出版者
鹿児島県畜産試験場
雑誌
鹿児島県畜産試験場研究報告 (ISSN:0389357X)
巻号頁・発行日
no.36, pp.98-103, 2002-12

薩摩鶏雄とロードアイランドレッド雌の交配による交雑鶏を基礎鶏とし、交雑鶏同士の交配を繰り返して作出した第12世代さつま地鶏について、育成期は2001年2月28日から8月21日までの175日間、成鶏期は2001年8月22日から2002年5月28日までの280日間性能を調査し、次の結果を得た。1.飼養成績。(1)育成期。175日間の育成率は、雌雄平均で88.7%、体重は3484g、飼料消費量は96.4g/日・羽、飼料要求率は4.94であった。(2)成鶏期。176~455日齢までの生存率は、雌雄平均で87.1%、体重は433g、飼料消費量は150.8g/日・羽、雌の産卵に対する飼料要求率は5.31であった。2.産卵成績。初産日齢は154日齢、50%産卵到達日齢は178日齢、53g卵重到達日齢は189日齢であった。産卵率は、平均で45.2%、産卵ピークは232~259日齢で、53.8%であった。3.繁殖成績。交配は自然交配で実施し、受精率、中止卵率、死ごもり卵率、対有精卵ふ化率および対入卵ふ化率は、それぞれ67.3%、7.4%、11.1%、81.5%および54.9%であった。
著者
楊 子震
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (国際政治経済学) 学位論文・平成24年3月23日授与 (甲第5980号)
著者
風間 啓敬
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

生体内において、死細胞はその死に方により炎症を伴う場合と伴わない場合がある。炎症を引き起こす能力を持ち貪食能を備えたマクロファージや樹状細胞などは、死細胞に付随する抗原を取り込み、提示する能力を備えているため、死細胞の除去後における免疫応答惹起の決定において重要な機能を担っている。末梢における自己抗原に対する免疫寛容の破綻は、リュウマチをはじめとする自己免疫疾患の原因機構と考えられるが、免疫寛容の誘導機構に未だ不明な点が多いため、疾患の原因も不明である。これまでの研究から、死細胞を貪食する樹状細胞か分子レベルで細胞内のHMGB1の酸化還元状態を感知し、獲得免疫を担う細胞の活性化を調節していることを報告した。そこで本研究では生体内でのHMGB1の酸化還元状態を検出する方法を確立し、生体内での機能を探索することを目的とした。そのために樹状細胞をはじめ、貪食細胞の活性化を簡便に検出するためのマーカーを探索するために、免疫寛容を誘導する機構の解析を行った。HMGB1のCys106の酸化により、次亜硫酸化システインが生成されると仮定してその検出を試みた。ビオチン化maleamideを用いて還元型を、ビオチン化dimedoneを用いて酸化型(キャッピングされた次亜硫酸化基)の検出をウェスタンにより試みたが、検出できなかった。他の研究室からの報告では亜硫酸化、硫酸化システインが質量分析により検出されたことから、化学修飾法による不安定な次亜硫酸化システインの検出はできなかったと考える。一方、末梢での免疫寛容の機構を解析するため、ハプテン化アポトーシス細胞の静脈注射によりハプテンを抗原としたアレルギー反応(DTH応答)の抑制実験を、PD-1を遺伝的に欠損したマウスにおいて行った。予想通り、PD-1を欠損したマウスではDTH応答が抑制されなかった。CD8T細胞がDTH応答抑制に関与していること、さらにCD8T細胞におけるPD-1の恒常的発現により本来の機能である細胞障害活性を阻害すること、が報告されていたことから抑制性CD8T細胞でのPD-1の発現上昇が予想されたが、実験結果からCD8T細胞でのPD-1の発現は抑制性CD8T細胞への分化や機能には直接必要ないことが示された。しかしこれまでの研究では、抑制性CD8T細胞分化に関わる、PD-1陽性細胞に同定には至っていない。
著者
小田 浩伸 藤田 継道 井上 雅彦
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.21-31, 1998-09-30

