著者
Yamazaki Kazuo
出版者
日本昆虫学会
雑誌
Entomological science (ISSN:13438786)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.171-178, 1998-06-25

Community patterns of early spring moths in four secondary forests of Kyoto were studied by molasses trapping with special reference to the vegetation. A total of 1086 individuals belonging to 27 species of Hadeninae, Cuculliinae (Noctuidae), and Thyatiridae were caught in 1993-1995. Orthosia spp., Agrochola evelina, and thyatirids were abundant in woodland with predominant deciduous Quercus trees, while Rhynchaglaea spp. were abundant in woodland dominated by evergreen oaks. The effectiveness of the molasses traps increased with rising air temperature, but declined after April. To survey early spring moths using molasses traps, the season and air temperature should be checked.
著者
宮内 肇 栗山 繁
出版者
松江工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

アーチェリーにおいては、射形の変動は得点に大きな影響を及ぼす。このスポーツは、高得点を得るために、同じ射形を繰り返す必要がある。普通はコーチの指導の下で、繰り返しの練習で射形の安定を達成するものである。しかしながら、高校や高専の部活動においては、専門のコーチを置くのは難しい。そこで、我々は、アーチェリーの競技力を工学的な手法で伸ばすことを考えた。この研究においては、フィジカルコンピューティングを用いた様々なトレーニング装置を考案した。この装置によって、射手は、自分の射形の癖などを把握することができる。
著者
二宮 浩彰 工藤 康宏 石澤 伸弘
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、北海道のスポーツ・ツーリズム動態を把握した上で、外国人旅行者を魅了するスポーツ・ツーリズムの観光資源を探るための調査研究を実施することを目的とした。北海道におけるスポーツ・ツーリズムの観光資源を目当てに訪日しているヨーロッパ、北米、アジア、オセアニアからのインバウンド外国人旅行者に焦点を当てることにした。北海道ニセコ地域の訪日外国人スポーツ・ツーリストを調査対象として、スキー/スノーボードの参加と経験、技能と知識、用具と投資、ライフスタイル、スキー/スノーボード旅行の選好、ニセコリゾートへの地域愛着、個人属性について、英語/中国語による質問紙調査を実施してデータを収集した。結果として、外国人スキーヤー & スノーボーダーのスポーツ・ツーリスト行動の実態を明らかにすることができた。そして、ニセコ地域の現状についての聞き取り調査を行い、外国人スキーヤー & スノーボーダーの来訪動向と現地調査の研究成果との検証を行った。
著者
大塚 泰介 中村 優介 向井 康夫 岩渕 成紀
出版者
日本珪藻学会
雑誌
Diatom (ISSN:09119310)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.42-47, 2013-12-31 (Released:2013-12-19)
参考文献数
26

Diatom assemblages in a rice paddy inundated by the 2011 Tohoku Earthquake tsunami were studied. We collected diatom samples from a rice paddy in Sabusawa Island in Miyagi Prefecture on 14 August 2011. The rice paddy was intruded by seawater during the high tide of the spring tide as a result of destruction of the coastal levee and the land subsidence after the earthquake. The salinity of the paddy was slightly higher than that of the coastal seawater, and naturally, rice was not cultivated at that time. In total 117 diatom taxa (including 22 unidentified ones) belonging to 50 genera were observed. The diatom assemblages consisted of fresh, brackish, and marine water species, and moreover, extinct Miocene marine diatoms. The dominant species was Tabularia parva on Zannichellia palustris and in a floating algal floc, and Navicula phylleptsoma on the surface soil. Halamphora luciae was subdominant in all samples. Judging from the past literature, these diatoms all tolerate changes in salinity.
著者
加藤 貞夫
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.424-427, 1981-03-31
被引用文献数
1

この報告は, 筆圧を用いた事務作業負荷の測定方法を開発するために行なった基礎的な実験の結果について述べている.実験では転記・暗算・電卓操作の3種類の作業が, 12名の被験者に課せられ, 各被験者の筆圧が各作業の前後で測定された.実験で得られた筆圧の変化率を分析した結果, 筆圧の変化率は肉体的負荷が強い転記作業では正の値を示し, 精神的負荷が強い暗算作業では負の値を示すことが認められた.電卓作業では両作業の間の値を示した.この結果は事務作業負荷を測定する方法を開発するさいの重要な手掛りとなる.
著者
塩谷 孝夫
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

心筋の細胞膜には、細胞膜Caポンプ(PMCA)とNa/Ca交換(NCX)の2種類のカルシウム輸送体が存在する。本課題ではマウス心筋細胞からのホールセルクランプ記録と局所Ca2+濃度分布のコンピュータシミュレーションを用いてこれらの機能連関を調べ、次の結論を得た。1)心筋細胞のPMCAは自身の近傍の細胞内Ca2+濃度を低く維持し、その局所Ca2+濃度をシグナル媒体としてNCXを調節する。2)このNCX調節はリバースECカップリングを抑制し、活動電位の過度な延長を防止する。
著者
仲本 秀四郎
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
ドクメンテーション研究 (ISSN:00125180)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.161-168, 1981-04-01
被引用文献数
1

