著者
中村 祐司
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

新聞報道等のメディア情報や現地調査をもとに、2008年北京オリンピック大会を対象に、競技場の建設や交通基盤の確立、ボランタリー活動の浸透、五輪スポンサー企業の活動、政府広報、諸外国との調整、治安の確保など、開催に至るまでの中国内外における関係組織間の相互作用の動態を、ガバナンス(統治ないしは協治)の視点から把握すると同時に評価類型からの分析を行い、国内外における中国の協治の可能性について論じた。
著者
永瀬 春男 ナガセ ハルオ
出版者
大阪大学フランス語フランス文学会
雑誌
Gallia (ISSN:03874486)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.105-114, 2011-03-03
著者
筒井 裕之 蒔田 直昌 絹川 真太郎 松井 裕 石森 直樹 畠山 鎮次
出版者
北海道大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2008

ミトコンドリアの生体維持機能は、ミトコンドリアDNA(mtDNA)によって動的に制御されている。近年、mtDNAの酸化損傷およびそれに起因する活性酸素の過剰産生が、種々の疾病の発症、さらには老化にも関与することがあきらかにされ、疾病発症の共通基盤としてのミトコンドリア機能不全が注目されている。本研究では、心血管ストレス応答におけるミトコンドリア転写因子およびミトコンドリア酸化ストレスの役割をあきらかにした。
著者
野中 勉 佐々木 和夫 竹原 善一郎 藤嶋 昭 長 哲郎 杉野目 浩 宇根山 健治
出版者
東京工業大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1992

次世代の有機電気化学における新しい先端的研究領域の開拓と創造が模索された。前年度における研究成果に基づいて、有機電気化学の新領域は、電極反応の反応場である電極界面に対する新しい概念の構築と展開なしでは開拓できないという基本理念の下で研究が進められた。その結果、電極界面反応場は下記の3つの新しい概念から成り、各々に設計・制御の新しい原理と手法が求められることが検証された。(1)三次元機能修飾電極界面反応場:分子識別機能、選択的吸着・透過・配向機能、不斉機能などをもつ反応場が設計され、そこでの有機電極反応の解析を通じて機能発現が実証された。(2)超イオン雰囲気電極界面反応場:溶融塩系、固体電解質系、気相電解系、不均一電解液系、超強酸、超強塩基系、電解発生酸・塩基系、溶解電極系、超疎水性電極系などの反応場が設計され、そこでの有機電極反応の解析を通じて反応制御の新しい局面が開かれた。(3)エネルギー照射電極界面反応場:プラズマ系、超音波照射系、光照射系、磁場照射系、超高電位印加系などの反応場が設計され、そこでの有機電極反応の解析を通じて化学エネルギーだけでは生起しない新しい電極反応が開発された。以上により、有機電気化学の新しい研究領域は、電極界面反応場の新しい概念と原理・手法に基づく設計と制御によってもたらされる反応の帰納的、能動的かつ合目的的な超精密制御の追究にあると結論される。
著者
塚本 勝巳 西田 睦 竹井 祥郎 木暮 一啓 渡邊 良郎 小池 勲夫
出版者
東京大学
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2000

5年間の研究活動により,次の研究成果を得た.【総括班】海と陸の物理・化学的環境特性と生物の生活史特性を比較することにより,陸の生命について得られた従来の生命観とは異なる「海の生命観」を考察した.【生命史班】魚類全体の大規模分子系統樹を構築した.DNAデータの時間較正を行い,条鰭類の根幹を構成する主要な系統間の分岐年代を解明した.深海化学合成生物群集の主要な固有動物群について,生態学的調査と分子系統学的解析によって,それらの進化過程の全貌を明らかにした.【機能系班】心房性ナトリウム利尿ペプチドが新しいウナギの海水適応ホルモンであることを生理実験で証明すると共に,その分子進化を明らかにした.アコヤ貝の貝殻形成に関わる新規基質タンパク質を同定し、そのアミノ酸およびcDNA配列を決定すると共に,その発現部位を明らかにした.ワムシの個体数変動過程に密接に関わる遺伝子を同定し,高感度定量法を確立して個体数変動に伴う遺伝子発現パターンの変動を明らかにした.【連鎖系班】海洋生態系の生物・非生物粒子の分布,動態を定量的に解明するための高精度解析系を整備した.非生物態有機物と微小生物群集の鉛直分布を明らかにすると共に,それらの相互の動的平衡メカニズムを解明した.植物プランクトンの色素組成,動物プランクトンの微細構造,細菌群集の系統群別の増殖特性の解明を通じ,海洋生物のミク仁な連鎖過程を解明した.【変動系班】高緯度水域において海洋生物資源が大きく変動する理由は,初期生活史パラメタの変動がその後の大きな加入量変動を引き起こしているためと明らかになった.化学物質による海洋汚染は海洋動物の生理や繁殖機能に障害を与えており,汚染の国際監視体制を構築することが重要であると指摘した.非定常性,複雑性,不確実性という特性を持つ海洋生物資源は,MSY理論に代わって順応的理論で管理されるべきであると結論した.
著者
坂本 徹
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

