著者
安田 忠典
出版者
人体科学会
雑誌
人体科学 (ISSN:09182489)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.25-36, 2003-05-30

Kumagusu Minakata is well known for his research in a great variety of fields. For about two years from 1902, he lived in the forest of Mt. Nachi, and during this period his studies focused on abnormal psychology in addition to his interests in botany, literature and folklore. Actually, he has been concerned in this topic from quite early. It was rather long before time this topic was recognized as one field of academic research in Japan. Minakata's research method was unique in a sense that others never anticipated, as he recorded the occurrence of the abnormal status of his own mind. Minakata continued to study this research subject even when it was rather neglected by the Japanese academism later on, and attempted to confirm a scientific viewpoint.
著者
冨田 博之 山下 英行 中安 慎二 玉木 紀彦
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.7, pp.488-492, 1997-07-20

前頭蓋底に進展した嗅神経芽細胞腫の1例を報告した.症例は52歳の男性で,頭部MRIで右筋骨洞から右前頭蓋底に進展した6×4.5×4cmの腫瘤を認め,脳腫瘍部分摘出術を施行し嗅神経芽細胞腫と診断された.術後2カ目で残存腫瘍は急速に増大し,開頭脳腫瘍亜全摘術を施行後に60 Gyの放射線療法を行った.頭部,原発巣での腫瘍の再発は認めずに経過したが,2年後に左リンパ節転移を認め,化学療法および放射線療法を施行した.化学療法後のMRIで明らかな病巣の縮小が認められた.本症例のように頭蓋内進展した例に対しては,積極的な摘出術と放射線療法や化学療法との併用が推奨される.
著者
山岸 治男 有田 憲仁
出版者
大分大学
雑誌
生涯学習教育研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.4, pp.63-70, 2004-03

かつて、地域社会の主な担い手は、企画運営・参加出席の両方とも主として壮年期の男性であった。産業構造の近代化・現代化の進行に連れ、様相が変わった。今日では、地域社会を実質的に支えるのは男女高齢者と女性である。だが、地域社会には壮年期男性の欠落化による新たな問題が起きはじめている。例えば路上犯罪の多発、男性不在の子育ち・子育て、家庭も仕事も地域役割もすべて女性にという男女協同参画社会に逆行する事象などがそれである。事態を転換するには、あらためて壮年期男性の地域参加が要請される。そのための社会制度や社会意識の改革が求められる。では、それには社会教育にどんなプログラムを準備したらよいか、本研究は公民館の事業を例にこの課題にアプローチするものである。
著者
小川 雅史
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.154-155, 2002

本校では2単位の課題研究を実施している。力学から原子物理にわたるまで様々な分野で実施しているが,原子物理分野のノーベル賞実験などの発展的な応用実験を希望するものが多い傾向にある。市販の実験機器も積極的に活用し,実験道具の製作などオリジナルな実験も加わり,充実した内容の礒究が増加してきている。
著者
町田 玲子
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.69-78, 1985-11-15

家事労働の方向性を探るための一資料として, 家事労働合理化の一形態である共同化について, その歴史的背景を考察することを目的とする。おもに関東大震災以後昭和戦前を対象時期とし, 東京などの都市生活にみられる共同化についてとりあげた。方法は, 建築学, 家政学分野の専門書・学術雑誌, 当時の婦人層を対象とする一般書・月刊誌などの分折を行った。本稿の柱立ては次の通りである。1.緒言 2.震災以前にみられる家事労働の共同化事例 3.共同住宅居住にともなう家事労働の共同化 4.戦時中の家事労働の共同化-炊事を中心として- 5.まとめ
著者
長屋 寿雄
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.42, no.8, pp.851-852, 2006-08-01
著者
仁井田 典子
出版者
首都大学東京・都立大学社会学研究会
雑誌
社会学論考
巻号頁・発行日
no.31, pp.83-112[含 英語文要旨], 2010-10

