著者
多田 幸生 西本 一志 前川 督雌 間瀬 健二 中津 良平
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.94, pp.1-8, 2000-10-12
被引用文献数
1

本稿では、無線通信機能を持ち、かつ身につけて移動しながら演奏できるような装着型の楽器を提案する。これは、複数の楽器を通信機能を用いて接続することで、場所や相手に囚われない自由なセッションを可能にし、新しい楽器演奏のシチュエーションを生成するものである。また、装着した楽器から自分の音楽の嗜好や気に入ったフレーズを発信する事で、セッション相手を自動的に探すことはもちろん、音楽による自分自身の演出をも行うことができる。さらに、本楽器から発信されるフレーズを蓄積するサーバーを町中に設置し、その町に訪れる人が無意識のうちにその町の音楽を創造することで、その町自体を演出することも可能とする。In this paper, we propose a novel wearable and mobile musical instrument that is equipped with communication facility. This instrument allows people to perform a session anywhere and with anyone. This instrument also can scatter information of the performer's taste of music as well as his/her favorite phrases within the restricetd area around her/him. Thus, this instrument automatically looks for performers with whom s/he can perform a session on street. Additionally, the performer can direct himself/herself with the scattering music like dress. Furthermore, a town can be directed by putting a server that collects phrases scattered by the instruments and scatters the collected phrases at a square. We believe that this instrument creates a new musical culture.
著者
小倉 康晴 清水 雅史 上杉 康夫 難波 隆一郎 中田 和伸 雑賀 良典 芦名 謙介 松井 律夫 末吉 公三 楢林 勇
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.1029-1035, 1994-12-20
被引用文献数
6

ヘリカルCTのデータから気管・気管支系の三次元立体表示を行い,最適な表示条件とその描出能について検討した.対象は気管支鏡およびヘリカルCTが施行された肺病変16例である.使用装置は東芝社製Xforceで,撮像条件はX線ビーム幅5mm,テーブル移動速度5mm/1.5秒,1回転1.5秒で連続20回転スキャンし,2mmピッチで横断像を画像再構成した.得られたデータから三次元表示ソフトウエアCEMAX-VIPstationを用いて気管・気管支を立体表示し,気管支鏡所見と対比検討した.気管・気管支の三次元表示には,CT値の抽出閾値-650HU〜-100HUが最も描出良好であった.また区域気管支まで気管支内腔の観察が可能であり,気管支内の腫瘤は内腔狭窄,壁肥厚として描出された.気管・気管支の三次元表示を観察することにより病変部の全体的な把握が容易となり,また気管支壁の外方からの観察も可能であることから気管支病変の解析により有用であると考えられた.
著者
石塚 勝十志 佐々木 一彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.95, pp.1-8, 1995-06-17

昨今の就職状況は学生にとって非常に厳しいといえる。そのような状況の中で、学生は自分自身にあった企業をより良く選択するためには、明確に自分自身を知る必要があり、その手助けとなるべきものを考案できれば良いと思われる。本研究では、現在、社会で最も広い範囲で使われている心理学の性格テストである「矢田部-ギルフォード性格テスト(以後「Y-G検査」と略す)の結果と、就職の職業適性(特にソフトウエア業種)および就職意思決定とに相関があるかどうかを研究する。また、Y-G検査の結果より就職適性をファジイ推論により推定することを試みた結果、これらには相関があることが判明した。
著者
山崎 松男 井出 明 高木 一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.6, pp.65-72, 2003-01-24

