著者
青木 淳一
出版者
神奈川県自然環境保全センター
雑誌
神奈川県自然環境保全センター報告 (ISSN:13492500)
巻号頁・発行日
no.2, pp.81-85, 2005-03

丹沢生物相の異変。私が丹沢の調査に関わったのは今から43〜44年前の「丹沢大山学術調査」で、まだ私が26歳の時です。学術調査ですから、研究者や専門家が自分達の専門分野を興味の赴くままに調査したということです。その報告書をなくしてしまったので神田の古本屋で探したら大変高価であったのでびっくりしました。みなさんが報告書を入手するのも大変ですから、第1回目の調査以降どんなことがわかったかについて、私の専門の動物の観点からお話ししていきます。
著者
田口 誠 濱住 啓之 伊藤 泰宏 渋谷 一彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.579, pp.29-32, 2007-03-02
被引用文献数
3

緊急警報放送とは、これに対応した受信機を自動的に起動し、地震や津波などの災害情報をお知らせする放送システムである。この仕組みは、地上デジタル放送におけるワンセグサービスにも備わっている。緊急警報放送によってワンセグの受信端末を自動的に起動するためには、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号に含まれる緊急警報放送用起動フラグを常時監視する必要があるため、そのための回路の付加によるワンセグ端末のバッテリの消耗を低減することが課題となっていた。今回、従来からOFDM信号の復調に使用されている高速フーリエ変換を使わずに、緊急警報放送用起動フラグが含まれるTMCC信号を簡易な回路で復調およびダイバーシティ合成することで良好な受信特性が得られることを確認した。また、ワンセグのチューナ部を起動フラグの受信タイミングに合わせて間欠的に動作させることで消費電力を低減できる見通しを得た。
著者
細谷 圭助 北岡 正三郎
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.483-488, 1977 (Released:2008-11-21)
参考文献数
19
被引用文献数
4 12

4種の従属栄養培養および独立栄養培養によって得たE. gracilis細胞の凍結乾燥品をペプシンとトリプシンによる人工消化実験に用いた.E. gracilis細胞はすべて高い人工消化率を示し,特に光照射下に従属栄養で培養したGreen株(GL細胞)は両酵素による高い消化率を示した.GL細胞を主とし,ネズミ飼育試験でユーグレナ・タンパク質の栄養価を求めたところ,真の消化率で僅かに劣ったが,PER,生物価,NPUにおいてGL細胞はカゼインに比肩しうる値を示し,すぐれた栄養価を持つタンパク質であることがわかった.熱エタノール処理したGL細胞は栄養価低く,貯蔵多糖をあらかじめ除去したGL細胞は無処理のGL細胞と変らない栄養価を示した.光照射下培養したBleached株細胞はGL細胞よりやや低い生物価を示した. ネズミ飼育試験は大阪市立環境科学研究所神戸保氏の,またューグレナ大量培養は当研究室中野長久博士の協力と助言を得た.厚く感謝する.本研究の費用の一部は文部省科学研究費に依った.記して謝意を表する.
著者
小野 順子
出版者
福岡県立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

地域で生活する高齢者の中でも転倒リスクが高い転倒経験者の特性を考慮した教育的介入の効果を検証した。比較的自覚しやすく改善可能な「生活環境」、自覚することは難しいが転倒のハイリスクである「歩行動作」、改善効果が高く、歩行動作改善に不可欠である「筋力」の3点について、リスクを認識し予防策を実施・継続できるよう支援を行った。その結果、予防策の実施・継続割合は、「生活環境」のリスクチェック33.3%、「歩行動作改善」72.5%、「筋力」低下予防の運動78.5%であった。介入後3ヶ月間の転倒発生率は7.8%であった。転倒経験者と非経験者を比較して予防策の実施率や転倒発生率に有意差は認められなかった。
著者
谷本 満江
出版者
中国学園大学
雑誌
中国学園紀要 (ISSN:13479350)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.23-28, 2007-06

