著者
兼本 浩祐 名取 琢自 松田 芳恵 濱中 淑彦
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.196-204, 1998 (Released:2006-04-26)
参考文献数
34
被引用文献数
1 1

作話の質問紙表と三宅式記銘力検査の有関連対を用いて,記銘力検査で出現した誤反応の種類と質問のカテゴリーの関連を検討した。その結果は以下のようであった。すなわち, (1) 記銘力検査の成績は作話の質問紙表の正解率とは相関するが作話発生率とは相関しなかった。 (2) 遠隔記憶に対する質問において生ずる作話は,三宅式記銘力検査のリスト外由来で刺激語と意味的に無関連な誤反応 (semantically unrelated : SUR) の保続と有意に相関した。 (3) SURおよびその保続は,記号素性錯語型の誤反応と有意に相関した。(4) 因子分析において,近時記憶,被暗示性の亢進,周囲の状況の把握力の保持という特徴を持つ因子が抽出され,この因子は痴呆を伴わない健忘症候群を呈する症例群において有意に得点が高かった。以上の結果および文献的考察より,作話には局所性解体としての健忘症候群と親和性を示し,近時記憶を中心として出現する当惑作話型の作話と,痴呆を含む均一性解体と親和性を示し,遠隔記憶に対しても出現する作話があり,後者は意味的枠組みの解体と密接な関連を有することが示唆された。

1 0 0 0 OA 研究紹介

著者
河澄 響矢 河野 健二 塚田 捷 桑島 邦博 山本 智 吉村 宏和 中村 正人
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学大学院理学系研究科・理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.13-22, 1999-06

リーマン面のモジュライ空間の上で新しい「テンソル解析」をめざして/安全な分散環境を目指して/第一原理電子状態計算による水のプロトンリレー型解離の解明/タンパク質のフォールディングの分子機構/見えてきた星間分子雲形成:富士山頂サブミリ波望遠鏡による観測から/太陽輻射変動メカニズムの解明に挑戦する/電離層内電場の観測
著者
小林 文夫
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.85, no.10, pp.627-642, 1979-10-15
被引用文献数
3 7
著者
斉藤 幸子 飯尾 心 小早川 達 後藤 なおみ
出版者
Japan Association on Odor Environment
雑誌
におい・かおり環境学会誌 = Journal of Japan Association on Odor Environment (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.17-21, 2004-01-25
被引用文献数
14 8

嗅覚順応の時間依存性については、感覚的強度は指数関数的に減少すると報告されてきた。しかし、最近、持続した臭気に対する感覚的強度の評定が認知的な影響を受けることが報告された。そこで、我々は一定濃度のトリエチルアミンを10分間提示し、その時の感覚的強度の時間依存性について検討した。その結果、感覚的強度の時間依存性は5つの型に分類され、最も多いのは一度減じてまた強く感じる変動型で、指数関数型は全観測データ数の約30%だった。
著者
広瀬 竜郎 大杉 立
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.129-135, 1998-06-05

光合成産物の主要な輸送形態であるショ糖の転流機構に関わる研究は, 近年の分子生物学の発展とともに急速な進展をみせている.本稿ではショ糖転流の場である師部にショ糖が入る過程(ローディング), 師部から出る過程(アンローディング)およびその後のシンク細胞までの移動経路と, それぞれの過程で働く酵素, 輸送タンパク等に関して最近の知見をもとに概説した.
著者
Danny W. Scott William H. Miller Jr.
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.169-170, 2012 (Released:2012-10-13)
参考文献数
3
被引用文献数
3

鼻・趾端の特発性角化症は,特有の外観を呈する犬の疾患である。本症では特徴的な病歴を伴うが,皮膚以外には異常は認められない。過去11年間において35例の犬が本症と診断され,その来院頻度は犬の皮膚科症例では0.4%で,犬の外来症例全体では0.1%であった。イングリッシュ・ブルドッグ,ミニチュア・プードル,ミニチュア・シュナウザー,アメリカン・コッカー・スパニエル,ならびにドーベルマンは本症の好発犬種と考えられた。ほとんどの症例(71.4%)では,鼻部のみに病変が認められた。本症は無症候性で病変が永続し,自然寛解に関する報告はこれまでのところない。
著者
朝比奈 良太 千村 直輝 酒井 洋樹 神志那 弘明 前田 貞俊
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.159-163, 2012 (Released:2012-10-13)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

ダプソンおよびグルココルチコイドに対する反応性が低い角層下膿疱症の疑われた症例に対して,シクロスポリンを用いたところ皮疹が早期に改善した。本症例の病変部皮膚におけるサイトカイン遺伝子転写量を解析したところ,IL-8およびTh17サイトカインの転写量が高値であった。これらの結果より,本症例の病態にはTh17サイトカインが関連している可能性が示された。
著者
Danny W. Scott William H. Miller Jr.
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.165-167, 2012 (Released:2012-10-13)
参考文献数
10
被引用文献数
1

