著者
紙谷 栄治
出版者
関西大学国文学会
雑誌
国文学 (ISSN:03898628)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.121-136, 1991-12-20
著者
東 浩司
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

花の匂い特性の異なる近縁種の雑種個体が両親種とは異なる匂い特性(および花形態)を示すことにより、種分化が起こることが期待される.花の匂い特性が異なるアケビとミツバアケビ、およびそれらの雑種であるゴヨウアケビの匂い特性を調べた.ゴヨウアケビの匂い特性は両親種の中間的であったが、いくつかの個体は親種であるアケビ・ミツバアケビに見られない匂い物質を放出していることが分かった.セキショウは種内分類群として開花期が異なる二つの系統が知られている.両者の匂いを調べた結果、特に違いは無かったが、これまで天然物として知られていない匂い物質を放出していた.
著者
大川 勝徳 北嶋 純也
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.242-248, 1998-03-15
被引用文献数
4

クロユリ(Fritillaria camtschatcensis Ker-Gawl.)球根を栽培して, 出芽, 着葉, 開花および形成された新球などの形態的特徴を調査するとともに, その増殖を目的として球根に多数着生している小球状りん片を用いて, in vitro培養による子球形成に及ぼす温度, 光および植物ホルモンなどの影響を検討した.1. 球根を1995年11月上旬にポットに植え付け, ガラス室で栽培した結果, 葉は5&acd;6枚輪生し, 花は1本の茎から1&acd;2個で斜め下向きに咲いた.花蓋は広鐘形で平開しなかった.1996年7月下旬に球根を圃場から掘り上げ, その状態を調査した結果, 母球とそれに付着していた小球状りん片の大部分は腐敗していた.しかし2個の新球(約5g, 生体重)と子球を形成している6&acd;7個の小球状りん片が残存していた.2. 小球状りん片に子球を形成させるためin vitro培養した結果, 暗条件下で20℃が良い条件であった.3. 小球状りん片の子球形成率を高めるためin vitro培養した結果, NAA 0.1mg・liter^<-1>とEB 0.1 mg・liter^<-1>との併用が良好な条件であった.
著者
常田 貴夫
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.71-82, 2014-03-21 (Released:2014-03-21)
参考文献数
36
被引用文献数
1

理論化学の研究対象において金属表面や金属錯体が主要になりつつある現在,相対論的密度汎関数法(RDFT)の重要性は増している.この方法は,多電子系の電子状態を金属を含む大規模系の反応や物性を定量的に取り扱えるため,大規模金属系の理論研究においてもっともすぐれた理論の1つであることは間違いない.RDFTは量子電気力学にもとづく確かな土台をもつ理論であり,化学における相対論的計算の主要理論となっている.本レビューでは,RDFTの基礎を説明した後,最新の2成分RDFTに至るまでの具体的な道筋を明らかにする.さらには,RDFTが将来的に進むであろう道筋も示すことも目的としている.
著者
廣瀬 卓治 中尾 慎一
出版者
関西医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

ケタミンなどの非競合性NMDA受容体拮抗薬は、神経細胞保護作用がある一方で、精神異常誘発作用を有し、脳後帯状・後板状皮質:PC/RS)の神経細胞傷害を引き起こす。一方、バルビツレートにも精神作用があるが、ケタミンの精神作用を抑制し、NMDA受容体拮抗薬によるPC/RSの神経細胞傷害を抑制する。精神異常作用や分裂病の病因としては、ドパミン系の機能亢進がその本体と考えられていている。本研究の目的は、多くの薬物の精神作用や分裂病の責任部位と考えられている脳側坐核ドパミン放出に対するケタミンの作用と、これに対するペントバルビタ-ルの効果を調べること、さらに、ケタミンによるPC/RS(もう一つの薬物の精神作用や分裂病の責任部位と考えられている。)への作用にドパミン系が関与しているかどうか、を調べることである。ケタミンは、濃度依存性に側坐核ドパミン放出を増加させた。最大増加はケタミン投与20-60分後であり、ラットの行動変化と一致していた。ペントバルビタールは側坐核ドパミン放出を抑制し、さらにケタミンによるドパミン放出の増加を抑制した。以上の結果より、ケタミンによる幻覚や妄想などの精神異常誘発作用や神経細胞傷害作用の一因として、中脳辺縁系ドパミン系の活性化が考えられた。一方、ケタミンの精神異常誘発作用や神経細胞傷害作用を反映するPC/RSでのc-Fos発現は、NMDA受容体ノックアウトマウスでは有意に低下すること、ドパミン受容体やシグマ受容体に働く抗精神病薬ハロペリドールでは抑制されないが、他の抗精神病薬リムカゾールでは抑制されることを証明した。この結果は、ケタミンの上記作用には、実際にNMDA受容体の関与があること、ドパミン系やシグマ受容体の関与も有ることを示唆している。

