著者
福田 明 椋本 介士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.1, 1996-03-11

従来の簡易低速な流星バースト通信(MBC)システムを、アンテナアレイや可変変調速度技術を用いて高速化した、いわゆる第3世代のMBCシステムの1つとして、筆者らが提案したN×M方式のメッセージ伝送特性を考察する。
著者
長澤 正氏 椋本 介士 福田 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27

データ収集網は流星バースト通信に最も適した応用分野で,はやくから検討され,実用化されている.このようなデータ収集システムには種々の通信手段が提案されているが,それらを解析的に比較する研究はなされていなかった.本稿では,実用的ないくつかのポーリング方式について定量的な解析を行い比較を行った.
著者
陳 春祥 小松 雅治 天野 橘太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.251, pp.7-12, 1996-09-24

流星バースト通信は, 流星が大気圏に突入した時, 生成された細長い電離気体柱(これを流星バーストと呼ぶ)によるVHF電波の反射現象を利用した見通し外通信であり, 運用の簡単さや経済性などの利点を持っている. しかし, 通信路のオンとオフが確率的に変動しているので, 伝送中のパケット誤りと通信路の途絶によるパケットの消滅を制御することが不可欠である. 本稿では, 流星バースト通信システムにおいて誤り制御方式としてGo-Back-N ARQを用いた伝送プロトコルを考える. そして, メッセージの送信過程を通信路の確立, メッセージの送信と通信完了承認の3段階に分けて, メッセージの遅延特性の解析を行なっている. 更に, 解析とシミュレーションに基づいて遅延特性の性能評価を行い, 流星バーストの継続時間, システムのタイムアウト時間, 伝送速度と遅延特性の関係を明らかにする.
著者
加我 宏之 岡田 道一 下村 泰彦 増田 昇
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.759-762, 2002-03-30
被引用文献数
2

震災復興住宅を対象に,団地空間分類毎に入居初期段階での居住者による緑化活動状況を把握し,緑化主体に対するアンケート調査を通じて,緑化活動と関連づけた住環境づくりの課題と方向性を探った。その結果,緑化植物は観賞用植物が多く,屋外空間の修景に対する居住者の関心の高さが伺えた。緑化主体は個人による緑化が多いが,入居初期段階でのグループによる緑化も確認でき,ベランダ下は,個人緑化が主体となり,観賞園や菜園としての緑化が多く,遊園や団地出入口は,グループ緑化の活動場所として選択されやすいことが明らかとなった。緑化活性のために屋外空間をハーフメイドに設えることや資金,材料,技術支援の有効性を示唆した。
著者
水野 千恵 四谷 美和子 北山 英子 山田 克子 荻野 正子 山本 由美 内田 真理子 梶田 武俊 安藤 孝雄 生野 世方子 芥田 暁栄 山下 英代 山野 澄子 川内 由美 奥田 展子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.275-280, 2002-08-20
被引用文献数
2

ガスコンロを用い,ガス加熱の条件設定について検討した。1. 都市ガス13Aはガス圧を1.50kPa,6Cは1.00kPa,プロパンガスは2.00kPaとなるようにガス流量を一定にし,水を被加熱体として3段階の火加減における昇温速度,ガス消費熱量の再現性を検討した。ガスの種類が同じ場合,異なった測定場所においても昇温速度,ガス消費熱量に高い再現性が認められた。2. ガスの種類が異なった場合,ガス圧を微調整することにより,昇温速度,ガス消費熱量に再現性かつ普遍性のある加熱条件を設定することができた。3. 設定した基準にしたがってあずきを加熱した場合,水加熱と同様に,いずれの火加減においても昇温速度の再現性があり,あずきの加熱に伴う煮汁の蒸発量,重量と容積の増加においても再現性が認められた。最後に本研究にあたり,終始ご懇切なご指導とご鞭撻をいただきました同志社女子大学名誉教授故林淳一先生に心から感謝を捧げます。
著者
石川 一憲 石川 明男 加藤 弘昭 大森 俊一
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.17-21, 1993-03-01

