著者
菅野 恒雄 長橋 宏 安居院 猛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.86, no.12, pp.1510-1519, 2003-12-01
参考文献数
16
被引用文献数
1

人間の顔は大変興味深い研究対象であり,人間の顔に関する研究は古くから心理学,認知科学の分野で行われてきた.顔と年齢に関する研究は幼児期から老年期までの幅広い年齢層について,顔の形状変化,年齢認知,計算機による識別などが行われてきた.本論文では顔骨格形状が大きく変化し,顔の印象が子供から大人へ変わる児童期から青年期までの顔面像を対象とした.実験に用いた平均顔は,実年齢がほぼ特定できる卒業記念アルバムから男女とも12歳,15歳,18歳,22歳の顔画像群から作成された.これらの平均顔を刺激とした年齢推定心理実験結果から,これらの年齢の顔特徴と年齢認知との関係を示した.また,平均顔作成と同様な手法によって作成された分散顔と実験に使用した男女顔画像群の特徴から,女性顔の年齢認知が難しい要因を検討した.更に,800枚の顔画像群を刺激とした年齢推定心理実験を行い,被験者による評価結果をもとに得られた平均顔とそれらの顔特徴について検討した.
著者
佐藤 真
出版者
立教大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本年度は前年に引き続きt-BuClの加水分解反応シミュレーションを行った。フラグメント分子軌道法(FMO)を電子状態計算に用い、水分子410個の液滴モデル中(半径約12Å)におけるt-BuClに対して、FMO2-HF/6-31G^*、FMO(3)-MP2/6-31G^*レベルによる分子動力学(MD)シミュレーションを行った。ここでFMO(3)は、HF部分にのみ3体項を考慮に入れた計算であり、従来の2体近似よりも精度が高い方法である。まずt-BuClの3級炭素-塩素間距離(RC)を1.7~3.4Åの範囲で変化させ、以前より長時間のサンプリングを行い(平衡化1.0ps、サンプリング0.4ps)、自由エネルギー変化を計算した。その結果RC=2.84にC-Cl不均一開裂の遷移状態(14.44kcal mol^<-1>)、RC=2.88に接触イオン対(14.33kcal mol^<-1>)に対応する領域が現れたが、RC=2.7~3.0の範囲での自由エネルギープロファイルは非常にフラットであり、より正確なプロファイルの記述には、電子相関を考慮した計算レベルが必要であると結論した。FMO(3)-MP2/6-31G^*レベルにて、RC=1.86および2.85に固定してシミュレーションを行ったとき、t-BuClのマリケン電荷の差が0.04(0.3ps間のシミュレーションの時間平均)と計算された。これはC-Cl不均一開裂の遷移状態付近で、t-BuClから周辺の水分子へと電子が流れ出していることに対応しており、すなわち求電子的溶媒関与が求核的溶媒関与よりも優位であることを示唆する結果である。しかしこの計算方法では、FMO2-HFと比べて~10倍程度の計算時間を要するため、十分なサンプリングを実行することができず、全体の自由エネルギープロファイルを記述するには至らなかった。
著者
浅見 徹
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
文林 (ISSN:02886170)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.1-14, 1997-03-20
著者
中本 学 関岡 裕明 下田 路子 森本 幸裕
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.585-590, 2002-03-30
参考文献数
33
被引用文献数
15 15

筆者らは,福井県敦賀市中池見の休耕田において,コナギやアゼナなど小型で一年生の水田雑草を保全するための管理手法を検討した。植生調査は,耕起を再開した1997年に開始し,復田を行った2000年まで継続した。耕起を停止した場合には,サンカクイなど特定の多年生草本が著しく増加するため,耕起の継続は不可欠であった。さらに,耕起を継続しても増加する多年生草本を減少させるには,復田が有効であった。このことから,生物の保全を目的とする休耕田の管理手法として,耕起の継続に加えて数年に一度の復田を組み入れるシステムを提案した。
著者
加藤 淳平 カトウ ジュンペイ KATO Jumpei
出版者
山形大学大学院教育実践研究科
雑誌
山形大学大学院教育実践研究科年報 = Bulletin of graduate school of teacher training Yamagata University (ISSN:18848893)
巻号頁・発行日
no.4, pp.138-145, 2013-02-16

This research focuses on dialogue and reflection. In lesson study, the workshop called Unconference has no-borders between teachers and learners. The result of the workshop showed that active form of dialogue made all the participants become autonomic learners. The teachers came to realize the efficiency of reflection and find it a different learning experience. Learners in supportive environments have high levels of self-efficacy and self-motivation and use learning as primary transformative force. [キーワード] 対話, 内省, 学習環境デザイン, アンカンファレンス
著者
原田 和典 西山 峰広 山崎 雅弘 權 寧璡
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

火災時の高強度コンクリートの爆裂は,発生機構が未解明の厄介な現象である。本研究では,空隙圧力と熱応力が複合して発生する応力が爆裂発生の原因であるとの仮説を立て,これを検証することを目的とした。外周圧縮実験と耐火加熱実験を行い,部分加熱時のように不均一な温度分布下で爆裂が起こりやすいこと、また爆裂に先立って亀裂が生じて空隙圧力が低下しても爆裂が生じることを示し、空隙圧力よりも熱応力の方が影響が大きいことを実験的に明らかにした。並行して熱伝導解析と弾性熱応力解析を行い、爆裂が生じた部分における熱応力の集中傾向を考察した。
著者
長瀬 勝彦
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

われわれは,トロッコ問題として知られる「多数の人の命を救うために手を下して,その結果として少数の人の命を犠牲にすることは妥当かどうか」を問う問題における選択と回答者のパーソナリティーとの関係を調べた.測ったパーソナリティーは「自己受容」「自己実現的態度」「充実感」「自己閉鎖性・人間不信」「自己表明・対人的積極性」「被評価意識・対人緊張」,「ローカス・オブ・コントロール」,「認知的熟慮性/衝動性」,「楽観主義・悲観主義」である.結果についてスピアマンの順位相関係数を求めたところ,いずれの尺度とも5%水準で有意な相関は得られなかった.ただし,比較的強い相関を示したのは,「自己閉鎖性・人間不信(rs=0.43)」「ローカス・オブ・コントロール(rs=0.37)」「認知的熟慮性(rs=0.31)」の3つであった.自己閉鎖性・人間不信が高いほど,ローカス・オブ・コントロールが強いほど,また知的熟慮性が高いほど,功利主義的な傾向があるということになる.

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1924年09月27日, 1924-09-27