筆者の体育講義内容は,健康分野を中心としている。我々は講義すること,受講させることは簡単であるが,実際に皆が健康なからだで,健康な日常生活を送ることが重要と考えている。現代社会では,夜型生活の傾向があり,特に大学生に於いては,親元を離れて生活をしたり,サークル・アルバイト活動が多いなど,いろいろな面で自己管理しなければならない。しかし,多くの学生は不規則な日常生活を送りやすいと考えられる。本学の学生に対しては,これまでの生活習慣をいかに行動修正・行動変容させるかは筆者の責任と考え,講義している。最初に学生の体脂肪率測定を行い,これまでのライフスタイルを生活に関する調査でチェックした。そこで,まず自分の身体とライフスタイルを確認し,興味・関心を持つこと,そこからの出発なので学生の中に講義内容が浸透しやすかった。健康の3本柱である《食事》《休養》《運動》に於いて,最低気をつけたい具体的目標をかかげた。《食事》(1)朝食を摂る(2)三食きちんと取る《休養》(1)平日と休日の起床・就寝時刻を同じにする(2)その日の内に寝る《運動》(1)日常生活での姿勢に気をつける(2)できるだけ歩く…これらは簡単そうに思えるが,実はこれを実行し,継続することは意外と大変である。しかし,体育講義受講後はダイエットしようと考えていた学生も間違った方向に行かないように考えていた。そして,各自可能な内容を1週間,2週間と行動修正し,継続できた者が結果的にダイエットに繋り,更に精神的にも前向き・意欲的になり,他学生にも報告し自他共に認めていた。また,9割の学生は少なくとも何らかの形で,健康に気をつけて生活できるようになったと記述していた。今後もこれが行動変容として習慣化されることを願っている。
著者
藪下 聡
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.43-49, 2014-03-21 (Released:2014-03-21)
参考文献数
16
被引用文献数
2

重原子系電子状態計算手法の一つとして,1成分L-S基底を多電子配置関数として用いるスピン軌道配置間相互作用法(SOCI法)を開発・応用してきた.特に計算効率を高くするには,群論を効果的に用いることが重要である.まずU (2n)群の生成演算子の結合定数をGUGA法によるセグメント積で表現した.さらに偶数電子系に対しては,通常のMs固有関数形のスピン関数の代わりに,時間反転操作に対して不変である「実数スピン関数」を用いることにより,SO相互作用を含むハミルトニアン行列を実対称行列に変換し,さらに二重群の意味で特定の既約表現ブロックだけの計算を可能とした.奇数電子系においても,計算効率を維持したまま,直接法による大規模SOCI計算を可能とする方法を用いている.

1 0 0 0 OA 輿地誌略

著者
内田正雄 編訳
出版者
中外堂
巻号頁・発行日
vol.巻5 欧羅巴洲, 1880
著者
神郡 博 田中 いずみ
出版者
富山大学
雑誌
富山医科薬科大学看護学会誌 (ISSN:13441434)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.169-177, 1999-03

病院に働く看護婦は様々なストレスに曝され, 様々な精神保健問題に悩まされていることはよく知られている.しかし, これらの問題を扱った研究はわが国ではあまり見られないそこで我々はこの問題を明らかにするためにこの研究を計画し, 307名の看護婦を対象にかれらが経験している精神保健問題を調べ, 以下のような結果を得た.1)調査した対象者の81%は何らかの精神保健問題を経験し, そのうち5人に1人は精神的問題を持ち, 不眠や食欲不振, 抑うつなどの精神的・身体的不調を感じていた.2)また, 殆どの看護婦は精神保健問題の原因は彼等の対処方法, 仕事の能力, 職場の対人関係, および家族の問題にあると思っていた.3)若く経験の浅い看護婦はその原因を仕事にあると考え, 年配の経験のある看護婦はその原因を子供の養育にあると考えていた.4)対象者の3人に2人は看護婦として大らか, 生真面目, 社交的などの望ましい性格傾向を持っていた.そして大らかな人ほど精神保健問題の経験も少なかった.5)対象者のとっている, 精神保健問題の主な対処方法は寝る, おしゃべりをする, 本を読む, 音楽を聞く, 旅行をするであった.6)これらのことを考えると, 看護婦の仕事に影響する様々な精神保健問題の解決に当たっては, 看護婦自身の努力もさることながら, 病院が看護婦が気軽に利用できる効果的なカウンセリング機構を創り, そのニーズに応えることが重要である.
著者
今井 孝成 飯倉 洋治
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.1006-1013, 2003
被引用文献数
33