ブドウ欧州種の数品種を用い, 果粒の肥大, 発育及び品質に及ぼすフルメット液剤処理の効果を検討した.果粒肥大及び果実重に及ぼすフルメット処理濃度の影響は, 品種で異なっていた.果粒肥大と品質の関係から, 果粒の肥大は良いが, 甘味比の低下がみられた品種は'モヌッカ'及び'リザマット'であった.果粒肥大が良く, 甘味比の低下のみられない品種は'ユニコン', 'マリオ', 'ネヘレスコール'並びに'バラデイ'であった.
著者
沖 裕貴 林 徳治
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.27-34, 1999-03-31
被引用文献数
1

「たまごっち(1)」などの携帯型動物飼育ゲームに強い興味・関心を持つ小学生が,生命や動物飼育に関してどのような意識を抱いているかを,質間紙法によって調査した.その結果,低学年の4割近く,6年生においても約2割の児童が,ゲームの中の動物を「生きている」と認識していることが判明した.また,それらの意識とゲームに対する興味・関心との間には,有意な正の関連性のあることが浮かび上がった.しかし,ゲームに対する興味・関心は,実際の動物飼育に対する興味・関心とも有意な正の関連性があり,実体験への橋渡しになる可能性を示唆している.
著者
伊藤 友美 土田 廣信 小原 章裕 水野 雅史 木村 忠彦
出版者
愛知みずほ大学
雑誌
瀬木学園紀要 (ISSN:18817181)
巻号頁・発行日
no.3, 2009-03-31

`Shibukiri Mizu' (SM) is the supernatant containing astringency components obtained from azuki beans that have boiled in water for 6 min and then allowed to stand. Even though this supernatant is expected to contain many bioactive components, such as polyphenol glycosides, oligosaccharide and saponins, SM is currently disposed as food processing waste. In this atudy, we examined the antioxidative effects of SM. SM showed high antioxidative activity. These results indicate that food processing waste SM may be effectively re-utilized as antioxidative material.
著者
田代 勝文 東口 高志 武田 悠子 冨塚 利枝 藤瀬 暢彰 中村 強 升永 博明 伊藤 彰博
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.2_115-2_125, 2006 (Released:2007-04-26)
参考文献数
27
被引用文献数
6

ペクチンにて固形化した栄養剤について、人工消化液による溶解性を検討するとともに、固形化栄養剤をラットの胃内に強制投与した場合の消化管内での形状変化とその移行、特に臨床上問題視されることが多い胃食道逆流や便性状に及ぼす影響に関して、基礎的研究を行った。溶解試験において、ペクチンを用いた固形化栄養剤は、寒天やゼラチンによる固形化栄養剤に比べ、人工胃液中では形状が維持され、人工腸液中ではゼラチンと同様に速やかに溶解することが認められた。また、ラットに胃内投与した場合、固形化栄養剤は液状栄養剤に比べ、胃内滞留時間を30分間程延長させたが、小腸内への移行後には投与栄養剤の物性の違いによる明らかな差は認められなかった。さらに、固形化栄養剤は液状栄養剤に比べ、口腔内逆流や食道内逆流を有意に抑制するとともに、下痢や軟便の発生頻度を有意に軽減することが認められた。以上の結果から、固形化栄養剤は液状栄養剤に比べ、胃内滞留時間を延長させるものの小腸内移行には影響を与えず、また胃内強制投与に伴って発生する胃食道逆流や下痢をいずれも抑制することが示唆された。
著者
坂上 昇 栗山 裕司 山崎 裕司 大倉 三洋 酒井 寿美 中屋 久長 山本 双一
出版者
高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.13-17, 2003-03-31
被引用文献数
1

