著者
草地 省蔵 三好 亨 廣畑 聡 小川 弘子
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

心筋梗塞におけるADAMTS4の発現を検討した。梗塞心の梗塞辺縁領域に強いADAMTS4の発現誘導を認めた。次にADAMTS4ノックアウトマウスを用いて解析を行った。まず、ADAMTS4ノックアウトマウスの心臓形成には明らかな異常は認めなかった。次にADAMTS4ノックアウトマウスを用いて心筋梗塞を作成し、野生型と比較した。梗塞後の生存率には有意な差はなく、炎症細胞の浸潤度および梗塞後の心機能にも有意な差は見られなかった。以上より、19ある他のADAMTSメンバーがADAMTS4ノックアウト心筋梗塞マウスにおいて代償的に働いている可能性が示唆された。
著者
加藤 浩徳
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は,業務目的の交通時間節約価値を包括的かつ理論的に分析することを通じて,情報通信技術の進展が交通行動及びプロジェクト評価に与える影響を検討することを目的とする.まず,業務交通を分析する上では,交通の意思決定者,交通時間節約に支払意思を持つ主体,移動中の労働の有無,業務交通のスケジュール,労働時間外の賃金支払いの有無が,留意すべき点であることを示す.その上で,被雇用者,雇用者,および両者の共同意思決定を含めた10の時間配分モデルを定式化し,それらから交通時間節約価値を導出する.最後に,以上の分析から得られる示唆を整理した.
著者
樋口 哲也 北野 宏明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.871-883, 1993-07-15
参考文献数
49
被引用文献数
21

遺伝的アルゴリズムは、組合せ最適化問題に対して適用できる汎用の探索技法である。近年、学習の新しいパラダイムとしても注目されつつある遺伝的アルゴリズムの、概要と応用について述べる。
著者
石井 登
出版者
現代文芸論研究室
雑誌
れにくさ
巻号頁・発行日
vol.2, pp.19-39, 2010-12-27

論文
著者
浜野 美代子 伊野 みどり MIDORI Ino
出版者
東京家政学院大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1985

我が国では, 1982年以来, がんが成人病の死因のトップを占め, このうち胃がんによる死亡者は, 最近では漸減の傾向にあるとはいえ, なお全がん死亡数の約1/4を占めている. 現在までに胃がんの病因物質は明らかではないが食生活と密接な関係があるといわれている. N-ニトロソ化合物は, 我々の身近に存在する発がん物質であって, 亜硝酸塩(NO^-_xとアミン類の反応生成物である. すでに300種類を超えるN-ニトロソ化合物の80%が実験動物で発がん性が証明されている. 我が国のように, 諸外国に比べ, 野菜(NO^-_2, NO^-_3)や魚介類(アミン類など)を多量に摂取していることが, 胃がんの死亡率の高いことに関連があるか否か明らかにされていない. しかし究明しなければならない課題である.今まで, 我々は食品中のN-ニトロソ化合物および前駆物質の存在量, 調理過程におけるN-ニトロソ化合物の生成や, 食事摂取後の唾液中の亜硝酸塩, 硝酸塩の変化などについて研究してきた. 更に, 今回は, モデル実験として人の胃内条件を想定し, N-ニトロソ化合物, 特に発ガン性の強いN-ニトロソジメチルアミンの生成および抑制について, Invitroにおける検討をしてきた. その結果, 食品成分が加わると, 単純に水溶液や人工胃液などで行う実験と異なり, 同じ生成あるいは抑制実験でも複雑になり, 単純に評価はできない. 更に, 人間には, 長きにわたる食習慣の問題や, 現在のように複雑多様化する食生活が胃がんとどのような関わりあいをもってくるか, また, 個個の人間がそれぞれの生活環境から受ける要因など, きめ細かな調査, 研究が今後の重要な課題である.

