著者
IKEDA Masahiro KOSUGI E. Koji
出版者
山口大学教育学部
雑誌
研究論叢. 第3部, 芸術・体育・教育・心理 (ISSN:02860597)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.123-130, 2011

The purpose of this study was to inspect how the factor structure of punishment feelings differs, depending on the perpetrator of a crime (i.e., whether the person is a juvenile or an adult) and the difference in feelings between varying generations. A factor analysis of data obtained from approximately 2,000 people, ranging in age from 10 years through to over 60 years supported that four factors model for feelings on adult crime, and three factors model for feelings on juvenile delinquency. In addition, it was shown that the factor structure of punishment feelings varied greatly, according to generation.
著者
澤田 枝里香 井田 信也 常磐 拓司 杉本 麻樹 稲見 昌彦 淡路 達人 森下 圭介 古川 正紘 有賀 友恒 木村 秀俊 藤井 智子 武市 隆太 清水 紀芳
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.375-383, 2008
参考文献数
21
被引用文献数
3

This system is an interface realized with the symbiosis of the input/output of wind and graphics. This system brings the new communication medium of "wind" into the bidirectional interaction between the virtual environment and the real environment by integrating the graphic presentation with the input and output of wind on a special screen. The user can interact with the virtual environment in the screen through his/her breath and wind emission. Conversely, actions from the virtual environment to the user are performed by wind changing dynamically. As a result, the user can share not only sights and sounds but also the cutaneous sensation by wind with the system, and interact with the virtual environment feeling a non-conventional deep relationship.
著者
中野 賢太郎
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

多くの細胞の機能発現においては、細胞の極性情報が重要である。例えば、神経軸索では方向性を伴った細胞の極性成長が、その活動に不可欠である。また細胞極性情報をもとに上皮細胞は組織を形成することができる。本研究では、細胞形態が最もシンプルでよく調べられている分裂酵母Schizosaccharomyces pombeを研究対象に用いて、細胞極性情報の発信と、その下流での細胞形態の形成機構について研究を行った。これまでに私たちは分裂酵母の低分子量Gタンパク質Rhoとその活性制御因子について解析してきた。それらのうち、Rga4がCdc42のGTP加水分解活性を促進することに着目した。米国カルフォルニア大学の塩崎研究室の建部恒博士らとの共同研究により、Cdc42は極性成長をしている細胞端に強く集積することが確かめられた。同時に、Rga4は細胞の胴体部分に集積し、細胞端への局在性が排除されていることが観察された。このRga4の局在様式にはPom1キナーゼが関わる可能性が示唆されている。以前から、pom1遺伝子変異株では分裂酵母の両極性の成長が単極生成長に置き換わることが知られていたが、この原因は不明であった。興味深いことに、今回の建部博士との研究により、pom1遺伝子変異株においてRga4の活性を抑制するとCdc42の局在が単極性から両極性に回復することが判明した。つまり、Pom1はRga4の局在性を制御することでCdc42の細胞端への局在様式を調節していたと考えられた。Pom1は微小管細胞骨格系の支配下でその局在様式が決定されること、Cdc42はアクチン細胞骨格の形成制御に中心的な役割を果たすことを併せると、本研究成果は微小管からアクチン細胞骨格へ、細胞内の空間的構造を配置化する分子機構の一端を解明した点で重要である。
著者
柴田 幹
出版者
富山大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

本研究は太陽追尾制御をベースにした高効率太陽光発電システムを目指すものである。天空輝度測定機能をもつ光センサ(5PD光センサ)を用いて最適発電方位を自動追尾させるため以下の基礎実験及び装置試作を行った。1.太陽からの直接光が多い晴れの日と間接光(散乱光)が多い曇りの日に軌道計算による太陽方位を追尾した場合と5PD光センサを使った追尾での比較実験を屋外で行った。晴れの日では二つの追尾方式に大きな差は無かった事から5PD光センサによる自動追尾が正常に機能している事が確認できた。曇りの日では太陽軌道追尾より5PD光センサによる自動追尾が発電量の多い事が確認された。このことから5PD光センサによる自動追尾が日照条や天候の変化に影響されず最大発電方位を追尾できる事が確認された。2.遠隔操作可能な観測システムの開発を目指して以下の装置を製作した。方位角(θ)、仰角(φ)駆動できるステージに5PD光センサを取り付けた可動型5PD光センサユニットを試作した。この可動型5PD光センサユニットに制御用パソコンを接続し、Microsoft Windowsのリモートデスクトップ機能を利用してネットワーク上のパソコンから遠隔操作を実現するものである。本研究で製作した可動型5PD光センサユニットの動作試験を行い、正常に動作することを確認した。今後、ネットワーク上から遠隔操作するためのプログラム開発及び実際のネットワーク環境での動作試験が必要である。
著者
吉田秀和著
出版者
音楽之友社
巻号頁・発行日
2001
著者
神宮 浩之 豊田 恵美子 小林 信之 工藤 宏一郎
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.397-400, 2004-06-15
被引用文献数
6