本研究では、音声表出言語が全くなく、かつ、音声理解言語が殆どない重度知的障害青年4名を対象に、2つのコミュニケーション機能(マンドvsタクト)と2つのコミュニケーションモード(受容vs表出)および2つのシンボル(写真vs身振り)から成る8課題について、獲得の早さと般化・維持の容易さが条件交替デザインによって比較された。その結果、4名全員が写真と身振りを用いたマンドの受容の2課題を除く6課題を獲得した。また、6課題の中では4名全員に共通して「写真によるタクトの受容」課題の獲得・般化・維持が最も容易であり、「身振りによるタクトの表出」課題の獲得・般化・維持が最も困難であった。シンボルが写真・身振りのいずれの場合でも、全対象児にとってマンドはタクトよりも表出モードでは獲得・般化・維持が容易であった。どちらのシンボルの場合でも、全対象児にとって、タクトでは受容モードの方が表出モードよりも獲得・般化・維持が容易であった。またシンボルは、全対象児にとって写真の方が身振りよりも獲得・般化・維持が容易であった。これらの結果から、音声理解言語も表出言語も乏しい重度知的障害児にとっては、実物と類縁性の高い写真や写像性の高い身振りをコミュニケーションの媒体とし、その産出が簡単なポインティングや身振りの獲得を目指した指導の有効性が示唆された。
著者
阿部 芳久
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.49-55, 1989-09-30
被引用文献数
1

本事例では、自閉児を対象にして、生活場面で機会利用型指導法を適用し、書字による要求言語を形成した。その後、指導成果の般化の状態から、要求言語形成、及び般化を促進するための先行要件について検討した。その結果、次のことが指摘された。要求実現のために大人を意図的に利用することが学習されていない自閉児に対しては、般化促進技術について論議する以前に、まず、要求充足者との依存関係を成立させることが必要であり、その後に、要求実現のための、充足者への働きかけの手段を豊富にしてやることが不可欠である。さらに、反応般化を促進させるためには、要求言語行動の一部となる語をできるだけ多く、あらかじめ形成しておくことが重要である。
著者
浅井 幹一 佐藤 労 天野 瑞枝
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.391-394, 2008 (Released:2008-08-28)
参考文献数
3
被引用文献数
1 1

高齢者終末期医療の決定プロセスについては,患者の意思を最重要として,患者,家族,医療·ケアチームで最善の医療を話し合うことが必要とされる.医療·ケアチームのなかで職種により終末期医療に対する認識が異なると,合意形成に影響が出る可能性があるので,職種別に終末期医療についてのアンケート調査を行い比較検討した. 1)延命治療に関しては医師が最も否定的であるが,終末期医療における説明については医師は十分であると感じても,他職種からみると不十分と感じられることが少なくない. 2)リビングウィルの取り扱いについては,法律を制定すべきとする考えが多い. 3)看取りについては,施設での終末期の看取りに賛成するものが多いが,介護職では施設の方針や体制によるとする意見が多く見られた.在宅終末期医療については,かつて在宅で看取りを行った経験や,在宅療養支援診療所の届出をしていることが促進する因子として挙げられた. 4)介護職については,終末期医療に対する意識が他職種と少し異なっている可能性に留意する必要がある. 以上,職種間の認識の違いに留意して,終末期医療·ケアの現場では情報の共有化と他職種との連携をはかる必要があると思われた.
著者
清池 恵美子 西口 光一 松本 隆
出版者
日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.127-145, 1986-02

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著者
上田 晴彦
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学教育文化学部研究紀要. 自然科学 (ISSN:03651649)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.23-30, 2013-03-31

佐藤信淵の天文学の書である『天柱記』には天体に関する独自の考えがちりばめられているため,江戸時代の日本天文思想を考察するうえで重要である。特に地動説については極めて斬新な見方をしているが,その事実がこれまであまり指摘されてこなかった。そのため本論文では「天柱記」の地動説に関する記述に注目し,佐藤信淵の天文思想のどの部分が重要なのかを,他の天文書と比較し考察した。またデカルトの渦動説との関係については,その類似性を指摘した。最後に『天柱記』刊行本の太陽図が違っている理由について,現在までの調査で判明したことを報告する。As Noburiho Sato's original idea about a heavenly body is inlaid into "Ten-tyuu-ki", it is important to know astronomical thought of Japan in Edo period. Although original descriptions about the Corpenican theory in "Ten-tyuu-ki" are very important, this fact has not been pointed out clearly until now. We therefore focus on descriptions about the Corpenican theory in "Ten-tyuu-ki", and examine the important idea of Nobuhiro Sato by comparing with other astronomical documents. Moreover, the similarity is pointed out between Nobuhiro Sato's idea and vortex theory of Descartes. We finally report the reason of the difference of solar figure between publication books of "Ten-tyuu-ki".
著者
Eiichi Watanabe Atsunobu Kasai Eitarou Fujii Kohei Yamashiro Pedro Brugada
出版者
日本循環器学会
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
vol.77, no.11, pp.2704-2711, 2013 (Released:2013-10-25)
参考文献数
39
被引用文献数
3 22

