著者
横川 慎二
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.25, no.8, pp.811-820, 2003-11-25
被引用文献数
2

ロジックLSIのトランジスタ間を接続するCu配線のエレクトロマイグレーション試験では,寿命分布がBimodal(双山)形状となることが最近報告されている.このBimodal分布の分布形状の把握には,大量のサンプルと長時間の試験が必要となる.また,故障解析も容易ではない.今回,1個のサンプル中に多数の試験対象セグメントを含むTEG(Test Element Group)を開発した.これを用いたサドンデス試験法により,少数サンプルによる試験でも,多数サンプル評価に匹敵する結果を得ることが出来た.同時に,試験時間の短縮を可能にした.加えて, OBIRCH (Optical Beam Induced Resistance CHange)による解析を考慮した設計により,故障解析の容易化を実現した.実験の結果,初期分布は上下配線層を接続するvia中のボイドモードであり,真性分布はvia下のボイドモードであることがわかった.
著者
中井 滋 政金 生人 秋葉 隆 井関 邦敏 渡邊 有三 伊丹 儀友 木全 直樹 重松 隆 篠田 俊雄 勝二 達也 庄司 哲雄 鈴木 一之 土田 健司 中元 秀友 濱野 高行 丸林 誠二 守田 治 両角 國男 山縣 邦弘 山下 明泰 若井 建志 和田 篤志 椿原 美治
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.1-30, 2007-01-28 (Released:2008-11-07)
参考文献数
12
被引用文献数
7 7

2005年末の統計調査は全国の3,985施設を対象に実施され, 3,940施設 (98.87%) から回答を回収した. 2005年末のわが国の透析人口は257,765人であり, 昨年末に比べて9,599名 (3.87%) の増加であった. 人口百万人あたりの患者数は2,017.6人である. 2004年末から2005年末までの1年間の粗死亡率は9.5%であった. 透析導入症例の平均年齢は66.2歳, 透析人口全体の平均年齢は63.9歳であった. 透析導入症例の原疾患毎のパーセンテージでは, 糖尿病性腎症が42.0%, 慢性糸球体腎炎は27.3%であった.透析患者全体の血清フェリチン濃度の平均 (±S.D.) は191 (±329) ng/mLであった. 血液透析患者の各種降圧薬の使用状況では, カルシウム拮抗薬が50.3%に, アンギオテンシン変換酵素阻害薬が11.5%に, アンギオテンシンII受容体拮抗薬が33.9%に投与されていた. 腹膜透析患者の33.4%が自動腹膜灌流装置を使用していた. また7.3%の患者は日中のみ, 15.0%の患者が夜間のみの治療を行っていた. 腹膜透析患者の37.2%がイコデキストリン液を使用していた. 腹膜透析患者の透析液総使用量の平均は7.43 (±2.52) リットル/日, 除水量の平均は0.81 (±0.60) リットル/日であった. 腹膜平衡試験は67%の患者において実施されており, D/P比の平均は0.65 (±0.13) であった. 腹膜透析患者の年間腹膜炎発症率は19.7%であった. 腹膜透析治療状況に回答のあった126,040人中, 676人 (0.7%) に被嚢性腹膜硬化症の既往があり, 66人 (0.1%) は被嚢性腹膜硬化症を現在治療中であった.2003年の透析人口の平均余命を, 男女の各年齢毎に算定した. その結果, 透析人口の平均余命は, 同性同年齢の一般人口平均余命のおよそ4割から6割であることが示された.
著者
佐藤 岳詩
出版者
京都倫理学会
雑誌
実践哲学研究 (ISSN:02876582)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.41-74, 2012-11
著者
深堀 建二郎
出版者
熊本大学
雑誌
文学部論叢 (ISSN:03887073)
巻号頁・発行日
vol.98, pp.97-120, 2008-03-07

