著者
林 羊歯代
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
no.46, pp.121-146, 1996-10-20

Nei primi decenni del Quattrocento l'incorniciatura non separava piu con archi e colonnetti il dipinto, in seguito alle innovazioni della pittura che, con l'avvento della prospettiva ad opera del Brunelleschi, esige spazi piu ampi ove poter costruire un'unica scena, e abbandonava lo slancio verticale gotico. Subito dopo il dipinto raggiungeva un formato quadrato o rettangolare. Questo mutamento recava definitivamente l'innovamento stilistico della cornice. Fondamentalmente rimane la concezione di un motivo architettonico che racchiude una scena, ma compaiono trabeazioni classiche sorrette da pilastri scanalati con capitelli corinzi o compositi. Nasce cosi a Firenze negle anni trenta del Quattrocento la cornice a tabernacolo legata all'architettura classica. Le cornici di questo tipo sono menzionate come cornici "all'antica" nei numerosi appunti di Neri di Bicci, pittore fiorentino e il suo manoscritto Ricordanze e uno dei documenti piu conosciuti e importanti nell'ambito delle fonti originali superstiti di storia dell'arte. Quindi sappiamo che le cornici di questo genere vengono considerate un tipo standard, entrato sin dagli anni cinquanta nell'uso comune. Purtroppo ormai non esiste nessuna pala importante con cornice a tabernacolo precedente al 1450. Alcuni studiosi ipotizzano che due tavole fatte negli anni trenta o quaranta siano i primi esempi della pala con cornice a tabernacolo : "Annunciazione"(San Lorenzo, Firenze) di Filippo Lippi e "Madonna col Bambino e santi"(San Marco, Firenze) di Fra Angelico. Tutt'e due le opere furono eseguite per le nuove cappelle che vennero costruite a stile rinascimentale da due rinnovatori del Rinascimento architettonico : Brunelleschi e Michelozzo. Sempre piu spesso gli studiosi mettono l'attenzione sulla stretta unita dipinto-cornice-architettura nelle cappelle rinascimentali. In seguito dovremo affrontare il problema riguardante l'ipotesi che l'architetto avesse dato indicazioni precise o quantomeno direttive sommarie circa la loro sistemazione nelle cappelle. Per quanto riguarda il disegno della cornice a tabernacolo, si possono indicare come suoi prototipi quelle numerose cornici architettoniche contemporanee, ovvero tabernacoli marmorei sui muri, finestre, portali, lavabi ecc.. Anche la cornice a edicola che racchiude rilievi marmorei o in stucco policromo raffiguranti la Madonna col Bambino eseguiti dagli anni venti va identificata come uno dei prototipi. Specialmente e prevalente l'influenza delle opere di Donatello, per esempio il tabernacolo di Parte Guelfa (Orsanmichele) e "Annunciazione" di Cavalcanti (Santa Croce) sul disegno della cornice in legno per pala d'altare. Oggi l'importanza dela cornice a tabernacolo e rilevata da due correnti di studio artistico, cioe lo studio sulla pala d'altare e quello sulla storia della cornice stessa. Sintetizzando i risultati di questi studi, in questo articolo propongo una analisi della situazione artistica e culturale ai tempi della nascita della cornice rinascimentale.
著者
三木 光範 廣安 知之 冨岡 弘志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.289-296, 2005 (Released:2005-04-19)
参考文献数
17
被引用文献数
3 6

We propose a parallel distributed interactive genetic algorithm(PDIGA) as a new design collaboration method. PDIGA uses an IGA and a parallel distributed genetic algorithm, which combines several IGA systems, and it has a scheme that best ones among the design solutions based on the subjective evaluation of each user are shared among users for every generation. A collaboration system using PDIGA is developed to make good design solutions among several people at difference locations. To verify a validity of the PDIGA system, we conducted experiments for comparing IGA and PDIGA. In particular, we examined each user's evaluation to the final design, compared the averages of the individual evaluation value, and examined the similarity of the design solution. These showed that the collaboration system using PDIGA become a consensus building system, and users' design solutions are unified in a group.
著者
奈良 安雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.138, pp.89-92, 2006-06-26

