著者
丸山 良平 小林 秀智
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.229-242, 2005-09-30

本研究の目的は幼稚園5歳クラス児が自発的に制作した物語絵本の内容と,その活動の開始を助け展開を支えた保育者の援助の実態を明らかにすることである。これまでに観察した幼児が偶然はじめた自発的な物語絵本の制作活動を分析し,その条件を洗い出した。その条件の一つである手作り絵本を準備して,筆者の一人が担任教師をする幼稚園5歳クラスで読み聞かせしたところ,幼児たちは自発的に物語絵本の制作をはじめた。この園では特別な文字教育といわれる指導は行われていないが,幼児たちは2ヶ月に渡って積極的に熱心に物語を創り文章にした。幼児が制作した絵本の内容とその制作活動を支える教師の援助の実態を分析し,幼児が自発的に文字で文章を書く条件と教師の援助の在り方を考察した。
著者
赤星 保浩
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

宇宙ごみの増加割合を低減させる目的で、2007年度にフランスよりISOに超高速衝突試験法(新たな宇宙ごみが生じにくい材料を選定するための試験方法)に関する規格案(11227)提案された。しかしながら、日本ではこのような試験を想定しておらず十分な試験体制が取れていなかったが、本研究活動を通じてその試験体制を整えた。さらに日本側から数多く修正案を提案した。本規格案は現在FDIS段階まできており、今後、ISO本部と最終確認作業を行うところまできている。
出版者
Routledge
巻号頁・発行日
0000
著者
片岡 真
巻号頁・発行日
2009-01-29

多くの大学と同様、九州大学でも雑誌の電子ジャーナル化が進み、冊子体に取って代わってきている。また、図書館の利用統計は、入館、貸出、レファレンス、ILLといった来館サービスと同様に、またはそれ以上に、電子ジャーナル、所蔵検索、文献検索、リンクリゾルバといったeリソースが利用されていることを示しており、ウェブ上での学習・教育・研究支援は重要性を益している。 この発表では、本学で導入した「きゅうとLinQ」(リンクリゾルバ)、「RefWorks」(文献管理)、「どこでもきゅうと」(自宅・出張先からのeリソースアクセス)の事例、および図書館ウェブサイトのリニューアルを紹介する。また、こうした利用環境整備や図書館員による適切なインストラクションが、ユーザーとの繋がりや新たなサービスへのニーズを生み、更なる環境整備の土台となることを説明する。最後に、多様化するeリソースの契約・アクセス・利用を管理するためのERM(eリソース管理)システムの実験について、また図書館が提供する「検索」を整理し、探しやすくするための次世代OPACの検討について、紹介する。 平成20年度国立大学図書館協会地区協会助成事業ワークショップ「大学における研究・教育活動と電子リソース利用の現在」発表資料 平成21年1月29日 広島大学中央図書館ライブラリーホール
著者
加藤和夫, 国友孝 共編
出版者
国友工務所出版部
巻号頁・発行日
vol.上巻 附圖, 1926
著者
久保 文明 砂田 一郎 松岡 泰
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

3年間で多くの成果を生み出すことができた。詳細は「研究発表」欄に譲るが、分担者である砂田・松岡による単著、および代表者によるいくつかの編著がその一例である。この間に解明された点は、民主党を素材にして党内穏健派とリベラル派の対立軸の激化、穏健派の支持基盤の特異性(共和党保守派と異なり、利益団体・政治団体レベルでの支持基盤がきわめて弱体であること、その代わり広く有権者にアピールし支持団体から自由に政策課題を提示できる強みをもつこと)、予備選挙における支持団体間競争の実相などの他、松岡が解明したように民主党内における黒人勢力の性格の大きな変質(抗議型から統治型へ)、砂田が論証したように同党内におけるリベラル派思想の変容などである。同時に、今日イラク戦争が民主党内において左派・反戦派を強化している様相も、予備選挙などの考察を通して指摘した(久保『米国外交の諸潮流』)。共和党に関しては、政治のインフラストラクチャー(下部構造、ないし基礎構造)の一部としての政治家養成機関・制度に着目した論文を公刊した。インフラストラクチャーとはシンクタンク、財団、メディア、大学、政治家養成機関などを指す。このような側面において、長年共和党は劣位に立たされてきた。したがって、当該部分を戦略的・選択的に強化することに共和党の方が熱心であったのも当然である。また、共和党における保守派の優位を理解するにあたってとりわけ重要な点は、1990年代の半ばから、反増税団体、銃所持団体、中小企業団体、キリスト教保守派団体、反環境保護政策団体、文化的保守派団体などがいわば大同団結し、共和党を、とりわけその保守派を支援し始めたことに注目することである。公刊されたさまざまな著書・論文において、このような党外部の政治団体の浸透・連合が果たす役割を解明できたことが本研究プロジェクトの大きな成果である。
著者
村木 悦子 松岡 知里 及川 璃奈 佐藤 しのぶ 千葉 大成 角田 伸代 加園 恵三
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.99-106, 2011-04-10
被引用文献数
1