Elisabeth Langgasser, die als Halbjudin in der genzen Zeit des Dritten Reichs in Berlin lebte und mit ihrem arischen Mann und drei Tochtern unter wiederholten Luftangriffen sehr litt, gab kurz nach dem Weltkrieg 18 Kurzegschichten als "Der Torso" heraus, die von zwei Gedichten eingerahmt sind. In disem Kuzgeschichtenband "Der Torso" ist "alles drin: der Schrecken, das Entsetzen, der Wahnsinn und die Groteske, aber auch die Unschuld ... und die Treue und Zartlichkeit ..." Im vorliegenden Aufsatz habe ich diese 18 Geschichten und zwei Gedichte zunachst genau interpretiert. Und dann habe ich die Frage untersucht, ob dieser Band als Ganzes eine musikalische Komposition hat oder nicht, weil Langgasser in einem ihrer Briefe seinen "Aufbau musikalisch, nicht logisch, geschweige chronologisch" auffasst. Als Ergebnis hat sich ergeben, dass man diesen Band nicht genau als musikalisch bezeichnen kann, er jedoch als Ganzes unter einem einheitlichen Gesichtspunkt beschreiben werden kann, d.h. mit christlichem Glauben durchdrungen ist, zu dem sich Elisabeth Langgasser lebenslang bekannt hat.
著者
古川 康一 升田 俊樹 西山 武繁
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

チェロのスピッカート奏法は、ブランコ漕ぎやバスケットボールのドリブルのような、周期的に外力を与えて振動を持続させる強制振動の一種であるが、その習得は容易ではない。本論文では、文献のサーベイ、メタ認知、力学モデル、着眼点の発見、あるいは、専門家との意見交換などが本スキルの習得にどのように貢献したかについて論じる。また、その習得過程のビデオによる記録について考察する。
著者
近衞 典子
出版者
日本近世文学会
雑誌
近世文芸 (ISSN:03873412)
巻号頁・発行日
no.99, pp.59-72, 2014-01
著者
村山 篤子 市川 陽子 川端 晶子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.2-7, 1995-02-20

ナタデココについて機器測定(テクスチュア, 破断, クリープ特性: レオナーによる), 官能評価(Semantic Differential 法), 組織構造の観察(走査電子顕微鏡, Cryo-SEM による)を行い, カラギーナン・ローカストビンガム混合(C-L)ゲル, コンニャクとのテクスチュアの相違について比較検討した。1. ナタデココは著しく硬く, 凝集性の小さいゲルであった。ナタデココのみかけの応力-歪曲線パターンでは, C-L ゲルやコンニャクとの大きな相違がみられた。すなわちC-Lゲル, コンニャクは大変形による部分圧縮で亀裂が生じゲルは破壊したが, ナタデココでは押圧によりゲルの内部破断が認められた。クリープ測定では遅延時間が長く, また変形が大きく除重後の回復がもっとも悪いゲルとなっていた。2. 官能評価では`歯切れ'を除く全ての項目でコンニャクと類似の結果となった。ナタデココは筋ばっていて硬く, 歯ごたえがあるが崩れにくく, 歯切れの悪い噛みきりにくいゲルであるとの評価を得た。3. SEM観察によると, ナタデココは高密度の繊維で構成されており, 繊維が密集して網目状の組織を形成していた。細い繊維は16~17nm, 太い繊維は1mm以上あり, 歯切れが悪く噛みきりにくいテクスチュアはこの組織構造によると考えられる。
著者
鈴木 一人
出版者
北海道大学公共政策大学院 = Hokkaido University Public Policy School
雑誌
年報 公共政策学 (ISSN:18819818)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.139-158, 2012-03-30

This article discusses the chronological development of EU's energy security policy and its problems. Because energy security is primarily a responsibility of national governments, the European Union (European Commission in particular) was not able to formulate unified energy policy. But at the same time, due to the lack of natural energy resources, EU member states needed to cooperate in order to increase bargaining power against energy rich regions such as Middle East or Russia. The problem of international negotiation became clear when Russia and Ukraine increased the political tension, and in order to secure supply of natural gas from Russia, EU launched the discussion with Green Paper which resulted the first comprehensive energy policy in 2007. Furthermore, the "Energy 2020", a new policy document suggested the necessity for EU to influence the process of rules- and standard-making to secure the free trade environment for energy resources. However, the division of competence between member states and EU still make it difficult to formulate comprehensive energy policy. Furthermore, dynamic change of international environment such as "Arab Spring" and Russo-Ukraine conflict, and different reactions and interests of member states complicated the EU strategy for energy rich regions. This structural contradiction of EU's energy security policy implies that EU may not be hegemonic power in international arena, but their role as a giant consumer of energy would have a power to shape international energy market.
著者
伊藤 聖子 岡山 純子 加藤 陽治
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.110, pp.89-92, 2013-10