膜炎を合併した非結核性抗酸菌症の報告は稀であり, 今回私たちは胸水貯留を認めた肺M.kansasii症の1例を経験したので報告する。症例は60歳男性。数ヵ月前より続く全身倦怠感, 右肩凝り, 発熱を主訴に近医受診。胸部X線上, 右上葉の浸潤影を指摘され, 肺炎の診断で一般抗生剤の投与を受けるも改善せず, 肺結核疑いで平成15年5月7日当科入院となった。入院時, 右胸水を認め, 胸腔穿刺を行ったところ滲出性胸水でAdenosinedeaminase(IADA) は66.1U/lと高値を示した。また, ツベルクリン反応が強陽性であったことより肺結核を疑い, 気管支鏡検査を施行した。右B1aおよびB2aより行った経気管支肺生検では, 類上皮細胞肉芽腫病変を認め, 気管内吸引痰, 気管支擦過浮遊液, 気管支洗浄液のいずれの検体からも培養検査で <I>M.kansasii</I> が検出された。国立療養所非定型抗酸菌症共同研究班の診断基準より肺 <I>M.kansasii</I> 症と診断し, RFPを含む3剤の治療を行った。以後, 胸水再貯留は認めず, 全身状態良好で6月6日退院となった。

1 0 0 0 1995 ICCE

著者
真野 義純
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.936-937, 1995-07-20

ICCE'95(International Conference on Consumer Electronics)が, 6月6日〜9日の4日間, シカゴで開催された.今年から夏季CESはなくなったがこの影響もなく, 参加者は昨年をやや上回る約550人が参加するなど, むしろ, 活気が戻りつつあると感じられる.国別の発表件数は, 表1の通り.ここ2〜3年前から韓国, 台湾からの発表が活発になっているほか, 今年はATV関係などを中心に米国企業からの発表件数も復活してきた.
著者
印部 勉 安川 和希 加藤 俊一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.20, pp.31-34, 2011-05-20

グラフィックデザインを考案する際、配色は重要視されており、その組み合わせからデザインするケースが多い。また、我々はデザイン性の高いDMのイメージを可視化するため、配色パターンによる感性モデルの構築をしてきたが、アクセントカラーに関してはその定義が曖昧であり、どのような色を人がアクセントカラーとして判断しているかがはっきりしていない。そこで本稿ではDMを題材に、アクセントカラーとなる色の決定要因を検討、抽出し、アクセントカラーを取り入れたモデルの有効性について報告していく。
著者
藤田 裕 松岡 栄 高橋 潤一 外山 恵美子
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.734-741, 1990

貯蔵牧草の収穫時期が第一胃内の蛋白質分解性に及ぼす影響を明らかにするため比較試験を実施した.オーチャードグラス主体1番草を穂ばらみ初期(6月6日刈取り:早刈区)および出穂中期(6月16日刈取り:普通刈区)に収穫し,乾草とサイレージを調製した.牧草蛋白質の第一胃内分解率は第一胃フィスチュラ装着の去勢メン羊6頭を用い,ナイロンバッグ法によって3時間から48時間経過時まで計測した.分解率計測値は,非線形回帰モデルにあてはめ,分解率の経時的変化のパターンを解析した.乾草,サイレージともに,早刈区の粗蛋白質(CP)および純蛋白質(TP)分解率は,普通刈区にくらべて全体に高い傾向がみられたが,サイレージの場合,培養初期(3-9時間経過時)におけるCP分解率の収穫時期による違いはわずかであった.非線形回帰分析の結果,供試した貯蔵牧草蛋白質の分解率はLogistic型モデルへの適合度が最も高く,同モデルは分解パターンの数値的解析に有効なことが示された.回帰モデルから求めた速分解性及び遅分解性蛋白質区分の割合は,乾草ではいずれも早刈区が有意に高かった.しかし,サイレージの速分解性区分の割合には,刈取り時期による違いが認められなかった.第一胃内における可消化乾物90%の消失時点における分解率から推計したdg価は,乾草,サイレージいずれも早刈区が有意に高く,収穫時期10日間のおくれによりdg価は乾草では13.5%,サイレージでは5.9%,それぞれ低くなった.
著者
塚本 泰司 三熊 直人 舛森 直哉 宮尾 則臣 伊藤 直樹
出版者
札幌医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

