著者
家森 信善
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

本研究は、近年、金融市場との融合が進んでいる商品先物市場の現状を分析し、投資家が安心して投資対象にできる商品先物市場を構築するための基礎的な研究を行った。具体的には、(1)商品先物市場の価格変動の特徴に関する研究、(2)商品先物を活用した個人投資の可能性に関する研究、(3)商品先物取扱業者の経営破綻に関する研究、の3つの研究を行った。制度的な整備は進んでいるものの、実際の利用は進んでいないし、また、金融化の行き過ぎが新たな問題を生み出している。
著者
渡辺 学 岡本 能里子 甲賀 正彦 岡本 能里子 甲賀 正彦
出版者
学習院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

ビジュアル・グラマー、タイポグラフィーなどに注目しながら、日本語とドイツ語を中心とする言語社会での言語記号(文字)と視覚的記号(図像)の分布や使用法を観察し、文字と視覚的要素との相互行為によって生み出される意味創出と意味伝達の動的な諸相を調査分析・考察し、テクストデザインの問題性とのリンケージを試みたうえでポライトネス研究へと視野を拡大することにより、爾来の社会言語学のテーマ領域的・方法論的進展への貢献を行った。
著者
西岡 奈保 田中 紀子 平野 直美 中村 満
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.9-15, 2013 (Released:2013-02-22)
参考文献数
26
被引用文献数
1

長期トレーニングを行う高齢者の身体機能の変化について調べ,身体機能と栄養摂取,咀嚼力,包括的QOLとの関連性を検討した。膝伸展力や平衡機能及び歩行能力,複合動作能力は初期値とトレーニングによる変化量との間に有意な負の相関関係があり,トレーニングの効果は身体機能の初期値が低い者ほど大きいことがわかった。歩行能力,複合動作能力や咀嚼力はエネルギー摂取量と有意に関連し,これらの機能が高い者ほどエネルギーを多く摂取していた。また,SF-8による精神的サマリースコア(MCS)はBMIと有意な正の相関関係にあり,栄養状態が良好な者ほど精神的QOLは高いことが示された。以上より,高齢者の継続的なトレーニングは特に身体機能が低い者ほど効果的であり,介護予防として有効であることが示された。また身体機能や咀嚼力が良好な者ほど栄養摂取量は高く,栄養状態が良好であると精神的QOLも高いことが示唆された。
著者
熊田 憲
出版者
研究・技術計画学会
雑誌
年次学術大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, pp.484-488, 2010-10-09

一般講演要旨
著者
Gabrynowicz Joanne Irene 青木 節子
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法學研究 : 法律・政治・社会 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.84, no.8, pp.69-102, 2011-08 (Released:2011-00-00)

資料 本論文の翻訳に寄せて-論文解題 はじめに第I部 一九五八-二〇〇八年第II部 二〇〇九年 : 二〇世紀と二一世紀を架橋する法典化第III部 三つの長期的課題結論
著者
鈴木 良平
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.251-256, 1993-07-31 (Released:2010-02-25)
参考文献数
9
著者
田中  秀夫
出版者
京都大学経済学会
雑誌
經濟論叢 (ISSN:00130273)
巻号頁・発行日
vol.184, no.1, pp.1-15, 2010-01
著者
岡崎 眸
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.19-34, 2010-08-31