バクテリアセルロースであるナタデココの微細な網目構造に着目し、その網目構造への分子の浸透性について植物セルロースと比較した。セルロースとナタデココの各試料を、0.1%グルコース溶液およびデキストランT-500(平均分子量50万)溶液100ml に浸し、20分ごとに120分経過するまでの外液の糖量をフェノール硫酸法にて測定し浸透性を調べた。微細な網目構造を有するナタデココへ低分子のグルコースは浸透するが、デキストランT-500(平均分子量50万)のような高分子の物質は浸透しにくいことがわかった。結果を基に、ナタデココの機能性と調理特性などについて考察を加えた。
著者
保田 和則
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

カーボンナノチューブや天然のナノファイバーを分散させた流体や,高分子を溶解した流体は流動によってさまざまな特異な流れ現象を生じさせる。本研究では,そのようなファイバーがごくわずかであっても,特にマイクロスケールではマクロスケールとは流れが大きく異なることや,マイクロ流れでは流路の壁面の材質によって流れが大きく異なることを実験で明らかにした。さらには,流れによって誘起される複屈折の変化をとらえることで,高分子の配向状態を明らかにした。
著者
東海林 健二 矢野 将哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.2393-2401, 1997-09-25
被引用文献数
2

2次元2値画像のアフィン変換アルゴリズムの一つとして, 画像をPXY表と呼ばれるラン形式で表し, skewと転置を組み合わせて行う効率の良い方法を我々は以前に提案した. 本論文では, SPXY表と呼ばれる3次元ラン形式で表した3次元物体(3次元2値画像)のアフィン変換の新しいアルゴリズムを提案する. SPXY表は2次元のPXY表を積み重ねたものである. SPXY表の上でのアフィン変換は, 2次元PXY表の場合の拡張として, 3次元skewと転置の組合せとして実現される. 実験結果は, ボクセルごとに変換を行う素朴な方法に比べ, 提案手法が36〜389倍高速であることを示している. また, 提案手法によるアフィン変換のCPU時間は3次元物体を表すラン数に比例することを示している. 提案手法によるアフィン変換の結果は, 小数点数を整数に四捨五入したときの丸め誤差より大きい誤差を含む. アフィン変換のうちでも最もよく用いられる3次元回転について誤差解析を行った. その結果, 提案手法による各座標の絶対誤差は最大1.4であった.
著者
中村 聡史
出版者
明治大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究プロジェクトでは,情報検索におけるユーザの検索意図やコンテキスト,プロファイルといった情報を,視線の動きによって推定したり,興味を持てるような観点語を質問応答サービスから取得して提示する手法などを実現した.また,本手法によって,検索結果をダイナミックに再ランキング,再サーチする手法を実現し,ユーザの情報検索行動を手助けする手法を実現した.さらに,マルチメディアコンテンツに対する対話的な検索も実現した.
著者
鈴木 宏昭
出版者
東京大学教育学部
雑誌
東京大学教育学部紀要 (ISSN:04957849)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.287-296, 1985-02-28

Three experiments were conducted to investigate the processes of the mathematical problem-solving using juice-mixing problem. The results indicate that the error patterns are not consistent among the problems that have the same mathematical structure, the conceptual bugs in the mixing schemata determine the availability of the values of variables in the problem and the informal knowledge of "thickness" obtained through everyday experiences interacts the subjects' strategy choice. Detailed protocol analysis revealed that the informal knowledge of "thickness" has critical roles to monitor the results and to generate the elaborated internal representations during the course of solving the problem.
著者
陳 永裕(本覺)
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.1038-1030, 2014-03