著者
早田 幸政 青野 透 堀井 祐介 前田 早苗 富野 暉一郎 福留 東土
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

1.書面調査法科大学院について、日弁連法務研究財団、大学評価・学位授与機構、大学基準協会の専門職大学院認証評価システムを検討し、その特質を把握した(前田、堀井)。また経営系、会計系においては、AACSB等アメリカのアクレディテーションシステムを検討し、併せて国内におけるシステム構築に向けた動向や準備状況をABEST21、大学基準協会等諸機関のそれを中心に把握を行った(福留、渡辺)。公共政策系に関しては、アメリカのNASPAAの公式文書を手がかりに評価基準・プロセス等について詳細な検討を進めた上で、国内における公共政策大学院認証評価のアウトライン、認証評価手続規程案等を提示した(早田)。さらに、大学院プログラムに対する国際的な質保証のあり方についても考察を行った(前田、福留)。2.訪問調査国内の公共政策大学院の関係者を対象に、質保証の仕組み構築の可能性や必要性についての意識を聴き取り調査を通じ把握し、その概要を取りまとめた(早田、富野、渡辺)。またアメリカのNASPAAを訪問し、最新の情報の補充に努めた。3.その他研究代表者及び研究分担者の一部が、日本における公共政策系大学院に係る認証評価機関の設立に参与し、その準備に向けて、アクレディテーションに関する複数の資料(手続規程や訪問調査の手引き等)の翻訳をはじめ必要な諸作業を漸次進めてきた。
著者
小野 貴彦
出版者
広島市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

救急車による傷病者の搬送では,迅速性(病院に早く到着すること)と安全性(振動や加速度の影響で病態を悪化させないこと)が求められるが,これらはトレードオフの関係にある.本課題では,この2つの要求をバランス良く達成させるために,傷病者の病態や緊急性に応じて,搬送経路を最適に選択する方法を検討した.広島市の実際の道路情報に基づいて,経路を探索したところ,迅速性または安全性を優先させる場合で,それぞれ異なる経路が導出されるケースを確認した.このことから,特に,道路網が発達している都市部では,搬送経路の最適化によって,より高度な救急搬送サービスの実現が可能であることが示唆された.
著者
根岸 隆
出版者
日本学士院
雑誌
日本學士院紀要 (ISSN:03880036)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.61-74, 2013-02
著者
三河 隆之
出版者
明治大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

研究課題の最終年度にあたる本年度は、ジャンケレヴィッチの思想にかんしてこれまで行なってきた基礎的な読解作業および考察の成果をふまえつつ、ジャンケレヴィッチ思想の根幹にかかわる部分に関し、問い直しの作業に従事した。より具体的な内容としては、形而上学的色彩が最も強く、哲学史的文献への参照も顕著な著作である『第一哲学』を中心に、同書ほか、主に戦後の著作にひんぱんに登場する、特異な自己性をあらわす「イプセ(ipse)」とその射程をめぐって分析を行なった。従来のジャンケレヴィッチ論では、その議論や用語法の独自性を抽出するといった方向性が顕著であったが、報告者はむしろ哲学史的伝統との密接な接続関係に着目し、そこに彼の師ヴァールにも通底する神人同型論的な視角を再発見するに至った。すなわち、現代の思想家としてのジャンケレヴィッチ像とはべつに、(宗教論的な側面も含め)きわめてオーソドックスな"西洋思想"の系譜上に位置するジャンケレヴィッチの姿が望見できることを示したことになる。なお、前二年度から継続して、本研究課題に相対的観点を導入する目的から、ジャンケレヴィッチと同時代に、かれと同様ソクラテス的道徳実践の考察に注力した日本の哲学者である出隆の思索についても考察した。今年度は、出がある時期から精力的に発表するようになっていったエッセー的著作について、その内容の分析を行なうことを通じ、その動機や存在意義について考察を行なった。
著者
土屋 千尋
出版者
新潟大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1993

