著者
相良 多喜子 中村 裕之 三辺 義雄 人見 嘉哲 神林 康弘 日比野 由利
出版者
金沢学院
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

自閉症傾向児の早期発見のための指標を構築する目的で1407名の3-5歳児を対象とした聞き取り調査を行った。自閉症傾向に対して喘鳴と鼻アレルギー、性別(男児)、出生順位(第1子)、喫煙と間に有意な関連が見られた。また「独特の興味・こだわり行動」の項目と鼻アレルギーとの有意な関連が見られた。食育およびアレルギーの評価を含めた新しい指標によってASDをスクリーニングすることが可能であると考えられた。
著者
加藤 政彦 山田 佳之 林 泰秀
出版者
群馬県衛生環境研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

かぜをひくことにより、なぜ喘息が悪化するのかを明らかにするため、RSウイルス(RSV)感染させた喘息のモデルマウスを用い、人工呼吸器管理下に気道抵抗、肺胞洗浄液(BALF)及び血液中の炎症性細胞比率と多種類のサイトカイン/ケモカインを網羅的に測定した。対照群に比べて卵白アルブミン(OVA)投与群及びOVA/RSV投与群では、気道抵抗の有意な上昇とBALF中と気道への好酸球浸潤を認めた。BALFでは、OVA/RSV投与群において、他群に比べMIP-1αのみが有意に増加した。一方、血清では、対照群に比べ、OVA投与群でIL-5が、OVA/RSV投与群でIL-17が各々有意に増加した。RSウイルス感染喘息マウスでは、MIP-1α等を介して好酸球性炎症が引き起こされることが示唆された。
著者
中野 美雅 益本 仁雄
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.43-50, 1995-03-30

入学試験の手順を大きく変更することなく,コストも最小限におさえ,処理時間の短縮を図るための入試システムを開発した.市販のデータベースを使用し,必要な項目を作成し,願書より入学願書マスターを作成した.各科目の成績入力,入試成績一覧表を受験番号順,成績順にそれぞれ打ち出し,更に,併願校も判定の資料として打ち出した.合格者が決定した後,合格確認書及び,掲示用の合格者番号も拡大印刷した.これらの作業をパソコン3台,プリンタ2台で行ない,導入前の処理時間の約4分の1に短縮し,入学試験実施当日に合格発表を可能にした.更に.合格し,入学手続きをした生徒のデータは,そのまま学籍簿に使用でき,今後の生徒データ処理の時間短縮の可能性を導いた.
出版者
京都大学数理解析研究所
巻号頁・発行日
1998

全国10大学(北大,東北大,東大,東京教育大,東京工業大,名大,京大,阪大,広大,九大)の数学教室で入手された数理科学関係の非公式出版物の受け入れリストを基に作成された文献情報。文献の主題範囲はPure Mathematics,計算機科学,情報科学など。資料形態はレクチャーノート,プレプリント,テクニカル・レポートおよびそれらのマイクロフィッシュ。収録年代:1872~1998。収録件数:52,507。データはEUC。
著者
山田 武千代 坂下 雅文 窪 誠太 藤枝 重治
出版者
福井大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

スギ抗原で刺激されたヒト好塩基球の培養上清により、気道粘膜由来線維芽細胞からのTSLP産生は有意に増加した。スギ花粉症患者自己IgG(高濃度)、キメラ分子で作用させることにより、ヒト好塩基球による気道粘膜由来線維芽細胞からのTSLP産生を抑制した。気道粘膜由来線維芽細胞にIL-4存在下でヒスタミンを付加するとTSLP産生は有意に増強した。刺激ヒト好塩基球の培養上清による線維芽細胞からのTSLP産生は抗IL-4Ra(CD124)阻止 抗体、抗ヒスタミン(H_1)受容体抗体の処理により有意に減少することを明らかにした。スギ抗原刺激によりヒト好塩基球からのヒスタミン遊離とIL-4とIL-13の産生が有意に増加することを確認した。 スギ花粉症でも好塩基球がIgE依存性アレルギー疾患の責任細胞であり、Th2応答や適応免疫応答である2次抗体産生を制御していると考えられる。好塩基球は、アレルギーなどの抗原特異的な免疫反応で、司令塔として重要な役割を果たしていると考えられる。
著者
湯田 厚司 石永 一 山中 恵一
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

