著者
山下 哲
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:2188921X)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.41-44, 2002-01

「グラフ」とは、数個の「頂点」と数本の「辺」(2頂点を端点とする線分)から成る図形のことである。グラフを平面上に描いた図のうちで、自己交差がない図を「平面グラフ」と呼ぶ。一般に、頂点の個数に比べて辺の本数が多過ぎるグラフは平面グラフをもたない。平面グラフをもつグラフを「平面的グラフ」と呼ぶ。各辺の図が直線分である平面グラフを「直線的平面グラフ」と呼ぶ。1948年にFaryは次の定理を証明した:「任意の平面的グラフの任意の平面グラフは、直線的平面グラフに平面上で辺を交差させることなく変形できる。」 グラフを平面上に描いた図の中で、曲線分と一致する部分をそのグラフの「道」と呼ぶ。道は、ちょうど1本の辺に接続している頂点を2個だけもち、その他の頂点はちょうど2本の辺と接続している部分グラフである。Faryの定理を拡張して、次の問題が考えられる:「任意の平面的グラフと任意の数本の道に対して、その平面的グラフの任意の平面グラフが、それら数本の道がすべて直線分である直線的平面グラフに平面上で辺を交差させることなく変形できるための必要十分条件を求めよ。」 グラフを平面上に描いた図の中で、閉曲線と一致する部分をそのグラフの「閉路」と呼ぶ。閉路は、すべての頂点がちょうど2本の辺と接続している部分グラフである。閉路を含まない連結グラフを「木」と呼ぶ。木は平面的グラフである。上述のFaryの定理の拡張問題を一般の平面的グラフについて解決することは難しい。本論文では、木についてFaryの定理の拡張問題を解決した。
著者
岡下 敏
出版者
青山学院大学
雑誌
青山経営論集 (ISSN:05871654)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-16, 1997-07
著者
高間 勇一 北山 保博 曹 英樹 棚野 博文
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.688-691, 2007
参考文献数
7
被引用文献数
2

症例は5歳男児.左鼠径部膨隆を認め来院.左鼠径ヘルニアの診断で4歳10か月時にPotts法施行.術後4日目に再発を認めた.左鼠径ヘルニア再発の診断で術後1か月時にMcVay法施行.再手術後16日目に再々発を認めた.超音波所見,MRI所見より左鼠径ヘルニア再々発,大腿ヘルニアの疑いで5歳4か月時に腹腔鏡下手術を施行.左大腿ヘルニアと診断しメッシュを使用したtension freeでの腹腔鏡下大腿ヘルニア修復術を施行した.術後3年経過し再発・合併症を認めていない.小児の大腿ヘルニアは非常に稀であり,正確な術前診断が困難な事がある.再発鼠径ヘルニアの手術に際しては,稀である大腿ヘルニアや直接鼠径ヘルニアの可能性を鑑別できる腹腔鏡下手術が有用であった.小児での腹腔鏡下大腿ヘルニア修復術の報告は本邦では初めてであり文献的考察を加えて報告する.
著者
中尾 薫 安藤 晃裕 平形 美樹人 安藤 直生 竹下 浩一郎 宮本 庸平 望月 英典
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.135, no.5, pp.205-214, 2010-05-01
被引用文献数
2 6

