著者
石坂 幸人 高橋 雅英 長尾 美奈子
出版者
国立がんセンター
雑誌
がん特別研究
巻号頁・発行日
1991

乳頭状甲状腺癌細胞株TPCー1に検出された新しい活性型ret(以下ret^<TPC>)の関与を種々のヒト腫瘍をもちいて解析した。ret^<TPC>mRNAは、遺伝子再配列の結果生じたキメラ転写物として、切断点を境に3'側はプロト型ret、5'側は非プロト型retからなる構造を有している。この性質を利用してreverse transcriptionーpolymerase chain reaction(以下RTーPCR)法を行った後、切断点を中心に持つオリゴプロ-ブを用いたサザンプロット法により転写物を同定した。検体として肺癌23例、胃癌22例、乳頭状甲状腺癌11例、甲状腺腫19例、腺腫様甲状腺腫2例、子宮頚癌7例など計13臓器142例のヒト腫瘍を用いた。乳頭状甲状腺癌1例、甲状腺腫4例、腺腫様甲状腺腫1例にret^<TPC>mRNAが検出され、甲状腺以外の腫瘍には検出されなかった。本研究により、ret癌遺伝子の活性化が甲状腺腫瘍発生に重要な働きをしていることが示唆された。RTーPCR法による解析により、腺癌だけでなく良性腫瘍にもret^<TPC>mRNAが検出された。陽性腺癌では、組織のどの部分にもret^<TPC>mRNAが検出されるのに対して、良性腫瘍では、ret^<TPC>mRNAが陽性の部分と陰性の部が認められた。日本人では甲状腺組織に潜在癌が高率に認められるとの報告があり、高い検出感度を有するRTーPCR法によりret^<TPC>陽性潜在癌が検出されている可能性が考えられた。また、プロト型ret遺伝子産物に対する家兎抗血清が得られ、ret^<TPC>遺伝子産物は57kDaのリン酸化タンパク質として細胞質可溶性画分に検出された。この抗体を用いた免疫組織化学的検索の展開が期待される。
著者
恒吉 玲代 永山 寛 涌井 佐和子 浜岡 隆文 齋藤 和人 前田 明 図子 浩二 井上 尚武 和田 智仁 隅野 美砂輝 荻田 太 吉武 裕
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.433-442, 2008-08-01
被引用文献数
4 6

There have so far been no studies examining the physical fitness and physical activity (PA), measured using objective measures, in homebound elderly people. The purpose of this study was to examine physical fitness levels and PA patterns and evaluate their relationships in homebound elderly people. In 2004, a total of 3964 community-dwelling elderly aged 65 years and over participated in a base line survey. The subject data were directly collected by in-home interviewer. Subjects were defined as being homebound if they went outdoors less than once a week. However, the subjects who could not go out without assistance due to sickness and/or disability were excluded from the analysis. In 2005, 38 homebound (22 men, 16 women) and 70 non-homebound (33 men, 37 women) older adults who participated in the base line survey were selected. Measurements of physical fitness levels and PA patterns measured using an accelerometer, were taken in 2005. The total steps per day did not significantly differ between homebound and non-homebound men and women. The time spent in 1.8 METs activity (corresponding to activity level 1 of the accelerometer) was significantly higher in women than in men for non-homebound and homebound, respectively. The time spent in lower-, moderate-, and high-intensity PA did not significantly differ between homebound and non-homebound men and women, respectively. Handgrip strength, knee extensor strength, leg extensor power, stepping and maximum walking speed were significantly higher in non-homebound than in homebound men and women. These results suggest that the physical fitness levels of homebound were lower than those of non-homebound, but no difference was observed in the PA levels between homebound and non-homebound.
著者
山内 典子
出版者
東京女子医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

術後せん妄が遷延した場合、終末期せん妄により家族の体験は一部異なっていた。前者では《見通しのつかない不安と疲労》、《医療者に対する申し訳なさと怒り》、《患者に対する不憫さ》、後者では《元気だった頃の患者との遠ざかり》、《幻覚・妄想に戸惑う》、《妄想の中にある安寧を知る》、《妄想の世界に入り対応する》などのテーマが抽出された。今後、多様なせん妄の体験に即した家族ケアを考案していく必要性が示唆された。