CMOSデバイスの更なる性能向上に対しては、従来のような微細化技術のみでは既に限界に来ており、歪シリコン技術、メタルゲート技術、High-kゲート絶縁膜技術、薄膜ボディSOI、マルチゲート構造などの新しい技術の導入と共にスケーリングを行っておく必要がある。これらの中でもゲート電極とゲート絶縁膜技術(ゲートスタック技術)は今後の微細化CMOSにおける共通の課題であると思われる。本講演では、今後のゲートスタック技術としてHigh-kゲート絶縁膜とメタルゲート電極を取り上げ、最近の開発成果について述べる。
著者
後藤 哲雄 穐澤 崇 渡邊 匡彦 土屋 明子 嶋崎 明香
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.93-103, 2005-11-25
被引用文献数
1 25

ミヤコカブリダニ(ミヤコ)の個体数は, 1990年以降に日本各地で急激に増加し, 関東以西の慣行防除果樹園ではそれまでの優占種であったケナガカブリダニ(ケナガ)と置き換わってきている.一方, 北日本への分布の拡大傾向は小さい.このような種の置換と分布拡大の要因を明らかにする一環として, 本報告ではミヤコの休眠性の有無と2種の耐寒性を報告する.ミヤコは, 短日条件と長日条件の産卵前期間が同じであり, 休眠性はなかった.2種間およびケナガの休眠と非休眠個体間の過冷却点(supercooling point)に有意差はなく, -21.9〜-23.3℃であった.ケナガ・休眠雌は, -5℃で7日以上生存した(>50%)が, ミヤコとケナガ・非休眠雌は5日以内に70〜85%が死亡した.このことからミヤコの北進が遅いのは耐寒性がわずかに弱いことも一因であると考えられた.一方, いずれの種においても生残した雌は20℃長日条件下で2個体を除いて産卵し, 産下卵の大半がふ化した.従って, 低温ストレスは産卵数やふ化率への影響が少なく, ミヤコも冬季の低温条件下で生き残ることができる地域では, 定着が可能であると考えられた.
著者
倉光 修
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.144-151, 1980-06-30

学業テストにおいて,学習者がテスト結果をどの程度検討しているかを調べるために,英語・数学について,高校生202人を対象に質問紙による調査が行われた。結果は,テスト結果の検討が不十分であることを示唆するものであった。 そこで,英語・数学について,高校生のべ294人を対象に,テスト結果の検討をより十分にさせるためのフィードバック方式が工夫され,その効果が実験的に検討された。実験は3部からなり,各実験共,実験群と統制群を形成し,Pre-testとPost-testの差によって,テスト結果の検討の程度が推定された。 実験Iでは,実験群(n=29)に,テスト各問の出題領域が示され,学習者が再学習するべき領域をチェックできるようなチェックリストが与えられて,統制群(n=29)と比較された。結果は,両群に有意差はなかった。 実験IIでは,実験Iの手続に加えて,両群に再テスト(Post-test)が予告された。実験は2校で行われ,A校では実験群(n=40)が,統制群(n=41)よりも,有意に高い成績の伸びを示し,B校(実験群: n=36 統制群: n=38)では,その差は有意な傾向を示した。 実験IIIでは,実験群(n=41)に,学習者自身がテスト範囲や使用教材を指定し,テスト結果のフィードバックにおいて否定的表現が用いられないような個人別小テストが繰り返され,統制群(n=40)と比較された。結果は,実験群が統制群よりも高い成績の伸びを示し,その差は有意な傾向を示した。以上から,テスト結果の検討を促進する要因として,結果の検討を容易にする詳細な情報を与えること,結果の検討が有益であると思わせること,結果の検討に伴なう不快感を軽減することの3点が挙げられ,これらを組み合せることによって,大きな効果が期待できると考えられた。 また,実験II,IIIの実験群と実験IIIの統制群では,Pre-testの成績が悪かった者ほど,高い伸びを示す傾向が顕著に認められた。これは,成績の悪かった者ほど,テスト結果の検討を怠りがちであり,逆に結果の検討をすれば高い伸びが期待しうることを示唆すると考えられた。
著者
上尾 庄次郎 上田 寛一 山本 義公
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
薬学雑誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.86, no.12, pp.1172-1184, 1966-12