本稿は,近年,雇用が不安定化している日本社会において,不安定な雇用状態にある人々が直面している「生きにくさ」に着目することで,現代社会が抱えている問題を明らかにしていくための実証研究である.本稿では,「フリーター」と「ニート」の境界線上を生きるひとりの男性を,事例として用いた.結論は,以下のように整理できる.(1)1990年代初頭に日本社会で社会問題化された「フリーター」「ニート」という社会問題カテゴリーは,不安定な就業状況にある彼を,社会問題の当事者として位置づけた.(2)彼は,社会問題の当事者であることを意識することで,スティグマを抱え込み,就業が長続きしないことや経済的に自立できないことの原因を,自己の問題に帰責させることで,自己否定感に苛まれる.(3)スティグマを抱え込んだ彼は,その原因を彼自身の家庭環境の問題へと転嫁することによって,自分自身を正当化していった.(4)彼は,就業に結びつかない外国語の勉強に没頭し,自己を他者と差別化することにより,自らのアイデンティティを防衛していった.(5)彼自身が直面している「生きにくさ」は,不安定な就業状況にあることを自分の家庭環境の問題,すなわち自己責任として意味づけていることから生じている.彼の「生きにくさ」は,雇用の不安定化が拡大していく現代社会において,その問題を社会的な問題でなく,個人へと帰責させていく日本社会のあり方から生じたものである.This paper is a case study focusing on the "difficulties of life" experienced by people engaged in unstable employment in Japanese society, where employment has become destabilized in recent years, with the aim to clarify the problems of modern society. This paper examines the case of a man who is on the borderline between being a freeter (part-time-job-hopper) and a NEET (young person Not in Education, Employment, or Training). The conclusions are as follows: (1) The social categories of "freeter" and "NEET," which became seen as social problems in Japan during the early 1990s, have led the young man, who is engaged in unstable employment, to be seen as part of a social problem. (2) By becoming conscious of himself as being a social problem, he has acquired a stigma and sees the causes of his failure to gain long-term employment or to become economically independent as being inherent in himself, giving rise to a feeling of self-denial. (3) Since acquiring the stigma, he has legitimized his self by shifting the responsibility onto his own family environment. (4) He has immersed himself in studying foreign languages that do not lead to employment, and by doing so has attempted to defend his identity by differentiating himself from others. (5) The "difficulties of life" that he is experiencing have emerged from the fact that he has shifted the responsibility for his state of unstable employment onto his family environment, meaning as an issue of personal responsibility. Thus, his "difficulties of life," which are taking place within modern society where employment is becoming increasingly unstable, derive from the tendency of Japanese society to shift responsibility for social problems onto individuals.
著者
上瀧 剛 内村 圭一
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.95-101, 2012-10-01 (Released:2012-10-01)
参考文献数
28

カーナビゲーションやインターネットによる地図検索サービスの普及に見られるようにディジタル地図が活用されている.近年では,スマートフォンなどの携帯端末や航空画像との重ね合わせ表示のサービスなど,ますます活用が進んでいる.また,都市計画や防災・災害対策においても,ディジタル地図情報は非常に重要な基礎要素となる.しかしながら,ディジタル地図の作成はいまだに人手によるものが多く,地図の作成・更新にかかるコスト及び時間は膨大である.したがって,これらの作成にかかる作業を計算機を用いて低減を図る研究が数多くなされてきた.本稿では,その研究の一つである,筆者らがこれまで取り組んできた航空画像解析による道路地図生成技術を紹介する.そして,現状の技術的な課題及び今後の展望について述べる.
著者
町田 昌昭
出版者
国立科学博物館
雑誌
国立科学博物館専報 (ISSN:00824755)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.101-110, 1984

山形県沖の海深 200〜400m のいわゆるタラバとよばれる漁場でとれたノロゲンゲ, ホッケ, ガンコ, ザラビクニン, アカガレイなどから12種の吸虫を採集した(第1表)が, このうちの5種(2種は新種)について形態学的な記載と分類学的な検討を行なった。ガンコとザラビクニンからとれた Stephanostomum baccatum は北大西洋からバレンツ海, 北西北太平洋に広く分布する種である。ガンコからとれたもう1種の Stephanostomum は口吸盤に小さな棘が3列並んでおり, 近縁の S. microstephanum および S. tristephanum と比較して非常に細長い陰茎嚢と大きな虫卵をもつことなどで新種 S. ganko とした。ザラビクニンからとれた2種の Neophasis のうち N. oculatus はグリーンランド, バレンツ海, 北西北太平洋から知られている。もう1種は N. oculatus によく似ているが, 体形や腹吸盤・精巣・卵巣・陰茎嚢の位置などが異なることで新種 N. symmetrorchis とした。Allostenopera pleurogrammi は BAEVA (1968) が日本海のホッケから得て新属新種として発表したものであるが, 今回のホッケのほか釧路のタウエガジ, 気仙沼のアイナメからの材料を加えて形態学的記載と検討を行なった。その結果, 本種は POLYANSKII (1955) がバレンツ海のコオリメダマギンポなどから得て新種として報告した Helicometra insolita にきわめてよく似ており, おるいは同種とすべきかも知れない。