香辛料の一種であるフェヌグリーク (<I>Trigonella foenum-graecum</I> <I>L</I>.) の生活習慣病予防効果を検討した。標準食 (STD) および高脂肪・高ショ糖食 (HFS) の2種類の実験食を作成し, それぞれの実験食にフェヌグリーク添加群を加えて計4群とし, 正常なSD系ラットに摂食させた。HFSではフェヌグリーク添加によって, 体重増加量, エネルギー効率比および精巣周囲白色脂肪組織重量は減少した。また, 肝臓中の総コレステロール量も減少し, 糞中への総胆汁酸排泄量が増加した。しかしながら, 耐糖能に関してはフェヌグリーク添加による大きな影響はみられなかった。以上のことから, フェヌグリークは食餌中脂質の糞中への排泄を促進することによって, 肝臓および白色脂肪組織への脂肪蓄積を抑制し, その結果として体重増加を抑制することが推察された。
著者
山下 裕企
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : 日本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.45-56, 2002-03-31

投資案の評価を行う際には、キャッシュフローの一部として投資によって生じる法人所得税キャッシュフローを測定する必要がある。この法人所得税キャッシュフローの測定には実効税率が用いられるが、日本の多国籍企業が外国子会社を通じて投資を行う場合には、国際的な二重課税を排除するために外国税額控除方式が用いられているので、これを考慮した実効税率が必要となる。そこで本研究では、まず外国税額控除方式を考慮した実効税率を提案し、投資による法人所得税キャッシュフローを測定する方法を示す。また提案する実効税率は源泉地国の法人所得税率、法人税と住民税の合算税率、事業税率、外国源泉税率、および割引率によって影響を受けるので、次にこれら各要素の変動が実効税率に対して与える影響を検討する。その結果、特に、源泉地国の法人所得税率や外国源泉税率の増加に対して、実効税率は、一定の範囲内で減少し、それ以外では増加するといった特徴的な変化をすることが明らかになる。
著者
気象庁編
出版者
研精堂印刷
巻号頁・発行日
2010
著者
奥山 善之 Okuyama Yoshiyuki
出版者
大阪府立大学経済学会
雑誌
経済研究 (ISSN:04516184)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.147-178, 2008-12
著者
池田 成宏 萩原 将文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.6, pp.1328-1335, 1998-06-25
被引用文献数
7

本論文では新しい知識表現方法(領域表現)とそれに基づく新しいニューラルネットワークを提案する.知的なシステム構築のためには, 知識表現は根本的かつ重要な問題である.局所表現と分散表現がその代表例であるが, それぞれ一長一短ある.領域表現はいわば局所表現と分散表現の中間的な知識表現方法であり, 両者の長所を有する.提案する領域表現に基づく新しいニューラルネットワークでは上位概念は下位概念を含むという包含関係などを用いることにより, 階層構造をもつ知識の表現が可能となっている.ネットワークは複数のKohonen特徴マップ層からなり, それらは近傍Hebb学習という新しい学習アルゴリズムに基づいて結合され, 全体として多方向連想メモリを構成している.計算機シミュレーションにより上位概念からの知識の継承や不完全な知識からの想起などについて調べ, 領域表現とそれを実現するニューラルネットワークの有効性を確認した.
著者
田近 栄治 渡辺 智之 佐藤 主光 山重 慎二 國枝 繁樹 竹内 幹 別所 俊一郎 林 正義 小林 航 油井 雄二 河口 洋行 菊池 潤
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

長期にわたるデフレと進行する高齢化のなかで日本の財政は、厳しさを増している。同時に経済のグローバル化のなかで賃金は伸び悩み、非正規雇用の増大など雇用の流動化が生じている。そうした経済状況のもと、本研究は税と社会保障を一体でとらえ、受益と負担の実態分析を踏まえ、政策への貢献を目指した。研究成果は個別論文としてだけではなく、雑誌特集号として出版した。そのほか国家戦略相を招聘した政策シンポジウムや、財務省・財務総合研究所との共催事業および書籍出版などにより成果の公表を図った。