本研究の目的は,固定用ベルト付きハンドヘルドダイナモメーター(以下,HHD)を用いた等尺性足背屈筋力の測定方法を考案し,その測定方法による検者間再現性と検者内再現性について検討することである.対象は,健常成人22名(男性11名,女性11名)である.被検者の肢位は背臥位とした.センサーを足背の中足骨部に付属のマジックテープで固定した.そして,センサーが装着された固定用ベルトを,被検者の足底方向に位置し片膝立ち位となった検者の大腿部に巻き付けて固定した.測定は,各下肢に対して2回実施し,最大値を測定値として採用した.検者間再現性を検討するために,検者Aと検者Bの2名の理学療法士が等尺性足背屈筋力の測定を行った。また,検者内再現性を検討するために,検者Aが1回目の測定の数日後に,同一被検者に対して同一の測定を2回目として実施した.等尺性足背屈筋力値は,検者Aが17.25±3.44kg,検者Bが17.35±2.87kgであって,検者間級内相関係数は0.903と極めて良好であった.検者Aによる等尺性足背屈筋力値の1回目の値は17.25±3.44kg,2回目の値は17.84±2.73kgであって,検者内級内相関係数は0.872と良好であった.固定用ベルト付きHHDを用いた我々が考案した足背屈筋力の測定方法は,センサーの固定性が得られ,足背屈程度の筋力であれば高い再現性のもとで測定できることが示唆された.これにより,等尺性足背屈筋力を定量的に測定することができ,症例に対して有用な情報を即時に提供できるものと考える.
著者
小林 享夫
出版者
国立科学博物館
雑誌
国立科学博物館専報 (ISSN:00824755)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.85-"94-5", 1976

屋久島はその多雨と高い山があるという気候的地理的特徴によって植物相の変化にとんでいる。それに伴って植物寄生菌相もまた, 北方系, 南方系の要素が混在し, 地理誌的に興味深い。屋久島からは今まで約60属140種の樹木類寄生菌類が知られるが, 1975年7月の調査において新たに約20属30種を追加できた。これらの全貌については別報(KOBAYASHI, 1976)の予定であるが, ここにはその中から新種と考えられる8種について病徴と形態の記載を行なった。以下その種名とともに, 主に病徴から名づけられた病名を挙げて新病害として登録する。 1. Ascochyta yakushimensis, KOBAYASHI, sp. nov. ホソバタブ白斑病菌 2. Hypoderma insularis KOBAYASHI, sp. nov. ツガ葉ふるい病菌 3. Mycosphaerella cleyerae KOBAYASHI, sp. nov. サカキ円(まる)斑病菌 4. Plagiosphaera quercicola KOBAYASHI, sp. nov. 5. Plagiostigme neolitseae KOBAYASHI, sp. nov. イヌガシ黒点円星(まるほし)病菌 6. Plectosphaera actinodaphneae KOBAYASHI, sp. nov. バリバリノキ褐斑病菌 7. Trematospharia yakushimensis KOBAYASHI, sp. nov. (不完全世代 Hendersonula yakushimensis) カンザブロウノキ黒点病菌) 8. Vestergrenia daphniphylli KOBAYASHI, sp. nov. ヒメユズリハ褐紋病菌
著者
佐藤 保 齊藤 哲 江藤 幸二 加藤 省三
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.105-112, 2005-12-25

宮崎県高岡町の林木遺伝資源保存林内に設置した1.Ohaの試験地において1998年と2001年に毎木調査を行い,その個体群構造と動態の解析を行った。1998年から2001年の3年間における枯死率は,1.54%year^<-1>であり,同時期の新規加入率である1.32% year^<-1>を上回っていた。DBHサイズおよび階層別に枯死率を比較すると,亜高木層に属する小径木(DBH15cm未満)で最も高い値を示した。優占度指数の最も高いイスノキは,安定した個体群構造を示し,今後も本試験地の優占種として維持されるものと考えられた。イスノキに次ぐ優占種であるウラジロガシは,小径木個体(DBH15cm未満)が林冠ギャップを中心に生育しており,その個体群構造は過去の撹乱履歴を反映しているものと推察された。試験地から約18kmほど離れた成熟林分との比較から,欠落(マテバシイ)もしくは優占度の低下(ホソバタブやバリバリノキ)を示す種があり,種組成の面でも過去の撹乱の影響を受けていることが考えられた。生育する各樹種の最大DBHサイズや種構成などから,調査林分は過去に人為撹乱を受けた老齢二次林であると推察された。