著者
藤田 迪 佐々木 威 河口 信夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.153-157, 2008-07-10
被引用文献数
1

近年,無線LANの急速な普及により,無線LANを用いた位置推定システムの実用性が高まりつつある.地下や屋内での利用が困難なGPSとは異なり,無線LANによる位置推定は,基地局情報のデータベースさえ存在すれば,屋内を含む任意の場所での利用が可能になる.いつでも自分の位置が推定できることにより,位置コンテキストを利用したさまざまな応用が期待できるが,実際には,公共の場所の屋内基地局情報のデータベースは存在しておらず,実用性の確認もなされていない.本研究では,無線LANを用いた屋内での位置推定の実用性の確認を目的として,地下鉄を対象とした位置推定手法を提案する.具体的には,名古屋市営地下鉄の全83駅の無線LAN基地局情報を収集し,これを学習データとした駅・フロア・エリアを推定する手法を提案する.
著者
今井 智大 岡田 崇 中田 潤也 丹 康雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.99-104, 2008-07-10

ホームネットワークの普及のためには、情報家電で構成されるホームネットワークに対してインターネットを通じてリモート管理を行なうサービスが重要である。このようなサービスでは、そのシステムを担う複数の要素がお互いにメッセージ送信を行なうためのインタフェースを定義することが必要となる。このような課題に対し、ホームネットワーク(以下HN)にサービスを提供するバックエンド事業者(以下BE)、管理サービスを仲介するサービスポータル(以下SP)、HN中の情報家電をとりまとめる宅内ゲートウェイ(以下CPE)とサービスを構成する要素を定義し、統一的なアクセスを行なえるようなインタフェースを提案する。提案システムはこれを構成するアーキテクチャの要素を定義した後、各要素のコンポーネントとそれが含む機能を定義した。またこのシステムが担うべき処理がどの程度実行可能かを検討した。
著者
山添 大丈 内海 章 米澤 朋子 安部 伸治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.87-92, 2008-07-10

本稿では,単眼視線推定手法と広視野・高解像度カメラの組み合わせによる多人数視線推定手法を提案する.これまでに多くの視線推定手法が提案されているが,キャリブレーションが必要,計測範囲が狭いなどの問題があり,その適用範囲は実験室内のような限られた空間や特定の被験者に限られていた.提案手法では眼球モデルの自動キャリブレーションが可能で,ユーザはキャリブレーション動作を意識する必要がない。また広視野・高解像度カメラにより,広い範囲でユーザの視線を推定できる.提案手法によって,例えば視線連動型の広告(看板)のように「公共の場」での利用を狙った視線インタラクティブシステムが実現できる。本稿では,「公共の場」での利用を想定した視線インタラクティブシステムの例として,ユーザの見たエリアに関する付加的な情報を,音声とぬいぐるみロボットの動作により提示する,インタラクティブロボット看板システムについて紹介し,その実証実験の様子についても報告する.
著者
相澤 清晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.59-65, 2008-07-10

何らかの電子的な手段で日常生活の有り様,活動をライフログとして取得することで,体験のデジタル化とアーカイブ化の道が開ける.そのようなデジタル体験ログを残すことで,日常生活の中で,今まで何気なく過ごし,見落としたり,忘れたりしてきた情報を活用することが可能になる.本稿では,ライフログに関してその概要を述べるとともに,我々が進めてきた以下の研究に関して,"住"と"食"という身近な視点でのライフログの試みに関して述べる.住のライフログは,ユビキタスホームによるライフログはマルチメディア記録とそのインタラクティブな検索を行う汎用指向のライフログであり,食のライフログは,食事支援という限定した応用を指向している.
著者
岩井 将行 Thepvilojanapong Niwat 石塚 宏紀 中村 陽一 金井 圭介 白石 陽 戸辺 義人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.13-18, 2008-07-10

近年,センサディバイスの小型化により,実世界の環境情報を安価なディバイスで取得できるようになってきている.特に,都市空間におけるヒートアイランド現状や人や車の流れを検知する必要が強まり,短期間で準備を行い,広範囲のエリアで情報を計測する要望が高まりつつある.しかし,センサは広域に分散して配置しなければならず,全てのセンサデータを一極に収集すると爆発的にトラフィックが増大する問題が発生する.我々は,都市空間の通信網でDB間をオーバレイネットワークによって接続し効率よくデータの収集と検索を行うTmuDBを開発した.
著者
広田 裕 川島 英之 梅澤 猛 今井 倫太
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J89-A, no.12, pp.1090-1103, 2006-12-01