情報の挙動を計量化し,数学的に取扱うことによって,その現象や特性を記述しようとする計量情報学の理論と実際の両面にわたる活動を要約して紹介する。60年にわたる歩みを概説した後,測度,諸概念ならびに法則性をのべ,それぞれの内容を明確にした。図書館や情報管理に応用できるばかりでなく、科学や科学者の研究にも適用した例をあげ,批判にも言及した。データベース化と電算機解析が,この分野の発展の重要な手段となり,情報学での重要な領域となることが期待されている。
著者
芋生 憲司 横山 伸也 海津 裕 岡本 嗣男
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

自律走行や,精密農法で必要となるナビゲーションシステムを低コストで実現するために,高精度の超音波速度計,光トランスポンダ方式による測距装置,およびオプティカルフローによる移動ベクトル検出の開発研究を行った。主な研究成果は以下の通りである。超音波速度計については、著者らが以前に開発した超音波ドップラー速度計を改良し,精度を向上させた。これによりコンクリート面のような滑らかな路面でも安定した測定が可能になった。屋外での車載試験でも良好な結果が得られた。また擬似植物を音波の反射対象とした実験を行い,測定が可能なことを確認した。しかし植栽の密度が低い場合は誤差が大きくなった。更に,横滑りも含めた速度ベクトルを測定する可能性を確認した。光トランスポンダによる位置測定については,一方向に限っての,拡散光による高精度の距離測定は可能であり,標準誤差は約3cmであった。しかし全周方向の測定器では方向による位相ずれが生じ,これを調節する必要があった。全周方向での測定では,日射量が少なければ,標準誤差は約5cmであった。日射量が多い時には,測定可能距離が短くなり,測定精度も低くかった。信号増幅等改良の必要がある。固定局2局と車載した移動局による位置測定は可能であったが,温度ドリフトの問題が残された。オプティカルフローによる移動ベクトル検出については、ハフ変換を用いることで計算時間を短縮した2つのプログラムを作成した。一回の計測のための計算に要する時間は,約0.3sであり,従来の二次元相関法に比べて大幅に短縮された。移動距離に対する移動ベクトルの測定誤差の割合の平均値は約5%であった。測定範囲は今回の設定では,DX,DY各±30mm以内であり、リアルタイム測定には更なる改良が必要である。
著者
田口 友康
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.40, pp.67-72, 2002-05-18
被引用文献数
4

音楽作品は演奏表現によって異なる印象を与える。本研究は、演奏上の物理的な変量を制御することによってどのような演奏表現の表出が可能かという問題を取り扱う。表題のピアノ曲について主としてその運動感が得られるような速度、音量、継切、非同時打鍵、ダンパーペダル深さの各パラメータを時間発展的に与えることを筆者自身の実験によって行った。ここに速度は記譜音価の伸縮、音量はラウドネスの等感曲線に基づく変量の大小、継切は発音音価と記譜音価との比で定義される充填率によって記述する。対象とする曲について意図する演奏表現をまず言語的に記述して、次にそれを実現すると考えられる上記の5パラメータを拍時刻の関数として与えて具体的な演奏を生成した。報告では、第1楽章第1主題と移行部について、速度、音量、継切の3パラメータの時間発展図を示す。Music compositions give us different impressions when they are presented with different performace practices. This study deals with the problem on what effects the physical variables in piano performance, i.e., agogics, dynamics, articulation, non-synchorous key depression, and the depth of damper pedal, induce in the musical expression. The main concern is the realization of author's intention of musical exression in verbal statement that includes the expression of motion such as vividness, lightness, etc. The temporal change of agogics, dynamics and articulation is shown graphically from a realization of First theme and Transition of the first movement of Piano Sonata K. 311 by Mozart.
著者
関根 和江
出版者
東京藝術大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

シモン・ゴールドベルク旧蔵資料が、2010年、東京藝術大学音楽研究センターに一括寄贈され、「シモン・ゴールドベルク文庫」として資料整備が開始された。資料全6524点の整理がほぼ終了し、その内容を広く国内外に紹介し、資料利用に供する準備が整いつつある。本研究では、初年度に、文庫公開の第一歩として展覧会「シモン・ゴールドベルク資料展」を開催し、文庫資料の初公開を果たした。また、次年度には、文庫資料目録を日本語版と英語版で出版し、さらに、センターのホームページ経由で、データを発信することができた。
著者
Po-Yu Liu Chin-Fu Lin Kwong-Chung Tung Ching-Lin Shyu Ming-Ju Wu Jai-Wen Liu Chi-Sen Chang Kun-Wei Chan Jin-An Huang Zhi-Yuan Shi
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
Internal Medicine (ISSN:09182918)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.431-438, 2013 (Released:2013-02-15)
参考文献数
50
被引用文献数
6 43