Background: Remote monitoring (RM) technology has emerged as a potentially efficient method to manage patients with implantable cardioverter defibrillators (ICDs) or cardiac resynchronization therapy defibrillators (CRT-Ds). This study evaluated the reliability of daily RM in forecasting the need for regular in-hospital follow-ups (RFUs). Methods and Results: Two hundred and fifteen patients implanted with Biotronik Lumax devices (142 ICDs, 73 CRT-Ds) were enrolled. RFU was performed at 3, 6, 9, and 12 months after implantation. Immediately before an RFU, the physician forecasted the need for RFU based on RM data (pre-RFU assessment). A completed RFU session was classified as necessary if an action was undertaken potentially influencing patient safety, device therapy, or medication therapy (post-RFU assessment). Overall, 663 pairs of pre- and post-RFU assessments were compared. The number of pre-RFU assessments failing to predict the need for RFU was 38 (5.7%), fulfilling the study hypothesis of 5.0±4.0% (P<0.002; 95% confidence interval: 4.1–7.8%). Judged by an independent committee, the rate of false pre-RFU forecasts with high clinical relevance was 2 (0.3%). RM correctly forecasted non-necessity of 498 scheduled RFUs (75.1%). Patient acceptance of RM was evaluated using a targeted questionnaire. Of 182 interviewed patients, 172 (94.5%) felt security and comfort. Conclusions: RM-based forecasts appear sufficiently accurate to safely individualize RFU. Most patients have a positive attitude towards RM.  (Circ J 2013; 77: 2704–2711)
著者
Eiichi Watanabe Atsunobu Kasai Eitarou Fujii Kohei Yamashiro Pedro Brugada
出版者
日本循環器学会
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
pp.CJ-13-0387, (Released:2013-07-30)
参考文献数
39
被引用文献数
3 22

Background: Remote monitoring (RM) technology has emerged as a potentially efficient method to manage patients with implantable cardioverter defibrillators (ICDs) or cardiac resynchronization therapy defibrillators (CRT-Ds). This study evaluated the reliability of daily RM in forecasting the need for regular in-hospital follow-ups (RFUs). Methods and Results: Two hundred and fifteen patients implanted with Biotronik Lumax devices (142 ICDs, 73 CRT-Ds) were enrolled. RFU was performed at 3, 6, 9, and 12 months after implantation. Immediately before an RFU, the physician forecasted the need for RFU based on RM data (pre-RFU assessment). A completed RFU session was classified as necessary if an action was undertaken potentially influencing patient safety, device therapy, or medication therapy (post-RFU assessment). Overall, 663 pairs of pre- and post-RFU assessments were compared. The number of pre-RFU assessments failing to predict the need for RFU was 38 (5.7%), fulfilling the study hypothesis of 5.0±4.0% (P<0.002; 95% confidence interval: 4.1–7.8%). Judged by an independent committee, the rate of false pre-RFU forecasts with high clinical relevance was 2 (0.3%). RM correctly forecasted non-necessity of 498 scheduled RFUs (75.1%). Patient acceptance of RM was evaluated using a targeted questionnaire. Of 182 interviewed patients, 172 (94.5%) felt security and comfort. Conclusions: RM-based forecasts appear sufficiently accurate to safely individualize RFU. Most patients have a positive attitude towards RM.
著者
大池 真知子
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