1 0 0 0 OA 前頭葉と統辞

著者
榎戸 秀昭
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.110-115, 1991 (Released:2006-11-10)
参考文献数
26
被引用文献数
2 2
著者
千葉・大金沢活断層調査グループ
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科学 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.405-419, 1999
参考文献数
34

この論文は,千葉市緑区大金沢において発見された活断層についての構造地質学的な記載と生成過程の解明を中心に,その発生時期および東京湾周辺地域における構造発達史上の位置づけをおこなったものである.1.本断層帯は,平行する2本の主断層(正断層)によって,落差9mのグラーベン状構造を示す.2.主断層は,立川ローム層のATまで切り,その直上に崩落堆積物がのる.また,断層をはさんで地層の層厚変化はみられないことから,本断層は約2万年前に1回の活動で形成したことがわかった.3.主断層は幅約数〜50cmの剪断帯を伴う.この剪断帯の内部は,無構造,流動構造,網状構造の3つの領域に区分される.また,これらの領域と密接に関係して3つのタイプの面構造が識別された.主断層F1面の近傍では,母岩の粉砕,すべり量,すべり速度がともに大きく,流動構造や無構造の領域が形成され,F1面から遠い領域では,粉砕,すべり量が相対的に小さく,網状構造や複合面構造が形成されたと考えられる.4.本断層は,東京湾地域における中・後期更新統の最大沈降部に隣接しており,その形態などから基盤断層の地表部への現れである可能性が指摘できる.

1 0 0 0 OA 場所の論理

著者
常俊 宗三郎 Souzaburo Tsunetoshi
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.1-13, 1996-05-20
著者
Rajan Ravindran Rathinasamy Sheela Devi James Samson Manohar Senthilvelan
出版者
(公社)日本薬理学会
雑誌
Journal of Pharmacological Sciences (ISSN:13478613)
巻号頁・発行日
vol.98, no.4, pp.354-360, 2005 (Released:2005-08-20)
参考文献数
26
被引用文献数
31 75

In this modern world, stress and pollution are unavoidable phenomena affecting the body system at various levels. A large number of people are exposed to potentially hazardous noise levels in daily modern life, such as noise from work environments, urban traffic, and household appliances. A variety of studies have suggested an association between noise exposure and the occurrence of disorders involving extra-auditory organs such as disorders of the nervous, endocrine, and cardiovascular systems. In this study, Wistar strain albino rats were subjected to 100 dB broadband white noise, 4 h daily for 15 days. The high-pressure liquid chromatographic estimation of norepinephrine, epinephrine, dopamine, and serotonin in discrete regions of the rat brain indicates that noise stress can alter the brain biogenic amines after 15 days of stress exposure. Ocimum sanctum (OS), a medicinal herb that is widely claimed to posses antistressor activity and used extensively in the Indian system of medicine for a variety of disorders, was chosen for this study. Administration of the 70% ethanolic extract of OS had a normalizing action on discrete regions of brain and controlled the alteration in neurotransmitter levels due to noise stress, emphasizing the antistressor potential of this plant.
著者
岡崎 正和
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は,算数と数学の接続を図る授業とカリキュラムを,小中学校の授業に関するデザイン実験を通して開発することを目的とした。理論的には,授業構成を支える認識論,数学教育学における理論形成,記号論的視点の検討を行った。実践的には,主として図形の包含関係,図形の定義,中学1年での比例に関して実験授業を行い,その質的分析を通して,算数と数学の接続に関する理論的・実践的な知見を抽出し,概念化を図っていった。
著者
濱田 知宏 佐久間 康夫
出版者
日本医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

視索前野性的二型核は雄で有意に大きい神経核として知られているが、その性差形成機構については、周生期のステロイドホルモンが重要であることを除いて良くわかっていない。本研究ではステロイドホルモン受容体遺伝子プロモーター遺伝子改変ラットを用いてこの神経核をGFP蛍光で可視化し、その性差形成過程をin vivoおよびin vitro両面から詳細に検討することで、神経核形成時の細胞移動がホルモンの調節を受け、雄性化を引き起こすことを示した。