1 0 0 0 幼児と保育

出版者
小学館
巻号頁・発行日
1955

1 0 0 0 教育展望

著者
教育調査研究所 [編]
出版者
教育調査研究所
巻号頁・発行日
1955
著者
白澤 政和 増田 和高 畑 亮輔
出版者
桜美林大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

コミュニティマネジメント過程を明らかにし、それとケースマネジメントの連結で、ソーシャルワーク論の確立を目指した。その結果、コミュニティマネジメントは、「地域活動の実施とモニタリング」「地域の情報収集」「地域活動実施準備」「地域活動プランニング」「地域アセスメント」の5因子で構造化されていること、コミュニティマネジメントはケースマネジメントと同じPDCAサイクルで展開していること、ケースマネジメントでの個別ニーズへの対応から地域ニーズが抽出され、地域ニーズに対応したコミュニティマネジメントの展開により、ケースマネジメントとコミュニティマネジメントが循環していることを明らかにした。
著者
DOI M
出版者
Nature Publishing Group
雑誌
Nature medicine (ISSN:1546170X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.67-74, 2010-01
被引用文献数
11 339

生体リズム異常に伴う高血圧発症メカニズムを解明しました. 京都大学プレスリリース. 2009-12-14. http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2009/091214_2.htmMalfunction of the circadian clock has been linked to the pathogenesis of a variety of diseases. We show that mice lacking the core clock components Cryptochrome-1 (Cry1) and Cryptochrome-2 (Cry2) (Cry-null mice) show salt-sensitive hypertension due to abnormally high synthesis of the mineralocorticoid aldosterone by the adrenal gland. An extensive search for the underlying cause led us to identify type VI 3beta-hydroxyl-steroid dehydrogenase (Hsd3b6) as a new hypertension risk factor in mice. Hsd3b6 is expressed exclusively in aldosterone-producing cells and is under transcriptional control of the circadian clock. In Cry-null mice, Hsd3b6 messenger RNA and protein levels are constitutively high, leading to a marked increase in 3beta-hydroxysteroid dehydrogenase-isomerase (3beta-HSD) enzymatic activity and, as a consequence, enhanced aldosterone production. These data place Hsd3b6 in a pivotal position through which circadian clock malfunction is coupled to the development of hypertension. Translation of these findings to humans will require clinical examination of human HSD3B1 gene, which we found to be functionally similar to mouse Hsd3b6.
著者
Kim Ki Jung Cho Hyeong Seok Choi Se Joon Jeun Seung Hyun Kim Seong Yun Sung Ki-Wug
出版者
The Japanese Pharmacological Society
雑誌
Journal of Pharmacological Sciences (ISSN:13478613)
巻号頁・発行日
vol.107, no.1, pp.57-65, 2008
被引用文献数
5

The pharmacological action of riluzole, a drug that has been approved as a neuroprotective agent for the treatment of amyotrophic lateral sclerosis, has not yet been established. We examined the effects of riluzole on 5-hydroxytryptamine (5-HT)<sub>3</sub> receptors in NCB-20 neuroblastoma cells using the whole-cell voltage clamp technique combined with a fast drug application method. Co-application of riluzole (1 – 300 μM, 5 s) produced a dose-dependent reduction in peak amplitudes and in the rise slope of the currents induced by 2 μM 5-HT. In addition, 5-HT<sub>3</sub>–mediated currents evoked by dopamine, a partial 5-HT<sub>3</sub>–receptor agonist, were inhibited by riluzole co-application. These inhibitory effects were clearly shown at low concentrations of 5-HT. The decay time constants of the receptor desensitization and deactivation were also significantly attenuated by riluzole. G-protein inhibitors (pertussis toxin and guanosine 5'-[β-thio] diphosphate) did not completely block these inhibitory actions of riluzole. These results indicate that riluzole inhibits 5-HT<sub>3</sub>–induced ion currents directly by slowing channel activation in NCB-20 neuroblastoma cells.<br>
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
pp.16-23, 2001-10-22

「3歳11カ月の子供が『メリーズキッズおねしょパンツ』を使っていますが、最近漏れがひどくパジャマを毎日洗濯しています。息子の体重は14kg。寝る前は何も飲ませていません。子供も気に入っているので使い続けたいのですが…」 昨年の冬、花王の消費者相談センターに届いた主婦からの手紙だ。丁寧な言葉で書かれているものの、これは立派な苦情だ。
著者
佐野 和史 大関 覚 木村 和正 橋本 智久 増田 陽子
出版者
獨協医科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012