HIV/エイズに関する社会運動の一環として、アフリカで草の根の女たちが書いている文章を分析し、HIVの経験を女たちがいかにとらえ、書くことでいかに自己と社会を変革しているのかを考察した。ライフストーリーの聞き書き集では、語り手と書き手にギャップがあるため忠実な再現は困難であり、むしろ創作的な要素を含む「クリエイティブ・ノンフィクション」の手法が有効だと分かった。女たち自身が書くライフストーリーでは、母親が子どもに宛てて書く家族の記録「メモリーブック」が、家族が生き抜くのに有効であることが分かった。
著者
硲 哲崇
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.417-423, 2006 (Released:2007-09-06)
参考文献数
22
被引用文献数
1

摂食行動は,化学感覚である嗅覚・味覚の他に,食物の温度や硬さ,さらにはテクスチャーといった物理的な刺激を受容する体性感覚が存在しなければ円滑に行われることができない.本論文では,摂食行動に関与する口腔体性感覚の役割を概説し,さらにこれら体性感覚と化学感覚に優先性をもたせて動物が摂食行動を調節している様子について,筆者らの研究知見も踏まえて概説する.
著者
前田 明彦
出版者
高知大学(医学部)
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

Q熱(Coxiella burnetii以下Cb感染症)の臨床像を明らかにすることを目的に、発熱性疾患、原因不明の脳髄膜炎、および、不定愁訴を伴う不登校の小児を対象に、Cb感染症の病因的関与について、血清学的および分子細菌学的検討を行った。Cbゲノムの検出にはPCR法を、血清診断としては、蛍光抗体法による、I相菌抗体、II相菌抗体の各々IgG、IgM抗体を測定した。小児6例をQ熱と診断した。全例で、ペット飼育歴があり、遷延性の発熱(19日間〜7カ月間)が主訴であった。随伴症状に特異的なものはなく、不明熱2例、呼吸器感染症から髄膜炎に進展した例、SLE様症状、4カ月間持続する易疲労性のため不登校を呈した例など非特異的かつ多彩な症状を呈した。診断根拠は、全例血液中Cb-PCR陽性で、髄膜炎の1例を除いてCb抗体の上昇が確認され、他の感染症、自己免疫疾患は否定し得た。明らかな免疫不全症を有さないにもかかわらず、異なった複数の常在菌による敗血症を合併した例が2例認められた。4例においてはミノサイクリン、ドキシサイクリンの2〜3週間投与が奏効した。慢性Q熱と診断した3歳男児例では、テトラサイクリン系薬剤は無効、Cbの標的食細胞のアポトーシスを誘導するIFN γ投与が有効であったが、投与中止後に再発死亡した。肝脾腫、慢性疲労症候群を呈した2例では、Cbゲノムが間歇的に陽性となり、年余にわたる長期の治療、フォローアップが必要であった。不明熱ではQ熱を積極的に疑うことが、診断に重要であることが確認された。不登校を主訴とする12歳例はアジスロマイシンの間歇的投与により、Cbゲノムの陰性化に伴い、易疲労性および不登校は改善した。不登校児ではQ熱を鑑別することが必要である。
著者
上田 茂太
出版者
苫小牧工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

一般的に耐電圧の低い電気二重層コンデンサ(EDLC)を直列接続し電圧を高くして利用する場合、EDLCを直列接続したまま充電すると高い電圧の充電器が必要になるとともに複数のEDLCの電圧アンバランスが生じる。そこで、充電時には並列接続、放電時には直列接続に変更できるダイオード16個とリレー7個を用いた簡単な回路を提案し実験にて効果を確認した。定格233F、15VのEDLC8個用い、直流モータを負荷として、負荷条件を変えて実験した結果、80W負荷で1900秒間放電可能で、充放電における電圧アンバランスは概ね±1%以内に抑制でき、充放電のエネルギー効率としては70~80%という良好な結果が得られた。
著者
斎藤 春香
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.292, pp.66-68, 2009-01

2008年8月21日、私が監督を務める日本女子ソフトボールチームは北京五輪という大舞台で、念願の金メダルを獲得できました。監督就任から2年、この日を目標に選手とともに練習を重ねてきましたが、北京五輪の、特にラスト3試合は、選手ともども体力的、精神的にギリギリまで追い込まれ、息詰まる場面の連続でした。