政府は、2003年度中に電子政府の基盤を構築するとのタイムスケジュールで各種政策を進めている。しかしながら、電子政府から置き去りにされるデジタルディバイドの下位層に対してどのような対策をとるべきかという点について、政府は明確な方策を打ち出してはいない。本報告では、コンピューターに対して疎遠な生活を送ってきた一般市民に対して、面接調査を用いたコンピューターアクセシビリティの実験を行った結果を報告する。この調査は、単なるアンケート式の統計調査ではなく、現実に被験者に対して多くの操作を要求しているところに特徴がある。この報告を下敷きにすることで、より効果的なデジタルディバイドへの対応が可能になると考えられる。Aiming at building a base for electronic government by the end of the fiscal year of 2003, Japanese government has been promoting various policies. It has not, however, shown clear policies toward those who are in the low rank layer of Digital Divide. They do not seem to have an easy access to the efficiencies of electronic government. In this study, we interviewed those people in Kumamoto city who do not use computers frequently and investigated their computer accessibility. We observed interviewees' actual handling of computers, which is a distinctive feature of this study. We propose the government can deal with the Digital Divide more efficiently based on this study.
著者
上村 圭介
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.87, pp.167-174, 2003-08-28
被引用文献数
1

国際的な文字コードの開発により、ある言語で使われている文字の一つ一つをコンピューターの内部処理で使用する上での問題は少しずつ解決しつつある。次に目指すべき課題は、言語固有の組版やレイアウトの規則に基づいて、一つ一つの文字を適切に配置するために必要なスタイル指定の開発である。英語、ヨーロッパの言語、日本語の組版のためのスタイル指定の記述枠組みは、国際的な規格としても制定されている。しかし、その規格が、その他の、特にアジアの諸言語に対して適用できるかどうかはこれから検証する必要がある。その結果次第では、アジアの諸言語で用いられている組版要素や特徴の規格への追加が必要となる。本稿では、このような視点から行なわれたアジアのいくつかの言語における組版の現状調査の結果について報告し、多言語組版の標準化への示唆について考察する。An increasing number of languages can have their writing in coded characters as standardisation efforts were carried out at international levels. However, in order for any electronic document to be accepted fully by the user, a speaker of the language, there are other issues to be answered than the coded character.One of these issues is document style specification. Although there has been international initiative towards the standardisation of document style specification, the applicability of the standards must be examined in light of languages other than those that were originally presumed in the standard, particularly to that of languages in Asia.This article introduces the reader to the results of the survey in document style and layout in some Asian langauges, and draws implication to the future standardisation of multilingual document formatting.
著者
堀中 真子 大類 方巳 芳賀 とし 瀬田 斉 久内 徹 渡辺 菜穂美 大塚 幸男 原 美佳子 石田 基雄 島田 忠人 寺野 彰
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 : 日本人間ドック学会誌 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.249-254, 1997-10-30
被引用文献数
1

1991年8月から1992年3月までに人間ドックを受診した286名を対象として,血清H.pylori抗体(IgG抗体)と血清ペプシノゲンを測定して検討した。同抗体の陽性率は,全年齢層では69%であった。同抗体陽性群は,同抗体陰性群に比べて,有意に血清ペプシノゲンII値が高く,有意にペプシノゲンI/II比が低かった。さらに同抗体価が上昇するに従い,ペプシノゲンII値は増加傾向,ペプシノゲンI/II比は減少傾向が認められた。
著者
木下 俊之 高橋 幸雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.82, no.6, pp.701-710, 1999-06-25
被引用文献数
6

計算機システムでは, ジョブは排他使用資源へのアクセス時に衝突が起こる. その典型的な例に, 更新可能なファイル群へのアクセスがある. あるジョブがこのファイル資源を使用している間は, ファイルデータの一致性を保つために他のジョブはこれへのアクセスを禁止され, 資源が解放されるまで待たされる. この資源へのアクセスの衝突は, システムの性能に大きな影響を及ぼす. そしてこの衝突によってシステムの性能が著しく低下するときは, 資源をいくつかに分割してこの性能低下を防止する方法がとられることが多い. 本論文では, この資源へのアクセスの衝突がシステム性能にどう影響するかを解析するための, 一つの待ち行列網モデルを導入する. そしてこのモデルを用いて, 資源がシステム性能に及ぼす影響や, 資源を分割することによるシステム性能の改善効果を解析する一つの評価法を提案する. この待ち行列網モデルは, 通常のセントラルサーバモデルに資源と資源待ち行列を付け加えることによって構成され, その性能指標をマルコフ連鎖の平衡方程式を解くことにより数値的に計算する.