レミッチ<sup>®</sup>カプセル2.5 <I>μ</I>g(主成分はナルフラフィン塩酸塩)は,血液透析患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果が不十分な場合に限る)を効能・効果として2009年1月に承認された,選択的なオピオイド<I>κ</I>受容体作動薬である.各種そう痒モデル動物の抗ヒスタミン薬感受性および抵抗性の引っ掻き行動に対して,ナルフラフィン塩酸塩は用量依存的な抑制作用を示し,種々の痒みに対して止痒作用を発現する可能性が示唆された.また,ナルフラフィン塩酸塩の作用が<I>κ</I>受容体拮抗薬nor-BNIの脳室内投与により抑制されることから,中枢神経系の<I>κ</I>受容体の活性化を介して止痒作用を発現するものと考えられた.非臨床および臨床試験から,薬物動態学的特徴として,(1)長期投与により未変化体または代謝物が蓄積する可能性はないと考えられる,(2)投与後速やかに吸収され,肝臓や腎臓に高濃度分布すると共に,薬理作用部位と考えられる中枢神経系にも分布する,(3)CYP代謝反応の主な分子種はCYP3A4であり,それを阻害する薬剤との併用により未変化体の血漿中濃度が上昇する場合がある,(4)ナルフラフィン塩酸塩はP糖タンパク質の基質であるが,併用した他のP糖タンパク質基質薬物の輸送に影響を及ぼす可能性は低い,(5)未変化体およびその代謝物は,透析により除去され,血液透析患者において蓄積する可能性は低い,という特徴を有する.臨床においては,ナルフラフィン塩酸塩2.5および5 <I>μ</I>gの1日1回原則として夕食後の経口投与により,既存治療抵抗性そう痒症を有する血液透析患者に対して止痒作用を示し,その作用は長期の反復投与によっても減弱しなかった.また,動物を用いた依存性試験および臨床試験の結果から,ナルフラフィン塩酸塩が依存性および乱用をもたらす可能性は非常に低いと考えられた.以上のように,ナルフラフィン塩酸塩は,血液透析患者の既存治療抵抗性のそう痒症を抑制し,QOLを向上できる極めて有効な薬剤であると考えられる.
著者
小林 照義
出版者
名古屋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003

『名目.G.DPターゲティングと為替レートの変動』では、従来閉鎖経済モデルのもとで分析されていた名目GDPターゲティングのパフォーマンスを開放経済に拡張した。この論文では、開放経済のもとで発生する交易条件ショックの安定化についても、名目GDPターゲティングの設定によって適切に対処されることが明らかになった。この結果はGDPターゲティングの望ましさを開放経済のもとでも確認するものである。『Hybrid inflation-price-level targeting in an Economy with output persistena』では、従来から頻繁に議論されてきたインフレ・ターゲットや物価水準ターゲットだけでなく、その中間的な物価目標を提案している。この分析によると、生産量の持続性が比較的強い場合には"ハイブリッド型ターゲット"が最も望ましくなることを示している。その上で、最適なターゲット水準を明確に求めることに成功した。また、この論文はいわゆる"new classical model"で分析しているが、その後同様の研究を"New Keynesian model"で行ったところ、やはりハイブリッド型の物価目標を導入することで社会的厚生が高まることが明らかになった。
著者
荒井 秀行 金坂 績 加川 幸雄
出版者
富山大学工学部
雑誌
富山大学工学部紀要 (ISSN:03871339)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.1-6, 1976-03

Finite element approach is successfully applied to-the vibrational Schrodinger equation with Lennard-Jones potential. Ar_2 atom molecules are considered for diatomic problem, for which the eigen values, the corresponding eigen functions and the vibrational level spacings are calculated.The calculated values agree with those experimentally obtained. This verifies the validity of the present approach, which paves the way to the application to the problems of this kind.
著者
小林 信一 長谷川 博
出版者
日経BP社
雑誌
日経ニューメディア (ISSN:02885026)
巻号頁・発行日
no.1451, pp.11-12, 2015-02-02

ブロードキャスト・サテライト・ディズニー(BSディズニー)は2015年1月14日、BS放送の無料チャンネル「Dlife」で放送した海外ドラマなどを、放送後1週間無料でキャッチアップ(見逃し視聴)できる新アプリ「Dlife」の提供を開始した。スマートフォンやタブレット…
出版者
日経BP社
雑誌
日経ニューメディア (ISSN:02885026)
巻号頁・発行日
no.1521, pp.8-9, 2016-07-18

BS放送チャンネルの「Dlife」を運営するブロードキャスト・サテライト・ディズニー(BSディズニー)は2016年7月14日に会見を開催し、経営の現状や今後の事業戦略について述べた。 代表取締役社長の小林信一氏は、「親会社のウォルト・ディズニー・ジャパンの各…
著者
古瀬 幹夫
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.134, no.5, pp.615-621, 2014 (Released:2014-05-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1