左室心尖部脱血では自己心拍動に対し「非同期」駆動であっても十分な補助効果を有すると同時に左室容積からの評価では拡張末期容積は比較的大きく駆出後弛緩期の容積は補助率増加につれて減少し,左室ループは「おむすび形」を呈した.この容積変化は大きいが十分な圧負荷軽減が得られ心筋細胞形状も対象値と同様な所見を示し補助効果の大きさを形態学的にも示した.心筋組織内の細胞生化学的分析ではAngiotensin II type 1 receptor心筋組織内mRNA濃度は軽度の上昇を認めたにすぎないが,β1-adrenergic receptor心筋組織内mRNA濃度は「対象値」とほぼ同一値を示した.また「左房脱血群」に比較し平均値比較で約3倍まで上昇し,これら2脱血部位間で有意差を認めた.この現象はG蛋白共役型受容体として先のAngiotensin II type 1 receptorとβ1-adrenergic receptorは同じ仲間であるが受容体共役因子(トランスデューサー)はGs,Gqと異なる.左心補助中にβ1-adrenergic receptor心筋組織内mRNA濃度が上昇することは自己心機能回復後に十分な変力作用(inotropic effect)を有するための反応と考えられ,「Bridge to Recovery」への合理的な反応とも考えられる.一方,左房脱血によるVADでは左心力学的にも圧負荷の軽減は得られず心筋細胞の検討でも細胞内浮腫の出現,ミトコンドリアの大小変化,心筋の錯綜配列などが持続した.また,Angiotensin II type 1 receptor心筋組織内mRNA濃度の比較でも上昇を認め,VAD駆動中も左室に対する圧負荷が存在することを示していた.
著者
本田 裕子 林 宇一
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.74-100, 2009-09-20 (Released:2011-09-20)
参考文献数
9
被引用文献数
5 2

To evaluate people's opinions concerning the release of the Japanese Crested Ibis Nipponia nippon, a questionnaire was mailed throughout Sado City, Niigata Prefecture, Japan. The 1,000 target individuals were selected randomly from within the 20 to 79 year age group. Results from the 591 respondents indicated almost 74% to have appreciated the release, and only 26% have neither agreed nor disagreed. The most common reason people gave for their appreciation was “they have lived here”, though only 16% of the people had actually seen the Japanese Crested Ibis in the wild. Their concerns related to the release were related mainly toward the success of the release rather than to any harm the birds might cause to crops. Especially, they worried about the released Japanese Crested Ibis survival. These results may be affected by the media like TV. Many people treated Japanese Crested Ibis as a local symbol, or a symbol of nature, and only a few viewed the bird as a potentially commercial venurte. Similar results were obtained from a questionnaire on the Oriental Storks Ciconia boyciana in Toyooka City. The releases in the past have been done far from the villages. This Japanese Crested Ibis release is the second case done near the villages, just after the release of the Oriental Storks. The sequential research will be done to compare the two questionnaires relating to the Oriental Stork and the Japanese Crested Ibis.
著者
橋本 好弘 森谷 [キヨシ] 大塚 吉則
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.109-119, 2009-01-01
被引用文献数
1

消防活動は重装備の激しい活動であり,過労・ストレスによる隊員の死傷者が多い.本研究では,寒冷環境下における消防活動が隊員に及ぼす身体負担を経時的に分析し,休憩の必要性を検討した.北海道S市の消防隊員71名に対して24時間の拘束勤務中にボルター心電計を装着させ,消防活動中の心拍数変化を測定し,Wu, et al.(2001)のmaximum acceptable work duration(MAWD)でその負担を評価した.出動途上の平均最高心拍数は145.5拍/分であり,急激に心拍数が上昇していた.現場活動中の最大心拍数と活動時間には正の有意な(P<0.01)相関が認められた,小規模火災2件でMAWDを大きく超え,活動開始5分間の負担は平均で92.6並びに93.6%heaft rate reserve(HRR),活動全体の平均でも72.3と70.2%HRRであった.災害現場での消防隊員の死傷事故減少には,寒冷環境下の小規模火災でも,火勢制圧後,隊員に休憩・交替を与え,過労・ストレスを軽減させる必要がある,
著者
川合史朗
雑誌
デジタルプラクティス
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.80-87, 2011-04-15

小規模で開発リソースも少ないオープンソースプロジェクトにとって,日本国外への展開は「もっとユーザや開発リソースが増えてから」という,将来のステップのように感じられるかもしれない.しかし,ニッチなターゲットを相手とするソフトウェアならば,対象を国内に限ってしまうことはただでさえ少ないユーザをさらに限定することになる.むしろ最初から国際的に展開しておいた方がプロジェクトの持続に必要なユーザを集めやすい.本稿ではオープンソースのScheme処理系Gaucheの10年間にわたる開発経験から,少ないリソースで国内外にユーザを得る,維持可能な戦略について論じる.
著者
長谷川 伸吾 赤池 英夫 角田 博保
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.30, pp.1-5, 2012-03-14

タブレットを使用する際、操作の安定性を高めるために両手で端末を把持する状況がある。しかし、画面サイズが大きいタブレットでは親指が届かない位置へのタッチ入力が困難になってしまう。この問題を解決するために本研究では、タブレットを両手で把持した状態で使用可能な 13 種類の操作と、それらの入力時に発生する固有の加速度と音の特徴を用いた判別方法とを持つ入力手法 "Taplet" の提案と評価をおこなった。評価実験の結果、音についてはおよそ 88.1%、加速度については 50.6% の分類精度を持つことがわかった。そのため、加速度によって入力を検出し、音によって入力を分類するという雑音環境でも利用可能な判別方法を実装し、そのテストをおこなった。For stable operation, tablet devices are often used by holding in both hands. But, in such situation, it is hard to touch screen positions where no finger can reach. To solve this problem, we proposed a set of interactions called "Taplet" and evaluated it. Taplet conveys user's intentions to application softwares on a tablet using acoustic features obtained by doing specific behavior to the device. It can classify 13 different interactions(simply tapping, tapping with nail, scratching and so on) with about 88.1% accuracy. And, even under noisy environment, it can detect the timing of those interactions by catching change of acceleration as a trigger.