The structure of anhydrotaxininol, C_<20>H_<28>O_4,obtained by treatment of taxinine, a constituent of Taxus cuspidata SIEB. et ZUCC., with alcoholic sodium hydroxide, has been briefly reported in a preliminary communication.^<8)> In this paper, details of experimental results and the discussion which led to the assignment of structure III to anhydrotaxininol are presented.
著者
大塚真吾 宮崎収兄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.42, no.8, pp.1-9, 2001-07-15
被引用文献数
2

本論文ではテキストファイルの圧縮と検索について述べる.通常,テキストはハードディスクなどの二次記憶装置に格納されるため,その容量の節約のため何らかの圧縮が施されていることが多い.それら圧縮テキストへの検索は復号処理をともなうため高速化が困難である.一方,検索の高速化にはあらかじめ索引などを用いる方法がある.しかし,索引を用いることにより必要な記憶容量が増加する.我々は索引を用いてテキストファイルを符号化し,そのファイルをさらに他の符号化法で符号化を行うことにより,圧縮率が高く高速な検索が可能となる二段階圧縮法を提案した.本論文では日本語テキストの二段階圧縮法とその有効性について論じる.In this paper, we discuss compression and search of text files. The texts are usually stored in secondary storage, and they are frequently compressed for file size saving. When we search compressed text files, it is usually necessary to decode them before search. Therefore, search is time consuming. On the other hand, we can use indexing for fast search. But indices consume extra amount of secondary storage. We proposed a two stage compression method to improve the performance. It compresses text files using index files and compresses the result again with another algorithm. This paper applies the two stage compression method to Japanese text files and discusses its effectiveness.
著者
永見 健一 松嶋 聡 菊池 豊 中川 郁夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.87, no.5, pp.572-579, 2004-05-01
被引用文献数
4

インターネットやインターネット技術を用いた企業網が多数使われるようになり,ネットワークの信頼性の向上が望まれている.インターネットを提供するISP(Internet Service Provider),企業網等に使われるVPN事業者などは,ユーザヘの提供ネットワークの監視を行うことにより,機器や回線故障などを迅速に検出し,ネットワークの信頼性を向上させている.従来の典型的なネットワーク監視は,SNMPやICMPを用いて,ネットワーク監視端末から機器への到達性を見ている.しかし,ネットワーク内で転送されるユーザのパケットは,機器や回線の故障だけではなく,経路情報の誤りによっても目的地に到達できない.そこで,ネットワーク監視は,機器や回線故障だけではなく,経路情報も監視する必要がある.本論文では,単一組織が管理するAS内部の経路情報であるOSPFに着目し,経路情報監視システムを提案・実装した.この実装を複数のネットワークに接続し,そのネットワークの経路情報の安定度を測定し,経路情報の監視が重要であることが分かった.更に,典型的なネットワーク監視では観測されない経路情報の問題点を検出し,その問題点を解決することで,ネットワークの安定性を向上した例を述べる.
著者
森田 千晶 増永 良文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.172, pp.145-150, 2005-07-07