Within an epithelial cellular sheet, the paracellular pathway can be divided into two routes: one between two adjacent cells and one at tricellular contacts, where the vertices of three cells meet. For epithelial barrier function, tight junctions restrict solute permeability through the paracellular pathway between two cells, while tricellular contacts contain specialized structures of tight junctions, named tricellular tight junctions (tTJs). Two types of membrane proteins, tricellulin and angulin family proteins (angulin-1/LSR, angulin-2/ILDR1 and angulin-3/ILDR2) have been identified as molecular components of tTJs. Angulins recruit triellulin to tTJs and these tTJ-associated proteins are required for normal tTJ formation as well as strong epithelial barrier function. Furthermore, mutations in tricellulin and angulin-2/ILDR1 genes cause autosomal recessive familial deafness, DFNB49 and DFNB42, respectively. Further analyses of the angulin-tricellulin system should lead to better understanding of the molecular mechanism and regulation of tTJs.
著者
徳田 誠
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.88, no.6, pp.635-646, 2013 (Released:2014-02-07)
著者
樋口 精一郎 藤本 智 田中 誠之 鄭 澤根
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1984, no.8, pp.1268-1272, 1984

数種のオルト位アルキル置換ニトロベンゼンおよびパラ置換ニトロベンゼンの1600cm<sup>-1</sup>付近のバンドとパラ置換体に特徴的な1120,860cm<sup>-1</sup>のバンドのラマン散乱強度を検討した。1600cm<sup>-1</sup>のバンド強度の検討から,置換基効果による強度の挙動が局所的な電子密度の変化によるのではなく,分子内電荷移動に関係する電子雲の空間的広がりによることが示唆された。このことは,あつかったバンドに共鳴ラマン効果がかかわっていることを示唆する。そこで,パラ置換ニトロベンゼンの3本のバンドの強度について励起波長依存性を検討した。励起光が短波長になるにしたがい強度はほとんどの場合に増大するが,1600,1120cm<sup>-1</sup>のバンドの強度増大はそれほど大きくないのに対して,860cm<sup>-1</sup>の方は,置換基の電子供与性が強くなり分子内電荷移動型のUV吸収が長波長側ヘシフトするといちじるしく大きくなることが明らかにされた. このように強度を置換基および励起波長という2点から見ることにより,置換基による1120および860cm<sup>-1</sup>バンドの相対強度の逆転というスペクトルパターンの変化,強度のいちじるしい大きさなどの問題を解釈し得ることが示された。
著者
加藤 圭造 伊藤 彰則
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2012-MUS-94, no.14, pp.1-6, 2012-01-27

本研究ではデスメタル,メタルコアなどエクストリームメタルと言われるジャンルで頻繁に用いられる,グロウル及びスクリーム歌唱について音響的特徴の分析を行った.先行研究で特殊な発声の音響的な特徴として示されたサブハーモニクスの存在や macro pulse 構造の調査,病的音声の分析になどに使われる jitter,shimmer,HNR の値について測定を行った.

1 0 0 0 数学と教育

著者
斎藤正彦 廣瀬健 森毅編
出版者
日本評論社
巻号頁・発行日
1980
著者
長谷 弘記
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.321-326, 2012 (Released:2015-07-16)
参考文献数
23

血液透析患者は非慢性腎臓病患者に比較して心臓突然死の発症頻度が25~130倍高く,透析治療開始後12時間以内と中2日を空けた透析治療前12時間以内にピークを有する.その主な原因として血中K+濃度の急激な変化,虚血性心疾患や慢性うっ血性心不全を高率に合併すること,透析治療中に急速に減少する体液量などによってもたらされる交感神経系の持続的賦活化があげられる.また,植込み型除細動器(ICD)による予後改善効果は不十分であり,抗不整脈薬の使用も限定される.一方,心房細動(AF)は高齢透析患者の30%以上に合併する.非慢性腎臓病患者に合併したAFでは,血栓性合併症を予防するワルファリン治療が最も優先されるが,透析患者では脳出血のみならず脳梗塞発症リスクを増大させる.以上,透析患者に合併した不整脈を治療する際には,その特異性を理解する必要がある.