外国人日本語学習者の日本語発話において、韻律を構成するたかさ・つよさ・ながさのうち、特に、母音のながさに焦点をあてて、研究をおこなうことにした。筆者のこれまでの研究で、日本人の発話の母音の長短をしらべると、長短の区別が明確でないことがわかってきた。日本語教育では、短母音は1拍、長母音は2拍のながさである、とおしえているのだが、これはかならずしも日本人の発話の現実に基づいていないといえる。したがって、外国人学習者が、漢字のよみ方テストで、母音の長短の区別をまちがえるのは日本人の発話の現実を反映して、音声的事実を表記にもちこんでいることによるのではないかとかんがえた。まず、新潟大学留学生に対して筆者が定期的に実施している漢字よみ方テスト(93年度実施、1課〜16課、のべ枚数280枚、1枚につき出題漢字の平均数64)より母音の長短のあやまりを採集し、どの語のあやまりの頻度がたかいか調査した。その結果、拗音をふくむ漢字、および拗音に隣接している漢字に関して、母音の長短のあやまりの頻度がたかいという傾向がみられた。あやまりの頻度のたかい漢字をふくむ25の語彙リストを作成し、新潟大学留学生27名によみあげてもらい収録した。現在、「音声録聞見」で分析をおこなっている。27名の内訳は、中国7、香港1、韓国1、マレーシア9、インドネシア1、タイ1、モンゴル2、イギリス2、イタリア1、ギニア1、中国帰国者子弟1名である。また、標準となすべき日本語音声資料としてNHKお昼のニュースを47日分録音した。今後、この音声資料を留学生にきかせ母音の長短をどのように知覚しているか調査をおこなう。その上で、外国人学習者が、日本語の母音の長短がききわけられないのか、いいわけられないのか、もしくは、ある漢字の音価がながいかみじかいか知識としておぼえていないのか、学習者の母音とも関連づけてしらべていく予定である。
著者
斎藤 晶 佐藤 孝夫
出版者
北海道立林業試験場
雑誌
光珠内季報 (ISSN:09132430)
巻号頁・発行日
no.48, pp.6-16, 1981-04 (Released:2011-03-05)
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア21 (ISSN:13463799)
巻号頁・発行日
no.174, pp.45-47, 2004-04

まず、小児科関連で注目すべきは、夜間や深夜、休日に6歳未満の乳幼児を診た場合、診療時間内であっても、初・再診料に時間外・深夜・休日加算を算定できる特例が、小児科を標榜する医療機関に限り設けられたことだ。 例えば、診療時間が平日の午前8時〜正午、同午後5時〜午後11時だったとする。
著者
Tomohiro Asai Naoto Oku
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.201-205, 2014-02-01 (Released:2014-02-01)
参考文献数
30
被引用文献数
8 14 8

Gene silencing mediated by RNA interference (RNAi) is expected to have a beneficial impact on the treatment of many diseases because of its potency, selectivity and versatility. To maximize the potential of RNAi effectors such as small interfering RNA and microRNA in clinical therapy, the development of a practical delivery system is required, especially for systemic administration. Recent studies demonstrated that chemical modification of these small RNAs and/or encapsulation of them into lipid nanoparticles is a promising strategy to achieve targeted delivery via systemic administration. In this review article, we introduce recent progress of the research on systemic delivery systems for RNAi therapeutics and consider crucial elements for the design of lipid nanoparticles as a small RNA vector.
著者
川野 哲也
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

数値モデルを用いて梅雨前線帯低気圧(BFD)の構造と発達過程を調査した。梅雨前線帯の特徴が東西で異なることに着目し,水蒸気が豊富な西部で発達する低気圧をW-BFD,傾圧性が相対的に大きな東部で発達する低気圧をE-BFDという2つのカテゴリーに分け,それぞれの発達過程を調査した。まず,各カテゴリーの典型事例の再現数値実験を行った。有効位置エネルギーの収支解析と潜熱加熱を除いた感度実験の結果は,BFD発達における潜熱加熱の重要性を明らかにした。特にW-BFD発達において潜熱加熱は決定的な役割を果たしていた。さらに,東西一様な環境場を用いた理想化数値実験によってこれらの発達過程の特徴が確認された。
著者
板尾寿彦
雑誌
日外会誌
巻号頁・発行日
vol.91, pp.407-410, 1990
被引用文献数
3
著者
嘉悦孝子 著
出版者
聚芳閣教育部
巻号頁・発行日
1926
著者
棚橋絢子 訳註
出版者
大正書院
巻号頁・発行日
1912

1 0 0 0 OA 曹大家女誡

著者
班昭 撰
出版者
富山房
巻号頁・発行日
1935
著者
尾崎 一郎 高橋 裕 池田 公博 濱野 亮 ヴァンオーヴェルベケ ディミトリ
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

ベルギー、ドイツ、フランスにおいて、陪審・参審員経験者、および裁判官、弁護士、研究者、ジャーナリスト等へのインタビューやアンケートによる調査を行った。その結果、陪審/参審制度に対する、現場を最もよく知る専門家による強い批判ないし廃止論と、無知・無関心だが法廷経験を通じて制度の正統性を肯定的に評価するに至る一般市民の意識変化との、複雑な交錯を見出せた。これは、歴史的に一定の定着を見ている制度をめぐる根源的で非自省的な正統性と、機能主義的で自省的な正統性との、次元の異なる二重の正統性の現れである。