近年, 古い資料や写真のデジタル化などに伴い, モノクロ画像の自動着色技術の研究がすすめられている.そのひとつとして, 色合いの参考となる画像(ソース画像)を用いてその色合いをモノクロ画像に転送することによってカラリゼーションを行う手法が提案されている.この手法はユーザの作業負担を軽減し自動的なカラリゼーションを実現させるが, そのために必要となる"ユーザの主観にあうソース画像"の用意が困難である.そこで本研究では, この手法を前提とし, "ユーザの主観にあうソース画像"を, 画像検索技術を組み合わせることによってウェブ上から取得してくる方法を考案する.また, 本稿ではこのシステムのための予備実験として, ウェブ画像検索の検索キーワードの選択方法に関する考察をおこなう.
著者
高橋 良輔
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.124, no.6, pp.375-382, 2004 (Released:2004-11-26)
参考文献数
37
被引用文献数
1 3

パーキンソン病は,ドパミンニューロンの選択的変性による進行性の運動障害を主症状とする神経変性疾患である.家族性パーキンソン病の一型である常染色体劣性若年性パーキンソニズム(AR-JP)の病因タンパク質であるParkinは,基質タンパク質を特異的に認識し,プロテアソームによる分解を促進する酵素,ユビキチンリガーゼ(E3)である.このためE3の不活性化により,基質タンパク質が異常蓄積してAR-JP発症に至ると考えられる.その仮説に基づいてParkinの基質タンパク質が探索された結果,現在では約10種類の異なる分子がParkinの基質として報告されている.その中で我々が見出したパエル受容体(Pael-R)は黒質ドパミン細胞に高度に発現する,リガンド不明のGタンパク質共役型受容体である.Pael-Rは折れたたみ(フォールディング)が困難なタンパク質で,新生タンパク質の約50%がフォールディングに失敗し,構造が異常で機能をもたないミスフォールドタンパク質になる.ParkinはE3として構成的にミスフォールド化Pael-Rをユビキチン化し,その分解を促進している.AR-JPではParkinが不活性化されるために分解されなくなったミスフォールド化Pael-Rが小胞体に蓄積し,小胞体ストレスによって細胞死を引き起こすと考えられる.Pael-Rは培養細胞でアポトーシスを起こすだけでなく,ショウジョウバエのニューロンで過剰発現させてもドパミンニューロン選択的細胞死を引き起こすことが示された.一方Parkinノックアウトマウスではドパミンニューロン死は起こらず,既知の基質の蓄積もみられないことから,病因となる基質の特定は困難な状況である.Pael-R蓄積による小胞体ストレスがAR-JPの神経変性をどこまで説明できるのか,最新のデータに基づいて議論する.
著者
生駒 浩隆 五十嵐 健夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.68, pp.35-41, 2007-07-07

タグとファセット分類を用いて手書きメモを管理するシステムを提案する.ファセット分類は階層構造より表現力が高く,効率的なナビゲーションなど多くの利点が認識されているが,ファセット分類の適用方法や編集方法などに関して課題が多く残っている.そこで本研究では,モバイルデバイスを用いて個人が手書きメモを取り,手書きメモを管理するために,タグを用いて独自のファセット構造をボトムアップに構築し,インタラクティブな編集を支援するGUIの提案を行う.In this paper, we explore the possibility of using tags and facets for the management of micro handwritten notes. Faceted classification has mainly been used for the management of shared information on the net. Unlike such shared information, personal information changes frequently and loosely organized. Most importantly, the organization and retrieval are more tightly coupled together and retrieval of information often affects the organization of the information itself. As a test bed to explore this design space, we are developing a system for managing micro handwritten notes.
著者
趙 晋輝 宇野 晋平 久保田 智規 猪股 篤
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.83, no.4, pp.370-378, 2000-04-25
被引用文献数
5

Volterra形非線形適応フィルタは, 一般的な非線形系に適用できる汎用性と, こう配形適応算法の保証される大域収束性などの優れた特徴で知られている.しかしながら, Volterra核が密である場合, 収束が遅く不安定になりやすい, そこで筆者らは, 2次のVolterra形非線形適応フィルタにおいて, Gaussian信号入力に対する誤差曲面形状の重要な性質を理論的に導き出している.本論文では, それらの解析結果を基にして, 白色信号入力と, 有色信号入力に対して, 最適な重み係数ベクトルの修正方向と更新幅を用いた高速収束アルゴリズムを提案し, 計算機シミュレーションによりその効果を実証する.
著者
梶川 嘉延 野村 康雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.1-10, 1999-01-25
被引用文献数
5

