture origin is inhibited by the change in particle shape.</p>
著者
西島 功 上門 あきの 池村 綾 渡慶次 賀博 宮城 和史 伊波 潔 赤崎 満 永野 貴昭
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.126-130, 2017
被引用文献数
1

【目的】当院にて経験した,感染性胸部大動脈瘤(mycotic thoracic aortic aneurysm, MTAA)に対する胸部ステントグラフト内挿術(thoracic endovascular aortic repair, TEVAR)の成績を検討した。【対象】2012年3月より2013年11月のMTAA連続5例を対象とした。起因菌,術後合併症,遠隔期死亡について検討した。【結果】平均年齢は79.6歳,男性3例,女性2例。腸管・気管との瘻孔形成を合併した症例はなかった。広域抗菌薬で経験的治療を行い,全症例来院当日にTEVARを施行した。血液培養により起因菌は全症例で同定でき,6週間経静脈的に抗菌薬の最適治療を行った後,経口抗菌薬へと変更し退院となった。平均観察期間15.2か月(7~29か月)で,全症例生存中である。
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.328, pp.116-120, 2003-05

一見、何の変哲もない「町の中華屋」である。駅前の繁華街から道路1本を隔て、周囲に人気が少ないビルの1階。しかし、土日の午後6〜8時のピーク時ともなれば、常に20人前後のお客が行列。5、6回転はするというのが、東京の城東地区の人気店「龍高飯店」だ。 インターネットの担々麺愛好家ページで、都心の有名店を抜き同店の麺が首都圏ナンバーワン店に選ばれた。
著者
稲川 智乃 石田 裕之 折笠 尊紀 鈴木 威一
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.246-251, 2013-09-05

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加により,すでに輸入過多である日本の農業の実状に拍車がかかり,第一次産業である農業の衰退が心配される.本研究では,日本の産業を強めるために,国際競争力を持った商品に対して海外の市場開拓方法を検討した.まず,農業における問題点を整理し,その問題点の中から海外輸出のために必要である,「市場の選択と販売方法の決定」と「物流方法の決定」を目標として設定し,これらの目標へのアプローチ方法を提案した.今回は,日本の特徴的な商品として本わさびを扱う新規海外輸出プロジェクトを立ち上げ,これからの日本産の農産物の輸出先行事例としたい.本稿では,この本わさびに対する市場開拓の適応事例を基にその現状とこれからの課題について示した.