シュナウツァー面疱症候群は,特有の外観を呈するミニチュア・シュナウツァーの皮膚疾患である。過去11年間において16例の犬が本症と診断され,その来院頻度は犬の皮膚科症例では0.2%で,犬の外来症例全体では0.04%であった。興味深いことに,本症を主訴として来院した症例は2例のみで,12例(75%)の犬のオーナーは来院するまで本症に気づかなかったとのことであった。予後に関する情報は10例(62%)の症例で得られたが,本症の臨床症状は3ヵ月~9年の間変化することはなかった。
著者
[記載無し]
出版者
一般社団法人中国研究所
雑誌
アジア經濟旬報 (ISSN:05158583)
巻号頁・発行日
no.139, pp.1-8, 1952-03-21
著者
上原 聡 並木 正義
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.249-255, 1994-03-01

雑誌掲載版サイトカインのインターロイキン-/(IL-1)の胃機能および胃粘膜防御系に及ぼす作用について,体重約200gのWistar系雄性ラットを用いて多角的な検討を加えた。その結果,IL-1の粘膜保護効果は主として胃分泌と胃固有運動性に対する阻止作用に依ることが示唆された。しかし胃におけるプロスタグランディン系統を含む他の機構がIL-1の抗瘍に貢献しうるということがありうる。すべて,これらの資料は,胃潰瘍が単なる胃の局所性疾患ではなく,脳は言うに及ばず免疫系統さえふくむ全身病であることを示唆している
著者
岩崎 博之 武田 喬男
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.161-170, 1993-03-31
被引用文献数
6

1985年から1988年の梅雨期についてメソスケール雲クラスターの出現特性の調査を行った.雲クラスターの平均寿命は14時間未満,最大直径の平均は170kmであった.最大直径の大きな雲クラスターほど,長寿命(>12時間)のものの割合が増えた.華北地方では総観規模の低気圧と低気圧との間に位置した相対的に気圧が高い期間に,また,華南地方では亜熱帯高気圧の西進に伴う気圧が高い期間に雲クラスターの出現個数が増加した.日本の南海洋上では,雲量の30日周期変動に伴う雲量の多い期間に,梅雨前線近傍で出現個数が増加した.大陸上の雲クラスターは午後から夕方にかけて出現し易く,雲量の多い華南地方に比べて雲量の少ない華北地方では午後から夕方にかけて出現する頻度が高かった.海洋上の雲クラスターは夜間から早朝に出現し易かった.寿命が12時間を超える雲クラスターは短期間(5〜10日)に集中して現れる傾向があり,その中で移動速度の遅いものは東経110〜140度の範囲の梅雨前線付近に比較的多く観測された.
著者
溝上 慎一 Mizokami Shinichi
出版者
名古屋大学高等教育研究センター
雑誌
名古屋高等教育研究 (ISSN:13482459)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.269-287, 2007-03 (Released:2007-04-23)

学生の学習プロセスが教員の知識や考えの範囲を越える状況が大いに存在し、教員が学生に知識や解をはっきり示せない、あるいは学生からそれらを教えられることさえある、そうしたポストモダン教育を前提として、本稿では、その代表的な学習形態としてのアクティブ・ラーニングを導入する授業・カリキュラムの実践的課題を検討した。文献レビューによる分析の結果、アクティブ・ラーニングは課題探求型、課題解決型ともに、専門分野を問わず広く実施されているこ とが明らかとなった。また、アクティブ・ラーニングの質を高める工夫として、他者の視点強化、授業外サポート、カリキュラム・サポートが認められた。最後に、カリキュラム論と接続して、カリキュラム・ベースのアクティブ・ラーニングについて考察された。This article examines practical problems related to classes and curricula of active learning as a typical learning style reflective of the basis of the postmodern school education. In this new genre of education teachers can't always stand in front of students to teach stable and fixed knowledge, students' learning processes could go beyond the range of knowledge and ideas teachers have to a great extent, teachers may not be to demonstrate their clear knowledge and answers to students, and they could be even taught by their own students. As the result of the analysis of articles reviewed, it was found that active learning, whether as problem exploring or as problem solving, was widely used regardless of discipline. And, enrichment from exposure to other views, extra-class support, and curricular support were also found to develop further the quality of students' active learning. Finally, curriculum-based active learning was discussed, drawing upon the theory of curriculum.
著者
鳥井 克之
出版者
関西大学
雑誌
関西大学外国語教育研究 (ISSN:13467689)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.33-49, 2005-03

爲了再鞏固和確立新的教學語法系統而回顧過去的許多語法著作的看法、然後在此提出了教學語法系統具體的内容。這次對干有關漢語折句方法的問題考察以後、得到了下面的結論。即 : 漢語折句方法是不採用句子成分分折方法而應該採用直接組成成分分折方法(也就是説層次分析法)。直接組成成分一共有八種成分 : 主語、謂語、述語、賓語、補語、定詰、状語、中心語。謂語就是對干主語的成對概念、主語跟謂語一起組合成爲主謂結構、這個結構就是第一個層次分析対象 ; 述語就是對干賓語或補語的成對概念、述語跟賓語一起組合成爲述賓結構、也跟補語一起組合成爲述補結構、這両個結構就是第二個層次分析對象 ; 中心語就是對干定詰或状語的成對概念、定語或状語跟中心語一起組合成爲偏正結構、這両個結構就是第三個層次分析對象。