本論文では非線形システムの線形ひずみ及び非線形ひずみを同時に除去する非線形逆システムのオンライン設計法を提案する. ここでは, 適応Volterraフィルタを用いて非線形逆システムをオンライン設計する方法を議論する. これまで, 我々は非線形逆システムをオフラインで設計する方法を提案してきたが, これらの 手法では対象としている非線形システムの特性が変化した場合, 非線形ひずみ除去効果が低減するという問題点を有していた. 本論文ではまず, 非線形システムの特性変化が非線形ひずみ除去効果にどのような影響を与えるかについて検討する. 続いて, 提案するオンライン設計システムを示し, その設計原理を3段階に分けて説明する. すなわち, オンライン設計の第1段階として未知非線形システムの線形項(1次Volterra核)を, 第2段階として線形逆フィルタを, 第3段階として未知非線形システムの2次非線形項(2次Volterra核)をそれぞれオンラインで同定及び設計する方法について説明する, 最後にコンピュータシミュレーションにより提案法の有効性を示す.
著者
浅井 哲也 大谷 真弘 米津 宏雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング
巻号頁・発行日
vol.96, no.583, pp.17-24, 1997-03-17

近年の半導体集積回路技術の大幅な進歩により、脳に代表される生体の神経システムをシリコンデバイス上にハードウェアとして実現する試みがなされている。本報告では、近年、神経細胞の膜ダイナミクスを表す古典的神経システムと密接な関係が理論的に示されたLotka-Volterra(LV)型競合神経システムの集積回路化と、その振る舞いについて述べる。またハードウェア化されたLVシステムから、神経細胞やトランジスタのような個々の均一性の無い素子でも、大規模な集団を作ることにより、正確な情報処理が可能であるという一つの証拠を示す。
著者
西尾 達也 梶川 嘉延 野村 康雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.590, pp.41-48, 2000-01-27
被引用文献数
2

本稿では, 我々が提案した周波数領域適応Volterraフィルタの実機における検証を行う.これまで我々は, スピーカーシステムをVolterra級数展開でモデリングする方法として, 適応Volterraフィルタによる同定方法について研究を行ってきた.しかし, これはシステム長が大きい場合に演算量が膨大になるという問題点がある.そこで, 演算量の削減を可能にするOverlap-save法を利用した周波数領域適応Volterraフィルタについて述べる.更に, Volterra標本化定理を導入した同定法について述べ, その演算量について述べる.次に, 実際のスピーカシステムにおける周波数領域適応Volterraフィルタの同定精度の検証を行う.最後に, 同定したVolterra核を用いて2次非線形歪みの除去をオフラインで行い, その除去結果を検証する.
著者
河野 卓郎 横井 博一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.419, pp.75-78, 2005-11-12
被引用文献数
1

ヒトや霊長類は複雑な動作が必要な場合には, まず脳内シミュレーションによって試行錯誤や創意工夫し, 最適な動作を想像する.また同時にその結果を学習することで実空間で最適な動作が可能となる.本研究の目的は, 人間の脳内シミュレーションと学習能力を模倣し, ロボット自身が目的に達する歩行パターンを想像しながら学習をする制御システムを提案し, 二足歩行ロボットに応用させることである.本制御システムは想像するネットワークと学習用ネットワークを用いたシステムで, CPGのパラメータ値をGAで探索することによって, 未知の環境で目的に達する動作を想像し, また同時に想像で得られる歩行パターンと環境情報の関係性を学習用ニューロンネットワークに学習させた.その結果, 想像で得られた歩行パターンが生成され, 本制御システムの有効性が示唆された.