目的 食物アレルギーの臨床は混乱している.これは詳細な病態生理が未だ不明であることはもちろん,その疫学データが少ない点も一因となっている.我々は今後の基礎研究,臨床診療に寄与することを目的とし,即時型食物アレルギーに関する全国疫学調査を行った.方法 国内100床以上で小児科を有する病院2689施設に対し,"何らかの食物摂取後60分以内に症状が出現し,かつ医療機関を受診したもの"を対象とし調査分析を行った.結果 回収率は60.4%で,該当症例のあった498施設の1420症例を対象として検討した。平均年齢は6.7歳±13.1 (平均±標準偏差)であった.頻度の多かった原因食品は鶏卵,乳製品,小麦であり,以下ソバ,魚類,果物類,エビが多かった.症状は原因食品摂取後24.2分±19.4(平均±標準偏差)で出現し,皮膚,呼吸器症状が多く見られた.結論 本結果を基に厚生労働省はアレルギー表示制度に関する省令を一部改正し,卵,乳,小麦,ソバ,落花生の表示を義務化した.
著者
安川 正敏 長野 慶一郎
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.135-PLATE II, 1960-04-25

白レグの成鶏(♂)に, Ta^<182>の0.05〜1.5μc/g を皮下注射し, 血漿蛋白分屑に及ぼす影響を中心に追求し, つぎの結果をえた. 1. Albuminが減少した. 投与量の多い,1.5μc/gおよび0.5μc/gにおける減少は特に顕著で, Albumin peakがφ位成分あるいはγ Globulinのそれよりも低いPatternを示した. 2. Albumin減少に対し, 相対的に増加する分屑は一定してない. 3. 血球像の変動としては, 赤血球および白血球(特にHeterophylic L.)の増加が所見された. 4. Ta^<182>は肝, 肺に最も多く蓄積し, 脾, 腎がこれにつぐ.
著者
小原 聡司 赤坂 裕 黒木 荘一郎
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学工学部研究報告 (ISSN:0451212X)
巻号頁・発行日
no.32, pp.p155-161, 1990-09

In a previous paper, we reported the characteristics of transient heat conduction of slabs with natural convective voids. In the present paper, we analyzed the characteristics of the slabs withforced convective voids. This analysis simulates the practical case that they are used as air conditioning duct spaces.The simulations were carried out for two cases : i. e., the all day air-conditioningmode and the intermittent air-conditioning mode, in which the voids are used as the ducts for 10 hours continuously a day. In addition, the heating and cooling modes were considered for both air-conditioning modes.To study the effects of the heat transfer at the surface of the void on the overall heat conduction, we changed void air velocity into five values and the void surface emissivity into two values.The calculations of the heat flux, mean surface temperature and void air temperature in the different cases were compared.
著者
MATSUZAKI Kenji
出版者
東北大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

本年度では本近海沖(北日本、南日本)の海洋コアのデータ出しが終了し、約200万年間の黒潮暖流と親潮の流れの方向、強さ、そして当時の古水温の復元ができました。約200万年から100万年前の時代では南日本の結果によりますと黒潮の影響が弱く全体的に南日本から北日本までは寒い気候を示していることを復元しました。100万年前からは黒潮暖流の強さがとても強くなったことが本研究で分かりました。100万年前から現在までは黒潮の影響はさらに強くなり日本列島に温暖な気候がもたらされたことが本研究で復元しました。そのなかで約30万年前からは北日本のデータによりますと、親潮の影響が強くなったことを復元しました。北日本ですと30万年前からは黒潮と強い関係を持っている津軽暖流は親潮と同時に影響が強くなったことが分かりました。この設定は湧昇な海洋設定を作り地方に高い生産性の海水になったことを復元しました。現在の北日本の海洋設定は約30万年前につくられたことと考えています。黒潮が約100万前から影響が強くなり少しずつ現在の設定になったことを復元しました。本研究で復元しました古海洋復元、とくに暖流の影響の強さの変化は地球が太陽からもらうエネルギー、そして北半球の氷床の面積が広がったことによって行った環境変動ではないかと現在は考えています。今後の研究の課題にすることを考えています。現在は結果を3つの国際ジャーナルに投稿中です。一つはレフェリーの結果待ちです。
著者
佐藤 恭道 大熊 毅 別部 智司 戸出 一郎 雨宮 義弘
出版者
日本歯科医史学会
雑誌
日本歯科医史学会会誌 (ISSN:02872919)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.87-92, 1999-09-30