1 0 0 0 OA 物理化学講義

著者
大幸勇吉 著
出版者
富山房
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1908

1 0 0 0 OA 物理化学講義

著者
大幸勇吉 著
出版者
富山房
巻号頁・発行日
vol.下巻, 1908
著者
北川 徹三
出版者
至文堂
雑誌
物理化學の進歩
巻号頁・発行日
vol.6, no.1-3, pp.106-126, 1932
著者
歸山 亮
出版者
至文堂
雑誌
物理化學の進歩
巻号頁・発行日
vol.6, no.1-3, pp.194-198, 1932
著者
後藤 廉平
出版者
至文堂
雑誌
物理化學の進歩
巻号頁・発行日
vol.5, no.2-3, pp.150-170, 1931
著者
李 泰圭
出版者
至文堂
雑誌
物理化學の進歩
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.31-58, 1931-04-30
著者
後藤 廉平
出版者
至文堂
雑誌
物理化學の進歩
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.23-40, 1931-04-30
著者
J. ラウレス S.J. 編
出版者
臨川書店
巻号頁・発行日
1985
著者
平田 文夫
出版者
至文堂
雑誌
物理化學の進歩
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.242-276, 1930-12-09
著者
堀場 信吉
出版者
至文堂
雑誌
物理化學の進歩
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.122-132, 1929-04-08
著者
熊谷 敦史 Vladimir A. Saenko 柴田 義貞 大津留 晶 伊東 正博
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.297-300, 2004-09

甲状腺癌の約80%以上を占める主要な病理組織型である甲状腺乳頭癌(PTCs)には,特異的な遺伝子異常が存在する. 特に,チェルノブイリ原子力発電所事故後の小児PTCsにおける高頻度のRet/PTC遺伝子再配列異常が報告されている. 一方,成人PTCsにおいては,2003年BRAF遺伝子のエクソン15コドン599に限局した活性型点突然変異(T1796A,V599E)がその3〜5割に認められ,PTCsの発症に関与していることが報告された. その後シークエンス解析等の結果,BRAF遺伝子のヌクレオチド番号・コドン番号の表記が訂正され,これに従いHot spotはコドン600(T1799A,V600E)に訂正された. BRAF遺伝子はRAS-RAF-MAPK経路(MAPKカスケード)を構成するRAF蛋白のアイソフォームのひとつであるBRAF蛋白をコードする遺伝子であり,BRAF蛋白はセリン・スレオニンキナーゼとして細胞内情報伝達因子としての活性を持っている. BRAF蛋白は通常でも,その下流の因子であるMEK1/2に対して,その他のRAF蛋白(ARAF,RAF-1)より強い親和性を有しているとされている. 遺伝子変異によってBRAF蛋白の600番目のアミノ酸がバリンからグルタミン酸に転換すると,BRAF蛋白の構造変化を引き起こし通常よりさらに強力なリン酸化能を恒常的に発揮するようになると考えられている. また成人発症のPTCでは,BRAF遺伝子変異と遠隔転移との間に有意な相関性が認められることも指摘され,BRAF遺伝子変異が予後不良群のマーカーとなる可能性も注目されている. これに対して小児PTCsは成人例に比べて遠隔転移が高頻度に認められるにもかかわらず,予後が比較的良好であることが特徴である. そこで小児PTCsにおけるBRAF遺伝子異常の頻度を検討した. 更に,放射線汚染地域および非汚染地域でのPTCsの遺伝子異常の頻度を比較することにより,放射線被曝による変異誘発の可能性もあわせて検討することとした.
著者
田中 法博 梶本 めぐみ 富永 昌治
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.92-101, 2001-06-01
被引用文献数
8

本論文では、自然環境下における光源の全方位分布をカラーカメラがら推定する方法を提案する。全方位計測系として、鏡面の金属球を用いて、それに写りこんだ画像を解析することにより光源の方向と輝度を求める。鏡面球の使用は、いくつかの全方位計測方式の中では一度に計測できる視野範囲が最も広いという利点がある。鏡面球のほぼ全周囲360度の範囲に存在する光源の空間分布を知ることが可能である。光源推定のおおよその原理は以下のようである。光源からのビームが太陽光のように平行と仮定すると、カメラから鏡面球への視線方向ベクトルが球表面で正反射する方向がわかれば、球への入射光ビームの色度、輝度、方向を推定できる。これを画像として観測できる球面全体について調べれば、全方位の光源分布がわかる。光源の空間分布を表示する画像として、我々は2種類の画像を求める。まず、球中心から全周囲を観測した画像で、光源の空間分布は球中心を原点とする極座標系として求める。次に、人間が見る写真と同様な画像として、画像の射影方式を平行投影法で変換する。最後に、自然環境下で実験を行い、提案手法の妥当性を示す。
著者
Sauter E. 李 泰圭 [譯]
出版者
至文堂
雑誌
物理化學の進歩
巻号頁・発行日
vol.5, no.2-3, pp.81-100, 1931
著者
Sauter E. 李 泰圭 [譯]
出版者
至文堂
雑誌
物理化學の進歩
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.81-100, 1931