‘老化'と前立腺肥大症の発生との関係の一端を解明するために、1)ヒト前立腺の加齢による形態変化、2)前立腺平滑筋の機能、3)前立腺上皮、間質細胞の増殖と抑制、について臨床的、生理学的および分子生物学的検討を行った。その結果以下の知見を得た。1) Community-based studyにおける検討により、加齢にともなう経直腸的超音波断層上の前立腺の形態は、一部の男子では50歳前後にかけて、それまで均一であった前立腺が結節を呈するようになり、これらのうちの一部の男子でさらに肥大結節が増大するという経過を辿ると推測された。したがって、臨床的な前立腺肥大出現のtumingpointは50歳にあると考えられた。2) 前立腺平滑筋細胞の培養細胞株をguinea-pig前立腺より確立した。この細胞は形態学的および機能的所見からも平滑筋細胞であり、今後のin vitroの実験モデルとして有用と考えられた。3) 前立腺平滑筋の加齢による機能的変化の検討から、8週齢の若年guinea-pigと比較すると12か月の高齢guinea-pigでは収縮張力の低下が認められ、加齢が前立腺平滑筋の機能に影響を及ぼす可能性が示唆された。4) 前立腺肥大症の一部には下部尿路閉塞に対する治療のみでは排尿障害を改善できないことがあり、膀胱平滑筋の機能を改善させる治療が必要であることが示された。5) 前立腺の上皮および間質細胞はandrogenおよび各種の成長因子regulationを受けているが、TGF-betaを中心とするこれらの間のネットワークの解明を試みた。今回の結果とこれまでの知見を総合すると、androgen存在下では増殖に作用する成長因子により上皮および間質の恒常性が保たれ、androgen低下時にはTGF-beta発現が亢進し上皮細胞はapoptosisにより減少する。一方、TGF-beta発現増加によりFGF産生が刺激され間質の増殖が起こる。これが加齢にともなう前立腺肥大の発生機序の一つと推測された。
著者
吉次 通泰
出版者
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部インド哲学仏教学研究室
雑誌
インド哲学仏教学研究 (ISSN:09197907)
巻号頁・発行日
no.18, pp.55-69, 2011-03

The subject of ageing and lifespan was studied in ancient Indian medical texts, such as Carakasaṃhitā (CS), Suśrutasaṃhitā (SS), Aṣṭāṅgasaṃgraha (AS) and Aṣṭāṅgahṛdayasaṃhitā (AHS). According to the 4 texts, age was defined as the state of body dependent on the length of time lived, and was broadly divided into three periods—childhood (–16 years), adulthood (16–60 or 70 years) and senescence (60 or 70 years and over). Further SS and AS subdivided the age into smaller stages as follows: childhood —kṣīrapa, kṣīrānnāda, and annāda; adulthood — vṛddhi, yauvana, sampūrṇatā, and parihāni. While taking up the management of the patient, the physician should examine the lifespan as a starting point in diagnosis. To determine the lifespan of the patient, his body was first measured as a whole and then each of the body parts were measured in terms of aṅgula (finger's breadth measurement) of his hand, and also his sāras were considered, depending upon the state (excellence, purity, and predominance) of each one of the dhātu and manas. The lifespan of the person depends on the interaction between the forces of daiva (deeds done in the previous life) and puruṣakāra (deeds done in the present life). There is considerable variation in the strength of both forces, with them possibly being mild, medium or intense. When both daiva and puruṣakāra are strong, the lifespan is long, happy and predetermined. while both are weak, the lifespan is short, unhappy and changeable. So the average human lifespan is clearly determined by both genetics and the environment in this view. A weak daiva can be subdued by a stronger puruṣakāra. Therefore a wholesome lifestyle is the basis of longevity and an unwholesome lifestyle will result in a short lifespan.We must understand that if we want to live longer, it is necessary to live properly.
著者
松井 利郎 佐藤 匡央 津田 孝範 南部 伸孝
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-05-31

低分子ペプチドの生体調節機能を明示し、先端的食科学の構築を図ることを目的として、血管及びその他組織での生理作用発現性について詳細な解明を試みた。その結果、塩基性ジペプチド類は内皮非依存的に血管を弛緩させること、その作用は細胞内でのカルシウムシグナル系の抑制であることを細胞並びにMDシミュレーション法により明らかにした。さらに、この血管弛緩作用は加齢に伴い、また高血圧進展に伴い減弱するとの新たな知見を得た。さらに、体内吸収過程の可視化に成功するとともに、筋肉組織においてAMPK活性化を誘導し、抗糖尿病作用を発現する可能性を初めて明示することができた。
著者
深町 加津枝 奥 敬一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.647-652, 2002-03-30
被引用文献数
9 12

薪炭利用などをとおし地域住民と密接な結びつきがあった里山ブナ林の多くは,今日,面積の減少や管理放棄など,保全上の様々な課題を抱えている。本研究では,里山ブナ林の景観を対象とした評価実験を行い,都市住民との比較から里山ブナ林に対する地域住民の景観評価と継承意識の特徴を分析した。レパートリーグリッド法による分析からは,繁茂度,自然性など里山ブナ林の景観に対する印象軸を抽出し,土地利用履歴ごとの景観の評価構造を示した。多元的評価尺度を用いた景観評価では,地域住民と都市住民との里山ブナ林の評価に大きな差異があり,地域住民の継承意識が水土保全機能,身近さ,美しさに規定されることを明らかにした。