スギ花粉症の次世代治療に期待される舌下免疫療法を本邦で初めて小児例で検討し、安全性と有効性を確認した。同法は小児でも安全に施行でき、成人よりも効果的であった。本研究の遂行で様々な課題もわかり、特に本法が有効であったスギ花粉症例で、合併するヒノキ花粉症に無効な例が半数近く存在した。治療と同時に作用機序解明に免疫学的変化の検討も行った。治療により、誘導性制御性T細胞の増加、治療有効群でスギ花粉特異的IgG4の増加、治療無効群で血清IL-33の増加が確認できた。血清L-31, IL17Aには変化がなかった。
著者
北村 嘉章
出版者
徳島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

スギ花粉症患者において、ヒスタミンH_1受容体拮抗薬による初期療法群は無治療群と比べ、くしゃみ、水様性鼻汁などのアレルギー性鼻炎症状が抑制され、同時にその鼻粘膜のヒスタミンH1受容体遺伝子発現が抑制された。花粉症に対するヒスタミンH_1受容体拮抗薬による初期療法の分子メカニズムとして、鼻粘膜におけるヒスタミンH_1受容体遺伝子発現の亢進を抑制し、効果を発現することが示唆された。
著者
辻 誠一郎
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.8, pp.30-33, 1997-03

名古屋大学タンデトロン加速器質量分析計シンポジウム(平成8年(1996年度)報告 「第2世代タンデトロン加速器質量分析計(加速器年代測定システム)による高精度・高分解能14C年代測定の利用分野・方法の開拓」 Proceedings of Symposium on Researches with a Tandetron Accelerator Mass Spectrometer at Nagoya University in 1996"Studies on New Fields and New Methods of Applications of High-Precision and High-Accuracy Radiocarbon Dating with a Second-Generation Tandetron Accelerator Mass Spectrometer at Nagoya University"日時:1997 (平成9)年3月10日 場所:名古屋大学年代測定資料研究センター古川総合研究資料館講義室
著者
岡崎 純子 石田 清
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

雄性両性異株は希な性表現で雄株と両性花株から構成される性型である。この性型の進化・維持要因として提唱されている雄株の高い繁殖成功についての検証を行った。材料としてマルバアオダモ(モクセイ科)を用い、雄株と両性株の花粉発芽率・花粉管伸長の比較、両性型花粉の混合受粉実験によって結実した種子のDNAマーカーによる父系解析を行った。その結果、雄株花粉由来の種子が多く産出されており、これは雄株の花粉の高い発芽率が関与していることが判明した。これらから雄株は高い繁殖成功を示すことが明らかになった。
著者
公文 富士夫 三宅 康幸 福島 和夫 石田 桂
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

長野市南部の高野層の補足的なボーリング(約3万~10万年前), 熊本市北部に分布する芳野層のボーリング(37m, 24~36万年前), 長野県川上村の川上湖成層のボーリング(38m, 15~25万年前?)を行った. 高野層については,新規に購入した密度計を利用して粒子密度の解明を行うとともに, 2本目のコア試料の解析によって, 有機炭素含有量等の変動の確認をおこなった. また, 芳野層については有機炭素量測定のほかに, 珪藻や花粉分析によるチェックを行い, 分析はほぼ終了している. 川上湖成層のコア試料については現在解析中である. また, 本研究において気候復元の中心となる有機炭素・窒素量の解析にあたって, 異なる堆積盆間の比較や統合を図るために標準化する手法を導入し, 過去16万年間の連続的な気候変動を明らかにすることができた. この結果に芳野層や川上湖成層の資料を繋ぎ合わせることによって, 過去40万年間の日本列島陸域の気候変動を解明する見通しをえた. また, 海洋および汎世界的な気候変動との正確な対応づけを図るために, JAMSTECによる下北沖コア試料の研究にも参画して, 気候資料を統合して古気候を復元するための準備を進めた.