Objective Shewanella bacteremia is an uncommon but potentially fatal disease. Although hepatobiliary diseases have been proposed to be risk factors for various Shewanella infections, little is known about the features of Shewanella bacteremia in patients with hepatobiliary diseases. This study aims to characterize the presentation and risk factors of Shewanella bacteremia in patients with hepatobiliary diseases. Methods We retrospectively investigated the clinical features, microbiology and outcomes of patients with Shewanella bacteremia who were admitted to a tertiary medical center between January 2001 and December 2010. All isolates were confirmed to the species level using 16S rRNA sequencing analyses. The English language medical literature was searched for previously published reports. Results Fifty-nine cases of Shewanella bacteremia, including nine at the hospital, were identified, 28 (47.4%) of which involved underlying hepatobiliary diseases, representing an important risk factor. In 12 of the 28 cases, the infections involved the hepatobiliary system; with a tendency towards an Asian origin. In our case series of nine patients, Shewanella haliotis was isolated in five patients. The majority of our patients lived in coastal areas, consumed seafood regularly and developed bacteremia during the summer season. Conclusion It is recommended that the possibility for Shewanella infection be considered in patients with bacteremia and also underlying hepatobiliary diseases, particularly if patients present with hepatobiliary infections, a history of seafood, or development of the disease during the summer.
著者
平田 道憲 今川 真治 正保 正惠 田丸 尚美 八重樫 牧子
出版者
広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

(1) 「子育て共同化」プログラム実施のための国内,国外のアンケート調査を実施し,「子育て共同化」プログラムに関する母親のニーズを明らかにした。(2) 国内・国外の先行事例を研究した。(3) 「子育て共同化」プログラムを試行し,参加者の育児不安の変化やニーズを明らかにした。(4) 父親の子育て参加のためのワークショップを実施した。(5) 「子育て共同化」プログラムの行政・民間機関との連携についての研究が今後の課題である。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.9, no.8, pp.106-109, 2010-05-04

「足が太くなるなんてウソ。女性にこそ自転車はいいと思います」。こう語るのは建築デザイナーとして働く風間明子さん。職業柄、週2〜3回、施主との打ち合わせやプレゼンがある日はスーツを着て電車で出勤。しかし、内勤の日は片道20kmを駆け抜けるツーキニストに変身する。 自転車通勤は2009年春に始めた。
著者
中尾 恭三
出版者
大阪大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

ヘレニズム時代、諸ポリスは自国の安全のため都市・領域・神殿の不可侵(アシュリア)を認める条約を締結するよう諸国に求めた。前 3 世紀アシュリア条約が記録されるようになった当初は、神殿で開催される祝祭期間中の休戦条約から発展したものであった。前 3 世紀半ば以降、この神殿への不可侵が神殿を含むポリスの領域にまで敷衍されていき、付帯条項のよって不可侵を定義していくことによって、ヘレニズム時代におけるポリスの外交上の戦略として用いられるようになる。 このアシュリアが、一国では生存の難しい古代地中海のポリスにとって、他国とのネットワークを形成し、長期的に維持する基盤の 1 つとしてはたらいていた。
著者
袴谷 憲昭
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤大学佛教学部論集 (ISSN:0389990X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.210-190, 1975-10
著者
丸山 陽子
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

歌人兼好周辺の僧侶の歌壇活動に関する研究として、三井寺周辺の和歌活動の考察を進展させた。特に、僧侶の和歌史料に乏しい一三世紀中頃から一四世紀初頭の三井寺周辺の僧侶の和歌を中心に収め、三井寺僧とその周辺のネットワークを知る上で有益な資料となる『新三井和歌集』に着目し、成立と性格を具体的に考察した点に意義がある。昨年度までの研究成果を踏まえ、まずは官位記載や詞書等から成立時期の考証を行い、これを踏まえて人物考証を深め、明らかとなった人物の関係に修正を加えながら系図化した上で、収められた人物や詞書、及び和歌の内容を、より具体的に掘り下げた。その結果、聖護院門跡覚助法親王とその周辺の活発な和歌活動がクローズアップされ、特に覚助はこの時代の有力人物であり、歌人として幅広い活動を行ったことが明らかとなった。一方、三井寺周辺の僧侶の考察と共に、歌人兼好周辺の神官の歌壇活動に関する研究を行った。昨年度までに行ってきた『伊勢新名所絵歌合』の新名所設定の意図や法楽としての歌合の性格等の考察、即ちこれらをまとめた論文及び著書の研究成果を踏まえ、刊行予定の『伊勢新名所絵歌合』の注釈書の執筆を進めた。この歌合には絵と和歌があることから、和歌の注釈に終始せず、今年度は更にフィールドワークを重ねながら、『伊勢新名所絵歌合』の特徴である絵と歌合の関係を視野に入れた学際的な研究を目指した。この研究成果の一部は、「『伊勢新名所絵歌合』-絵と歌合の関係より-」として論文報告する予定である(校正中)。上記神官・僧侶の考察と並行して、『兼好法師』(コレクション日本歌人選・笠間書院)の執筆を行った。兼好の交流やネットワークといった研究成果を踏まえ、どういった歌人と交流し、どういった歌を多く詠んだか、という観点を盛り込み、兼好の和歌の特徴と面白さを引き出すことを目指した。校正中であり、2010年9月に刊行予定である。