ボーイスカウト運動の創設者, R.S.S. Baden-Powell (以下,B-P)が著した"Scouting for Boys"の初版(1908年・改訂成本版)の「歯」に係わる項目について考察した.内容は,ユーモアを交えて書かれた,歯が悪いために採用されなかった志願兵の話,具体的な歯磨きの習慣について,詳細な図で説明された房楊枝に似た小枝を利用した歯ブラシ,ボーア戦争当時,歯が悪いために本国に送還された兵士の話,また歯ブラシに対するカウボーイやアフリカに住む白人の話などが認められた.これらの記述はB-Pのインド,アフリカにおける軍隊生活における経験のみならず,19世紀後半から20世紀にかけて,歯科医学の進歩に裏打ちされたものであると考えられた.また20世紀初頭における少年向け書籍の中で歯口清掃の啓蒙と野外で応用できる歯ブラシの作成法は特筆すべきものであり,当時の口腔衛生に関する世相を知る上で一つの資料になるものと考えられた.
著者
白石忠明
雑誌
鶏病研究会報 (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.162-167, 1989-09
被引用文献数
3
著者
Amo Kikuko Hidekazu Arai Uebanso Takashi Makiko Fukaya Megumi Koganei Hajime Sasaki Hironori Yamamoto Yutaka Taketani Eiji Takeda
出版者
日本酸化ストレス学会
雑誌
Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition (ISSN:09120009)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.1-7, 2011 (Released:2011-06-30)
参考文献数
52
被引用文献数
12 53

Xylitol is widely used as a sweetener in foods and medications. Xylitol ingestion causes a small blood glucose rise, and it is commonly used as an alternative to high-energy supplements in diabetics. In previous studies, a xylitol metabolite, xylulose-5-phosphate, was shown to activate carbohydrate response element binding protein, and to promote lipogenic enzyme gene transcription in vitro; however, the effects of xylitol in vivo are not understood. Here we investigated the effects of dietary xylitol on lipid metabolism and visceral fat accumulation in rats fed a high-fat diet. Sprague-Dawley rats were fed a high-fat diet containing 0 g (control), 1.0 g/100 kcal (X1) or 2.0 g/100 kcal (X2) of xylitol. After the 8-week feeding period, visceral fat mass and plasma insulin and lipid concentrations were significantly lower in xylitol-fed rats than those in high-fat diet rats. Gene expression levels of ChREBP and lipogenic enzymes were higher, whereas the expression of sterol regulatory-element binding protein 1c was lower and fatty acid oxidation-related genes were significantly higher in the liver of xylitol-fed rats as compared with high-fat diet rats. In conclusion, intake of xylitol may be beneficial in preventing the development of obesity and metabolic abnormalities in rats with diet-induced obesity.
著者
窪田 祐一
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、アライアンス、アウトソーシング、M&Aといった事業再編のための管理会計の役割を調査した。アライアンスでは、組織内インターラクションが組織間成果に影響を与えることが明らかになった。また、アウトソーシングでは、日本企業のサプライチェーンの国際化、複雑化、抜本的見直しの観察から、学習や能力に関する理論的・実務的課題を明らかにした。加えて、被買収企業へのミニ・プロフィットセンターの導入ケースの研究では、マネジメント・コントロールのパッケージの存在を明らかにし、過去のコントロール・パッケージの導入・変更についての経験と知識が他の事業再編に役立つ可能性を見いだした。