本論文は,複数のアプリケーションが共通参照可能なセンサネットワークの設計モ デルとしてセマンティックセンサネットワークを提案する.センサからのデー タは単なる数値の時系列であり,数値のみから意味のある情報を引き出せない. センサと物体の取付け関係のもとで解釈して初めてデータが意味のある単位と なる.セマンティックセンサネットワークは,センサと物体の取付け関係 を管理し,メタデータとセンサデータの対を環境記述の最小単位とする.また, 論理表現に基づく推論規則をもち,物体同士や物体と環境との関係を記述する. 環境記述は時系列データとして蓄えられ,アプリケーションに提供される.特 徴的な点は,物体に関するクラス定義をもち,センサと物体の取付け関係を インスタンスとすることで,物体を中心とした世界モデルをセンサネットワー ク上に構築できることである.実装例として,実世界指向メタデータ管理シス テムMeTを構築した.RFIDタグを用いて物体とセンサの取付け関係を拾得し, クラスからインスタンスの生成を可能にした.更に,アプリケーションとし て知能ロボットとGUIを用意しMeTの動作を検証した.
著者
兪 竹青 那須 康雄 中嶋 新一 水戸部 和久
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密工学会誌 = Journal of the Japan Society of Precision Engineering (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.764-769, 2001-05-05
被引用文献数
1 1

This paper proposes an ultrasonic position measurement system for mobile robot moving in wide-area. The system uses ultrasonic receiver net which consists of many ultrasonic receivers with wide beam (100°) allocated at a constant interval on a ceiling. The ultrasonic receiver net covers all area where mobile robot moves. And two ultrasonic transmitters with wide beam (100°) are placed at rear and front of mobile robot to transmit ultrasonic wave toward ceiling alternately. Some receivers of receiver net can receive the ultrasonic wave, so the distances between transmitters and receivers can be obtained. Three optimal distances are selected to estimate the positions of the transmitters, and the posture of the mobile robot is estimated by the positions of the two transmitters. Theoretical analysis and experimental results show that the estimated position measurement error is φ 62mm and estimated posture error is ±4°. The ultrasonic receiver net can be expanded easily, making possible to measure position of a mobile robot moving in wide-area, especially in bad visible environment.
著者
中島 裕輔 尾島 俊雄
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.65, no.532, pp.109-116, 2000
被引用文献数
2 3

This paper's point is as follows: 1. As a concept for residential system for resources circulation, we propose a "Site-scale circulation" for saving energy and resources in the life and "Wide area-scale circulation" for recycling of building materials and household waste. 2. To put into practice this system, we planned an experimental house which has high endurance, high facility of pulling down, and supply & treat functions in it. 3. The result of the simple estimation of this residential system for resources circulation, quantity of primary input energy is estimated to reduce about 50 percent. In relation to this paper, an experimental house is to be constructed from March, 2000.
著者
齊藤 秀治 力宗 幸男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.529, pp.47-52, 2006-01-13
被引用文献数
1

RSSを利用してオーディオデータ(番組)を配信するサービスとしてポッドキャスティングというものがある.これは番組が更新された時、自動的にインターネットの上から取得することができるサービスである.ただし既存のポッドキャスティング・サービスでは、番組全体を聞かなければどのような内容かを知ることはできない.そこで本研究では、一つの番組をニュース層・音楽層・MC層・テキスト層・広告層等いくつかのレイヤーに分割し、それに対し拡張RSSを利用する新しいシステムを提案する.このシステムでは、ユーザは番組の概要を知ることができ、また、希望するレイヤーのみを組み合わせて番組を聞くことを可能にする.
著者
常田 岳志 宮崎 毅 溝口 勝
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 = Journal of the Japanese Society of Irrigation, Drainage and Reclamation Engineering (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.74, no.7, pp.595-598, 2006-07-01

泥炭地湿原は, 生物多様性維持や世界の気候系に不可欠な水と炭素の貯蔵といった機能を有する貴重な生態系である。一方で温室効果ガスであるメタンの放出源としても泥炭地は注目されている。一見全く異なった観点から捉えられてきた泥炭地であるが, 地下水面下の泥炭土中で生成され, 気泡として存在するメタンが双方の観点から大きく注目されている。それは放出源の視点からは, 気泡の放出が重要なメタン放出経路であること, 湿原保全の観点からは, メタンバブルの存在が泥炭地の水文環境の形成に決定的な役割を演じていること, が証明されつつあるからである。本報では, 泥炭地科学の一つとして, メタンバブルに関する最先端の研究を紹介する。