生体組織を凍結・解凍すると通常では細胞破壊を起こすが、既に食品鮮度を保つために利用されている凍結・解凍時の細胞破壊を極力抑える特殊な冷凍技術(Cell sAlive system, 略称CAS)を用いて切断後凍結保存した動物肢を解凍し顕微鏡下に血管吻合再接着して生着生存させうる技術開発を行った。結果現時点ではCAS凍結により細胞破壊をある程度抑える事ができたが、生着生存させるには至らなかった。今後に繋がる本研究成果として瞬時に組織内をむら無く均一に凍結し得る実験用CAS冷凍装置の冷凍能力を向上と、より組織障害性の少ない細胞凍結保存液の調整調合が鍵である事がわかった。
著者
小川 正人
出版者
道立アイヌ民族文化研究セン
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究課題は、近現代日本のアイヌ教育史の中でも、〈アイヌ政策〉が可視的だった1930年代以前とアイヌ民族の権利回復・伝統文化の再評価が唱えられるようになった1960年代末以降との"狭間"に当たり、「アイヌ」という言葉すらタブーとされることが多かった1940~50年代を対象として、この時期の教員や地域のアイヌによる取組や活動をあらためて調査し、当時のアイヌと教育に関わる様々な問題の実態を明らかにすることを目的とした。具体的な作業と成果は次のとおりである。(1)先ず北海道大学附属図書館、北海道立図書館、北海道教育大学附属図書館等において、当該時期の教育行政関係文書、教育雑誌、教職員組合関係文献等を調査し、本研究課題に関わる記録資料の所在に関する予備的確認を行った。(4月~6月)(2)その結果を踏まえ、道内各地域での関係資料調査を順次実施したほか、全国的な教育行政・教育研究組織等の動向を掴むため東京都での資料調査、早くからアイヌの教育問題に関心を持ち人的な交流も確認できる被差別部落地域における情報を収集するため京都、奈良、大阪での資料調査を実施した。(7月~12月)(3)並行して、収集した情報のデータベース(文献目録)化を実施。10月に開催された教育史学会第57回大会での口頭研究発表にその成果の一部を援用した。(4)12月以降は補充調査を実施しつつ、収集した情報の整理・分析作業を継続した。(5)以上の作業を通して、確認できた当該時期の関係資料は、数としては前後の時期に比べきわめて乏しい。しかも、タイトルに「単級複式学校」「地域の低所得者層」「非行等の語のみを記したものが目立つ。予て指摘されてきた"見えない問題"とされていた時期だとする把握は、現象としては確かにその通りである。しかしこれらの記録には、地域のアイヌ児童の問題と取組む教職員や、自ら教育研究団体の場で発言するアイヌの存在が確認できる。そして、これらの人々による、問題の所在と打開の方策を模索する営みは、その困難さに行き当たれは当たるほどに、人々自身の意図を超えて、アイヌ児童を取り巻く諸問題が、「貧困」「僻地」「階層」だけではない淵源―先住者ゆえに抱えさせられてきたもの―を持つことを暗示している、というのが筆者の仮説的な結論である。本研究により筆者は、「アイヌ=先住民族」という理解が与件ではない時期に、実態との不断の取り組みによって、その問題が"予感"されたことが重要ではないかと考えるに至った。本研究の成果については、2014年10月に開催される教育史学会大会にて改めて発表する予定である。
著者
新田 秀樹 里見 まり子 吉川 和夫 太田 直道 浅野 治志 桂 雅彦
出版者
宮城教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

教科横断的な表現教育を教員養成教育に導入するため、芸術家や民間芸術教育者を招き、ミュージアム等とも連携し、「美術」「音楽」「言語」「身体表現」などの複数分野を融合する授業の開発研究を下記のとおり行った。1.「表現教育の教育臨床的研究:五感アート・ラボ=共感覚の森」(大学サテライトギャラリー)視覚、聴覚、触覚を総合した描画の臨床心理学的研究、展覧会、ワークショップ。2.「響くことば、黙することば:能・パントマイム・即興ダンスの出会い」(大学サテライトシアター)金春流宗家他の芸能者、音楽家等とのコラボレーションによる授業開発。3.「遊具をデザインする:遊びながら学ぶために」遊具デザイナーを招いて遊具を創作するプロダクトデザインのカリキュラム開発。4.「身体と映像:身体表現演習」映像アーティストと作曲家との協同による、身体、映像、音が融合した表現教育のプログラムの開発。5.「映像・音・からだをつなぐ」(大学サテライトスタジオ)倉庫空間を活用し、映像インスタレーションと音響彫刻「音のかけら」を組み合わせた、からだの諸感覚を覚醒する授業モデルの構築。6.「音具をつくる、音を感じる、音で対話する」(大学サテライトスタジオ)土や竹を使った音具づくり、コントラバス奏者による即興演奏を組み合わせ、ことばを使わないコミュニケーションを創造する実践研究。7.能楽・パントマイム、即興ダンスの融合授業を大学で展開する「ステージアートとクラスルーム」の研究活動。8.国内、米国、ドイツ等の領域横断型芸術表現の教育プログラム事例調査と資料収集。表現教育に関する情報発信ができる仮想研究ラボ「五感アート・ラボ」ウエッブサイトの開設。