「外国人」年少者教育が直面している課題「日本語ができても教科学習に参加できない」に対して,二つのアプローチが提起されている.〈易しい日本語で教科を学ぶ「日本語・教科相互育成」〉と〈母語で教科の内容を学び,それを梃子に日本語で学ぶ「教科・母語・日本語相互育成」〉である.本稿では,この二つのアプローチを取り上げ, (1)子どもにとって,何がどのように実現されることなのか, (2)それは当の子ども,親,教員や学習支援者ひいては「外国人」受けいれの途上にある日本社会の今後のあり方にどのような未来を切り拓くものか,という視点から,バイリンガル教育研究の知見なども援用して検討した.検討素材としては,それぞれのアプローチに基づく実践現場の「学習場面における子どもと教師(支援者)のやりとりの談話」,「子どもの声」などを使用した.結果,在籍級の授業の予習としてなされる「母語訳された教材文を,母語で学ぶ」場面において,子どもは,自由に操ることのできる母語で,認知面・文化面・社会面などに関わる既有能力を駆使し,過去の母国での経験や母国で学んだ知識を統合しながら学習に参加していることが示された.他方,「日本語・教科相互育成」アプローチの下では早期の授業参加が可能となる一方で,制限のある日本語で参加する学習場面では,教師の指導に依存することが多く,既有能力を活かした学習が難しいことが推察された.また,「教科・母語・日本語相互育成」アプローチでは,「外国人」に,「日本語の教材文を母語に翻訳する」,「授業に支援者として関わる」などの役割が期待されていることから,「外国人」は,「外国人」年少者教育の推進主体となり,多言語社会の構築に向けて道を開くものであることが示された.
著者
畑 克明 権藤 誠剛 高岡 信也 山下 政俊 清國 祐二 高旗 浩志
出版者
島根大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2001

15年度は本研究の最終年度にあたり、大学生のボランティア学習の評価の妥当性を実習報告の分析及びヒアリング調査によって明らかにした。「授業」で「ボランティア」を課すことに対する学生の戸惑いもあったようだが、実際に彼らは体験することによって成長したと振り返る。また授業として設定されていなければ自らボランティアとして活動をしていなかっただろうとも語っている。彼らの学びに共通する点は、社会教育施設等で実際に子どもと関わり、施設の専門職員と関わったことにある。中学、高校時代の部活動などを除き、異年齢での活動体験が極めて少ない彼らにとって、子どもと活動をともにするのは新鮮に映っていたようだ。おぼろげな子どものイメージから、多様な子どもの実態把握へと認識が高まった。施設職員の多くは義務教育学校の教員であるため、子どもとの関わりや子ども対象の事業に慣れている。それら職員との関わりは学生たちの進路を考える上でも重要であったようだ。現在、「学習ボランテイア基礎」及び「学習ボランテイア実習」はボランテイア体験レポートをもとに評価を行っているが、体験相互の関連性や経験の蓄積を重視した評価システムとしては十分ではなかった。その点で、経験のファイリングをしながら学生の自己主導的な学習を支援するポートフォリオ評価は参考となる。今後、島根大学教育学部では4年間の学部教育の中に1,000時間体験を位置づけることになるが、その基礎としても本研究の意義は大きかった。
著者
今野 徳好
出版者
愛知県立芸術大学
雑誌
愛知県立芸術大学紀要 (ISSN:03898369)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.113-127, 2006-03-31

視覚媒体が過剰に拡大する現代おいて人間の視覚領域は映像が大半を代理し、共有する視覚の繋がりに時代空間が成立している。身体的な欲望まで肥大させる代理視覚とその共有の現実は、映像に内在されて行く世界を示す。個別性に在って体験すべき世界までが映像に先取りされた私達は、映像が創る均質な世界像を知覚の対象としている。いま映像に既済された明るく透明な日常という空間から、私的な視覚体験を紡ぐ写真表現が生まれ評価されている。身軽な写真行為が生起させる個別性のライブ感に浸る写真表現である。写真は私的な記録手段として発明された。その始まりから一人称の視覚に委ねられた写真の客観性と主観は、個別する眼差しに曖昧に仮託されてきた。相反する解釈を許す曖昧な写真の在り様が相克するリアルを雑居させている。写真光学と化学は、裸眼の現実を新しい写真的現実に差し換え世界を異化する。日本の写真表現は、写真に異化された世界の目新しい具体性から比喩するに見合うものだけを選択してゆく。世界を異化する写真の狂気が体現する辛辣な具体性に自己を相対化し、個別性において世界と自己を再構築する写真表現は置き去りにされている。